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第五幕・白き姫の眠り、婦人と猫 No.5 赤の天敵


〖スノーホワイト・静寂の白き塔〗


「あの裏切り者ウサギ‥‥‥じゃなくて、ヘンリーから取り上げた鍵をここに差し込んでと‥‥‥」


ガコンッ!キイィィ!!!


「ワァ~、すごく大きな扉が開きました~」


「一度、面識があれば入れてくれるのね。前なんかこの塔に入るのに、あの裏切り者ウサギを捕まえるのに数日はかかった挙げ句。あんな事をさせられるし‥‥‥」


「あんな事ですか?」


「〖要求〗よ。あの変態姫のね‥‥‥‥あの時は確かね‥‥‥【勇者にお姫様抱っこしてもらいなさい】だったかしら?」


「セツナ様に抱っこしてもらえるですか~?ご褒美ですね~」


「どこがよ?‥‥‥‥私、アイツ‥‥‥あんまり好きじゃないのよ‥‥‥何故かね (ボソッ)」


「好きじゃない?セツナ様がですか?」


「‥‥‥うん。何かね‥‥‥‥アイツも‥‥‥勇者も何か私に壁を作ってるし‥‥‥昔はもっと自然だったんだけど‥‥‥昔、この〖異界〗を出てからかな?‥‥‥それで勇者が半年以上前に行方不明になってからは一層苦手に‥‥‥‥あれ?でも昔はね‥‥‥もっと仲良しだったわ‥‥‥勇者が暇な時はお父様に内緒で色んな所に遊びに連れてってもらってのに‥‥‥‥」


(勇者様~、此方です!!)


(勇者様!!私を守って下さいね)


(勇者様はお強くて本当に頼りになるお方ですね)


(ガリア帝国の王女ではなく、アリス一人を見てくれませんか?勇者様‥‥‥)


(‥‥‥あげます。私と勇者様の関係を‥‥‥だから、これ以上。勇者様から奪わないで下さいっ!!〖女王〗様!!)


「‥‥‥アリス様?」


「‥‥‥あれ?私、何を思い出して?いや、私はアイツが嫌いで‥‥‥昔からの天敵の筈なのよ?‥‥‥それなのに何で涙何か‥‥‥それよりも早く、あの娘に会わなくちゃいけないのに‥‥‥あれ?何だが止まらない?」


(混乱してらっしゃいますね‥‥‥‥‥そうですか。あの〖赤〗は貴女と彼の関係性を奪ったのですか‥‥‥)


「へ?何処から声が?」


「‥‥‥‥この声は‥‥‥オーロラ姫なの?」


(‥‥‥最初は貴女達三人を私が寝ている部屋でマグアイさせて、三人のやり取りを見て楽しもうと思っていましたけど‥‥‥‥止めです。貴女のその悲しい表情を見て取り止める事にしました‥‥‥‥登って来て私を起こして下さい。アリス)


「は?三人でまぐわせる?ちょっと!オーロラ姫。アンタ何を考えて‥‥‥‥てっ!魔力の流れが消えてるし」


「‥‥‥‥あ、あの。アリス様。今の声の方はいったい?魔力の流れって?」


「ん?あぁ、ガリアの皇族は五感と感が普通のガリア人とは違うのよ。それとあの声はね‥‥‥‥魔法世界(アリーナ)に数人しかいない〖臨界突破〗者でこの白き塔の持ち主。オーロラ姫よ‥‥‥」


「オーロラ姫様‥‥ですか?」


「そう。この〖スノーホワイト〗の持ち主よ‥‥‥もうっ!オーロラ姫が変な事言うから涙も引っ込んじゃったわ‥‥‥あの階段から上に登りましょう。ソフィアちゃん」


「あっ!待って下さい~!アリス様~」


カツン‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥‥


コツン‥‥‥コツン‥‥‥コツン‥‥‥


「アリス様。階段が続いていません。行き止まりです~」


「嘘?前に勇者と来た時は色んな部屋があって、着せ替え室では色んな服に着替えさせられたり。ドックさん達と何日も魔法対決をやらされたのに‥‥‥部屋の扉の一つさえ無いなんて」


(幻想な部屋なんて私のその時の気分で幾らでも増やせますよ‥‥‥‥着きましたか。アリス‥‥‥さぁ、扉は目の前に造りました。どうぞお入り下さい。私の眠る白きの部屋へ)


スゥー‥‥‥ガチャッ!


「‥‥‥‥透明な扉が現れましたね」


「相変わらず。人を驚かせるのが好きね‥‥‥この扉を開けて入ったら何をされるのかしらね‥‥‥」


そうして、アリスとソフィアの二人の少女は恐る恐るとオーロラ姫が造り出した部屋へと続く透明な扉へと入った。


そして、一方〖白き街〗では


〖白き街〗


「「「「「「「ヘイホー、ヘイホー、仲間を戻せっ!」」」」」」」


「操られてる」

「トランプ兵士の」

「魔法を」

「解け解け」

「起きろや。起きろっ!」

「赤の〖女王〗と」

「俺達。白き姫との」


「「「「「「「戦争が始まるぞっ!!!!!!!ヘイホー、ヘイホー、起きろや!起きろ!」」」」」」」


バコンッ!ドガンッ!バコンッ!ドガンッ!バコンッ!ドガンッ!


〖白き街〗に降り注がれる。雷の落雷を喰らい、丸焦げになった残骸を七人ドワーフ達は半蘇生の魔道具で仲間達を呼び起こす。


「ギャアッ!」「ウワァ!!「オホッ?!」「アレッ?!」「オリョッ?」「ナニッ?」「ノワッ?」


「「「「「「「ヘイホー、ヘイホー、起きたっ!起きたっ!起きたら準備を整えろー!!今日は楽しい戦争の時、全てを取り戻すーーーー!!!!運命の時!!!!!!!」」」」」」」


「「「「「「了解!了解!皆、起きろやーーー!!!!!取り戻そうよ!!僕らの世界!!!!!」」」」」」


一人。一人。また一人と狂喜に変貌していた者達が正気に戻って行く。


カチッコチッカチッコチッ!!


「素晴らしいですね。〖音楽〗〖色〗〖魔法の奇跡〗を織り混ぜた完全オリジナルな神代魔法アレが〖異世界〗のドワーフの独自の蘇生力ですか。まるで〖星〗の方が以前、教えてくれたミュージカルですね‥‥‥そして、復活するのはこの方達もっ!」


ゴギゴキ!!

ボキボキ!!


〖公爵夫人〗の最悪なイタズラと実験で造られた料理人(コーク)子豚(ピーク)の二人の亡骸が動き出し、分裂し、元の〖スノーホワイト〗の住人達へと変貌し甦る。


「倒そうっ!」「余所者をっ!」「追い出しっ!」「再びっ!」「平和なっ!」「〖不思議の国〗をっ!」


「‥‥‥えぇ、本当に凄いです。こんな甦りし奇跡、閉ざされた〖異界〗だから叶う事‥‥‥外界では不可能な奇跡ですよ。アリーナ様」



〖白き雪原〗


白い雪原に巨大な黒き猫が居る。不気味に笑い。一人の少年を見下す様に不気味に笑う猫が居る。


「イヒヒヒ!!君、〖白き街〗に何をしてくれたんだい?神代魔法(迷)〖怒り狂う猫〗」


「そんなの知るか。ただ、俺は案内してやっただけだ。七人の〖守護者の守り手〗達をな。天雷魔法〖万里の雷魔〗」


バリバリバリバリバリバリ!!!!ドゴオオオンン!!!


黒い影の猫達と幾万もの雷の針がぶつかり合い、激しい音を雪原に撒き散らす。


「七人?‥‥‥‥‥チミイイイィィ!!!!!やってくれたなっ!!!〖女王〗様のっ!僕ちんの兵隊を元に戻してやがるな?!!!何て事を」


「だから。知らないっての‥‥‥俺が知っているのはお前が俺に倒される未来だけだっ!聖魔法〖聖伐の光来〗」


「イヒヒヒヒヒ!!!!お前を殺してこの騒ぎを一刻も早く止めるよっ!神代魔法(迷)〖悪辣な不死議猫〗」


神成 刹那と不気味猫の激しい死闘が続く一方。〖静寂な白き塔〗では。



〖白き姫の部屋〗


「ウワァ~!素敵な部屋ですね~!アリス様。それに部屋の中央に透明な箱とその中に女の子ですか?」


「そう。あれが白き姫〖オーロラ姫〗よ。ソフィアちゃん‥‥‥‥オーロラッ!叩き起こすけど良いのよね?!」


(えぇ、いつでもどうぞ。〖白き街〗の住人達も正気を取り戻していますね‥‥‥〖白き雪原〗はまだやっているのですか?あの手抜きの方は‥‥‥まぁ、起きたら私が行きましょう)


「?何を言ってるのか分からないけど。割るわよ。その眠り箱。エリス直伝の技‥‥‥神気・聖〖亥天〗」


カーンッ!‥‥‥‥ピキッ!パキッ!パキーンッ!


アリス王女の強烈な聖拳により透明な箱が割れ、その中から全裸の白髪の美少女が姿を現した。


「‥‥‥‥フゥー、ありがとうございます。アリス‥‥‥これで私もようやく自由に動けます。では、先ずは〖白き雪原〗での闘いを終らせに行きましょうか‥‥‥」

〖スノーホワイト守護者・オーロラ〗


「はわわわわ!!!全裸です~!」


「ア、アンタッ!何て格好で出てきてるのよ服を来なさいよ。服っ!」


「‥‥‥はい?服?‥‥‥あぁ、これは私の〖静寂な白き塔〗の中では普段の姿なので気にしないで下さい‥‥‥」


「気にするはアホオーロラ姫。何でも良いから、さっさと服を来なさいよっ!変態娘っ!」


「ムカッ!何ですか久しぶりにお会いしたと思ったら、この私を変態娘なんて‥‥‥何でもと言うのなら、貴女達の着ている服を貰います。〖白き服〗に」


「‥‥‥は?何を言って‥‥‥‥キャアアア!!!」


「アリス様っ!服が溶けて‥‥‥‥はわわわわ!!!私もですー!!」


「貴女達の服の魔力を私の服の素材にしました‥‥‥‥どうですか?私の白きワンピースは似合っていますか?裸の変態娘さん達」


「くぅー、こうなるとは思ってたのよ‥‥‥か、返しなさいよ。私達のさが着ていた服」


「は、恥ずかしいです~」


「再びムカッ!‥‥‥‥丁度良いですし、貴女達のそのハレンチな格好をあの方にも見て頂きましょう‥‥‥‥少しお待ちを」シュンッ!シュオオオ!!!


「き、消えちゃいました?!」


「違う。飛んだのよ‥‥‥‥自分を雪に変えてね‥‥‥もう。こんな事になるから皆で来ようって言ったのよ。勇者っ!!」



〖白き雪原〗


「ギヒヒヒ!!良くも僕ちんの‥‥‥顔を‥‥‥」


「お前もしつこいな。いい加減‥‥‥」


(あぁ、見つけました。黄の方)


ヒュオオオ!!スタンッ!


神成と不気味猫の勝負に割っては入るは白き髪と白きワンピースを着た透明感のある少女だった。


「お久し振りですね。黄の方」


「その姿。君は‥‥‥確か」


「イヒヒ?!何だい?いった‥‥‥」


「‥‥‥五月蝿いですね。私は今、久しぶりにお会いした黄の方と再開を噛み締めているのです‥‥‥不快な存在は消えて下さいな‥‥‥‥〖○○○○〗」


「イヒヒヒヒヒ!!何を言ってる?ここからが‥‥‥‥」パッ!


「な?不気味猫が消えた?」


「えぇ、消えてもらいましたね‥‥‥‥元々、あれは悪事を積み重ねた外界の異物です‥‥‥‥私が消せない道理なんてない。そう思いませんか?黄の方」


「(これは‥‥‥‥言葉を間違えれば色々と不味いな。)は、はぁ、そうですね。そう思います‥‥‥オーロラ様‥‥‥‥不気味猫から助けて頂いてありがとうございました。それからオーロラ様と再開できた時に渡そうと思っていたお土産のお菓子の〖純白の玄人〗です。後、こっちがお酒が入ったウイスキーボ○ボ○という大人のお菓子で‥‥‥」


「まぁ?お菓子ですか?‥‥‥嬉しい。お一つ頂いても?」


パクッ!


「アッ!そっちは酒入りの‥‥‥」


「これは!!美味しいですね!!流石、黄の方。アリスとは違い。私を喜ばせるのがお上手ですね。そんな貴方にお礼を差し上げましょうね‥‥‥‥」


「お礼?」


「ヒックッ!ええ、私も楽しめる御礼です‥‥‥行きましょう」シュオオオ!!


「これは魔力霊体化ですか?!」シュオオオ!!!



再び〖白き姫の部屋〗


ヒュオオオ!!!

「ヒック!ウィー‥‥‥‥只今、戻りましたよ。全裸の少女さん達」


「あっ!戻って来たわね!オーロラ!!アンタ、私達の服をいい加減に」


「返して下さい~!恥ずかしいです~!」


「返して下さい?ヒックッ!貴女達はそのままの格好です良いんですよ‥‥‥‥黄の方も着きましたしね‥‥‥」


「黄の方?‥‥誰よ?それにアンタ何か酔っ払ってない?」


「‥‥‥顔が赤いですね~」


ヒュオオオ!!

「お?着いた。此処は〖静寂な白き塔〗の天辺で‥‥‥豪華な部屋に‥‥‥素っ裸のソフィアさんとアリス王女‥‥‥‥何で?」


「セ、セツナ様?!!」


「は?何で勇者が此処に?」


「ヒック‥‥‥‥だからアリスには仕返しと。黄の方にはお菓子の御礼ですよ‥‥‥‥そして、私には今から始まる光景を見ての愉悦を下さい。それが私の力に成りますからね。ヒック‥‥‥‥楽しい楽しいアナタ達のマグアイをこの部屋でどうぞ」


「は?マグアイ、なんですか?それってあれ?何で君達‥‥‥止めろ。何してんだっ!!いきなり密着して来るなっ!」


「ち、違うんです~!セツナ様。か、身体が勝手にですっ!で、でも、こ、これはこれで嬉しいです~!」


「そ、そうよ。私も身体が勝手に動いてサワサワしてるだけよっ!」


「いやいや、サワサワって何だ?つうか、お前。アリスッ!オーロラ様のあの不機嫌な表情。前来た時みたいに暴言でも吐いて怒らせただろう?」


「ち、違うわよ。あの変態娘が私達の服を溶かすから、ついっ!あっ!相変わらず逞しいわね。勇者」


「あっ!本当です。こんなに綺麗な身体なのに‥‥‥興奮します~」


「ついっ!じゃないし。お腹を擦るな‥。顔を擦るな‥‥お、おいっ!本当に止めろ‥‥‥二人共‥‥‥は、放せっ!俺にはエスファールがあぁ!!!ちょっ!何処に手を当ててんだっ!止め、止めろおぉ!!!」


〖白き姫の部屋〗に勇者の悲鳴が木霊し、白き姫が喜ぶ光景‥‥‥‥いや、〖守護者の魔治〗が始まったのだった。


「ヒック‥‥‥本当に美味しいですね。このお菓子‥‥‥貴女達のそのマグアイが半日も続けば私の力も完全に戻りますし‥‥‥決戦といきましょうか。〖ブラックハート〗の偽りの〖女王陛下〗‥‥‥フフフ‥‥‥フフフフフフ‥‥‥‥」


そして、始まるは白き衣装を纏う白き姫と偽りだらけの赤と黒のドレスを纏う借り物の女王の戦争なのである‥‥‥‥



第五幕・白き姫の眠り、婦人と猫


マグアイは‥‥‥‥白き姫の魔力回復の手段の一つです。


マグアイで他者達から漏れ出た魔力残滓を吸収して短時間で力を取り戻す神代の妙技です。


マグアイはただ、触れ合っているだけです。それをオーロラ姫が楽しみながら見ている感じです。

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