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イキハヨイヨイカエリハコワイ


〖ロウトルの転移迷宮・剣技大陸(アルトネ)の部屋〗


「神話以前までは転移魔法を使って七大大陸の全てに転移できたと言われているんだ。だけどそれを良しと思わなかった方の力で転移魔法の技術は衰退し、〖天上の理〗による契約により、―女神―アテナ神以外は〖権能〗として扱えなくなった」


「何じゃ?それがロウトルの転移迷宮と関係してくるのか?セツナ」


「あぁ、〖天上の理〗の契約が始まる前に『始祖・神集九煌(しんしゅうきゅうこう)』の神々は協力しあい、各大陸の主要な場所に転移魔法陣を造り隠した‥‥‥‥このロウトルの転移迷宮もその一つだ。多分、他の大陸の遺跡か何かを調べれば同じ様な場所が見つかるかもな。まぁ、〖転移〗の権能を授かっている眷属と一緒に入るか、その眷属から転移の権利を借りないと飛ぶことすらできないからな」


「何?それ?君がいないと行きたい場所に転移すらできないの?何か不公平じゃないかしら?」


レイカさんがジト目で俺に言ってきた。

この娘怖いんだよな。可愛いけどさぁ。なんか‥‥‥‥魔力とか神気とか頼らない素の力がやばいんだよ。その細っこい腕の何処にあんな化物みたいな腕力が備わってんだ?


「‥‥‥‥良いわね。神成君は、転移魔法を自由に使えて。羨ましいわ」


「転移魔法は便利ですからね。地上の世界に転移魔法陣を発展させてく無かったのでしょな。天上の皆様は、だから〖転移の権能〗を与えられる方も―女神―アテナ神の眷属のみにしたのでしょうな。それもかなり厳しい契約を付けて‥‥‥‥そうですな?神成氏」


エドワードがそう言って俺の顔を見てきた。


「あぁ、そうだな‥‥‥‥この魔法世界(アリーナ)の魔力で悪さを働かず。転移魔法を使い魔法世界(アリーナ)の秩序を正す為にちゃんと使える者で転移魔法は与えられない。それに俺は本当はこの世界の出身じゃないからな。こっちでのいざこざがある程度、解決すれば元に居た世界に帰り、二年後には普通の高校生をやる予定だ」


「別の世界?‥‥‥魔法世界(アリーナ)以外に別の異世界が存在するの?私、初耳なんだけど?」


「‥‥‥‥俺もだ。レイカ姫‥‥‥だからか。神成にはこの世界の生物とは違う雰囲気が見え隠れするのは‥‥‥納得した」


「僕は少し、神成氏から聞かされていたので驚きませんがね」


「別世界‥‥‥‥〖異界〗と呼ばれる場所とは違うのでしょうか?」


俺の話を聞いた剣技大陸(アルトネ)組の四人が各々、感想を述べているが、俺は気にせず勝手に話を進める事にした。


「まぁ、それに目を付けたアテナ様が俺の意見は聞かずに転移の〖権能〗を渡されただけなんだ。俺は別に魔力が無くてもあっちの世界で普通に暮らせるし。ぶっちゃけ俺は魔法が使えても使えなくてもどっちでも良いからな‥‥‥神気もあるし(ボソッ)」


「‥‥‥‥何故、そんな話を今するのだ?セツナ‥‥‥私はてっきり魔法大陸(エウロペ)の何処かの国を乗っ取り。王にでなってハーレムを作る気だど思っておったのに‥‥‥‥計画が頓挫するではないか」


「計画?‥‥‥いや、俺が地球に来る時は、君も一緒に来てもらうぞ。エスフィール、何って君は俺の専属メイドさんなんだからな」


「‥‥‥‥その設定。まだ続いておったのか?」


「おった。おった‥‥‥‥だから、この旅が終わったら一緒に付いて来てくれ。エスフィール」


俺はエスフィールの右手を優しく握って、優しく微笑んだ‥‥‥‥このやり取りも数ヶ月振りな気がするな。なんだが嬉しくなるな。


「セ、セツナ。うむ。では私、以外にも貴様が此方の世界でフラグを建て終えた者達。アルディス先輩、セシルス王子、アルマ、カンナ、ソフィアも連れて行こうぞ」


「‥‥‥‥はい?何で今、その娘達の名前を言ったんだ?エスフィール」


「おぉ!足りぬか?ならば私は面識が無い者も入れるのか?確か‥‥‥〖聖女エリス〗〖ガリア帝国王女・アリス〗〖和国の将軍〗〖魔術院の魔女〗。天使・ウリエル殿はお主の中に居るからノウカンで良いのだったな‥‥‥のう?セツナ。貴様、随分とオモテになるのだな」


「‥‥‥‥いや、何でエリスや焔の事をしっとんだい?エスフィール」


「お主の精神世界の女性関係の記憶を記録として紙に記し、ウリエル殿が全て教えてくれたのだ。此方の世界でセツナが知り合った美少女達の記録をのう」


エスフィールはそう告げると分厚くて白色の手記を収納魔道具の中から取り出した。


「何それ?ユナッ!ていうか、何でそんなに分厚いの‥‥‥‥まさかそれ。全部、神成君の女性関係の記録ってさっき言ってたわよね‥‥‥‥神成君。君‥‥‥見境無さすぎない?」


レイカさんが俺の事を(さげす)んだ目で見て来やがる‥‥‥‥はい。彼女との人間関係の終わりが見えました。


「‥‥‥うわぁ、ユクドラ君よりも多い女性関係‥‥‥‥ユナさんというものがいながらにこんなに‥‥‥最低です」


「いや、これはだな。カグラさん‥‥‥‥」


「‥‥‥‥お爺様のお知り合いの方なので、ユナさん一筋な方かと思っていましたが‥‥‥‥私の勘違いだったようですね」


カグラさんも俺をクズ野郎を見る様な目で見てくる。はいっ!カグラさんとの人間関係も無事にゲームセットしました。


「神成君の女性関係の真実はソフィアにも後でちゃんと説明しとかなくちゃね」


「はい。私達の親友が変な男に騙されない為にも」


「なんだか、神成が可哀想に思えてきたぞ。ユクドラ」


「‥‥‥‥右に同じくですな。しかし、エスフィール嬢は意外に腹黒い方の様ですね。少しびっくりしました」


ロウトルの転移迷宮に入る前のあの楽しそうな雰囲気は何処へやら。今は女子二人に冷たい目線で睨まれている俺が冷や汗をかきながら立っている。


「‥‥‥エスフィール。君、なんて事を暴露してくれたんだ」


「何じゃ?セツナ‥‥‥‥貴様。魔法世界(アリーナ)での全ての事が終わっても。此方の世界から逃げられると思わぬ事だな。安心しろ地位と城と国は好きに選ばしてあげるからのう‥‥‥‥これ程、多くの娘達を誑かしておいて、貴様だけが平和に高校生生活を送らせると思っておったか?地球側と魔法世界(アリーナ)で建てた女性関係のフラグは長い期間をかけて清算させてやるから覚悟せいっ!」


エスフィールはそう言って握り拳を俺の胸辺りに押し付けた。


「いや‥‥‥‥俺はただ、知り合った女の子達と仲良くしようと‥‥‥‥いや、もう何も言わない。その時が来たら、その時考えれば良いや」


エスフィールが手記に書かれた事を読み上げ様とした瞬間。俺は言い訳するのを止め。女の子関係の事はその約束の時が来るまで考えないと決め先に進む事にした。



「‥‥‥‥それじゃあな。エドワード。アマルダ‥‥‥レイカさんとカグラさんも。元気でな。数日後また魔道船で会おう。エドワード、アマルダ。渡したあれはちゃんと例の場所に設置しといてくれ」


「えぇ。渡された物は必ずあの方へ届けます」


「あぁ、そうすれば二つの大陸が繋がるからな」


「‥‥‥‥君の印象はだいぶ変わったけど。此処まで連れてきてくれてありがとう。神成君‥‥‥ユナの事。宜しくね‥‥‥ていうか浮気しないで絶体守ってあげなさいよっ!離れるのも禁止っ!」


「ですね。ソフィアさんにもちゃんと説明するんですよ。神成君、あの方はフワフワしていますのでちゃんと説明しないと勘違いしたまま突き進んで行くんですからね。というか、女性関係をもっとちゃんとして下さい。そして、ユナさんを大切にしてあげて下さいね。私達の親友をっ!」


「そうそう。分かった?モテ男君」


「レイカ‥‥‥カグラ。お主ら‥‥‥安心せい。ソフィアも必ず私が幸せにするからのう」


‥‥‥ものすごい釘を刺されてるな俺‥‥‥俺ってそんなに見境無かったんだな。いや、自覚はあるけどさ。


「はい。肝に銘じておきます。お二人共」


「宜しいっ!!」


「‥‥‥‥じゃあ、送るぞ‥‥‥転移装置起動‥‥‥‥‥〖剣技大陸(アルトネ)・アリアドネ〗‥‥‥」


ブオンッ!!シュイーン!!!!‥‥‥‥‥シュンッ!!


「これは?」シュンッ!「高密度な魔力だな‥‥‥」シュンッ!「これが長距離転移ですか‥‥」シュンッ!「身体が軽くなるわ‥‥‥」シュンッ!


転移魔法陣が発動してからは一瞬だった。一瞬で転移魔法陣の中に居た四人の剣技大陸(アルトネ)組のメンバーは〖ロウトルの転移迷宮〗から姿を消したのだった。


「‥‥‥‥上手くいったのかのう?」


「あぁ、上手く飛べた様だな‥‥‥元々、剣神の近くの祠には古の転移魔法陣が隠されていたんだ。だからそこと繋がる場所を探して、転移魔法を発動させれば確実に目的の転移先に飛べる‥‥‥‥それと‥‥‥これをロウトルの転移迷宮の際奥である、この〖真核機構〗に接続してやれば。良し同機した」


「同機?何をしたんじゃ?ていうか、何じゃ?この機械は?」


「これはそうだな‥‥‥サプライズとしてティアマト地方に戻ってから説明するよ。その方がきっと君も喜ぶだろうしな」


「私が喜ぶ?‥‥‥なんじゃいそりゃあ?」


「それよりも此処での用事も住んだし。試しに此処で転移して、ティアマト地方に帰るとしようか‥‥‥転移装置起動‥‥‥‥〖ティアマト地方・魔道船〖ユピテル〗〗」シュンッ!


「おぉっ!!此処からでも転移できるとは、あの怪しい森を通らなくても良いのだなっ!セツナ」シュンッ!


こうしてエドワード達を無事に転移させ、剣技大陸(アルトネ)へと送り出した俺とエスフィールはティアマト地方にある魔道船へと直接転移したのだった‥‥‥‥‥‥。


誰も居なくなった〖ロウトルの転移迷宮〗


怪しい足音が聴こえて来る。


軽快な足音が聴こえて来る。


カツン‥‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥‥カツン


「よっとっ!‥‥‥」


バチッ!


「何とお?‥‥‥強力な契約で持ち主意外に触れないとは‥‥‥‥なかなか面白い。面白いっ!だけどもだねぇ?それではこちらが全く面白くないんだ。〖女王〗が退屈するのだよ‥‥‥よよっとっ!」


ポーンッ!‥‥‥‥カチッ!‥‥‥‥ゴオーンッ!


「ホホホホホホ!!!!これで来ますね。来れますね‥‥‥‥ようこそ。ようこそ。私達の不思議の国へ‥‥‥いやいや、違った。違った‥‥ホホホホホホホホ!!!ようこそ。ようこそ。私達の不死議な、不死議な、不死議の(ワンダーランド)へ‥‥‥オホホホホ!!!!!イヒヒヒ!!!!」


シュンッ!


暗き転移の迷宮で高らかに笑う者は〖女王の側近・ハンプティダンプティ〗‥‥‥‥生前の名は〖ロウトル・シグア〗



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