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〖深海〗のシャングリラ


〖地球〗での深海というのは光が一切届かず暗い闇の世界が拡がっているのだろう。


では?魔法世界(アリーナ)の場合はどうなのだろうか?〖魔水球〗の中に入る仲間達の声を聴いてみよう。


〖魔水球〗内部


「神成君。青ですっ!青っ!青と色とりどりのお魚や恐竜見たいな生物が沢山泳いでますっ!」


大はしゃぎする可憐ちゃん。


「カハハハ!!数千年振りに見る外の景色は最高だな。ルアよっ!カハハハ!!」


〖オルビステラの世界〗で俺と共に何千年の月日と共にしたのに一切の歳を取ってない。〖氷霊帝・アナスタシア〗

‥‥‥‥アナスタシアと灰神楽の〖ギフト〗で俺は歳も三年分しか取っておらず、あの世界で過ごした時間は曖昧な記憶しか残っていないが、確かに何千年の時をアナスタシアと過ごしたんだが‥‥‥普通の人族だったら精神崩壊して、心が死ぬ筈なのにこの銀髪幼女姿の神はピンピンしてやがるとは。


『始祖・神集九煌(しんしゅうきゅうこう)』の神々というのは本当にとんでもない存在なんだろうな。


おっと話が脱線した‥‥他の人達の声も聴かないと。


「ウィィー!!!海獣ステーキウミャアアア!!!!」


アダマスのオッサンが作った深海料理とか言うのをひたすら(むさぼ)り喰らうルア‥‥‥‥つうか、あんな小さい身体でどんだけ食ってんだ?ルアの奴。


「‥‥‥‥自由にご飯が‥‥‥好きな物が食べられるうぅぅ!!‥‥‥‥もう肉体強化の魔幻草(まげんそう)のフルコースは食べたくない!!!」


魔幻草(まげんそう)のフルコース?‥‥‥‥もしかして、サーシャの奴。〖幻獣楽園〗の奥地に生えてる〖魔幻草〗をあっちで食べてたのか?


成る程、だから、セルビアであった時よりも総魔力や魔法詠唱が速くなってたりしたのか‥‥‥‥〖聖女・エリス〗と共に過ごす者はより強い高見へと迎えるとか昔、〖占いの館〗で言われてたもんな。あのゴリラ聖女‥‥‥‥見た目は良いんだよ。見た目は‥‥‥白髪碧眼でシスター服が似合っててさぁ、良い匂いがするんだよ。


それに釣られて昔の俺はコロッと落ちそうになり‥‥‥‥別の意味でコロッと‥‥‥殺されそうになったんだよな。

あれから、彼女の腕力には逆らわないと決めて‥‥‥‥おっとっ!また話が脱線した。金髪シスターの話なんてまた別の時にしよう。


お次は大人組の方の話でも聴いてみるか。


「やはりあの噂は本当だったんじゃないのか?―女神―ティアマト様が何者かに捕えられ、身動きが取れなくなりティアマト地方を乗っ取られたと言う話は?」


「いえ、まだハッキリしたわけではありません。アダマス王‥‥‥以前の〖大陸会議〗でもティアマト地方からの代表者達は何も言っていなかったではないですか?」


「『魔法中央国』のマーリン様もティアマト地方の変化については何も言っていませんでしたし‥‥‥‥そんな噂聴いたことが無いとも言っていましたが」


「‥‥‥‥ティアマト地方の代表者達は既に乗っ取った者に与して入ると思わないか?そして、〖白の魔女〗は基本的には魔術院から他国への移動はよっぽどの事がない限りしないんだろう?‥‥‥もしくはわざと関わらない様にしたかじゃないか?」



‥‥‥‥シエルさん、ガラ先生、アダマス王の三人は何やら、ティアマト地方の事について話し合っている様だ。

まぁ、あの三人はよく考えれば、自国に帰れば国の中心人物となる様な人達だ。俺が知らない様な、他国や他地方の裏の事情を色々と知っているのだろう。


そして、そんな人物達が集まれば現在入る場所や国何かのについて意見し合うんだろうな。


「神成と〖氷霊帝・アナスタシア〗様が対峙した怪物達はウルディアムとクルールと言い合っていたそうだ。これは恐らく。遥か昔に何処からともなく現れフレイヤ地方、アテナ地方、ユグドラシル地方で暴れ回り。突然、姿を(くら)ました〖11人の怪物〗」が名乗った名と一緒なんだ。そして、ソイツらが居なくなったと同時にティアマト地方の〖海底〗エリアの種族達は可笑しい行動を起こす様になったと〖七聖―女神―書〗には書かれている」


「‥‥‥その方々のトップが―女神―ティアマト様を倒し、このティアマト地方を手中に治めたのが原因ということですか?‥‥‥なんとも憶測の域の話ですね」


「それにです‥‥‥アダマス王の話が本当だとしても、今の我々ではその〖簒奪者〗には勝てるとも思いませんよ。何しろ今回は味方となってくれる様な国や組織がありません‥‥‥ここは大人しく、海上を目指し、刹‥‥‥神成君の目的である〖方舟〗を造るために造船都市〖エヌマ〗に向かう事が大事なのではないでしょうか?」


「それは〖魔術院〗のガラ教授としての判断か?それとも〖妖精国(アルフヘイム)〗の円卓の騎士ギャラハット殿としての判断か?‥‥‥どっちらだ?」


「〖魔術院〗のガラとしての判断ですよ。アダマス王。現実をちゃんと見て下さい。此処はもう、貴方が治める国〖アダマス国〗ではなく、海洋‥‥‥ティアマト地方なのです。もし本当に―女神―ティアマト様が何者かに落とされているのならば、この海は最早、敵地そのものなんですよ」


「‥‥‥‥そんなら、味方になってくれる国や人を一つずつ増やしてくしか無いんじゃないかな?ガラ先生」


「刹‥‥‥神成君。なんだい突然、会話に割り込んで来て‥‥‥何時もなら、こういった真剣な話は最後までボーッと聴いている筈だよね?」


「いや、何か話が行き詰まりそうになってるからさ。心配になったんだ。ガラ先生」


「僕が心配だって?」


「凄い怖い顔になってたよ。先生。まるで戦場で暴れてる時の顔をしていた」


「‥‥‥いや、こんな話し合いをしていればそんな風にもなるんじゃないか‥‥‥ハァー」


「それで?神成‥‥‥一つ一つ味方を増やすというのはどういう事だ?」


「ウルディアムとかクルールとか言う〖11人の怪物〗達が現れたら倒すっ!そして、これから通って行く国の人達をこっち側に味方に付けて、その〖簒奪者〗‥‥‥‥いや〖神・アプス〗を倒して、―女神―ティアマト様を救い出すして〖方舟〗を造りに〖海上〗の〖エヌマ〗に行く‥‥‥‥俺はこれが一番の旅の近道だと思うんだ。三人共」


「‥‥‥‥〖11人の怪物〗のうち、二人は倒しているのでしたら残り9人ですね。それにティアマト地方には〖エリシュ〗というレジスタンスがあると昔、聴いた事がありますね」


「ハハハ!!それで良い。それでいこうっ!面白いっ!そうだっ!そうだっ!味方がいないのならば、味方を旅先で増やせば良いっ!ハハハ!!ガラ先生よ、馬鹿な生徒のこういう所を見習うべきだぞ。ハハハ!!そうとも、全ては力でねじ伏せ味方させれば良いのだな!神成!!!ハハハ!!」


「希代の名君と言われるアダマス王がこんな人だったなんて‥‥‥‥全ては力でねじ伏せろだって?なんてヤバい人だ」


「いや、ガラ先生も大概ヤバい人だよ‥‥‥‥まぁ、良いか。これで目的はハッキリしたじゃないか。向かって来る奴らは倒す。味方は増やす。〖神・アプス〗はどのみち倒す。そして、造船都市〖エヌマ〗へと行く。目的は明確になったし‥‥‥‥先ずは〖アトランス〗の人達を味方につけよう。もうすぐ着くんだしな‥‥‥‥」


そうして、俺は外海の下。〖深海〗の中でも一際賑やかな光を放つ深海のシャングリラとも呼ばれる都市・アトランスを指した。

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