海闘の国・エリシュ
〖海闘の国・エリシュ〗は深海エリアの中心地に存在し、海面を上へと行くと〖海底〗エリアの中心しにして現在は〖神・アプス〗が支配地としている『海底領域・エリドゥ』に行き付き、更に上がる事で―女神―ティアマトの加護が残る〖造船都市・エヌマ〗へと浮上する事になる。
そして、今、俺達は打倒〖神・アプス〗を掲げるレジスタンスの本拠地である海闘の国・エリシュへと向かっている最中なのである。
〖深海エリア・ムンドゥ海流〗
〖魔水球内部・リビング〗
「なぁ、アマルさん。今のティアマト地方は上はティアマトが加護あり、真ん中は〖神・アプス〗が支配し、下は無法地帯って感じなのか?」
「んー?そうね。無法地帯と言うのが一番しっくりくるかもね。ティアマト様が〖深海〗を治めていれば何にも起こらないんだけど、今はほら〖神・アプス〗がこのティアマト地方を実質支配しようとしているから〖冥界〗との折り合いが悪くなってるのよね」
「〖冥界〗との折り合い?なんだそりゃあ?」
「〖深海〗の更に下は〖冥界〗なのよ。〖神・アプス〗が現れるまではティアマト様の力で平和な海を保っていたんだけどね。ティアマト様が姿を見せなくなってからは、〖神・アプス〗とその子供とか名乗る奴等が好き勝手に暴れて〖海底〗と〖深海〗の秩序を滅茶苦茶にしたのよね」
「七聖―女神―の書にあった。ティアマト地方の〖異形の現れ〗事件か‥‥‥‥でもそれは確か他の―女神―達の力で解決した筈じゃないのか?」
「そうね。魔法大陸全体から見て、表面的には解決した事になるわね。〖海上〗から下にアイツらを追いやっただけならね」
「〖海上〗から下?」
「〖神・アプス〗や化物達は気づいたのよ。地上で暴れても滅ぼされるけど、―女神―達の目が行き届かない〖海底〗と〖深海〗なら支配できるとね。だから、〖神・アプス〗は〖海底〗エリアを治めていたあの方を殺して海底領域・エリドゥを奪い。邪魔な子達は全て〖深海〗エリアに追いやるか、冥界送り、化物化させて自分の配下にしていったの」
「それを―女神―ティアマト様は黙って見ていたのか?普通ならそんな」
「ティアマト様も最初の方は抵抗はしたのよ、でも何故か〖神・アプス〗の姿を見たら戦うのを止めて意識不明になったって聴いたわ‥‥‥‥何かしらの理由があるのよ。そうじゃなかったら、遥か昔は終わりの海とか言われていたこんな海を平和と繁栄の象徴の海とまで言われる様に変えた偉大な私達の神じゃないわ」
「‥‥‥‥成る程。それで今は〖神・アプス〗の打倒を〖深海〗や〖海底〗エリアに住む人達でやろうとしているんだな」
「そうよ。このまま何もしなかったら、私達、〖深海〗と〖海底〗の民は冥界行きか化物に変えられて全滅するんだもの。だから、〖深海〗の皆は密かに海闘の国・エリシュに集まって軍を編成しているのよ。そして、いつかは〖神・アプス〗が居る海底領域・エリドゥに進行するんだって」
「‥‥‥‥でもこのティアマト地方の地図にはこう書いてあるぞ。『〖海底領域・エリドゥ〗には神聖な古代の結界が張られており、とあるの神と名乗る者の許可なく外側から入ることはできなくなったと』とかな‥‥‥‥つまりこれって外側から侵入は不可能って事だよな?」
「それは‥‥‥いつかはどうにか侵入する方法を誰かが見つけてくれるわよ。そして、いつの日かあの最悪なアプスを打倒してくれるわ」
「つまり海底領域・エリドゥに入る為の手段は無いけど、反乱を起こす為に一ヵ所に集まって準備をしてるって事だよな?」
「‥‥‥‥まぁ、そうなるわね」
「そして、地理的に〖海底領域・エリドゥ〗は海闘の国・エリシュの真上にある‥‥‥‥つまり、敵からしたら何時でも潰せる場所にワザワザ反乱分子が集まってくれてラッキーって事だ」
「だから、何が言いたい分け?アンタはっ!」
「‥‥‥‥泳がされてるんだよ。アンタら〖深海〗と〖海底〗の反乱分子達はな。時が来ればアトランスに来たあの化物達が送り込まれて蹂躙される未來しか待っていないって事だ」
「つっ!‥‥‥‥そんなの皆、分かってるっ!分かってるけどっ!これ以上のアイツ等から支配なんて皆、耐えられないっ!限界なんてティアマト様が姿を見せなくなってからとっくに過ぎてんのよっ!馬鹿っ!」
アルマさんはそう言うと魔水球のリビングから出ていってしまった。
「‥‥‥‥‥馬鹿とはなんだよ。馬鹿とは‥‥‥たくっ!この現状を見かねたからなのか?‥‥‥‥だから俺達を寄越したって事なのか?あのアホアテナ様は‥‥‥‥見えてきたな。次の目的地〖海闘の国・エリシュ〗が‥‥‥‥」
〖海闘の国・エリシュ〗の上
「へへへ、兄貴、あれがエリシュの国だぜ」
「親父殿はもっと膨れてから滅ぼすと言っていたが‥‥‥‥あの王子に言われたら滅ぼすしかあるまいな。行くぞ。バシュム」
「へへへ、ヘイッ!ムシュフシュの兄貴、て、てめえ等もこ、来いっ!あ、兄貴の命令だぞ」
「グルルル!!」「キシュキシュ!!!」「ババババ!!」「ルルルオオア!!」「マルルルル!!!」
化物達が進行する‥‥‥‥‥。




