五神結界
次の日の昼
昨日の夜はなんとも素晴らしい夢を見た。
それぞれ個性たっぷりの三人の美少女の〖魔力回路〗のあっちこっち、色んな場所を好き勝手触りまくる夢だ。
はたしてあれは本当に夢だったのだうか?とっ考えてしまうが、昨日はなんせ頭がボーッとしていた為あまり細かい事は覚えていないんだ。
いないのだが‥‥‥‥‥。
〖水姫族〗の魔力回路がお腹辺りにあったな‥‥‥‥それに〖次元渡り〗をした可憐ちゃんの魔力回路があんなに可能性に秘めていたとは驚いた‥‥‥‥夢なのが本当に惜しまれるな。
そして、なんといっても心の相棒であるウリエルの魔力総量や魔力質がヘスティア地方にいた時よりもかなり上がっていた。
夢に出てきた魔法測定の魔道具をウリエルの中にぶっ込んだら色々な数値が分かったんだよな。あの時のウリエルとても夢の中とは思えない位、リアルな動きでに悶えていた。
これも俺の精神世界で日夜俺にしごかれ、特訓をしているおかげなんだろうか?いやー、本当に感謝してもらいたい。
そして、そんなウリエルはというと、久しぶりの実体化し俺の頭を朝からずっとポコポコポコポコと叩いていた。いや、全然、痛く無いんだけど。
〖アトランス城・客間〗
ポコポコポコポコ!!!
「なぁ、いつまで俺の事ポコポコしてるんだ?ウリエル。そろそろ止めよう。後、浮遊しながら俺の頭を掴むのを止めようか」
「な、何を言ってるですか?このっ!このぉぉ!!このご主人様はぁ!!!き、昨日はわ、私達にあんな‥‥‥あんな仕打ちをして‥‥‥何でそんなに平気そうな顔をしているんですか?あ、あんな濃いモノをあ、あんなにいっぱい‥‥‥‥」
ポコポコポコポコ!!!
昨日は?私達に?あんなに濃いモノ?‥‥‥ん?
昨日の夢の中の出来事を言っているのだろうか?
「昨日?‥‥‥‥いや、あれは夢で‥‥‥あぁ、何か朝方一瞬だけ変な光景が広がってたんな‥‥‥確か、ウリエルが俺の胸元に身体を埋めて甘えてきて、可憐ちゃんは俺の背中にホールドをかしながら恍惚の表情を浮かべ、アルマさんが俺の右手に恋人繋ぎで、ずっと握ってた不思議な光景が‥‥‥‥まさかっ!昨日の夢って本当は全て現実の事だったりするのか?」
「‥‥‥‥‥‥いえ、夢です。ご主人様‥‥‥‥全ては夢で合ってます。そうしておいて下さい‥‥‥それで昨日のことは皆様素敵な思い出として記憶に残るだけになりますから‥‥‥なりますから~」
「そうか‥‥‥あれはやっぱり夢だったのか。そりゃあ、そうだよな。三人の美少女と一斉に出きるわけ無いよな‥‥‥」
「‥‥‥あい‥‥‥ゾウデスネェ~」
大事な事なので二回言ったようだ。なんだかウリエルが泣きそう顔で俺にしなだれてきた。つうか、同化を解いて久しぶりに現実へと出てきたと思ったら、以前よりも喜怒哀楽が表に出やすくなったよな。うんっ!良い事だな。
コンコン‥‥‥ガチャッ!
ウリエルとそんなやり取りをしていると客間の扉が控えめなノックオンの後に扉が開いた。
「こ、こんにちは‥‥‥神成君‥‥‥き、昨日の濃いモノのあれなのですが。あれについて今後、私と貴方の関係についてのお話しを詳しく話し合いたいと思いまして‥‥‥」
「こんにちは、可憐ちゃん。何だ?何でそんなによそよそしく喋ってんだ?」
「いえ、ですから昨日のあれで‥‥‥それでされたじゃないですか。色々」
「昨日のあれ?‥‥‥夢の事か‥‥‥まさか昨日のあれは全て現実だった‥‥‥てっ、事か?」
俺がそう言った瞬間。
「ハイッ!可憐様。集合して下さい!!!」
「へ?ウリウリさんっ?!な、何ですか?」
「誰がウリウリですか。私はウリエルですっ!‥‥‥そうじゃなくてっ!集合、集合ですっ!」
ウリエルはそう叫ぶと可憐ちゃんの手を引っ張り、俺と距離を取った。何だ?二人で内緒話か?つうか、あの二人、いつの間に仲良くなったんだ?
「な、何ですか?いきなり、部屋の隅に連れてくるなんて‥‥‥ウリウリさんも。昨日はさんざん色々と彼に‥‥‥」
「それはご主人様の精神世界で何時もして頂いているので慣れています」
「はい?精神世界?何時も?慣れて‥‥‥いる?へ、変態」
「わ、私の事は今は別に良いじゃないですか?それよりも良いんですか?ご主人様は私達との昨日のあれを夢と勘違いしているんです」
「夢?勘違い?‥‥‥もしかしてアルマさんが神成君にかけた幻術で?」
「えぇ、恐らくわ‥‥‥ですから良いんですか?昨日の貴女のフシダラなあれを‥‥‥夢だと勘違いしているご主人様が本当は現実だったと気づかれてしまったら、貴女はご主人様から変態の烙印を押されるんですよ」
「へ、変態の烙印?!‥‥‥」
(‥‥‥あの清楚な可憐ちゃんが四つん這いだと?)
(も、もう好きにして下さい!!!!)
「そ、それは不味いですね‥‥‥非常に」
「でしょうっ!ですから、今後この事はお互いが死ぬまで抱えた恥ずかしい思い出として誰にも言わないと言う事で終わらせましょう。それで皆さん。ハッピーエンドです」
「‥‥‥納得いかない様な、いった様な、モヤモヤはありますが‥‥‥そうですね。あれはあの場の若気の至りと言う名の黒歴史として、お互い忘れましょう‥‥‥」
「何だ?俺が原因だったりするのか?なら、ちゃんと話を聞くから此方に‥‥‥」
「「いえっ!解決しましたからっ!この話はもう終わりですっ!」」
ウリエルと可憐ちゃんはそう言って俺の方へと勢い良く戻ってきた。
「そ、そうか、それなら良かった‥‥‥良かったのか?」
〖アトランス城・マルタの玉座〗
旅の身支度完了後、俺達はマルタ女王が入る玉座へとやって来た。
そこには昨日の夢にも出てきたアルマさんが先に来ていた。
「あっ!神成さーん!き、昨日はあ、あんなに濃いモノを良くもやってくれたわね‥‥‥いや、誘ったわ、私がわ、悪いんだけだねえ、そ、それでもあんな扱いは‥‥‥」
青髪の超絶美少女が顔を赤らめながら、俺を見つめている。
「昨日の事?‥‥‥もしかして昨日の夢はやっぱり現実で‥‥‥俺は三人と‥‥‥あれはを?」
「「しゅ、集合!!!!」」
ウリエルと可憐ちゃんはそう叫ぶとアルマさんを捕まえて、玉座の部屋の隅へと走って行った。
「な、何よっ!あんた達?‥‥‥はい?話し合い?いや、私は‥‥‥」
「い、良いんですか?‥‥‥ご主人様は貴女がご主人様にかけた幻術で昨日の事を夢だと勘違いしているんですよ‥‥‥昨日の貴女がご主人様にやられたの変態的醜態を夢だと勘違いしているです」
「ゆ、夢?わ、私にした、あ、あれを夢だと勘違い?何よっ!それっ!」
(夢なら何しても良いよな。〖水姫族〗の魔力回路なや神秘なんてなかなかお目にかかれないんだ‥‥‥〖夢渡り〗で迷ってきたんだろう?‥‥‥その美しい身体のベールを全て俺に研究させてくれ)
(‥‥‥も、もう。動けにゃいの‥‥‥よ)
(優しくしてあげるから気合いで動け。天雷魔法〖快楽天雷〗)
(そ、それは駄目えぇぇ!!駄目だってばっ!かみゅ成さん!!!!後、そんなの使っちゃ駄目えええっ!!!)
「私にしたあれを‥‥‥夢だと勘違いしてるですって?」
「いや、実際は三人にしたあれですけどね‥‥‥昨日の魔力計測の魔道具とか言って、あんな白くて濃い魔道具を私達のお腹の中の〖魔力回路〗に注ぐなんて‥‥‥信じられませんが」
「あれって、そんな魔道具だったんですか?わ、私、問答無用で使われたので名前すら知りませんでした。ウリウリさん」
「ウリエルです‥‥‥元はといえば貴女がご主人様にちょっかいをかけたのが原因です。ですから、昨日の恥ずかしい‥‥‥四人のあれは良き思い出として、心の内に秘めておくとしませんか?アルマさん」
「昨日のアイツが私達にやった事を良き思い出?‥‥‥ふ、ふさけないでよ。あ、あんなに‥‥羞恥的な事を‥‥‥」
「一番貴女が楽しんでましたよね?」
「そうですっ!そうですっ!最後らへんなんて、神成君の右手にすり寄りながら、ライスキとかずっと言ってましたよね」
「へっ?!い、いや、わ、私はっ!」
「しょうがありません。ご主人様には昨日の夢は全て現実だとお伝えしてきます‥‥‥残念ですが」
「私もアルマさんがどれだけ喜んでいたか伝えないと‥‥‥残念ですが」
「わ、分かったっ!分かったわよ。き、昨日の事は良い思い出っ!だ、誰にも言わないからっ!心の内ずっと秘めとくらからっ!これで良いんでしょう?!」
「えぇ、なんという素晴らしい判断でしょうかっ!」
「素晴らし過ぎる判断ですね。アルマさんっ!」
「‥‥‥うぅ、私の昨日のあれが夢と勘違い?‥‥‥そんなアホな思考の持ち主どこに入るのよ」
「そこにいますが‥‥‥」
「はい、全ての女の子の敵ですね」
「‥‥‥‥そうね」
何だ?美少女三人が俺をゴミを見る様な目で見てくるぞ。昨日の夢の時は楽しそうにしていたのに、現実はこんなものなのだろうか‥‥‥‥
「神成様‥‥‥先ほど、お話しした事は可能でしょうか?何かの結界でこの〖アトランス〗に悪しき者が入れないできたりとかは?」
あの三人が隅っこで話し合いをしている間に、俺は俺でマルタ女王のとあるお願い聞いていた。
「‥‥‥結界ですか。なら、今、一緒に旅をしている神々の力を少々借りましょう」
「神々の力ですか?」
「はい‥‥‥どのみちこのまま〖神・アプス〗を倒さないといけないのなら、力を貸さざるおえないと思えますしね‥‥‥直ぐに始めましょうか‥‥‥そうね〖八岐大蛇〗〖灰神楽〗〖極神〗〖―女神―アテナ〗〖氷霊帝・アナスタシア〗の五神の加護をこの〖アトランス〗の国に‥‥‥‥〖五神結界・オルマ〗」
ズズズズズ‥‥‥‥シュンッ!
こうして俺は〖深海〗の国、アトランスに『始祖・神集九煌』の神々による保護結界を発動させたのだった。