紫幻の剣と蠍の誘い ・No.1 異形のお出迎え
深海の王国〖アトランス〗
〖イルマの入り江〗
「ギャオオオ!!!」「キシャアアア!!!」「ガシュルル!!」
「神代時代の生き物がこれ程生き残っているなんて信じられませんね‥‥‥‥これ程の数のブルースイップスの群れを見るのは初めてです」
「海獣達が神々に狩り尽くされる前に―女神―ティアマト様が保護したらしいですよ、シエルさん。〖七聖―女神―書〗にもそう記されています」
「まぁ、そうなんですか?‥‥‥私は―女神―フレイヤ様、以外の―女神―様には疎いもので知りませんでしたわ」
「まぁ、―女神―ティアマト様は謎が多い女神ですからね」
剣の里の〖剣の魔女・シエル・オルタナティブ〗さんと円卓の騎士のギャラハット事、ガラ先生が海獣達を見ながら談笑している。
「良し、これで仮契約は済んだな。また、後で頼むよ。シーラス」
「ギュアアア!!」
(ご主人様。何故、幻術魔法で洗脳せず、契約パスをあの海獣に施したんですか?しかも、名前までお付けするなんて、驚きました)
俺の精神世界にいるウリエルがそんな事を言ってきた。そして、最近、ウリエルが俺に話しかけてこなかったというと、俺が〖オルビステラの世界〗に入った瞬間、深い眠りについてしまったんだとか。
〖魔水球〗に居る間に灰神楽とアナスタシアによる〖概念刻み〗がやっと終わり。俺の精神世界でまた好き放題動ける様になったんだとか‥‥‥‥
「ティアマト地方の海での旅は長くなると思うんだよ、ウリエル。そんな長旅の中で、幻術魔法で洗脳して一緒に過ごして、乗り物みたいにするのも可哀想だろう。だから、仮の契約を交わして、俺の魔力供給で強化して長旅でも疲れない様な身体にしてやったんだ」
(成る程です‥‥‥この魔法大陸に生きる方々は魔獣や海獣等の生物を軽く扱うんですが、ご主人様は〖地球〗側の考え方で彼等に接するんですね。私、ご主人様のそういう所、私は大好きですよ)
「大好きか‥‥‥魔法大陸いや、魔法世界は強い者が方の弱肉強食の部分があるもんな。機械が発展せず魔法に特化した世界か。ティアマト地方なんて、まさにそれを体現した様な場所だもんな‥‥‥‥」
俺はそう言って周辺を見渡す。全長は軽く20メートルはあると思う海獣の群れ、その近くではワニの様な姿の海竜がナワバリ争いをしている。〖深海〗は争いが絶えない強者の世界なのだろう。
(‥‥‥お話は変わりますが、ご主人様。アダマス王を〖黄金の宝物庫〗の中に招いてしまって良かったんですか?‥‥‥私、中で何かされていたら不味いんじゃないかと考えてしまいました)
「アダマスのオッサン?‥‥‥あぁ、それなら〖大蛇〗と〖極神〗と〖氷霊帝〗様方、神達が居る場所に飛ばしたから何の問題も無いぞ。あのオッサンが何か使用とした瞬間。首が飛ぶシステムになっている」
(‥‥‥‥相変わらず。鬼畜ですね、ご主人様は‥‥‥)
〖黄金の宝物庫・神達の憩いの場〗
「何処だ此処は?何故、俺の身体が動かない?」
「ジュララ!!何だ貴様は?客人か?ならば飲め飲め、今宵は宴会だぞっ!〖極神〗よっ!」
「‥‥‥‥貰おうか。しかし、君まで此処に居るとは思わなかったな。〖大蛇〗」
「八頭の蛇に‥‥‥‥〖ブルーレヴィア〗で見た白鯨だと?」
▽▽▽▽▽
〖アトランス〗南部エリア
「しかし、俺達三人だけでアトランスに入って良かったんですか?‥‥‥俺はてっきり皆で最初の国に上陸するもんだと思ってましたけど」
「〖深海〗の国に集団で入国すると怪しまれます。、それに先程の〖魔水球〗の中での話し合いでもありましたが、最近のティアマト地方は何処か可笑しいですから、自衛が出来ない方が外にいれば真っ先に狙われる事になります。ですから、可憐さんやルアさんには安全な〖黄金の宝物庫〗に一時的に避難して頂きました」
「そうそう、だから先ずはこの国で僕達が安全に過ごせる拠点となる場所を見つけて、安全地帯を確保してから他の皆に外に出てきてもらわないとね」
「アダマスのオッサンは?」
「「五月蝿いから中に入ってもらいました」もらったんだよ」
「その監視に、サーシャとアナスタシアに任したと」
「そうですね」「だね」
「‥‥‥‥‥成る程。納得した‥‥‥けど‥‥‥‥勝手に何でこんなにシーラスの突貫でアトランスに入国しても、国民が誰一人として俺達に気づいていないし。入り江から居住区見たいな所に着いたけど‥‥‥何で人が居ないんだ?」
「‥‥‥‥い、い、い、居る‥‥‥い、い、い、居るよ‥‥‥だ、だから、た、助けえぇぇ、」パシャンッ!
「は?何だ?ゲル状の人?‥‥‥スライムか?溶けて消えた?」
「‥‥‥‥いえ、あれはスライムでは無い‥‥‥ですね。れっきとした―女神―ティアマト様の遣いの方では?あの青髪は恐らくですね‥‥‥」
シエルさんが俺に何か言おうとした瞬間。
「君、君。ネタバレは困るよ。バレない様に一人一人消す予定なんだからさぁ」
「何だ?お前は‥‥‥蠍の身体?何の生物だ?」
光沢のある青黄色の身体に人を刺し殺せる様な黄金色の尻尾をユラユラと揺らしソイツは現れた。
「〖11人の怪物〗・ギルタブリルと、自己紹介をすれば分かるかい?兄弟の〖因子〗を返してもらいに参上したよ。そして、このドロドロ達は僕の機嫌を損ねた哀れな、女王や臣下達だよ。はいっ!皆、ご挨拶してっ!一斉のおおおでぇぇ!!」
「た、た、、たスケェ‥‥‥」
「い、いっそこ、こ、こ、ろして」
「‥‥‥君達、また、僕の機嫌を損ねる気かい?じゃあ、この辺でそろそろ消え‥‥」
「‥‥るのは貴方の方ですよ。ギルタブリルさん‥‥‥剣魔の相・「紫幻」」
ザスンッ!
紫色の剣がギルダブリルの黄金の尻尾に刺さる。
「‥‥‥‥何をするのかな?娘さん」
「はい‥‥‥貴方を断罪し、この国を味方に付けようと思います」
「‥‥‥そうかい。なら、ドロドロにしてあげるよ。娘!!!!」
〖剣魔の魔女〗が剣を振るう。