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紫幻の剣と蠍の誘い ・No.3 巨大蠍


遥か古代の〖地球〗


(何だそれは?また〖魔球〗の中で残骸を再生させているのか?ティアマト)


(‥‥‥‥残骸じゃないわ。この子達はれっきとした生命よ。だから、こうして私の力を分けてあげで傷を癒してあげるのよ)


(下らないな。それよりも、今は俺様の手伝いに専念しろ。奴等を倒す戦争の手伝いをな)


(またその話?‥‥‥もう時代は違うのよ。私達の時代はもう終わり。次の方々に後は託して〖天界〗で静かに暮らすのよ)


(戯れ言だな。ならば、お前は黙って俺様に従っていろ。その化物の残骸も上手く利用してやろう。フハハハハッ!)


(‥‥‥酷い人ね。貴方は)


‥‥‥‥‥遠き古代の記憶だ。〖魔球〗の中で育てられた僕は育ててくれた者を母と呼び、慕い、彼方での母の半分を無惨にも死なせてしまった。


あぁ、その後は‥‥‥‥悲惨。お父様は神の力を暴走させ次元を開き、此方に僕達と流れ着いた。化物と(さげす)むお父様と共にやって来た。


そして、此方の魔法世界(アリーナ)の母の残りの半分が存在している事を知り、ティアマト地方の半分以上を手中に治めたんだった。


その後、少しして〖世界〗も手に入れたとかお父様が喜んでいた。だから、後は時が来るその時まで待てば、僕を育ててくれた母に再開できると思い大人しくお父様に従う事にした。


全ては母にもう一度会う為に、僕は何でもやると決めているんだ。だから、お父様や僕に歯向かうものは排除しなければいけないんだ。



▼▼▼▼▼


「‥‥‥‥こんなふざけた攻撃で僕を殺れるとでも思ったのかい?軟弱な魔法世界(アリーナ)の君達が、あちら側来た僕達に勝てると?思うなよおぉおお‥‥‥〖ギルタブリル・エンキ〗・〖蠍肥大因襲(ギル・ブリル)〗」


(さそり)人間の身体が瞬く間に肥大化する。

身体中が虫の甲殻の様に変わっていき、腕と脚が数本に枝分かれする。

顔は人と蜘蛛が混合した様な異様な顔に変化した。


「シャラララ!!!本気て相手してあげよう。お前を殺して、お前の〖禁忌〗の力をお父様に渡せば母の復活が早まるかも知れないしね」


「‥‥‥禁忌魔法の暴走ですか。早めに制約を与え正解でしたね」


「暴走だって?何を言っているんだい、い、い、?僕はお父様に選ばれたティアマト地方の聖獣とまで言われる存在だぞ」


「‥‥‥貴方が言うそちらの世界ではそうだったのでしょうね。ですが此方は魔法世界(アリーナ)です。貴方がいた〖理〗や歴史は違うのですよ。〖剣魔の相〗・〖紫刀幻の剱〗」


肥大化したギルタブリルの周りに紫色の魔力残滓(まりょくざんし)が漂い始めた。


「‥‥‥‥これは?僕等と同じ様な力?」


「違うのは此方側の禁忌魔法という事‥‥‥‥蠍人間の方。貴方が肥大化してくれた事で攻撃が当てやすくなりました。〖紫幻の塵〗」


紫色の魔力残滓が粒子の様になり、ギルダブリルの身体に纏わり付いた。そして、何かを(やすり)で削る様にギルダブリルの固そうな甲殻の全身を勢い良く削り始めた。


「舐めるなっ!!こんな攻撃効くかよ!!〖ギルダブリル・エンキ〗・〖蠍の毒液は自身を守る(ギルダブリル・レルアド)〗」


ギルダブリルの身体中から不気味な体液が漏れ出して来た。そして、シエルさんが出した魔力残滓がその体液により消滅していく。


「無駄ですよ。幾ら私の魔力を消したところでまた直ぐ元の状態に戻りますので‥‥‥‥」



「何だあれ?‥‥‥遠隔操作系の魔法って、あんなに繊細に扱えるのか?普通、何かしらの魔法陣や魔道具で繊細な魔法を使う時は、補助的な役割をする物で魔力コントロールは補うものじゃないのか?それなのに何でシエルさんは一切の魔道具を使わずに、あんな繊細に魔法を操れるんだ?」


「それが〖剣魔(紫)の魔女・シエル・オルタナティブ〗さんの禁忌魔法の特性なんじゃないかい?‥‥‥‥〖精密動作〗。誰からも、魔道具からも、何の補助もいらない自身だけで全てを決定できる〖魔女の寵愛〗とも言われる禁忌魔法の特性の一種だとか、昔、マーリン様から少し聞いたことがあるけどね。実際、マーリン様も〖○○○○○〗という僕達が知らない魔法を持っているとか自慢していたしね」


「〖魔女の寵愛〗?そんな話聞いた事無い‥‥‥俺の知らない魔法を〖魔女〗達は持っているって事か?‥‥‥‥あの人は‥‥‥マーリン師匠は俺との修行の時、一切使っていなかったぞ」


「あの人の場合は色々な制約があるんだろうね。何たってあの人は違う種類の魔法を四つも持っているからね。なんとも羨ましい話だよ」


「四つ?‥‥‥‥まさかあの人が他国から〖禁忌指定〗を受けて余り他国に行けないのは‥‥‥‥」


「そう。変な場所でマーリン様が暴れて、国を滅ぼさない為の処置だと思うよ‥‥‥‥でも、彼女(シエル)は違う様だね。マーリン様みたいに禁忌の魔法を暴走させていない。繊細で精密にコントロールしている。これが魔法大陸(エウロペ)全土に名を響かせた。〖剣魔〗力の一端だと思うと恐ろしいよね」


「‥‥‥‥あぁ、俺やアナスタシアが苦戦した〖11人の怪物(クル・ヌ・ギア)〗の‥‥‥‥ギルダブリルをあんな一方的に追い詰めるなんて思っても見なかったよ」



「くっ!ぼ、僕の身体がけ、削られる?しゃ、喋ると身体の中に紫色の何が入って来る?」


「貴方の禁忌魔法は本当の意味で暴走寸前ですね。世界は違えどお互い原初の魔法の力の一端を現代に繋いだ者通し‥‥‥‥せめてこの〖剣魔〗で安らかな眠りを授けましょう」


「や、やだぁ!!ぼ、僕が何をしたというだい?く、来るなぁぁ!!」


肥大化した蠍人間の悲痛な叫び声が〖アトランス〗の国中に響き渡った‥‥‥‥。



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