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紫幻の剣と蠍の誘い ・No.4 夢への誘発


〖地球側〗??期


(‥‥‥あの人が悪いんですよ。貴方の夫があの様な愚かな企てに走ったばかりに此処で貴女は消える事になる)


(そう‥‥‥でも彼方には逃がせたわ‥‥‥此方の記録で彼は死ぬ事になるけど、それでも良いわ。彼が此処で終わらないのならば)


(貴女は優しすぎるんです。ティアマト様‥‥‥だから、あんな者の為に犠牲になると?)


(‥‥‥そうよ。それが私の望みだもの、あとはあっちの私が彼を癒してくれる筈よ)


(怪物の身体では、あの桑だ者の真の心は救えませんよ‥‥‥本当に残念です、去らばです。ティアマト様)


(えぇ、さようなら、エア‥‥‥‥)


(ガァ!!や、止めろ!!!き、キザマァァ!!!ギザマラハカッタンダ!!こ、ゴレイジョウぼ、グダチカラバウバウなぁ!!!が、ガアザマァ!!!)


(‥‥‥さようなら。子供達‥‥‥‥どうかあっちの世界では幸せに過ごしてね)


(〖魔球〗のから産み落とされた者達が神聖な〖神〗を母と名乗るとはね‥‥‥‥彼方(あちら)の神々に彼と共に疎まれると良い、何処のの世界でも異物の者達よ)


ズズズズズズ‥‥‥‥‥。


▽▽▽▽▽


「‥‥‥‥化物だから何なんだ‥‥‥半人半獣の何が悪い‥‥‥それでも僕達は生きてきたんだよ‥‥‥‥お父様は狂っているのは分かっている‥‥‥‥分かっているが従うしかないだろうが‥‥‥もう一度彼方(あちら)で大切な本当の母と会う為に‥‥‥〖ギルタブリル〖・エンキ〗・〖我が最愛たる母の為に(ギルダブリル・クン)〗」


「一線を超えてしまいましたね‥‥‥普通なら禁忌の暴走は〖天上の理〗との制約で起こりうる筈が無いのですが‥‥‥やはり貴方‥‥‥いえ、あなた方はこの魔法世界(アリーナ)のイレギュラーと呼ばれる者なのでしょうね。―女神―フレイヤ様はこれを予期し、私を此処へと導いたのでしょう。〖剣魔の相〗・〖安楽紫浄(あんらくしじょう)〗」



「マルタ女王様‥‥‥‥私はあの怪物にあれ程の力があるとは思いもしませんでした」


「えぇ、私もですよ。アルマ、あの怪物がこの国に一人でやって来たのも、一人でこの国を滅ぼせる程の力があるからなのでしょう。現に私達や国民は目の前に入るお二方の魔法で助けて頂かなければ死んでいたでしょう」


「‥‥‥‥はい」


俺から少し離れた場所でこの国のトップであるマルタ女王と側近であるアルマさんが蠍の怪物を恐怖しなが見上げ、何かを話し合っている。

まぁ、あんな巨大化してたら、怖がらないわけないか‥‥‥‥俺は逆にあれの相手をしているシエルが恐ろしく感じてしょうがない。


あの人はあれとの闘いが始まってから、ずっと余裕の表情を浮かべているのだ。底知れない実力の持ち主‥‥‥だてに現役〖剣聖〗グレイ・オルタナティブの母にして、〖紫〗の魔女とか言われ他大陸からも恐れられてはいないということだろうか。


「更に肥大化するのか?だけどあれは単なる」


「自爆‥‥‥‥魔力暴走だよね。何故、禁忌魔法が〖禁忌指定〗とか呼ばれる所以と始末の対象になるのが、目の前にの闘いを見ればなんとなく分かってくるね。可哀想に」


ガラ先生がそう言って、肥大化した蠍人間を悲しそうな顔で見つめる。


「制約も契約が無い魔法はいずれ魔力暴走の末に、周囲を巻き込んで消滅する可能性があるから〖禁忌指定〗を設けたって事か?あんな化物が現れない為に」


「あれはイレギュラーだと思うよ。刹那‥‥‥あの蠍人間はそもそも君がいた世界の方の者。いわゆるこの魔法世界(アリーナ)の異物。君と違ってアテナ様からの呼び出しを受けていないね。そういう子達は遥か昔からたまに現れるらしいんだ。そして、禁忌魔法を使ってくる子達を対処する為に彼女達‥‥‥‥〖魔女〗達がいるんだ」


「〖魔女の夜会(ワルプルギス)〗か‥‥‥‥禁忌魔法には禁忌魔法を扱う集団を当てて対処するのか」


「そうそう。こちら側の禁忌魔法には制約と契約を設けて、魔力暴走を起こさない様に工夫してるとかマーリン様は言っていたね‥‥‥そして、その一人が今、目の前で闘っている〖剣の魔女〗シエルさん。彼女の魔法色を良く見ておくといいよ。今後の闘いで参考になるからね」


「肥大化し、魔力暴走する蠍人間の禁忌魔法と、制約と契約により暴走せず、統べる事ができる禁忌魔法か‥‥‥‥何が違うんだ?」


「〖天上の理〗との繋がりがあるかどうかだね‥‥‥‥詳しくは話せないけどね」


「分かってるよ。七聖―女神―以上の存在の事は余り話すなっ!視られていない時は‥‥‥‥マーリン師匠の口癖だった」


「そうだね。それが賢明な判断だよ。そろそろ、終わりそうだね。この闘いも」


「‥‥‥‥あぁ」


「死ね死ね死ね死ね死ね!!!僕と母の再開の為にっ!死ねえええええ!!!!〖ギルタブリル・エンキ〗・〖蠍と母の誘い(ギルダ・クン・ガバ)〗」


「魔力暴走でこの国が消される前に消させてもらいます‥‥‥‥神明・開示‥‥‥‥〖紫幻泡影(むげんほうよう)〗」


億万の紫色の剣がギルタブリルに襲いかかり、肥大化した身体に全て突き刺さる。


「ガアアアアア!!!!か、身体が紫光(むこう)に‥‥き、きえ、消える!!!!ヤメロヨオオオオ!!!!」


「全ては紫夢の中でお行きなさい‥‥‥‥〖紫命(むめい)〗」


「ガアアアアア!!!!か、ガアザマァ!!!アアア!!!」ズズズズズ‥‥‥‥シュンッ!



「‥‥‥‥‥では良い夢を」



〖アグナの回廊〗


(‥‥‥‥‥此処は何処?僕は?)


(お疲れ様‥‥‥‥)


(誰だ君は?)


(そんなのどうでも良いの‥‥‥まだ君は選べるのよ‥‥‥上がるか、落ちるか、大切な人と一時的にでも再開するか選びなさい)


(は?何を言って‥‥‥大切な人と再開?)


(そう、一時的にできるわよ。あっちの世界じゃあ出来ない事だけど‥‥‥何?一時的な再開で決定?)


(‥‥‥‥それで良い。それで母に会えるなら)


(そう、ならさっさと行きなさいな‥‥‥‥〖心理の部屋〗にね。さようなら)


キイィィ‥‥‥


(〖心理の部屋〗?‥‥‥‥いや、それよりもこの懐かしい気配は僕のオガアサマ‥‥‥‥)


ガゴンッ!‥‥‥‥‥


(一時の再開の幸せを噛み締めて消えなさい‥‥‥‥魔女からの誘い人よ‥‥‥‥そして、ゆっくりお休みなさい)


蠍人間


ギルダブリルは〖剣の魔女〗の紫幻の一刀により消えた。


一つの〖尾〗を残して‥‥‥‥


そして、ある者に導かれるままに〖心理の部屋〗に入り、再開し、静かに〖アグナの回廊〗の中へと溶けていったのだった。



紫幻の剣と蠍の誘い


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