〖神ノ使徒〗の会話
〖アレスの灯台・隠し砂浜〗
「ほらっ!ユナーっ!本なんか読んでないで、こっちに来て私と遊びなさいっ!」
「そ、そうですっ!ユナさん。一人だけレイカさんのセクハラから逃げれるなんて思わないで下さい」
「皆で遊んだ方が楽しいですよ~!」
「や、止めぬかっ!レイカ。今、私がいない間に魔法大陸で起こった事をセツナがまとめていた資料を読んでいるところなのだっ!離さぬかーっ!」
‥‥‥‥‥お久し振りなのじゃ。〖魔王・ユナ・エスフィール〗と申す。最早、忘れられていると思うがこれには理由がある。
あれは遡る事、数ヶ月前。地球にいた時であった。聖豊中学校の〖聖抜祭〗の際、セツナが作った転移門の影響により、私は地球からこの〖魔法世界〗に一人だけ転移してしまっていたのだ。
そして、剣技大陸のレイカの迷宮と言う場所に飛ばされ、魔剣学園の学生になり。大会に出たりと忙しい日々を過ごしていた。
その過ぎ行く日々の中、世界魔法新聞で魔法大陸のあらゆる最近の事件が起きている事を知った。
そして、その影でセツナの奴が暗躍していると感ず気。剣技大陸で出会った頼もしい仲間の力を借り、海を超えて魔法大陸と帰還
し、最後にはセツナと再会する事が叶ったのだった。
その再会と同時に剣技大陸で出会った者達。レイカ、エドワード殿、カグラ、ソフィア達とは直ぐに別れると思っておったのだが‥‥‥‥‥。
▽▽▽▽▽
「寂しくなるが。達者でのう‥‥‥‥レイカ‥‥‥」
「‥‥‥‥どうしよう。ユナ‥‥‥剣神と‥‥‥‥〖巫ノ神子〗の祝詞が来ないんだけど?‥‥‥‥何でぇ?‥‥‥‥これじゃあ、私達。剣技大陸に帰れないじゃないっ!!!!」
「‥‥‥‥困りましたな。姫君。僕もです。〖杖神〗様と連絡がつきませんな」
「お前もか?ユグドラ‥‥‥‥〖双神〗様ともだ」
「嘘?‥‥‥‥これ結構不味いんじゃないの?ねぇ?行方不明だった私達も見つかったし。帰る為に納めるお金も、そこのセツナ君だっけ?に借りれたんでしょう?」
「‥‥‥‥何じゃ?何をそんな慌てふためいているのだ?レイカ。別れの感動シーンじゃ。台無しにするな」
「おい。エドワード、アマルダ‥‥‥‥さっさと帰れよ。こっちはこっちで忙しいんだからな。これ以上問題を増やされたくないんだ‥‥‥‥此方での事は一段落着きそうだし。後、数日でエスフィール達と一緒に地球に帰るんだからな」
セツナはそう言って、手に持つ大量の書類に目を通している。何だか本当に忙しそうだのう。
「‥‥‥‥どうしよう。二人共。〖巫ノ神子〗が応えてくれないと渡航できないわよ。また、ザキントスのホテルとかに泊まる?」
「いや、それは無理ですな。僕達が行方不明中に魔剣学園が用意していた予備旅費も昨日をもって底を尽きたとアレイギルドマスターと職員方が絶望の顔をしながら、僕に愚痴っていましたので」
「‥‥‥‥調子に乗って一流ホテルに泊まるからだろう。まぁ、一般ホテルでは人攫いに合うリスクがあるからなんともいえなかったがな」
「‥‥‥‥それじゃあ。今日から海外旅行に来た魔剣学園の生徒500人が野宿って事?‥‥‥‥」
「不味いですな‥‥‥‥これは」
「いや待て。レイカ姫達が行方不明の間に、そこの神成が魔剣学園の関係者の衣食住の全ての世話と、働き口を用意してくれると約束してくれていたんだ」
「へ?今なんて言ったの?アマル君」
「なんとっ!流石、神成氏。では、後は僕達の契約神からの祝詞が来ない事ですが‥‥‥‥これは予定通り、魔法大陸にある〖ロウトルの転移迷宮〗を経由して〖海底遺跡〗に入るのが一番手っ取り早いですかな?」
「アテナ地方のか?‥‥‥‥そうだな。確か神代に残されていた文献には、迷宮の中の魔法陣から〖海底遺跡〗に飛べると書いてあった‥‥‥‥〖海底遺跡〗の近くには剣神の神殿があった筈。レイカ姫の祝詞が剣神に届かないのもその剣神の神殿に何かあったからかもな」
「嘘?まさか。彼処は簡単には入れない場所なのよ?」
何やら小声で話合っておる。それから数分後。
レイカ、エドワード殿、アマルダ殿が邪悪な笑みを浮かべてセツナを見て言葉を発した。
「何だ?お前ら‥‥‥‥行方不明者も見つかったんだろう?乗ってきた魔道船も昨日、ドワーフの人達に整備してもらったんならさっさと帰れよ。俺は引き継ぎで忙しい‥‥‥」
「「「お願いします。此処で私達、僕達、俺達を暫く暮らさせて下さい。お金も、住む場所も無いんですっ!!!」」」
「‥‥‥はい?いや、さっさと帰れ。トラブルメイカー‥‥‥‥うおっ!止めろっ!フードから手を離せっ!!お前ら!!!俺のフードが破けるだろうがあぁ!!!」
ビリビリビリビリ!!!!
レイカ達の懇願を聴いた後、セツナは高そうな服を着た数人の者達を呼び出し。一時間位話し合っていた。
「‥‥‥‥数日前にアダルマからも頼まれてたしな。魔道船に住ませたり。教育、〖加護〗の準備をそのまま実行すればいけるだろう。当面の魔剣学園の資金も俺が工面する。(ガリアから盗んだ金だから俺の懐は痛ましな)‥‥‥‥だからこれ以上のトラブルは起こすなよ。お前ら‥‥‥‥」
「ありがとうございます。神成氏」
「ありがとう。神成君」
「恩に着る。神成」
◇◇◇◇◇
そんな事が数日前にあったりしたのだ。
「フゥー、疲れたのう。あ奴等、帰れないと分かってから可笑しくなったのう‥‥‥遊んで気を紛らわらそうと必死になっておる‥‥‥‥それは他の生徒達も一緒か‥‥‥」
「あれがエスフィールさんのお友達ですか‥‥‥」
「ていうか。貴女がユナ?ねぇ、聞いて。貴女の相方の神成ったら。私達の身体を変な道具でね‥‥‥」
「アルマさん。あの事を話すんですか?ご主人様への拷問の準備はまだできていないのに?」
「カハハハッ!〖同化〗から分離化できる様になったのか?ウリエル。成長してるな」
「ウィー、小さくて可愛い」
レイカ達との遊びから一旦離れた私は砂浜で休んでいた。すると私を探す旅で仲間として着いて来た者達。可憐。ルア。アナスタシア様。ウリエル殿。アルマ殿が私を取り囲む様にして話しかけて来た。
うーむ。幼女に美少女に天使とは‥‥‥‥セツナには後で色々と質問する事ができたのう。
「何だか。可愛い女の子ばかりね。此処は、ティアマトちゃん。ユグドラシル」
「えぇ、賑わってきましたね。まさか剣神、杖神、双神の眷属達の方達まで来ているなんて驚きました」
「〖加護〗をあげるのは面倒さいの。でも、護りが凄いわぁ」
「‥‥‥‥そうね。まるで此処〖ティアマト地方〗で何かの準備を整えろと言われてるみたいだわ」
‥‥‥‥そして、その近くには三人の神々が水着姿で楽しそうに話し合っていた‥‥‥あの緑髪の女の子はユグドラシル様が依り代としているらしい。
あの方方達の話し合いが終わったら今回の俺を言わなくてはいけないのう。
◇◇◇◇◇
〖臨時宿泊広場の一室〗
「〖神々の黄昏〗の葬るだって?‥‥‥‥エドワード。お前のお得意の〖無闇の力〗でどこまで見たんだ?」
「伝説の海賊とされる。ブラック・マリン船・〖船長〗エクシスが剣神様を倒す場面までは見たといえば信じてくれますかな?神成氏‥‥‥‥」
「はぁ?、あの悪徳海賊まだ生きてたのか?‥‥‥‥確か数年前。天空大陸の〖神ノ使徒・ファタモルガナ・メテオーロロギア〗に倒されたんじゃないのか?確か‥‥‥ファタモルガナの契約神〖天朝のルルエラ〗を侮辱したエクシスに激怒したファタモルガナがエクシスが乗っていた艦隊ごと暗黒大陸の海域に沈めたんだよな?」
「おぉ、よくご存じですな。天空大陸などの情報を何処で入手されたのですかな?」
エドワードの奴。知ってて聞いてきてるな?たくっ!
「時々、夢の中で来るだろう?〖夢渡り〗で情報屋が‥‥‥‥俺の魔力を売ってやる代わりに他大陸の情報が買えるだろう‥‥‥てっ!〖神ノ使徒〗の経験があるお前なら知ってるだろう?こんな事」
「いえ、初耳ですな‥‥‥‥成る程。同じ〖神ノ使徒〗でも神々から知らされる情報には隔たりがあるようですな。神成氏」
エドワードはそう言うと。俺の眼をじっと見つめて来る‥‥‥‥コイツは昔から大事な事は言葉では言わず。〖眼〗で報せてくる。誰かに何かを悟られない様に‥‥‥‥
「隔たり?‥‥‥‥‥色々と分かった。俺が知っている事はこれに書いてあるから後でこれを使って目を通しておいてくれ。エドワード」
俺はそう言うとエドワードに地球から持ってきたタブレットを渡した。
「おぉ、これは何ですかな?貰えるのですかな?僕はそれよりも神成氏が先ほどから使っているパソコンとやらの方が気になってですな‥‥‥」
「タブレットはやらん。読み終わったら俺の手元に転移する様にしてあるからな。それとパソコンから手を離せ。壊れるだろうがっ!」
「いやいや、何ですかな?この水晶の様な物は?気づいてましたか?神成氏。この場に来る皆々様が神成氏の持つパソコンに興味津々だった事をっ!」
「五月蝿いぞ。離れろ。トラブルメイカー‥‥‥‥〖ロウトルの転移迷宮〗へは‥‥‥一週間後に行くぞ。だが、送るだけだ‥‥‥‥」
「おや?一緒に行ってくれる気になったのですかな?これは意外ですな」
「お前が〖エクシス〗の名前を出したからだろうがっ!あの海賊が動いているなら止めないと駄目だろう‥‥‥‥何たって魔法世界の海の生態系を狂わせた張本人なんだからな」
「‥‥‥‥そうですな。あの時はまんまと逃げられましたからな。僕と神成氏。僕ら〖神ノ使徒〗二人からまんまと‥‥‥‥」
「あぁ、〖死の大地〗の海域ではまんまとやられたよ‥‥‥‥たくっ!エドワードの話はいつも面倒事ばかりだな」
「いやはや、それ程。褒めなくても宜しいですぞ」
「褒めてねえよ‥‥‥‥色々と心配になってきたな‥‥‥仕方ない。アプスの〖方舟〗の力を使って久しぶりに造ってみるか‥‥魔法大陸と剣技大陸を行き来する為の転移魔法陣を」
「ほう?大陸間の転移など可能なのですかな?‥‥‥‥それはあまりにも無謀では?」
「いや‥‥‥可能だよ。列島大陸の時に一度造ったしな‥‥‥‥今回は魔法陣ほ媒介になる〖淡水の神・アプス〗が残した〖方舟〗があるから確実に造れるしな‥‥‥問題はそれよりも〖エクシス〗と〖ロウトルの転移迷宮だな‥‥‥エドワード。〖エクシス〗は確実に倒せるんだよな?」
「えぇ、今回は姫君がいますので確実ですな」
「姫君?‥‥‥あぁ‥‥‥レイカさんか。エスフィールの友達の‥‥‥‥エドワードがそう言うなら間違いなく倒せるか‥‥‥ただ、問題は〖ロウトルの転移迷宮〗の経由する場所だな」
「経由する場所ですかな?‥‥‥神成殿。ご自慢の転移魔法でひとっ飛びの筈では?」
「いや、それが無理だ。〖ロウトルの転移迷宮〗があるアテナ地方は魔力濃度が少ないんたが、一ヶ所だけ魔力濃度が濃い場所がある。だから、あそこを中間地点にして、転移し〖ロウトルの転移迷宮〗に行くしかないな」
「ほう?その中間地点とは何処なのですかな?」
「‥‥‥‥‥ガリア帝国と魔法中央国の中間にある森だよ‥‥‥‥」
「森ですか?」
「そう‥‥‥‥とんでもない場所だ。〖異界〗へと誘われる〖不思議な森〗の中にある家さ‥‥‥‥」
魔法大陸最大の国家『ガリア帝国』
首都・テトリクス
「我等の偉大な王。ガリア皇帝陛下‥‥‥〖六騎士〗が一人〖ウェルキン・ゲトリクス・アルウェルニ〗。ただいま馳せ参じました」
「あぁ、ウェルキンよ‥‥‥‥良く来てくれたな」
「大恩あります。皇帝陛下の命ならば何時なんどきでも‥‥残り五名の〖六騎士〗も時期に揃います」
「そうか。ならば揃い次第話し合うとするか‥‥‥我がガリア帝国の行く末をな‥‥‥‥」