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溟海決戦 淡水は悟り涙を流す No.15 見物者達


海底領域外周・〖ナンム〗


「遅かったな。アプス‥‥‥‥待ちくたびれていた。さっさと闘いを再開しよう。黒衣天雷〖黒雷の箱庭〗」


俺は天雷魔法を展開した。黒雲と雷鳴轟く天候が海底領域全域に急速に広がり、海底の中で雷の嵐を巻き起こし始めた。そして、暫くすると〖神・アプス〗が〖深海〗から浮上して来た。その身体は先程の液体の状態から、元の身体へと戻っていた。だが、その身体には無数の焼き焦げた傷がある。


どうやら、〖深海エリア〗で最後にアプスへと撃ち込んだ〖黒雷牙獣咆〗により、相当ダメージを喰らった様だ。


「グオオオオオ!!!何故、お前が既に此処に着いている?お、お前のせいで俺様の〖液体〗と〖水剣〗の権能を失ったではないかっ!」


「そうか。それは良かったな。なら追い撃ちをかけてやるよ。黒衣天雷・〖黒雷〗」


〖黒雷の箱庭〗から容赦なく降り注がれる黒の(いかずち)が、負傷するアプスへと直撃する。


パリンッ!!パリンッ!!パリンッ!!パリンッ!!パリンッ!!


そして、アプスの身体から何かが割れ響く音が聴こえてきた。


「くっ!俺様の化物(子供)共の〖真核〗が壊れていく!!!こ、この様な事っ!あってはならぬわっ!!大アルカナ・〖正義〗〖世界〗‥‥‥‥帰還と判事を‥‥‥発動する。〖原初の海域よ〗」


海底領域の下に淡水(アプス)の海が広がり始める。上は俺が造り出した天候の箱庭(世界)が広がり、下は淡水の海が広がる。


「ティアマト神殿の様な隔離された世界を造るだけでなく、オルビステラの本来の力も使えるのか‥‥‥‥成る程。流石は神と呼ばれる存在だな。まさか戦闘中に大アルカナを二つ同時に操るとは予想していなかったぞ」


「これは奥の手だ。それに〖世界〗には制約もある‥‥‥‥お前は規格外過ぎた。まさか俺様の殆どの〖権能〗を破壊し、大アルカナを使わせるとはな‥‥‥あの偽りの娘から奪った力も一度使えば、あの偽り娘に戻る。だから、使いたくなかったが、ここまで追い詰められれば使うしかあるまいよ‥‥‥‥認めてやろうっ!お前は俺様と同等に強いとな。小僧っ!!!!」


「傲慢さは治っていないな。来いよっ!倒す前にその傲慢さを去勢してから冥界にでも旅出させてやるよ。アプスっ!〖黒衣万雷〗」


「付け上がるな。人間があぁ!!!最後に勝つのは俺で、冥界に逝くのはお前だっ!小僧っ!!〖アプス・エンキ〗・〖泥水の津波(アブ・ラフム)〗」


黒雷の天候と淡水の泥水がぶつかり合い、海底領域の天候を狂わせ始める。



極神黒海領域(ブラック・レヴィア・エトワール)〗内


「凄いわよ。ティアマト‥‥‥‥外の様子を見てみなさいな。彼と貴女の夫と名乗る神が激しくぶつかり合ってるわ」


「ンググ‥‥‥‥‥アアアアアア?!!!!!もうっ!許してっ!心の中もっ!身体の中もっ!あの人の魔力でいっぱいでもう耐えられないのっ!レヴィアタンッ!!私が悪かったからっ!これ以上、私の心と身体をグチャグチャにしないでよおぉぉ!!!」


「あら?まだ、抵抗する気なの?‥‥‥‥駄目よ。私は〖天上の理〗様達から貴女をちゃんと制裁し、教育し直し、彼に従わせる様に先程、命を受けたもの。別世界の神に騙されて捕まってしまうなんて馬鹿な事をした貴女にはそれ相応の痛みと(しつけ)が必要だもの。彼の魔力でその汚された貴女の身体を隅から隅々まで綺麗にして、彼に従ってもらうわ」


「わ、分かったから口に変な触手をい‥‥‥れ‥‥ンググ!!!アアアア!!!!!」


「口答えは必要無いの。必要なのは貴女の〖天上の理〗にちゃんと逆らわず従う事‥‥‥‥暫くは私が監視役として調教してあげるわよ。私、好みに改造してあげるわ。心も身体もね‥‥‥‥ティアマト」


「‥‥‥‥‥嫌っ!嫌だっ!!私の角と下の肌を触らないでえぇぇ!!!!」



〖エルドゥ・海上浮上門〗


「あの子は倒したけど。何で怪物達は私達に向かって来るのよっ!」


「フム‥‥‥‥合流されたくないのではないですかな?姫君」


「合流?誰とよ?」


「そうですな。例えば此方の大陸に入る姫君と同じ〖神ノ使徒〗殿や、そのお仲間とかでしょうか‥‥‥‥」


「もうっ!邪魔よっ!」


「グギャア!!」


「エドワード君。今、何か言った?」


「いえ、此処には姫君と同じですな‥‥‥」


「あー、もう良いわ。この戦いが落ち着いた後に聞くからっ!それよりもユナッ!空なんか見て、ボーッとしてると化物達に押し潰されるわよっ!〖蘭菊舞〗」


「ウム‥‥‥‥だが、レイカよ。あの空中に浮かび闘っている者達を見よ‥‥‥黒い鎧の者と海水を操る者が闘っているのだ」


「黒い鎧と海水を操る者?‥‥‥‥何?あの人達‥‥‥天候の操って闘っているの?」


「‥‥‥‥‥相変わらず。デタラメですな。彼は‥‥‥」



〖エリシュの群衆地〗


「‥‥‥天候が不安定になっています」


「ウィー、ヤバいや奴らが暴れてりゅっ!」


「シエルさん。ルア嬢。此方に居ましたか。探しましたよ」


「ギャラハット様‥‥‥‥今までどちらに?」


「ウィー、隠れてたのか?卑怯者!!!」


「誰が卑怯者ですか。私はレジスタンス軍の兵達の治療を行っていたんですよ。私は下での闘いで少し魔力が減っていたので、刹那に言って後方に待機していたんです」


「まぁ、そうだったのですか?知りませんでした‥‥‥‥すみません」


「ウィー、お前、エライッ!」


「あ、ありがとう。ルア嬢‥‥‥‥(幼女に褒められるとは)‥‥‥‥それよりもあの黒い鎧と海水を操る半裸の男の闘いはいったい‥‥‥」



〖海底領域・エルドゥ〗


「カハハハ。楽しんでるな。セツの奴」


「‥‥‥‥あれが兄弟子?‥‥‥‥分かんなかった」


「だろうな。あの黒い鎧には複数の認識阻害の魔法がかかっている様だそ。神達の眼ならば見抜けるが、普通の者達には無理だな」



〖都市部・エルドゥルア〗


「凄まじい天候の変化ですね‥‥‥‥」


「あ、あの人達が現れてから‥‥‥此処が揺れ続けてますっ!ウリエルさん!!」



再び〖海底領域外周・ナンム〗


「俺達が此処で闘うせいで、皆が危険な目に合いそうだな‥‥‥‥」


「はっ!それがどうしたというのだ?まさか?仲間が心配になったか?ならばお前の仲間が集まる海底領域一帯を〖深海〗に沈めてやるわっ!!大アルカナ・〖正義〗よ。〖神没の時‥‥‥‥」


「五月蝿い奴だな‥‥‥‥闘う場所を移す。舞い上がれ〖灰神楽〗‥‥‥‥〖不知火神楽〗」


「キシャアアアア!!!!!!!」


「降り‥‥‥‥何?俺様の下から炎が吹き上げて来る?があぁ!!!」


「次はお前の力が届かない〖海上〗だ‥‥‥‥終わりの時は近いぞ。〖淡水の神〗」シュンッ!



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