アグラヴェイン領・占領戦 No.2 色相十二式
アグラヴェイン領・『ペリエの城』
「さっきは、油断しておりましたが‥‥‥すみませんが容赦はしません」
アグラヴェイン卿の雰囲気が一瞬にして変わる。
「ナルカミさん!円卓の‥‥‥円卓の騎士の色相に気をつけて下‥‥‥」
「静かにして下さい!パーシヴァル卿!これは、正式な契約を交わした者達の真剣な」
「試合だもんな!アグラヴェイン卿!行くぜ!雷魔法『春雷・極』」
「‥‥‥ご理解感謝します。侵入者さん!神代魔法(赤紫)『鮮血紫堅』」
アグラヴェイン卿がそう唱えると。石工の様な赤紫のキューブが現れた。
「‥‥共に待って下さいな!行って!『紫堅』」
アグラヴェイン卿がそう言うと。赤紫のキューブが回転を始め、俺の方へと勢い良く向かって来る。
「なっ?くそ、速い石工か?雷魔法『雷壁・層雷』」
俺は、幾重にも重なる雷の壁を形成し。赤紫のキューブを防せごうとしたが。
「防御は無駄です。『紫堅・流転』散りなさい」
赤紫のキューブはより回転力を高め、俺が出現させた『雷壁・層雷』を粉々に破壊した。
「マジかよ!俺の『雷壁・層雷』がいとも簡単に破壊され‥‥‥」
「呑気に喋っていていいんですか?侵入者さん?回転はまだ続いてますよ!」
「くっ!『疾風迅雷』!!!」
俺は『疾風迅雷』を一瞬で発動させ、間一髪で赤紫のキューブを躱した。
「う、うそ!私の『紫堅』を避けた?」
「出ましたよ。アグラヴェイン卿の得意とする。(赤紫)の円卓述式」
「円卓述式?なにそれ?」
「アルディスさんは‥‥‥あぁ、そうでしてね。地上の『セルビア』の出身でしたね?」
「うん!僕は地上の『セルビア』で育ったエルフだけど。それが、どうかしたの?」
「では、我々が住む。『妖精国』に伝わる。『色相環』は聞いたことは無さそうですね」
「『色相環』?聞いた事ないよ!そんな話。それとさっきの円卓述式と何か関係があるの?」
「『色相環』は『妖精国』独自で発展した神代魔法です。それを我々、円卓の騎士、十二の家系が独自に研究し、発展させたのが『色相環・円卓十二述式』と言います」
「『色相環・円卓十二述式』‥‥‥‥それで色相環?12色の色って事?」
「はい!その通りです。上位妖精や妖精竜達が使う神代魔法は基本的な『赤橙黄緑青藍紫』の『七大色素』で発動するのは知っていますね」
「う、うん!神代時代の魔法は今、みたいな、系統魔法が確立してなかったから。神代魔法は色彩を言霊に載せて発動させてたんでしょう?」
「そうですね。概ね正解です。そして、『七大色素』の2系統極めた者は神代魔法の(白、黒)等の異色の神代魔法が扱えるようになります」
「それってメリュジーヌ卿や数日前にオーディン様に倒されたヴォーディガンが使ってた魔法だよね?」
「その、ヴォーディガンとやらは知りませんが、メリュジーヌ卿はそれに当てはまります。あの人は赤の『色相環・円卓十二述式』を昔から研究、研鑽し今では自由自在に操り。それに加えて。独自の異色(白)の系統を加えた。2系統の神代魔法を扱える珍しい方です」
「‥‥‥‥やっぱり、メリュジーヌ卿ってこの『妖精国』でも特別な存在なんだね」
「そうですね。円卓の騎士の中でも。ランスロット卿とギャラハット卿の御二人と同じ位の強さをお持ちです」
「えっ?あの、メリュジーヌ卿と同じ位強い人が2人も入るの?」
「えぇ、人類と種を混ぜた家系の者達は、人族なら、人族の筋力を。獣族なら、優れた身体能力と変身能力を。魔法族ならば、莫大な魔法力を受け継ぐ事が可能になりますから。ランスロット卿はガリア帝国の遠縁にあたりますから、凄まじい剣術を有しており。ギャラハット卿は魔法族の血を色濃く受け継いでおり。その魔力総量は『妖精国』1とも言われるくらいで」
「メリュジーヌ卿も神竜と上位妖精のハーフだもんね」
「はい!種族間の交配は。より強い者を生むときが時たまあるのです。ですが、妖精やエルフのみの交配でも魔力遺伝が濃くなり。モルガン様や『セルビア』国のセルフィーユ様の様に純粋な血である故に魔力が強くなる方も多くいますが」
「それでアグラヴェイン卿は?」
「彼女は、魔族とのハーフで『色相環・円卓十二述式』は『赤紫』の異色を操る者です」
「『赤紫』?」
「現代魔法で例えると。火魔法と地魔法が得意ということですね。それを上手く組み合わせて。あのような石工の形を作りあげ‥‥‥それをあのように!」
パーシヴァル卿がアグラヴェイン卿の使っている。特殊な神代魔法を、アルディスに詳しく説明している間。
俺は『疾風迅雷』を発動して、追ってくる赤紫のキューブから必死で逃げていた。
「くそ!しつこいな!謎キューブ!!」
「‥‥‥すみませんがせっかく頂いたチャンスです!確実に倒させて頂きますので」
「あぁ、そうかい!全く!「疾風迅雷・極」」
「んな?!また、速くなった?嘘!」
「悪いがその凶悪なキューブを喰らう訳にはいかないんでな。当たったらヤバイんだろう?その、謎キューブ」
「‥‥‥さすがは、この『ペリエの城』へ、たったの3人で乗り込んで私を捕縛しただけはありますね。侵入者さん!えぇ、貴方の考えているとおり。この『赤紫』にはどんな物でも溶かす毒が、付与されています」
「‥‥‥毒?!可愛い顔して。なんて、えげつない」
「‥‥‥すみません。今、何と?」
「いや、可愛い顔して‥‥‥」
「こらーーー!セツナ!!!また、変な所でフラグ?ってヤツを立てようとするな!!ちゃんと闘いな!!!」
アルディスが大声で叫ぶ。どうせ、エスフィールかセシリアに変な事を吹き込まれたに違いない。
「だそうだ!闘いに戻ろう」
「‥‥‥えぇ!では、遠慮なく。神代魔法(赤紫)『毒紫赤岩』」
「雷魔法『雷霆鈴蘭』」
アグラヴェイン卿の『毒紫赤岩』と俺の『雷霆鈴蘭』か激しくぶつかり合う
色相十二色の元ネタは12色環から頂きました。
神代魔法の設定もこれを参考にこれから考えていきたいと思います。
今回も読んで頂き。ありがとうございました。




