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怪物達の二重奏 No.3 偉大なる竜の語り


□□□□□


〖ウシュムガル〗


偉大なる竜と言われ、四本足を持つ大蛇であったと伝えられている。


□□□□□


〖エリシュの群衆地〗


「ウィー!!〖聖杯・聖典〗・〖聖蹴〗」


「無駄‥‥‥〖ウシュムガル・エンキ〗・〖延髄の叫び(ムガル・アガ)〗」


ドガアァァ!!


「‥‥‥‥どちらも凄い力ですね。(それにしてもルア法王様はどこからあんな力を出しているのでしょうか?)」


「やりますね‥‥‥小娘さん」


「ウィー!オマエも強おい‥‥」


「私が強いですか‥‥‥‥馬鹿を言わないで下さいな。彼方の世界で負けた私達が強いわけありませんよ。お父上は執念深く、彼方の世界に居たお母上に会おうと模索していますが、そんなの意味が無い事も分かっているんです‥‥‥なのに兄弟の皆さんは私の話を聴いてかれない‥‥‥‥」


「なんだが不満を言い始めましたね」


「ウィー、ウシュムガル!悩みあるなら私が聴いてあげりゅ。ルアは聖職者だからどんな子の悩みも聴いたげるの」


「‥‥‥貴女の様な幼女が聖職者?少し意味が分かりませんが‥‥‥ムシュマッヘも何処か飛ばされてしまいましたし、お父上もティアマトも暴れていて私の話など聴こえるわけありませんね‥‥‥‥見栄を張って高度な技を使いすぎましたし。少し休戦という事でお喋りしましょうか」


「は?お喋りですか?‥‥‥アナタは今の状況を何だと思っているのですか?アナタは〖神・アプス〗の子なのでしょう?ならば戦うのが普通では?」


「‥‥兄弟があれ程いれば例外もいるのですよ。剣士さん。それに私は余り争いは好まないですから、さっきまではムシュマッヘや他兄弟の気配が近くにあったので攻撃してただけですしね‥‥‥無意味な生存競争をかけた闘いなど意味が無いんですよ。私達はこの世界にとっては異物、何れは淘汰される日が来ることなんて分かりきっていたことですからね」


「はぁ、そうなんですか‥‥‥それはお気の毒ですね」


「ウィー、どんどん話せ。ウシュムガル‥‥‥悩みは貯めちゃダメだから。〖聖杯・聖典〗・〖悩みあるものに光を〗」


ルア法王はそう言うと白色の聖典を造り出し手に持った。


「ルア法王様‥‥‥それは言葉浄化の光」


「‥‥‥‥はい。私は最初から分かっていたのです。私達。兄弟は、お父上に利用されているだけだと。あの神にとっては私達の様な怪物なんて、ただのこの海を統べる為の道具に過ぎないという事を‥‥‥私は最初から気づいていましたよ。お父上のあの目を見れば直ぐに分かりましたとも‥‥‥」


「利用されているだけですか?それはどういう‥‥‥」


「‥‥‥‥本物のお母上‥‥‥ティアマトお母様を殺した〖地球〗への復讐ですよ。此方の世界の‥‥‥‥魔法世界(アリーナ)の―女神―ティアマトを操り。次元の裂け目を開いた後に私達を送り込んで〖地球〗全ての人類を化物の姿に変え、アプス(深淵)の世界を創ろうとしているのです」


「ウィー、アプス(深淵)の世界?何それ?」


「‥‥‥彼方の世界。〖地球〗には魔力と言うものが殆んど存在しないと聴いております‥‥‥‥それを利用して私達のお父上〖神・アプス〗は此方の世界で知った〖魔力暴走〗と言うものを〖地球〗の人達に施し、異形化をさせる気なんですよ‥‥‥‥」


「その話‥‥‥確か〖深海〗に居た時、神成様も似た様な事を仰っていましたね。〖地球〗と言う場所は本当に存在するのですか?ルア法王様。ウシュムガル様の話だけで何とも信じがたい話に聴こえてしまうのですが‥‥‥」


「ウィー、〖地球〗はありゅ。私も一回行ったから‥‥‥ウシュムガルの言ってる事信じりゅ。契約も何もない―女神―がいきなり現れたら‥‥‥‥皆、形変わりゅ‥‥‥‥八頭、アナ、灰かぐは〖善性〗だから影響与えない。でも―女神―ティアマトは違う」


「違う?」


「そう‥‥‥あれは〖悪性〗。だから、〖地球〗に降りたら皆、魔力暴走起こしてお化けに変わっちゃう‥‥‥多分」


「‥‥‥‥それがあの執念深きお父上のやりたい事なのですよ。無意味な地球への‥‥‥‥いえ、古代への復讐。文明が違うのですよ。もう、時代は移り変わったのです。それも分からず、愚かに別世界に迷惑をかけるなんとも愚かなお父上。哀れです‥‥‥‥兄弟達も私を含めて残り四体ですか。少なくなりましたね‥‥‥休戦もそろそろ終わりにしましょうか。クサリサにでも、来られたら不味いですしね」


「クサリサ?ウィー、誰?」


「お父上〖神・アプス〗やティアマトと同じ神級の存在ですよ。あれにこの場の会話を 聴かれると色々と不味いです。傲慢な牛の者は‥‥‥では闘いを再開しましょうか。私があれに殺されない様に」



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