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第五幕・白き姫の眠り、婦人と猫 No.4 因縁の不気味猫


〖白き雪原〗


「イヒヒヒ!!!まさか。またまたま会えるとは思ってもなかったよ。少年!!アヒヒヒ!!!」


「相変わらず。五月蝿い奴だな」


「しかも。しかも。ハンプティが使う転移魔法を使ってこんな寒い場所まで来るなんて。頭が可笑しくなったのかい?イヒヒヒヒ!!!」



(移動させてもらうぞ。転移魔法〖天命の誘い〗)


(オヨオ?!!!何とー?!)



「‥‥‥‥お前をこの〖スノーホワイト〗から逃がさず、確実に倒す為だ。お前をこれ以上放っておくと魔法世界(アリーナ)そのものが取り返しがつかない方に時代が進むと判断した」


「オホホホ!!!大袈裟だよ。僕はただの魔力を持ったか弱い猫さ!!だから見逃しておくれ。少年‥‥‥ではでは‥‥‥僕ちんはここら辺で奥さんの元に戻‥‥‥」コツンッ!


不気味猫が見えない壁の様な物に頭をぶつけた。


「んー?これは何かな?少年?!!」


「無理だぞ‥‥‥どんな〖魔〗でも通り抜けられない。聖魔法の結界を張った。出たかったら俺を殺さないとな。不気味猫」


「‥‥‥‥へー、だから。あのアリスの娘と新しい恋人ちゃんを先に白雪ちゃんが入る〖白き塔〗に避難させたのかい?彼女達が近くに入ると。僕ちんがその子達を人質にでもすると思ってこの場所には同行させなかったのかい?」


「お前はあらゆる事にズル賢く、狡猾で、被害を出るのを楽しむだろう。以前、迷い込んだ時も、アリス王女を散々迷わせていたよな」


「イヒヒヒヒ!!あれは楽しかったね。少年。まぁ、最後には君にきついお仕置きをされて、ずっと眠る事になっちゃったんだけだねぇ~」


「‥‥‥今回は永眠させてやるよ。スリアの猫」


「‥‥‥僕ちん。その名前で呼ばれるとイライラするから止めてくれるかな?少年!!!!!!!神代魔法(迷)〖残忍な誘い猫〗」


「‥‥‥‥これは今まで見てきた神代魔法とは明らかに違う。やっぱり。あの不気味猫は‥‥‥‥スリアの魔神の生き残りなのか?」


白き世界〖スノーホワイト〗に突然異変が生じる。不気味な黒色の手が生え始め、白き地面から、雪原近くの森から、曇りかかった空から、黒い何かが造られる。


「イヒヒヒヒ!!!ビックリした。本当に出られないねぇ!!凄い器と思っていたけど。これ程の使い手に成長してるとは思ってもみなかったよ。少年んん!!」


「‥‥‥‥〖器〗?」


「そうそう。僕ちんはねぇぇ!!君と最初に会った時、ビビッときたんだよ。君のその身体‥‥‥‥僕ちんが入る為の器として最高の存在だってねえ!!イヒヒヒヒヒ!!!」


「俺がお前が入る為の器だと?不気味猫」


「イヒヒヒ!!!そうよ。そうよ。チミは〖女王〗様に対価として黒い衣装をあげちゃって弱くなったみたいだけど。それ意外にも沢山出きるんだよねぇ。良いな。良いな。羨ましいねぇ!!アヒヒヒ!!そんなお顔をしていれば、さぞかし持てるんだろう。欲しいねぇ。欲しいねぇ。君の身体は僕ちんがいただくヨーン!!イヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」


「‥‥‥‥お前は‥‥‥いや、お前らは‥‥‥やっぱり神代時代に滅ぼされ尽くされた。上位魔神種の生き残りか」


「イヒヒヒヒヒ!!やっと気づいたかい?デモテモもう遅いよ。黒い衣装も無いチミ、何て〖異界〗でずっと過ごして力を貯めていた僕ちんの敵じゃないよおおぉ!!!イヒヒヒヒヒ!!!〖貪る不気味猫〗」


不気味猫はそう叫ぶと。巨大な大口を開けて気持ち悪い笑みを浮かべながら、俺への元へと走って来た。


「相変わらず。勝ちを確信すると単純な動きになるな。お前は‥‥‥‥そんなんだから以前の様に俺とアリス王女に出し抜かれるだよ。何の考えも無しに俺がお前を此処へと転移させると思うか?不気味猫‥‥‥‥天雷魔法〖時雷針の縫い〗」


〖白き雪原〗全体に撒かれた数万本にも及ぶ天雷の針が一斉に不気味猫の魔力に反応し動く。そしてその数万本の天雷の針の全てが不気味猫の身体全体に突き刺さった。


「イヒヒヒヒヒ!!!‥‥‥アヒ?何だい?これ?何だい?この全身からの焼き焦げる様な痛みは?‥‥‥アヒヒヒ!!!?ギャアアアアアアアアアアアア?!!!!!!!!」


「お前達が住む街に入る前に、この〖白き雪原〗にはお前を嵌める為のあらゆる仕掛けを造らせてもらった‥‥‥‥〖ブラックハート〗で女王との闘いも控えているんだ。あまり体力の消耗はしたくないんだ。それにお前は卑怯猫。仮に真っ正面でやっても何かしら卑怯な行動をするのは分かっていたからな」


「イヒヒヒヒヒ!!!‥‥‥‥このズル賢い卑怯少年ガアアアア!!!!!!!!ギャアアアアアアアア!!!!!!!!」


「卑怯猫に卑怯者呼ばわりされたくないね。これまでは俺を散々、嵌めてきたんだ‥‥‥‥やり返される時がきたんだよ。不気味猫」


「ギヒヒヒ!!違うね。違うね。僕ちんはまだまだ暗躍するし、これからが本番さ。本気なんてまだまだ全然出していないんだよ。少年!!〖快楽の猫〗」


「‥‥‥‥良くもこれまで散々邪魔してくれたなっ!やり返してやるよっ!不気味猫。天雷魔法〖貫通雷針〗」


雷を帯びた針が不気味猫の内部へと侵入していく。


「ギイヤアアアアアアアアア?!!!!!!!!僕ちんの身体が。イヒヒヒヒヒ!!!内側から喰われていくよぉぉぉ!!!イヒヒヒヒヒ!!!!!アヒヒヒ!!!」


不気味猫はそう叫ぶと、狂喜しながら身体をひねくらせ始めた。


「喜びながら攻撃を普通受けるか?」


「イヒヒヒ!!痛い、痛いけど。攻撃するよー、神代魔法(迷)〖猫の獲物食い〗」


不気味猫の身体が紐のような細い状態に成っていき、雷針が地面へと落ちていく。そして、空中には大量の不気味猫の顔がいきなり現れ、俺を見ながらニヤニヤしている。


「イヒヒヒ!!じっくり。じっくり。追い詰めてあげるよー、少年」


「相変わらず。自分身体を自由自在な形出きるのか‥‥‥なら。天雷魔法〖雪雷(せつらい)〗」


攻撃の対象は俺が造り出した魔法結界内、全てに天雷の雷撃の嵐を叩き込んだ。


「何だい?何だい?この神話の力も少し含んだ雷は?こんなものを喰らったら、僕ちんは心も身体も可笑しくな‥‥‥るううううう。ギャアアアアア!!!」


「〖神気〗と〖神秘〗を混ぜ合わせた雷撃だ。最後まで神殺しと雷の神聖の力の雷撃を全部受け取って、終ってくれ‥‥‥‥」


「‥‥‥‥少年‥‥‥‥お前?!!僕ちんを本気手消す気かあぁぁ?!僕ちんはまだまだ悪巧みをしていつかはあの〖女王〗達のドレスを奪い、この世の頂点になるんだよおおお!!神代魔法(迷)〖狂乱の不気味猫〗」


「流石に神代で消えなかった上位魔神。強いな‥‥‥‥時が来るまでもう暫く闘ってやるよ。不気味猫」


そうして俺と不気味猫は半刻程の死闘を演じていたが、最終的にはとある人物の介入により勝負が決する事になる‥‥‥‥



◇◇◇◇◇


〖静寂の白き塔〗


「着いたわね‥‥‥‥まさかまたあの人に会うはめになるなんて思わなかったわ。ハァー、何をされるのかしらね」


「‥‥‥‥此処にこの地の〖守護者〗様がいらっしゃるんですか~?アリス様」


「‥‥‥‥うん。居るわ。ソフィアちゃん。確かに居るわね‥‥‥‥この〖異界〗でもっとも強くて、変態の〖守護者〗様がね」

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