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溟海決戦 淡水は悟り涙を流す No.14 深海深部


『ティアマト地方・深海エリア』


〖深海深部・エアブズ〗


「よもや。俺様が造らし世界を破壊した挙げ句。〖海上〗〖海底〗〖深海〗の中心部の海水領域を全て蒸発させるとはな‥‥‥小僧。お前、このティアマト地方の海図を書き替える気か?」


「別にお前を倒せれば、―女神―ティアマト神に戻してもらえるだろう。それよりも〖地球〗に渡る為の〖方舟〗を俺に破壊されて怒るかと思っていたら、ティアマト地方の心配するのか。てっきりぶちギレて向かって来るかと思ったぞ」


「この俺様が次元を渡る為の〖方舟〗の予備を用意してないと思わないか?小僧。お前の様なイレギュラーが地球の戦いの時の様に邪魔されない為に、とある場所に隠してあるわ」


「そうか、なら。その〖方舟〗はお前を倒した後に、俺が譲り受けるよ。アプス、原初の神が造った船だ。ユグドラシル様に造って頂く〖方舟〗と組み合わせよう」


「‥‥‥‥お前は何を言っている?大アルカナを発動させた。俺様にお前が勝てる道理がどこにある?」


「俺の〖黒衣〗で殆どの〖権能〗を壊された神が何を言っている‥‥‥‥お前は追い詰められているんだぞ。アプス」


「口の減らぬ小僧が‥‥‥わざわざ、こんな〖冥界〗と〖深海〗の狭間まで落としおいて。腹立たし奴だ‥‥‥お前はどこかマルドゥクに似ている所がある‥‥‥俺様を追い詰めた時のあの神にな」


「なら、お前は俺に負ける運命にあるんだな。それじゃあ、始めようか‥‥‥ティアマト地方の‥‥‥‥俺とお前の最後の闘いを。〖黒衣装束・黄〗」


「それはこっちの台詞だ小僧よ‥‥‥‥俺様は〖淡水の神・アプス〗にして〖海水の女神・ティアマト〗の伴侶なるぞ。(わきま)えろっ!〖アプス・エンキ〗・〖海水の雲剣(ティアマト・ドゥグル)〗」


俺は〖黒衣装束〗を身体全体に纏った。


自身の持つ魔力濃度が濃すぎると魔術師に時たま起こる現象がある。それが〖魔力変色〗である。魔力の鍛練を長年行い到達した者や、生まれつき高純度の魔力を帯びている者が陥る現象。


ある種の魔力暴走に似たものだ。自身の魔力に〖(いろ)〗が着色され、魔力操作で外皮として纏ったりする事もできる。


その〖色〗を〖雷幻神・マルズ〗の〖権能〗である〖天黒衣装束〗に付与し、俺の身体に纏わせたのだ。


そして、アプスの方は‥‥‥‥シンプルだった。ただ、シンプルに一つの青色の長剣を右手に持っている。ティアマト神殿で使っていた水色と白色の剣はどうやら使わない様だ。しかし、あの剣。異様な〖神秘〗を帯びてるな。


「お前のその姿。まるで悪魔族の鎧だな‥‥‥‥その様な姿が〖神ノ使徒〗とはな。不気味な姿だな小僧よ」


「アンタのその剣も不気味だな。アプス‥‥‥その剣で何かする前に倒させてもらう。黒衣天雷・〖黒雷牙の大剣〗」


「ルウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


俺は片手に持っていた〖灰神楽〗を背中の鞘に収めた。そして、〖雷牙の大太刀〗に〖黒衣装束〗を纏わせ大剣化させた。


「その力。最早、人外‥‥‥‥神にでもなる気か?お前は?」


「何を言っている?これでも全盛期の肉体では無い分、昔より弱い方なんだ‥‥‥‥だが、この状態ならお前には勝てるんだよ。アプス‥‥‥〖黒雷牙の粉砕〗」


俺は大剣と化した〖雷牙の大太刀〗を両手に持ち、アプスへと振り下ろした。


「あの雷の名刀がここまで巨大化するか‥‥‥ならば、受けず(かわ)すのみよ。液体と化し、俺様を守れ。〖海水の雲剣(ティアマト・ドゥグル)〗よっ!〖液状化せし(イミ・アブ・ナ)〗」


アプスの持つ青色の剣が液体となり溶け、それと同時にアプス自身の身体も液体化した。


「何だ?逃げる気か?‥‥‥なら、この場の全てを巻き込んで放電しろ。黒雷牙っ!〖黒黄万雷(こくこうばんらい)の咆哮〗」


「ゴラアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


〖雷牙の大太刀〗から黒色と黄色を帯びた雷撃が深海深部の全ての範囲に放った。そして、俺の近くから突然、叫び声が聴こえてきた。


「グオオオオオ!!!!!何だ?その力は?先程の攻撃とはまるで違うだと?!」


「液体化して、俺に近付いていたのか?その剣は持つ者に流体化させる力があるのか‥‥‥‥なら、そのまま射ち上げ、〖海底〗に戻してやる。〖黒雷牙獣咆〗」


「グッ!この高純度の魔力は?‥‥‥‥俺様の身体を破壊していく?‥‥‥‥大アルカナ・〖平等〗‥‥‥‥俺様の身体を支えよ!!!」


アプスは雄叫びを上げて浮上して行く。


「追いかけるか‥‥‥〖黒衣の春雷〗」


俺はそう告げて一瞬で〖深海〗から〖海底領域〗に移動するのだった。




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