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溟海決戦 淡水は悟り涙を流す No.3 最上の名刀


魔法世界(アリーナ)一年と数ヶ月前‥‥‥‥『列島大陸』・〖和国・鳴神の樹海〗


バリバリ‥‥‥‥ズドォンン!!!


「‥‥‥和国の刀が欲しいなら捕まえに此処に行けとか〖鳴神〗様に言われて来てみれば‥‥‥空は暗雲、雷の嵐に、和国の魔獣がわんさかと‥‥‥此処もしかして列島大陸の〖禁則地〗だったりします?蓬莱様」


「あん?何を当たり前の事を言ってんだ、雷様よぅ!この鳴神の樹海は人外魔境の巣窟だぜっ!」


「当たり前なのかよっ!つうか、何でそんな場所に俺を案内したんだよ。殺す気かっ!この鼬はっ!この‥‥‥こうしてやるわ」


「あっ!や、止めろいっ!頬っぺたを引っ張るなやっ!モフモフするなぁっ!」


‥‥‥‥‥。


「フゥー、気が晴れたぜっ!ありがとうございます。蓬莱様、俺のストレス解消に付き合ってくれて」


「神聖な神獣たる俺の頬が腫れちまったじゃねえか‥‥‥‥たくっ!雷様が和国の名刀や魔道具が欲しいつうから、こんな〖禁則地〗まで付いて気やったんだぜぇ。なのに何で俺がモフられないといけないんだい」


「いやだって。此処に入ってからずっと魔獣やら雷が降って来るからイライラが収まらなくてつい‥‥‥‥その柔らかそうな頬を触りたくなっただけです」


「ウオォォオオ!!!!」


「どんな理由だい‥‥‥‥おっと‥‥‥‥こんな場所にずっと止まってお喋りしていたから見つかったか」


「見つかった?それに何ですか?この雄叫びは‥‥‥‥」


「雷様は和国の名刀が欲しかっただよな?」


「へ?えぇ、そうですよ。〖黒龍〗を退治した記念に何か持って帰りたいと思ってたんで」


「そうかい。なら、うってつけの名刀が向こうから来てくれるぜ」


「向こうから‥‥‥来てくれる?」


「刀匠〖九条 玉藻〗と〖不知火 六花〗が共同で打った刀にして、生を宿す雷獣。名刀〖雷牙の大太刀〗‥‥‥‥最上大業物十工の一つだぜ。良かったな‥‥‥あっちから来てくれる問題だらけの名刀だ。勝負に勝って従わせな。雷様よう」


「は?九条?‥‥‥生を宿す‥‥‥刀が?‥‥‥あっいや、フレイヤ地方でも似たような武器は見たか‥‥‥‥」


「何、ブツブツ言ってんだ?来たぞっ!雷様!!戦闘開始だぜっ!」


「グロロロオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」


「‥‥‥‥五月蝿いぞ。今、考え事をしていたんだ。黙っててくれよ。聖魔法・〖神槍〗」



▽▽▽▽▽


「和が両手に戻れ。〖雷牙〗〖灰神楽〗」


「グオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」シュンッ!!


「ギャシュアアアアアアア!!!!!」シュンッ!!


「‥‥‥‥己、小僧。よくも俺様の両肩を貫いたな‥‥‥万死に値すると思えっ!」


両肩には深々と傷が広がり。血?の様なものがアプスの身体中から流れ落ちている。そして、皮膚は焼きただれ、顔も無惨な状態で奴は宙に浮いている。


「油断している方が悪いんだろう。神だからと傲っているから足元をすくわれるんだ。マルドゥク神に負けた時の様にな」


「お前‥‥‥次に俺様の前でその名を言ってみろ。お前の大切な物全てを皆殺しにするぞ」


「できねえよ。アンタは俺が此処で確実に倒すんだからな」


「人間風情が神に勝つだと?夢うつつを抜かすなよ。小僧っ!!!」


「それができるから此処にいるんだろうがっ!淡水野郎っ!!」


アプスが〖淡水の剣・(アプス・アブ)〗を振り上げる。すると剣から〖魔水球〗が現れ、アプスの身体の中へと入って行く。するとアプスの身体の傷はみるみる回復し、元の金髪のイケメンが姿へと戻った。


「フハハハハッ!!この程度の傷など造作もなく治せるのだ。攻撃か無駄に終わったな。小僧‥‥‥‥〖アプス・エンキ〗・〖淡水の大蛇よ(ムシュマッヘ・エメ)〗」


「‥‥‥‥その〖魔水球〗には誰の命が入っていたんだ?俺も敵だった人達を何人も殺めてきた身だから偉そうには言えないがな‥‥‥‥自分が神だからと何でも好き勝手できると思うなよ。人殺しっ!〖雷牙の大太刀〗・〖今日雷の獣乱〗」


「ウオォォオオ!!!!」


その雷獣は確かに刀である。あるのだが、刀身は四肢を持ち、意思を持ち、雷撃の毛皮を持つ。

そして、主人たる。神成 刹那を傷つけられた名刀は激しく激昂し、狩る対象たるアプス目掛けて膨大な雷撃を放った。


「何度も同じ攻撃をしているだけとは、流石、畜生の獣‥‥‥俺様が放った蛇共の餌にでもなり終わるが良いわ‥‥‥フハハハハッ!!喰らってやれ。ムシュマッヘの成れの果てよ」


「「「「「ギシャギシャギシャギシャ!!!!!」」」」」


「まさか。お前が使っている〖魔水球〗の正体は‥‥‥自分の子供だった亡骸‥‥‥‥神獣や新名生物が持つとされる〖魔力真核〗か?」


「ほう。古代の知識も多少は知っているようだな。感心したぞ、小僧。そうとも先程から俺様が回復や攻撃に使っている魔力は我が子供達の〖魔力真核〗。〖因子〗さえ残っていれば。次の心をあたえ再び子供として使えるが‥‥‥‥ひ弱な此方の世界の者共に負ける様な子供などもういらぬ。貴様を倒し、次元の狭間を開ける為の〖贄〗に使ってやるのが本望というものだろうよ。フハハハハッ!!」


「‥‥‥古代から長生きしすぎて心まで薄汚くなったんだな。親としての思考が終わってるな。アンタ。〖雷牙〗!!向かってくる蛇達を全て倒せ。〖雷牙雷舞〗」


「ルオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」


「「「「「ギャシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!‥‥‥パリンッ!」」」」」


〖雷牙〗が吠える。すると最初に放った雷撃の威力が増し。〖雷牙〗に向かって来た蛇達は黒焦げになり。何かが割れる音と共に水の様に溶けてしまった。


「‥‥‥‥先の闘いよりも威力をあげているだと?」


目の前の光景にアプスは驚きの表情を浮かべていた。


「〖雷牙〗はスロースターターだ。長い間眠っていたせいで、自らの力の使い方を忘れていてな。長期戦に成れば成る程コイツは力を思い出し、力を解放するんだ」


「ルオオオオオ!!!!!!!!!!」


〖雷牙〗の雄叫びがティアマト神殿中を揺らした。

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