碼碯の誓いはこの時の為に No.4 禁則と泥よ
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ラフム
大蛇であったり、海の沈泥、そして、泥の意を持つ。
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この魔法世界には観測されぬ場所がある。関わってはいけない場所がある。人物達が複数居る。それらと一度でも交われば、後悔するだろう。その為に彼等も彼女等も表の側には出てこない、あえて関わらない様に振る舞い、避けるのだ。そして、その禁をとある将来有望な一団が好奇心に負け、破り、後悔する事になったのだ。
〖ティアマト地方・禁則区域〗
(こ、こんな人が存在するなんて‥‥‥あり得るの?)
(あぁ‥‥‥‥アルク様)
(王子‥‥逃げて‥‥‥)
(‥‥‥‥だから言わんこっちゃないんだよ。迂回すれば何も起こさないと、こちらからワザワザ誓いを立ててやったのにさぁ、ちょっかいをかけてきたソチラさんが全て悪いんだよ?)
(興味本位で関わって良い人ではなかった‥‥‥こんな人がこの世界にいるなんて‥‥‥)
(アァー、虚ろな目で遠くを見ちゃってるよ‥‥‥じゃあね。マリーは忙しいからもう行くからね。これに懲りたら〖婦人〗に関わらない事をオススメするよ。それじゃあ、バイバイーー!!)
そう言って一人の少女はティアマト地方の海面の荒波へと姿を消した。
(あぁ‥‥‥あんな人がいるなんて知らなかった。あんな力が存在するなんて無知だったよ。お父様‥‥‥助けて下さい)
(おい、お前。見てたぞ見てたぞ。あんな者に関わろうとするとはな。愚かな奴だな)
(‥‥‥‥海の上に泥が?)
(だが、なかなか良い器を持っている。他の奴の身体は必要ないがお前は別だ。命が終わるのなら、使わせて貰うぞ。その身体‥‥‥‥)
(ア‥‥‥‥アアアアアアアアアアアアアア!!!!!や、止めてっ!僕の心の中に!!!!勝手に入って来ないでええぇぇ!!‥‥‥‥意識が溺れる‥‥‥せ、せめて、全て無くなる前に君達だけでも助かって‥‥‥ゾイサイト!!宝石魔法・〖貝の揺り篭〗)
巨大な貝殻が海面へと浮上する。
ズズズ‥‥‥‥。
(こ、これは?お、王子?)
(‥‥‥‥最後の力だよ。あぁ、もう意識が‥‥‥消え‥‥てくよ‥‥‥‥)
(フハハ。何の抵抗もしないで主導権を渡すなんた愚かな奴だな。この身体は‥‥‥良い器を手に入れた。気分が良いな。この貝の上に居る奴等は時期に海の海獣にでも喰われるだろうし、放っておこうか‥‥‥じゃあな。名も知らない仲間達。良い死に様を味わってくれ。フハハ)
(‥‥‥‥あぁ、アルク様が‥‥‥海の中へと潜った?‥‥‥)
(これから俺達はどうすれば良いんだ?‥‥‥‥)
▽▽▽▽▽
「ギャアアアアアアアア!!!!!か、身体が割れる!!!!」
「‥‥‥‥これが俺の息子の身体を奪った時の記憶か?‥‥‥‥成る程。馬鹿息子は禁則に触れ、その隙をお前に憑かれたのだな。納得した‥‥‥‥ならばさっさと俺の最愛の息子から出ていけっ!汚濁の泥よ」
「アアアアアアア!!!〖同化〗が!!維持できない!!!身体がアアアアアアア!!!元に戻る!!!醜い姿に!!!帰る!!!!止めてくれエエエエ!!!」
「クククククク‥‥‥五月蝿い。五月蝿い。異物の真の姿を見れる。良い余興だよ。クククククク」
「アアアアアアア‥‥‥‥アアアアアアア!!!!!!!」
バシャッ!
一人の少年と汚き泥の心が分離する。
片方は美しき顔立ちの美少年。
かたやもう片方は醜き姿の泥の塊。
「アアアアアアア!!!!身体が!!身体が!!僕の完璧な身体アアアアアアア!!!」
「それがお前、本来の姿か‥‥‥‥形無き泥の姿が‥‥‥」
「アアアアアアア!!黙れ!黙れ!黙れ!!僕は完璧な存在!!全てが完璧な〖神・アプス〗の次を担う王子ナンダゾッ!!!〖ラフム・エンキ〗・〖汚濁の子供〗」
「その完璧に俺の最愛の息子の身体を勝手に使うな。腹が立つ‥‥‥だが、お前には感謝してやろう。こうして、俺の息子が息長らえてくれたお陰で、息子と再開する事が叶ったのだからな‥‥‥‥せめてもの慈悲だ。お前はラグナの回廊へと導き、新しき者になる為の手助けをしてやろう‥‥‥‥神代・回帰‥‥‥‥鋼鐵魔法・〖アダマスの鎌〗」