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『青深海』
〖深海港・ティス〗
「グラアアアア!!!!な、何でこんな深海に七聖教会の奴等がいるんだよっ!ああぁぁぁ!!!身体がこのままじゃあ溶ける!!!覚えてろよっ!貴様達!!!」
「バ、バシュム様!!!置いて行かないでくれえぇで!!!」
「おいっ!良いのかよっ!!あんたのお父様とか言うのに任されてる場所なんだろ?どこ行くんだっ!」
「そんなの知るかっ!お前らは俺が生きる為の時間稼ぎだっ!せいぜい、楽しい最後を迎えろよ。海獣共っ!!!」
「セハル様。バシュムと名乗った化物がこのままでは深海に‥‥‥‥追いますか?」
「いや、止めておきましょう。地下鉱脈で長い間さ迷っていましたからね。僕達は体力的にも限界がきています。ですかのでこの〖ティス〗を拠点に解放地域を広げていきましょう」
「広げていくですか?」
「えぇ、七聖―女神―様達からの許可も無い状態で別世界からやって来た異物達から、奪われた土地を取り戻す為にも、まずはこの地で虐げらている方達を味方に付け。ゆくゆくは〖神・アプス〗とか言う者の本拠地がある〖海底〗エリアの中心〖海底領域・エリドゥ〗を目指しましょう」
「〖海底〗エリアですか。成る程、其処を抜けさえできれば〖海洋〗エリアまで出る事が叶いますからな‥‥‥‥そして、我々の本来の力持ち使えますな」
「その通りです。ルクサルマ卿‥‥‥それに〖深海〗の主要国の一つである〖アトランス〗を早くも彼が味方に付けた様ですしね。はやり交渉事は彼に任せるのが適任ですね‥‥‥しかし、〖七聖―女神―〗だけでなく〖七原龍〗〖七氷帝〗〖七終神〗とまで契約を結んでいるとは、少し会わない間にいったいどれ程の『始祖・神集九煌』と交流を結んでいるのやら。羨ましいですね。全く‥‥‥‥」
〖深海〗の港街ティスを解放した〖七聖―女神―〗教会は、その〖日〗が来るまでの間にフレティア水門からティスを中心に仲間を集め、対〖神・アプス〗に対抗する為の第二のレジスタンスを結成する為に動きだした。
〖アトランス国〗滞在五日目
〖客間の間〗
「おはようございますっ!ご主人様。今日もアルマ様と可憐様の所に行ってきても良いですか?ちょっとまた一緒にアトランスの街を一緒に出かける事に成りまして‥‥‥ワガママだったでしょうか?」
ウリエルさんが朝っぱらから、上目遣いで俺にお願いしてくる。いや、可愛いな。おい‥‥‥これはOKサインを出してあげなくてはなるまいて。
「ん?あぁ、良いぞ‥‥‥此方の用事もあるしな。つうか、何でいつの間に君達は仲良くなったんだ?何かあったのか?」
「はいっ!凄い事が数日前にありましたね‥‥‥‥では、可憐様が待っていますので行ってきますね。お昼頃には戻りますので」
「お、おぉ、行ってらっしゃい‥‥‥」
ウリエルはそう告げると客間の間の窓からフヨフヨと飛んで行った。
アトランス国での闘いから五日目程、経った、五神結界の効果なのか。結界を敷いてから〖神・アプス〗の干渉は一切ない。
そして、心の相棒足るウリエルさんは同化を解いて久しぶりに外に出てきたので、暫くの間は外で過ごすとの事。
ウリエルさんはいつの間にかアルマさんと可憐ちゃんと急激に仲良くなった様で、ここ最近は毎日の様に一緒に遊んでいるのだ。
「ウリエルに友達ができたんだな‥‥‥‥良かった」
〖アトラの観光市場・カフェ・アル〗
ウリエル、アルマ、可憐、サイド
「やっぱりあれよ‥‥‥‥彼はあれは使って無かったのよ」
「やっぱりそうなんですか。じゃあ、使っていたのは〖魔力回路〗の計測魔道具だったんですか?」
「そうですね。あの時、ご主人様の回りには魔道具しか、ありませんでしたから魔道具しか使っていませんね。そして、私達にありとあらゆる魔道具をぶちこんで楽しんでおりましたね」
「ぶちこんでって‥‥‥言い方が物騒ね。しかし、私があれの原因のせいだとはいえ、私達三人にあれだけの‥‥‥恥ずかしい事をしておいて夢としか思っていないんなんて」
「「拷問確定ですね」」
「‥‥‥‥何で嬉しそうなのよ。アンタ達。でも、そうね、あんなドスケベな事をされて何もやり返さないなんて変な話よね。この際、アイツに着いて行って、同じ様な恥ずかしめを受けさせる為の機会を伺わないとね」
「「異議なしですっ!!あのドスケベ魔法実験男に天罰をっ!」」
「息ピッタリね。アンタ達‥‥‥‥」
〖アトランス城・深海庭園〗
神成、シエル、ギャラハット、サイド
「〖蠍の尻尾〗の欠片ですか?」
「‥‥‥‥はい。あの戦いの後、近くに落ちていたんです。特殊な魔力を帯びていたので回収しておきました」
「〖八部衆〗から渡された〖箱〗と〖壺〗と似たような魔力がありますね‥‥‥少し調べたいので、お借りしても良いですか?シエルさん」
「分かりました。それは貴方にお預け致します。神成さん‥‥‥何か分かりましたら、後で教えて下さい」
「了解です‥‥‥‥そして、話は変わりますが次の目的地は、深海のレジスタンスが滞在していると言われる〖エリシュ〗に向かおうと思うのですが」
「‥‥‥ううぅ、毎日の宴で頭が痛いよ。刹那‥‥‥女の子達が押し寄せてくるんだ」
「‥‥‥‥ガラ先生が酒と女性で壊れる前に早くこの国から出ようと思うんですが、それで良いですか?シエルさん」
「はい‥‥‥‥一刻も早く〖エリシュ〗に向かうべきですね。ギャラハットさんがこれ以上壊れない為にも」
「そうですね。この人のこんな姿、元生徒として見たくないてずし‥‥‥つうか、先生、女グセ悪すぎるぞ。確りしてくれよっ!」
「‥‥‥‥う、うん。今夜の誘いは全て断るよ‥‥‥うっ!オロオロオロオロ!!!」
「うわぁぁ!!だ、大丈夫かよっ!先生っ!!」
「お、お医者様を医者を呼びましょう!!神成さん!!私、呼んで参りますのでっ!」
普段は落ち着いている。シエルさんがそう叫びながら、城に走って行った。
「たくっ!ゲロの騎士め‥‥‥‥」
「うぅぅ‥‥‥ごめん。」ガクッ‥‥‥‥
俺はそう言ってガラ先生を介抱したのだった。