溟海決戦 淡水は悟り涙を流す No.11 我の〖正義〗と妻の〖世界〗
よもやこの力まで使う羽目になるとはな。この小僧。本当に人間なのか?これ程の力、人間の寿命では到底、到達できる領域ではないぞ。
だが、こんな以上な力を持つ者であろうと最後には俺様が勝つ。この〖正義〗の大アルカナでな。
俺様の友人共。○○○○○にフォルトゥナよ。お前達との出会い無駄では無かったようだ。この〖正義〗の大アルカナの力で目の前の敵に対処できるのだからな‥‥‥‥‥
〖ティアマト地方・●●●●●〗
「此処は何処だ?俺様は確か、マルドゥクが率いる新しき神共の進行を受け敗れた筈だが‥‥‥‥」
「ほう。こんな〖冥界〗との境目に人の形をした何かが漂流した来るとはな。珍しいものだ」
「いや、何を言ってるのよっ!イケメンが裸なんだからここは興奮する所でしょう。〖代理人〗ちゃんっ!」
俺様の目の前には黒いフードを深々と被った大男と煌びやかな衣装に身を包んだ女口調の痩せ細った男が宙に浮いていた。
「誰だ?お前達は‥‥‥何故、俺様を見下ろしている‥‥‥無礼なるぞ‥‥‥跪け‥‥‥」
「マァッ!金髪のイケメンがこの私に跪けですってよっ!〖代理人〗ちゃん‥‥‥イヤだわ。好みっ!食べてあげちゃいたいわ♡」
「‥‥‥‥何を言っている。フォルトゥナよ。ここは彼を救う事が最優先だ。見たところ此方の世界に生まれ堕ちたばかりとみるが‥‥‥‥貴殿は名前は何と言うのだ?何処から来た?」
「俺様の名前?何処からだと?‥‥‥‥俺様は〖原初の始まり〗だった神・アプス‥‥‥そして、〖地球〗で最後を迎え、別の存在に変えられた‥‥‥新たなる時代。〖正義〗を掲げる神達に負けた者だ」
「マァッ!〖地球〗ですって?!あの野蛮な神達が居る世界よね?〖代理人〗ちゃんっ!」
「騒ぐな。フォルトゥナよ。そして、抱き付くな‥‥‥‥事情は何となく察した。貴殿のその素晴らしい神格を見れば、最上位の神だと分かる‥‥‥‥〖地球〗の何者かによって此方の世界に送られて来たのだな」
「此方の世界だと?‥‥‥‥どういう事だっ!お前は何を知っている?」
「それはおいおい話してやろう。生まれ堕ちたばかりで此方の世界については何も知らないだろう‥‥丁度、強き力を持つ新たなる同士も探していてな‥‥‥貴殿は先程。新たなる。〖正義〗と言っていたな‥‥‥‥フォルトゥナよ。今、〖正義〗の席は空席の状態だったな」
「え?えぇ‥‥‥‥任せられる子が顕れるまでは席を埋めないって、あの御方が言っていたわ」
「そうか‥‥‥ならば彼にその席に就いてもらうとしよう。神格も強さも申し分無し、素晴らしい者だ」
「はい?何を勝手に決めてるのよっ!〖代理人〗ちゃんっ!そう言うのは〖無闇の部屋〗での話し合いで決めないと、後々、ロキちゃんやアトスちゃんが五月蝿いわよっ!」
「彼等が何か言ってくれば私が説得する」
「ま、待て‥‥‥‥何を勝手に決めている?!俺様はお前達な下になど消してつかんぞ‥‥‥」
「下になど付かなくて良い‥‥‥貴殿のその神格と強さを我々の〖神々の黄昏〗と言う神明を強くする為に貸してくれ‥‥‥後は貴殿の自由にして良いからな‥‥‥この新たに生まれ堕ちた世界で、己の〖正義〗を育て何時の日か貴殿を倒した者達にやり返すのも良し。此方の世界で静かに平穏に暮らすのも良いだろう‥‥‥‥‥全ての生ある者は平等に生きる権利があるのだからな」
「‥‥‥‥お前は何を言っている?〖地球〗ではそんな馬鹿な妄言を言う者など馬鹿にされ‥‥‥そんな甘い理想と考えが他者に負ける要因に繋がり‥‥‥‥」
「ならば、貴殿は〖地球〗への復讐を糧に此方の世界では歩めば良いだろう。その為に、時折、我々も力を貸そう‥‥‥‥だから先ずは受け取ってくれこの〖正義〗の大アルカナの力をな‥‥‥‥」
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「(まさか‥‥‥その後から現代まで長き付き合いになるとは思ってなかったぞ。〖代理人〗よ‥‥‥お前から譲り受けた力を‥‥‥今、使おう)‥‥‥‥大アルカナ・起動‥‥‥‥〖平等〗を糧に力の行使を行う‥‥‥‥〖執行者の正〗」
アプスの周りに白色と青色の教会と三角形の祭壇が突如として現れた。そして、アプスも聖職者が着るの様な服装に姿を変え、俺を見つめていた。
「これより俺様の〖正義〗を執行する‥‥‥全ては俺様の〖世界〗の歪みを正す為の力の行使‥‥‥」
アプスが何か語り始めた時、俺を次の行動に移った。
「‥‥‥‥そうだな。そろそろ、このお前が造り出した、歪んだ〖世界〗。ティアマト神殿の世界に居るのも嫌になってきた頃だ‥‥‥‥だから吹き飛ばそうか‥‥‥‥お前がオルビステラから奪った〖世界〗の一端を‥‥‥纏い、食らい、突き破れ〖雷牙〗‥‥‥〖雷牙の大太刀〗・〖黒衣雷牙・万雷〗」
俺は右手に持つ〖雷牙の大太刀〗に〖黒衣〗を纏わせる。すると雷牙の雷が黒いに変色し、ティアマト神殿全体を覆う轟雷を発生させた。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「‥‥‥‥正義の水罰よ‥‥‥何だ?この黒い雷は‥‥‥?!小僧っ!!まさかこの神殿全てを破壊するつもりか?俺様が長年造り上げた妻と再開し。その後暮らす為にと俺様が造った〖箱船〗をっ!」
「‥‥‥〖七聖―女神―の書〗では本来、ティアマト神殿があるのは〖深海〗とされている。だから、この闘いが始まってからずっと疑問に思っていたんだ。何故、―女神―ティアマト神の加護も無い此処にティアマト神殿があるのかを‥‥‥お前が勝手に造っていたんだな。アプス‥‥‥悪いが〖七聖教会〗と〖七聖―女神―〗達両方の承諾が無い〖神殿〗は破壊される運命にある‥‥‥そして、七聖―女神―の眷属はそれを行う義務もな。だから恨まないでくれよ。アプス‥‥‥‥〖黒衣雷牙・破壊乱〗」
「ルオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「‥‥‥‥‥馬鹿な。俺様の次元渡りの事象が崩れていくだと?」
「追い討ちをかけろ‥‥‥灰神楽。〖炎蕾〗」
「ギャシャアアアア!!!!!!!」
今、アプスが〖世界〗から奪った力により造られた世界が壊れた。そして、次の闘いの場は海底領域の下。〖深海〗へと移り変わる。