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第四幕・二人の騎士と二人の兄妹 No.1 あらゆる二組


〖不死議の國・シュガーグリーン〗


此処はお菓子の森だ。花達が歌い、小魔獣が喋り、住人達の家は美味しいお菓子で建てられる。可笑しな場所‥‥‥‥二人の〖守護者〗が治める可笑しな森。


(にい)様。ヘンゼ兄様。二組で戦ってます」


「そうだね。僕の可愛い妹のグレーテ。この戦いどちらが勝つと思うかな?」


「うーん‥‥‥‥鎧を着ている方が勝つかもしれません。でもでも、あの可笑しなご兄弟はとても変な行動をしますので、まだどちらが勝つか分かりません」


「そうかい。それが君の判断なんだね。グレーテ‥‥‥‥僕は外界から来た方達が勝つ事を祈るよ」


「祈るですか?それは私達の為?」


「いや、〖シュガーグリーン〗の皆を元の姿に戻す為だよ。グレーテ‥‥‥‥この〖異界〗の将来の為だよ」



◇◇◇◇◇


〖騒がしい花園〗


「ケンカよ。ケンカかっ!」「可笑しな奴等が騒いでる」「僕らの合唱の邪魔をするなよ」「出ていけ。出ていけっ!邪魔者達!」「太っちょ二人も暴れてるよっ!」



「アクスレナルさん。草木が言葉を話しています」


「姫騎士様。此処はガリア帝国が長年欲してきた〖異界・不思議の国〗です。何が起こったとしても可笑しくありませんよ。それよりもそろそろ彼等に追い付かれますので、備えて下さい。ガリア機術〖魔道の義手〗」


「は、はいっ!分かりました。ガリア秘術〖シャルロの眼〗」


「おいっ!」「おいっ!」

「逃げるな」「逃げるな」

「「追わせるな。疲れるんだから!!神代魔法(赤黄)〖〖転がる二色男達〗〗」」


「‥‥‥‥来ます。アクスレナルさんっ!左から同時攻撃ですっ!」


「了解です。姫騎士様」


ガリア帝国の皇族は通常のアテナの民‥‥‥‥よりも優れた能力を有している。ガリア皇族は遥か神代時代に一度だけ七聖―女神―アテナ神の誤った判断により〖逸脱者〗の資格を与えられ。その力を駆使し、現在の大国ガリアの礎を作りあげたと伝承には記されている。


〖逸脱者〗の資格を有する者の子孫は〖視覚〗〖嗅覚〗〖聴覚〗〖触覚〗〖味覚〗〖第六感〗等の身体の何れかを異常に発達させ、特殊な才能として開花させると言われている。


そんな〖逸脱者〗の資格の力も幾年もの親子の代を重ねる毎に血が薄まり、開花する能力も劣化し、何れは〖逸脱者〗の資格も消滅されるというのが、ガリア帝国の軍部研究部門の継承研究により導き出された研究結果となっている。


そんな研究結果によりガリア皇帝を始めとした皇族は〖逸脱者〗の資格の弱体化を恐れた様で、〖洗礼者〗〖召喚者〗等の資格を有するガリア帝国の勇者をガリア帝国の王女達と婚約させ、〖逸脱者〗とは違う資格をガリア皇族の血に加えようと画策したが、その〖資格〗持ちの勇者が半年以上前に忽然と行方不明になった事で皇族達の企みも叶うことは無くなってしまった。


だが、そのお陰で勇者一人に皇帝の王女達を結婚させる事が無くなった事によって、皇族派閥や上位貴族達が喜んだ事は間違いないだろう。


‥‥‥‥そう。これが(わたくし)がガリア皇帝陛下あるお父様の書斎で発見した日記の内容でした。


もし〖人魔大戦〗を終わらせたあのお方が行方不明にならなければ。今頃、私は花嫁衣装を着てあのお方の隣で幸せそうに笑っていたのかもしれませんね‥‥‥‥でも、私はもう六騎士(シス・シュバリエ)の一人〖姫騎士・セレナ〗‥‥‥‥今は三列大戦の敗戦により大幅に落ちてしまった国力を回復させる為に、この〖不思議の国〗を国土に加える為に動かなければなりません。


「あの方達の動きを止めます。ガリア徒手術〖天端(てんぱ)〗」


「助かりますっ!姫騎士様っ!〖疑似の湾消〗」


「おおっ!」「おおっ!」

「これは」「これは」

「押し負ける」「負けちゃうな」

「「ぐわあああ!!!!」」


ボインッ!


「か、体がは、弾んだ?」


「‥‥‥‥全く。可笑しな二人組だ。幾ら攻撃しようと効いている様子がないなんて、これでは戦いにすらなっていない」


ボインッ!ボヨヨンッ!

「そうだ」「そうさ」

「俺達」「僕達」

「無敵で」「可笑しな」

「「トゥイードルダムとトゥイードルディー」」

「「兄弟だっ!」」


「アクスレナルさん‥‥‥‥どうしますか?」


「‥‥‥‥応戦を続けましょう。姫騎士様‥‥‥‥私達には現在、拠点も味方もいない孤立状態です。ですので一刻も早く彼等を倒し、この怪しい森を去らねばならないです‥‥‥‥ですので〖騎士(シュバリエ)〗の力の一部を解放し、一気に勝負をかけるとしましょう」


「ま、待って下さい。〖騎士(シュバリエ)〗の力を此処でですか?で、ですが〖騎士(シュバリエ)解放〗は禁じ手‥‥‥‥〖六騎士(シス・シュバリエ)〗の最後の手段の筈ですよ。それをこんな直ぐに使うなんて‥‥‥」


「‥‥‥それ程の相手だという事ですよ。この可笑しな二人組はね」


ポヨンッ!ボヨヨンッ!


「そう」「そう」

「お前達の」「君達の」

「「その絶望的な表情を見るのが堪らなく好きなんだよ」」

「僕達」「俺達」

「「はなっ!ゲラゲラゲラゲラ!!」」


「下品な笑い方」


「‥‥‥同感します」


私達のそんな様子を森の茂みから見ていた方達が突然、現れました。


(たくっ!見てられないな)


(あっ!ちょっと待って下さいっ!兄様)


「影に攻撃するんだ。騎士の二人組。その兄弟の本体は影だよ。その影に全ての悪意が入っているんだ」


「少年?」


「‥‥‥怪我をしていますね」


ポヨンッ!ボヨヨンッ!

「「お前らはお菓子な家の可笑しな兄妹?!何で此処に?」」


「黙りなよ。君達‥‥‥可笑しのは君達二人組だろう」


「えぇ、間違いないです。兄様‥‥‥」




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