表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
585/867

溟海決戦 淡水は悟り涙を流す No.9 醜態の獅子


「動けぬよう傷は与えた。後は徐々に追い込み服従させてくのみだな」


「‥‥‥ウリエルさん。私を庇ったせいで酷い傷を‥‥‥」


「この程度の傷なんて、どうってこと無いですよ。可憐様‥‥‥左腕に少々当たっただけの(かす)り傷ですから‥‥‥‥」


「ガハハハハハッ!!痛そうだな。麗しの天使族よ。苦しそうにしている貴様もなんとも美しいぞ。これは本当に(もてあ)ぶ時が楽しみだ。部下達も喜ぶだろう‥‥‥‥オマケに人族の小娘まで付いてくるのだからな」


「‥‥‥‥気持ち悪い目付きで私を見ないで下さい。ライオン見たいな人‥‥‥‥」


「本当に気持ち悪い思考の持ち主ですね。私のご主人様なんて、そんな思考を考えられる様な方で‥‥‥‥いえ、常に考えていますね。あの人は‥‥‥」


「‥‥‥ウリエルさん。そのご主人様って、あの変態男‥‥神な‥‥‥‥」


可憐様がそう言いかけた時でした。痺れを切らしたのか、ウガルルムが私達に向かって攻撃を仕掛けてきたのです。


「話が長すぎるぞっ!麗しの天使族っ!!さっさとヤられて、その身体を俺に捧げろっ!ガハハハハハッ!!〖ウガルルム・エンキ〗・〖欲望の獣よ(ウガ・ルルオ)〗」


ウガルルムの後ろに見たことも無い魔法陣が現れるとその中から色々な武器を持った、二足歩行の獅子達が現れました。


「行けっ!俺の勇ましき部下達よっ!麗しの天使と人族の娘を捕らえ俺の元に跪かせるろっ!」


「「「「「「ギギギギギギッ!!!!!!」」」」」」


「ウ、ウリエルさんっ!この状況‥‥‥‥かなり不味いんじゃ‥‥‥」


「えぇ、相手も本気のようですね‥‥‥‥それ程までに私達を捕らえて弄びたいのでしょうね‥‥‥‥少々、ムカつきますね」


「‥‥‥‥ウリエルさん?」


「ご主人様と同じ〖地球〗からの訪問者と思い、手加減していましたが、もうそんな事をする必要もなさそうですね‥‥‥神話・回帰‥‥‥‥〖双曲劇・光天使(アンゲルス・テアトルム)〗」


これから始まるのは惨劇の劇場。これから繰り出す二対の白き双曲が織り成す獅子達の雄叫びの讃美歌が始まります。


「‥‥‥‥そちらが追い立て結果ですのでお覚悟を‥‥‥‥ご主人様の日々の調‥‥‥試練により開花した私の新たな一面お見せします。〖第一双曲・白乱〗」


私は両手に持つ二つの白き双剣をウガルルムが召喚した獅子達に投げ込みました。


「ガハハハハハッ!!そんな小さき剣を出して何が変わるというだ?麗しの天使族‥‥‥貴様は俺の部下に捕まり弄ばれる運命なのだぞ」


「何処までは卑猥な方‥‥‥‥私のご主人様とはまるで違‥‥‥‥いえ、あの人もかなりイヤらしい方でしたね」


「‥‥‥‥いえ、あれは変態野郎です」


可憐様がそう言って遠い場所を見ています。何か嫌な事を思い出したんでしょうか?


そんなやり取りをしている間に私が放った〖白乱〗が獅子達の群れに当り。硝子(がらす)の破片の様に砕け獅の身体に喰い込みました。そして、それは彼等の身体を内側から破壊する〖神秘〗の雷撃と化し。獅子は雷爆と共に絶命していくのでした。


「ガアアアアア?!!!」「ブギイイイ?!!!」「ウギャアアア?!!!」「ギギギギギギ?!!!」「ギグアア?!」


「お前達?!どうしたというのだっ?!何故、身体が粉微塵になってい‥‥‥」


ウガルルムは目の前の光景に驚きを隠せていないようですね。驚くのはこれからだというのに‥‥‥‥。


私は手元に戻って復活した〖双曲劇・光天使(アンゲルス・テアトルム)〗をウガルルムに向けて放ちました。



「何処に当たるかは分かりませんが‥‥‥‥〖第二双曲・白壊〗」


私の手元から離れた二つの剣はウガルルムの胴体部分に深々と突き刺さり、ウガルルムの周りには血飛沫が舞います。


「‥‥‥‥何だ?俺の下に何か刺さっている?‥‥‥‥何故、俺は身体に深い傷をおっている?‥‥‥‥何故、俺の獅子のシンボルが切り刻まれている?‥‥‥‥身体全体に神秘の痛みが走り回るっ?!!!グアアアアア!!!!貴様もっ!麗しの天使族っ!!!俺のシンボルに何足る傷を付けてくれたな」


「何を言っているいるんですか?本当の痛みはこれからですよ。〖悪性〗に侵食された獣さん‥‥‥‥どんな〖権能〗で貴方、本来の精神を壊されたのか分かりませんが‥‥‥‥此処は戦場。容赦致しません。〖第三双曲・白狩〗」


私は新たに二つの白い剣を造り出し、ウガルルムの上半身へと投げ込みました。


「か、身体に何かの毒が俺の身体を(むしば)んでいく‥‥‥身体の自由がきかん‥‥‥」


「神々からもたらされた〖権能〗はその神々の弱手となる属性の〖神秘〗で破壊する事ができるのです‥‥‥私はご主人様の精神世界でありとあらゆる調教‥‥‥特訓を受けました。そのお陰で〖雷帝の神秘〗の力を新たに授かりました」


「〖雷帝の神秘〗だと?!‥‥‥‥」


「そして、貴方が持つ〖権能〗は淡水の神‥‥‥つまり〖水の神秘〗‥‥‥相性では私の〖神秘〗が有利‥‥‥‥これで終わりです。〖最終双曲・白葬乱舞〗」


「ガァ?‥‥‥俺の身体の内側から‥‥白の刃物と雷撃が漏れでて来る?‥‥‥‥ガアアアアア!!!こんな攻撃で俺が破れるなどっ!」


「そうですか。では最後に〖地球〗から来た方の攻撃で終わって下さい。可憐様っ!この方の身体に貴女の魔法を叩き込んで下さいっ!」


「へ?叩き込む?何ですか?いきなり?」


「この方が付き従う神様は元々、〖地球〗から来た神様だそうです。ですので同じく〖地球〗からいらっしゃった可憐様の魔法の縁で、この方の心を帰るべき場所に帰してほしいのです」


「帰るべき場所ですか?‥‥‥‥わ、分かりました‥‥‥み、水魔法・〖水天〗」


可憐様の魔法攻撃がウガルルムの身体へと見事に当りました。すると‥‥‥‥


「ガアアアアア!!!き、貴様等‥‥‥何をした?お、俺の心が浄化されていく?‥‥‥俺の‥‥‥‥本来の姿は‥‥‥‥民を守る‥‥‥王達の‥‥‥獅子のシンボル‥‥‥‥ティアマト母の‥‥‥‥居たという歴史を貫く獅子のシンボル‥‥‥‥だったのか‥‥‥‥父よ」シュンッ!!


ウガルルムは途切れ途切れに何かを呟きながら、静かにその姿を消していくのでした。

(たてがみ)〗の因子をその場に残して消えました‥‥‥




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ