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円卓の騎士・パーシヴァル卿



ここは、まさに地上とは、異なる(ことわり)の世界。


北は『奈落』へと繋がり。南は冥界のへと誘う。


そして、東は神代の怪物達が跋扈(ばっこ)する魔窟なり。


唯一の救いは、西にあり。その道は最果てへと続き。最果ての島『アヴァロン』へと繋がる。


だか、安心せよ、『妖精国』は結界なり。四方を固めるは、結界なり。


奈落、冥界、魔窟、最果てを閉じる結界なり。


ここは、地下世界『妖精国』‥‥‥またの名を異世界『アルフヘイム』なり。


著『冒険家・ラインバッハ・エゴル』



地下都市『ロアンヌ』


「っと!この雷様から借りた。エウロペ大陸観光ガイドには、書いてあるがよう。本当なのかい?メリュさんよう?」


「まぁ、一部は大げさに書いてるけど、(おおむ)ねあってるかな?多分」


「多分?」


此方(こなた)と蓬莱君は、宿場で朝食を食べながら。

蓬莱君が持っている、エウロペ大陸観光ガイドを一緒に読んでいた。


「しかし、奈落に冥界、魔窟で最後は最果てねぇ!エウロペ大陸の下が、本当にそうなっているのかい?『列島大陸』じゃあ、そんな場所聞いたこともねえが?」


「うーん!多分、奈落は、エウロペ大陸の死の大地よりも向こう側の『奈落の底』の事で、冥界は天界の一つだと思う。」


「じゃあ、冥界まで行けば。生きたまま、天界に昇れるって事かい?」


「‥‥‥いや、多分、生きてる子が冥界まで行ったら。そのまま、落ちるだけだよ。まぁ、簡単に言えば死んじゃうって事」


「成る程。行っても死ぬだけか。」


「うん!」


「じゃあ、残りの魔窟と最果ては?」


「魔窟は多分。魔界じゃないかな?それか‥‥‥アリーナ七大大陸の一つ『暗黒大陸』に繋がっているか‥‥‥此方(こなた)の勝手な憶測だけどね」


「『暗黒大陸』?『エウロペ大陸』や『列島大陸』とどう違うんだい?」


「違いかい?そうだね。『エウロペ大陸』やその蓬莱君が住んでいる。『列島大陸』は人が住める地域がちゃんとあるでしょう?」


「ん?あぁ、東国(とうごく)や神ノ島や竜宮城とかあるな」


「そんな感じで『エウロペ大陸』も死の大地らへん以外は、だいたい住める地域がちゃんとあるんだ。でもね『暗黒大陸』はそうじゃない」


「‥‥‥人が住める地域も場所も無いと?」


「そう言われているね。『暗黒大陸』の周りの天気は常に不安定で。伝説級の魔物や竜種や一説には悪魔も住んでるとか言われているよ」


「竜種に悪魔?」


「そう、だから、昔から、魔窟がある『妖精国』の東の向こう側と『暗黒大陸』は何処かで繋がっていると噂されているんだ」


「大陸同士が繋がっているなんて聞いたこと無いぜ」


此方(こなた)も無いけど。本当の事は分からないんだ」


「それで?最後のこの、アヴァロンは?」


「最果ての島だね。エウロペ大陸に存在する7の秘法の一つ『エクスカリバー』発祥の地さ!『妖精国』だと希望の島とも言われているんだ」


「あの、タマキ様と同じ。7の秘法の発祥の地かい?それは、スゲー!」


「『エクスカリバー』については、雷撃君が元所有者だったんでしょう?無事に合流して、気になる様なら聞いてみたら?蓬莱君」


「あぁ、そうしてみるぜ」


「それで、その四方からの侵入者を防ぐだめに神話時代に七聖の―女神―様達が『妖精国(アルフヘイム)』に地上の『セルビア』と同じ位の大きさの結界を張ったんだ。それが、今の『妖精国(アルフヘイム)』の始まり。此方(こなた)達はその結界を守るために、昔から『妖精国(アルフヘイム)』に住んでいるんだ」


「へー!すげえな!メリュさんは、本当に色々な事を知っているんだな!」


「ふふん!なんたって此方(こなた)は『妖精国』でも重鎮だからね。円卓の騎士の筆頭騎士でもある人なのです」


此方(こなた)はご主人様もタマキ様もいないので少し浮かれていたのでした。



月の谷・朝ログハウス


「昨夜は、突然の襲撃してしまい大変失礼しました」


裸の美少女が朝から床に這いつくばって土下座した。


「‥‥‥何するんですか?アルディス王子」


「目隠しだよ!セツナ君」


「アルディス王子は」


「僕は女の子だよ!セツナ君」


「‥‥‥‥」


「何で黙るの?セツナ君」


「いえ、何も」


くそ、反転する。アルディス王子のこれまでの行動が男性の行動から女の子の行動に反転していくだと?

いままでは男の子だからと思い。見ていた可愛らしく痛い行動が、女の子と分かった瞬間。全てが可愛く見えてしまう。なんという、孔明の罠だろうか?


「何?静かになっちゃってさぁ!遂にアルディスお姉さんの魅力に気づいちゃったかな?セツナ君」


あぁ、そうか、この人は現、俺の年齢よりも1つ上なのか。


「いえ、別に」


「む!何、無愛想になってるんだよ!エイエイ」


ムニ、ムニと胸を当ててくる。よく、感触を確認してみると結構な大きさだと分かってしまった。


「ちょっ!いい加減に‥‥‥」


「うわぁ!いきなり振り向いたら体勢があぁぁ!」


「あ、危ない」


俺はとっさにアルディス王子を庇う様に位置をずらし。俺が床にぶつかり。アルディス王子のクッションになることに成功した。


「痛たたた、だ、大丈夫ですか?アルディス王子?」


「うん、大丈夫‥‥‥ねぇ!これは、何かな?当たってるんだけど」


「‥‥‥何でしょうね?」


「何だろうね?‥‥‥まぁ、いいや、ちゃんと僕に反応してるってのが分かったしね。僕がケガをしないように庇ってくれたこともポイント高いよ!セツナ君。ありがとう」


「‥‥‥はい。どういたしまして」


「あ、あの~!私は後、どのくらいこの体勢で居ればよろしいですか?お二人共‥‥‥」


「「あ、忘れてた」」


「ひ、ひどい!」


元、黒い狼の人は泣きそうになった。


「えっと!では、改めて、俺は、ナルカミと申します」


「ナルカミ?‥‥‥僕は、アルディス王女です。よろしくお願いします」


「アルディス王女?」


「何?セツナ君?文句あるの!」


「いいえ何も」


「ならばよし!」


アルディス王女の態度がどんどん変わってきてビックリである。


「ナルカミ様にアルディス王女?アルディス王女?って!『セルビア』のアルディス王子ですか?貴方?」


「うん!そうだよ!土下座エロ妖精さん」


「だ、誰が、土下座エロ妖精ですか?!誰が」


「じゃあ、エロ黒狼かな?」


「くぅー!違います。私は『妖精国』円卓の騎士が1人。パーシヴァルです!以後、お見知り置きを」


おぉ、まじか、アーサー王伝説で有名な。聖杯探索の成功者。パーシヴァル卿の名を持つ人か。助けて大正解だったな。あぶない。あぶない。


「では、土下座エロ妖精さん!何故、俺達を襲って来たのか理由を」


「だから、私、土下座エロ妖精じゃあ、ありません」


「おぉ、さすがは、円卓の騎士。突っ込みも際わたってますね」


「さすが、エロ騎士だね。今も裸で入るし」


「わ、私は円卓の騎士・パーシヴァルですーーー!」


裸の騎士・パーシヴァル卿の叫び声がログハウス中に響く。朝だった。










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