碼碯の誓いはこの時の為に No.1 二つの現代魔法
〖十年前〗
(アルク!地魔法を‥‥‥現代魔法を極めた者はその者が持つ特性と才能により、独自の魔法を手に入れる事ができる‥‥‥〖昇華〗を行えるんだぞ。この俺の様にな。鋼鐵魔法・〖碼碯の石像〗)
(わー、凄いです!お父様。僕もいつかお父様の様な鍛練を積めば、いつか凄い魔法を使える様になりますか?)
(あぁ、勿論だ。お前は俺の血を引いている紛れもなく天才の筈だ!ハハハ!!だが、使える様になるのも、アルクが大人へと成長する位の時間が必要だろうな)
▽▽▽▽▽
〖八年前〗
(お父様っ!お父様が以前、言っていた様に鍛練を積んだお陰で〖昇華〗しましたっ!)
(おお、それは凄いですな)
(は?‥‥‥‥アルク。お前。今、何と言った?)
(はいっ!お父様と同じ様に現代魔法を〖昇華〗し、独自の魔法へと変化させる事ができましたっ!こんな風にっ!結晶魔法・〖六角宝〗)
パキンッ!
(ほお、これは素晴らしい‥‥‥宝石系統の魔法ですかな?アダマス王。これはアダマス国の未来は玉の様に明るいですな)
(レッドスピネル‥‥‥‥余り喜ぶな。(ボソッ)‥‥‥‥しかし、この若さで〖昇華〗を行えるとはな。アルクは本当の天才かもしれんな。だが、しかしアルクは、まだまだ子供過ぎる‥‥‥‥)
(お父様?)
(アルクのこの力を知った何者かが、アルクの力を利用するとも限らん。どうしたものか‥‥‥‥)
(では、私の古き友人‥‥‥‥〖アインズ〗が住むユグドラシル地方の〖始まりの大森林〗へと預けてはいかがですかな?)
(始まりの大森林だと?)
(えぇ、ユグドラシル地方は平和な土地。それに北上すればアダマス王も通われた〖北東魔法学校〗もあり、アダマス王がご心配になる様な事は起きないかと‥‥‥‥)
(ユグドラシル地方か‥‥‥‥確かに年齢的にもアルクも四大魔法学校の内の何処かには通わせ様とは思っていたが‥‥‥‥アルクはそれで良いか?)
(はいっ!僕は魔法が学べるならば何処でも良いですっ!お父様のお役に立てる様に頑張って、勉強したいですしっ!)
(‥‥‥‥アルク。お前)
(良い子に育ちましたな。王妃と王女が行方不明になり、アダマス王が男手一つで育てた甲斐がありましたな)
(‥‥‥黙れ。レッドスピネル‥‥そうか。ありがとうアルク)
(父上。何を泣いているのですか?‥‥‥大丈夫ですか?)
(あぁ‥‥‥‥大丈夫だよ。俺はお前が真っ直ぐに育ってくれた事が嬉しくて泣いているだけだ‥‥‥‥あぁ、我が最愛よ。産まれて来てくれてありがとう)
▽▽▽▽▽
〖玉座〗
「その後、アルクは〖北東魔法学園〗を主席で卒業した後、アダマス国帰郷後、四地方へと旅に出させたが‥‥‥‥よもや、お前の様な者に身体を乗っ取られているとはな」
「長話は終わりかい?ならば始め様か?この元の身体の持ち主のお父様とやら」
「‥‥‥‥‥‥」
〖海底領域突入前〗
(アダマスのオッサンッ!あんたの息子さん。この海底領域のどっかに入るってよっ!)
(何だと?!それは本当か?神成)
(あぁ、だが変な事も言っていた。それは‥‥‥‥)
(は?何だそれは?!)
(多分、あれと一緒だと思うからさ。これとこれを渡しとくぜ)
(二つの魔玉か‥‥‥‥)
(エンシェント・ファングの〖鎮まりの玉〗と魔霊の〖分霊分け〗だ。いざって時は上手く使ってくれ)
(お前、これ‥‥‥‥特殊魔道具だぞ。こんな貴重な魔道具を何故、ただで寄越す?‥‥‥‥まさかまた、良からぬ事を企んでるのか?)
(ちげえよ。オッサン。今回の旅の報酬だよ‥‥‥‥オッサンは何だかんだと俺達に協力してくれてるしな。全部、終わった時はそれ以外にも色々と渡したいからよろしくな~!じゃあ、オッサン。その息子とから言う奴の所まで飛ばしてやるから、いってらしゃいっ!〖縮転移〗)
(は?お前っ!いきなり何をする?!!)
シュンッ!
「おいおい。何をボーッと僕の顔を見ているんだい?おじさん」
「‥‥‥‥あの小僧は何処まで見ているんだろうな。あんな少ない時間で俺の事情まで汲み取り、お前との闘いで必要な物まで用意してくれるとはな叫べっ!エンシェント・ファングの大いなる咆哮よっ!」
アダマス王が叫び声を上げた瞬間。その叫び声を上回る雄叫びが〖鎮まりの玉〗から獣の咆哮が響き渡った。
「ガアアアアアアアアアア!!!!!!」
「は?いきなり、何をして‥‥‥‥アッ?」
「そう、エンシェント・ファングの叫びは魂や身体の異物を取り去る為の魂の叫び‥‥‥出ていってもらうぞ。俺の息子の身体からな。鋼鐵魔法・〖碼碯の槍〗」
「‥‥‥‥ぐっ!誰の悪知恵だ?‥‥‥冗談にしては笑えないぞ。お前!!結晶魔法・〖天青石の剣〗」