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第三幕・邪魔唄鳥と人魚様 No.1 海無き岸


〖ブルーミーティア〗


ポロロン♪ポロロン♪


悲しみ音色が水無き海に哀しく響き渡る‥‥‥‥‥。


「いやー、しかし、参ったね。まさか禁則地〖不思議の森〗の更に深い、〖不思議の国〗に来てしまうなんてね‥‥‥‥これは本当に参ったね」


「ニャア?そんなにヤベエ場所なのかニャア?マーリン」


「‥‥‥‥‥ヤベエってレベルじゃないよ。セシリア‥‥‥‥此処は現代種族が介入も、入国もしちゃいけない場所だもの。〖異界禁則値(デストピア)〗で言えば終局(フィニス)級の場所なんだよ」


「そう。だから私達も外界との不用意な接触は虚力避けてきました‥‥‥ですが極たまに外界から迷い人が来た場合は、然る開く時の為にとある村で保護しているんですわ‥‥‥」


「村ニャア?こんな景色がメチャクチャな場所に村ニャンてあるのかニャア?」


「‥‥‥‥えぇ、それと本当に此処から帰りたいと言うならば、〖ブラックハート〗に入る侵略の〖女王〗と交渉して、自分が一番大切に思う何かを差し出して帰る事ができますわ。過去には、あの〖女王〗相手に確りと一番大切な物を渡して帰られた方も過去に何名かいらっしゃいますわ」


「ねぇ、アリエル‥‥‥‥‥その一番大切な物が自分の命だったとしらたどうなるんだい?」


「良い質問ですわね。神話からの魔女様‥‥‥‥その場合は意志は〖女王〗の物になり。中身を失った外皮は新たな魔を与えられて、外界へと旅立ちますわ」


「‥‥‥‥‥一番聞きたくなかった質問の答えだね。セシリア。知っているかい?」


「何がニャア?」


「近年のアテナ地方ではね、時たま行方不明者が出るんだ。そして数年後自力で帰って来たと思えば、行方不明になる前とは別人の様に狂暴になって帰って来るという事例が何件かあるんだよ」


「ニャア?‥‥‥‥それとこの陰鬱人魚の話とどう関係があるのニャ‥‥‥‥ニャッ!」


「‥‥‥‥私が陰鬱人魚?」


「そう。アリエルが話してくれた〖女王〗に払う為の一番の大切な何か。君や愛弟子の様な頭のイカれた力の方が命より大切な子なら問題無いだろうけど。普通の子は自分の命が一番大切な筈だと思わないかい?」


「‥‥‥‥ちょっと待つニャア!ニャンでわっちがあの腐れ外道のイカれたセツニャと一緒の存在の様に聞こえたのは気のせいかなニャア?」


「いや、気のせいじゃないよ。事実だよ。セシリア」


「何でニャア?!アホマーリン」


「いや、君とかなりずっと一緒にいると気づかされるんだよ。君は愛弟子に毒されて過ぎて、強さよ求める獣と化している事にね‥‥‥‥そんな子があの修行お馬鹿と同類じゃないって言うのは無理な話だよ」


「‥‥‥‥‥嫌だニャア。わっちはただ純粋に強さを求める美しき至高の猫娘ニャア!!!」


ポロロン♪ポロロン♪


「盛り上がっているところごめんなさい。そんなに音を出すと気づかれますわ‥‥‥」


「気づかれる?誰にだい?‥‥‥‥いや、そもそも。何で。アリエルはそんなに怯えた表情をしているんだい?」


「‥‥‥‥それはあの唄鳥が来るからですわ‥‥‥‥この音色もあの方が好きな音色だから‥‥‥ずっと奏で入るだけです‥‥‥‥ずっとずっとずっと‥‥‥手傷ができてもずっと奏で入るだけ‥‥‥そうすればあの方は〖ブルーミーティア〗の民を傷付けない」


ポロロン♪ポロロン♪


彼女はそう告げながら奏でる。悲しい音色を怖がりながら、周囲の気配を探りながら、あの唄鳥がいつ現れるか怯えながら、ひたすら堪え忍び。悲しいみの音色を奏で続ける。


「‥‥‥‥‥陰鬱人魚‥‥‥‥オニャエ‥‥‥その手‥‥‥良く見たら傷だらけじゃニャイかよっ!!」


「‥‥‥‥‥セルビアといい。テレシアといい。この〖不思議の国〗といい‥‥‥‥どうしてこんな女の子が苦しい表情をしながら、生きているんだろうね‥‥‥‥全く。此処にアホ弟子が居たら、この子をコロッと救って惚れさせていただろうね」


「ニャー、わっちもそんな気がするニャア。セツニャはか弱い女の子が大好きだからニャア」


「‥‥‥‥だからセシリアには一切手出ししなかったんだね。か弱い女の子では無いと認識して」


「ニャー、わっちは無敵ニャア!!!!」


「‥‥‥‥あ、あの、本当に騒ぎ過ぎるとあの方が来てしまいます‥‥‥‥次の〖ブルーミーティア〗の守護者様が‥‥‥‥」


「ん?あぁ、大丈夫。大丈夫‥‥‥来てもらう為に騒いでいるんだからね」


「そうニャア!!」


「‥‥‥‥はい?ちょっと待って下さい、それでは私があの方にお仕置きを」


「クエクエクエ!!!!おいおいっ!!五月蝿いぞっ!鳥の餌の人魚姫。五月蝿いぞ!五月蝿いぞ!出して良いのはてめえの琴の音色だけだろうがよう?」


人魚〖アリエル〗がそう言いかけた時だった。荒い口調が何処からともなく聴こえた。そして、水が無い筈の海より一隻の船が、勢い良くアリエル達へと突っ込んで来た。


ズサアアアンン!!!!


「騒いでんなら〖守護者〗交代だなぁ!悲哀の人魚姫!!!クエクエクエ!!!寄越しな。寄越しなっ!てめえの証をよう!!!」


「来たね‥‥‥私が行くかい?セシリア」


「‥‥‥‥ウニャア。わっちがヤルニャヨ‥‥‥‥マーリン。この五月蝿い鳥はわっちが黙らすニャア」


「‥‥‥唄鳥様。違うですわ。私はただ、この方達にご説明をしていただけで‥‥‥許し下さい‥‥‥‥(ついば)みだけは止めて下さい‥‥‥‥」


人魚〖アリエル〗は震えながら懇願し始めた。


「‥‥‥‥そうかい。なら、やるなら徹底的に懲らしめあげなよ。アリエルの為にもね」


「了解したニャア!!マーリン!!オアシスでの修行のせいか試させてもらうニャア!!クソ鳥!!!」


「何だ?てめえ等?!他所もんか?殺すぞっ!!クエクエクエ!!」




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