第三幕・邪魔唄鳥と人魚様 No.2 発展途上の猫娘
「グエェエ!!!てめえ等‥‥‥‥余所者の分際で言いたい事を言いやがってようっ!殺されても文句は言えねえよなぁ?!おいっ!」
「五月蝿いニャア!!不細工鳥。か弱き乙女を傷付けるニャツはわっちが許さないのニャア!!」
その鳥の見た目は随分と独特だった。全体の大きさは七~八メートルを優に越え。色艶やかな黒色の羽根、丸々と太った胴体、オレンジ色の嘴で邪悪な笑みを浮かべる不気味な姿をしていた。
「邪魔唄鳥様が荒ぶってらっしゃいます‥‥‥‥恐ろしい事が起きてしますわ」
「随分と気性が荒い鳥だね‥‥‥‥それに彼の中には何か悪い者が居るみたいだね」
「‥‥‥‥だから逆らいたくなかったのです。誰も歌わない。喋らない。琴、意外の楽器を演奏しなければ平和な〖ブルーミーティア〗であれたのです」
「‥‥‥‥神代を代表する奇跡の人魚姫〖アリエル・◯◯◯◯〗ともある子がそんな弱気な事を言わないでくれるかな?‥‥‥‥‥それにね。君の言う〖ブルーミーティア〗の平和とやらは本当の平和とは言わないんだよ。恐怖で支配する世界なんて、私もセシリアも認める分けないんだからね」
「‥‥‥‥そんな昔の事なんて忘れてしまいましたわ‥‥‥‥貴女達はまだ来たばかりで知らないのです‥‥‥あの邪魔唄鳥が仕える〖女王〗の恐ろしさをまだ味わっていないからそんな事が言えるんです」
「恐ろしさね‥‥‥‥‥魔神種の残滓が‥‥‥‥‥まだ存在しているとは思ってもみなかったね。オーディン、ブレインズ‥‥‥‥」
「グエェエ!!!俺を不機嫌にさせた責任を取りやがれやっ!神代魔法(青)〖黒海の騒ぎ鳥〗」
邪魔唄鳥の口が大きく開き、その中から黒色の小さな鳥の群れが現れ。セシリアへと狙いを定め、大群と成り飛び出して行く。
「ニャア‥‥‥‥ニャンかセルビアで闘ったヘンテコ魔神の攻撃に少し似てるニャア‥‥‥‥まぁ、そんニャ事より闘おうかニャア。ルドルフ爺に必死で土下座して造ってもらった新しいわっち専用のの武器を見せてヤルニャヨ!!魔道武器〖猫甲武袋〗‥‥‥‥〖太刀風〗」
セシリアは首飾り型の収納魔道具から、白色と緑色の二色で彩られた闘拳用の拳手袋を取り出し、身に付けた。そして、勢い良く向かって来る黒鳥の群れに向かって両手を振り下ろした。
「喰らえニャア!!マーリン直伝の現代風属性魔法ニャア!!〖残魔の風爪〗‥‥‥細切れになるニャア!!」
セシリアが風魔法で放った風圧が鋭利な刃となり、黒鳥の群れをいとも簡単に切り裂く。
「グエェエ!!俺の息子共を引き裂きやがった?!!許せねぇ!!許さねえぞ!!猫娘!!神代魔法(青)〖邪魔な鳥の囀り〗。俺の唄で昇天して逝け!!猫娘!!」
「オニャエは馬鹿かニャア?アホ鳥。わっちの攻撃はまだ終わってニャイゾ‥‥‥‥弾けるニャア!!〖残魔〗の風っ!!」
シュルシュル‥‥‥‥スパンッ!!
黒鳥の群れを切り裂いた風が内側に秘められていたセシリアの〖神気〗により、邪魔唄鳥の身体の近くで破裂した。
「グ、グエェエ!!!!俺の右足に傷があぁあ!!は、腹にも?てめえの!!なんて事しやがるっ!!」
「‥‥‥‥邪魔唄鳥様の身体に傷がっ?!」
「うんうん。良い感じに風魔法の才能を伸ばしているみたいだね。セシリアは‥‥‥‥相変わらず。〖神殺しの力〗とやらは意味が分からないけど。凄まじい威力の様だね。これならあの間抜け鳥との闘いもすぐ終わりそうにかな?」
「グエェエ!!神代魔法(青)〖岸無き海辺な鳥の囀りを〗」
「風魔法+〖神気・風〗・〖神風の自由園〗‥‥‥‥たたみかけてヤルニャヨ!!」
邪魔唄鳥の数多ある羽根が海辺を舞う。
舞うが‥‥‥‥その羽根はセシリアに突き刺さる前に、突如として起きた突風により浜辺へと突き刺さった‥‥‥‥