円卓の騎士・アーサー王と十二の家
地下都市『ロアンヌ』メリュジーヌ&蓬莱組
「メリュさんの説明のお陰で。国内事情は分かってきたが、その円卓の騎士か?どんな奴らが反乱を起こして。どんな奴らが俺らの味方側なんだい?」
「良い質問だね。蓬莱君。‥‥‥‥そうだね。まずは『妖精国』の地理から説明してあげるよう。」
「地理?」
「うん、そう!地理。‥‥‥『妖精国』わね。13人の円卓の騎士達によって統治れているんだ」
「13人の騎士達で一国を納めてるって事かい?」
「納めているというのかな?まぁ、それも正解なんだけど。正確には、アーサー王の統治領。『キャメロット』を中心に、残りの12の領地を北に6つ。南に6つに分けるんだ。それで『妖精国』に忠誠を誓う。円卓の騎士達12人が、北と南の12の領地を1人の騎士が1つの領地として授かり。運営、統治を任されてきたんだ」
「それで、今回、その12人いる。円卓の騎士達のうち、6人が‥‥‥約半分の騎士が反乱を起こしたということかい?」
「‥‥‥‥うん!まぁ、正確には、南側の騎士達。ランスロット卿やモードレッド卿を中心とした騎士達が反乱を起こしたんだけだね」
「そのランスロット卿とかモードレッド卿つう、呼び名は何なんだい?」
「呼び名かい?‥‥それはね、家名だったり。異名や二つ名だったり色々かな。始まりの十二家とも言われているよ」
「また、たいそうな名前だね!始まりの十二家なんてよう!」
「まぁ、結構大げさだとは此方も思うよ。‥‥‥この始まりの十二家わね。神魔竜戦争で活躍した人類側の代表を指して言うんだ。」
「人類側の代表?」
「そう、エルフや上位妖精の神代十二英雄と対になる存在の事を言うんだ。人族側で活躍したのがランスロット家、ガウェイン家、ガラハッド家、ベディヴィア家、アグラヴェイン家、トリスタン家で。妖精側‥‥いや、ユグドラシル地方の民で活躍したのが、ペリノア家、モードレッド家、ユーウェイン家、パーシヴァル家の10の家系があって‥‥‥」
「ん?残りの2つの家系は?」
「あぁ、それはね、此方と」
「セツがその1つを任されています」
此方た蓬莱君が話しているテーブルの上にいきなり灯火が灯り。そこから、少女姿のイフリートが現れた。
「イ、イフリート殿!もう、傷は癒えたのかい?そ、それにあんた、神代十二英雄じゃないのかよ?円卓の騎士にも席を入れているのか?」
「えぇ、昔は、神代十二英雄にも名を連ねていましたが、時代が神代から現代に移り変わる際、『オーディン』様の最後の頼みでセツと」
「此方が『妖精国』‥‥‥いや、円卓の騎士達の抑止力として2つの席を神代からずっと守っていたんだ」
「それは、もし『妖精国』で他の家系の奴らが反乱を企てた時‥‥‥」
「そう!直ぐに対応できる様におじいちゃん!『オーディン』様が考えた事なんだ。だから、此方がこっちでの名前はメリュジーヌ・フローレンスで」
「セツがイフリート・サグラモール」
「フローレンスにサグラモール?」
「まぁ、授かり名だから余り気にしなくていいよ!蓬莱くん、それでね、簡単に説明すると此方とイフリートは円卓の騎士達の抑止力で、十二の家計中2つを昔から牛耳っていて。他の10家に睨みを聞かせるのが役目ってことさ。ちなみに此方達は妖精側の家系に分けられてるよ」
「その分けるっていうのは何なんだい?」
「ん?あぁ、それはね。最初の人類側の6家は妖精と人類のハーフの家系で続いているのが特徴でね。残りの此方達は純粋な上位妖精だったり。上位妖精達が結婚したりして産まれた神代の血を濃く引く妖精だったりするのさ。先日、奇襲を仕掛けてきたモードレッド卿なんて、その代表みたいなものだよ!ねぇ、イフリート?」
「えぇ、モードレッド卿の家系は、古くから妖精純血主義を貫いている家系ですから」
「魔法の袋の中で見てたけどよ!あいつ、そんなにすごい奴だったのか!」
「昔から、野心家でしたが。アーサー王やモルガン様とは友好的な関係で。『妖精国』の未来を常に考えている人ですが、‥‥‥‥メリュジーヌ!」
「うん!イフリート。あれは、何者かに洗脳されている感じだった」
「えぇ、そして、セツとメリュジーヌ卿が地上。‥‥‥『セルビア』に応援に行っている間に」
「『妖精国』に残った残りの10家中、6家の反乱を起こしたと?」
「しかも、南側を任されてる。ランスロット卿、モードレッド卿、ベディヴィア卿、ペリノア卿、ユーウェイン卿、アグラヴェイン家が反乱を起こした」
「まぁ、百歩譲って。ランスロット卿とモードレッド卿は分かりますが残りの4家は余りにも不自然です。特にべディヴィア卿とアグラヴェイン卿は、‥‥‥いえ、残りの2人も!」
イフリートは怒りで激しく燃え上がった。
「そうだね!しかも此方の配下の間者に聞いたら。北の『ロンギヌ』を守る。パーシヴァル卿が少し前から失踪したんだ」
「パーシヴァル卿が?!では?」
「‥‥‥‥最悪、洗脳されているか、下手したら殺されているかもしれない」
「そんな!‥‥‥‥‥どう、動きますか?メリュジーヌ?」
「そうだね。まずはバラバラになった。ご主人様達と合流したいところだったけど。この数日間の間者達の話を聞くと、悠長に合流を待っていたら。パーシヴァル領は火の海になっちゃうし‥‥‥‥とりあえず、パーシヴァル領で暴れている。ベディヴィア卿を正気に戻しに行こうと思うよ。?イフリートはどうする?」
「‥‥‥セツは、一旦、『キャメロット城』へ向かおうと思います。この状態では暫く戦えませんので」
「右に同じだ。俺もイフリート殿も『ヴォーディガン』との闘いで神話と神代時代に回帰しちまったからな。戦えるまでにもう少しかかる」
「了解!じゃあ、イフリートの力が戻り次第。此方の領地。この、『ロアンヌ』とイフリートの領地『サラマ』で兵を動かして『キャメロット城』で合流しよう。それで良い?イフリート」
「えぇ、それで構いません」
「あっ!ごめん!1つだけ、聞くのを忘れてたけど。もし、今の状態で君が敵に捕まったとしたらどうするんだい?」
「簡易転移魔法で主殿かタマキ様の所へ逃げます」
「そうか、契約パスは繋がってるんだっけ?」
「はい!今は『妖精国』内の魔力濃度が濃すぎて詳細な場所が分かりませんが。転移をすれば主殿かタマキ様の直ぐ近くには転移できるでしょう」
「分かった!教えてくれてありがとう。じゃあ、蓬莱君!今から、パーシヴァル領に乗り込んでベディヴィア卿を叩き潰しに行くよ!」
「‥‥‥‥はい?メリュさん!今、なんて?‥‥‥何で俺を抱き抱えてるんだい?俺はまだ、完全には‥‥‥」
「じゃあ、イフリート!ここからは、慎重にお互い動こうね。じゃあ、行ってくるよ!ギャシャアアア」
此方はそう言うと『白亜の竜』に変身し『妖精国』の空へと飛び立った。
「た、助けてくれ!!!イフリート殿!!!」
「‥‥‥慎重に行動するとは?メリュジーヌ?!」
此方が『ロアンヌ』を飛び出して行った後、イフリートが呆れながらそう言った。
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