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青深海へ


〖オルビステラの世界〗から魔法世界(アリーナ)へと戻って来て暫くすると、船酔いに似た感覚に襲われた。


多分これが〖魔力回路〗への〖概念刻み〗が行われている証拠なのだろう。

思考、五感、魔力、体感全てが麻痺してる感じだ。身体や魔力の質までかなり変わったのだろうか?

正直、言って気分が悪い。


そんな状態でも青深海(カエルレウム)へと向かう為に準備を急がなくてはならなかった。

皆にはそんな身体(・・)や魔力の変化を気づかれ無い様に作業を行った。


まぁ、身体が少し成長し〖黒衣〗を纏っていれば俺が変わった事など直ぐにバレてしまうだろうが、仲間には別にバレても良いか。これから戦うであろう敵に此方の変化を知られなければ良いしな。


そして、そんな酔いの状態が数時間続いた後、〖概念刻み〗が〖魔力回路〗に全て刻み終わったのか、突然、身体が軽くなり、〖黒衣〗の方も俺、自身の判断で行使できる様になったみたいだ。



「ヨシッ!全ての準備が整ったな‥‥‥‥神成。〖魔水球〗に俺と共に自身の魔力を一緒に込めろ。そうすれば、この〖魔水球〗中に入る事ができる様になる」


アダマス王がそう言って、藍色の〖魔水球〗を持ち上げた。


「あぁ、分かったよ。オッサン」


「たくっ!せっかく資材等を入れて準備をしていた〖魔水球〗はあの七聖教会の無法共に渡したせいで、もう一度、最初からの準備になったぞ」


「‥‥‥‥それは何度も謝ってるじゃないか。それにあの場面は、あれが正解だろう。七聖教会の連中をあのまま此処に残しておいて餓死させるのも不味いし、後で教会側に詰められただろう?それに、戦闘になったらなったらでどっちかで死人が出てたしな」


「‥‥‥‥七聖教会が全滅し、七聖教会との全面戦争になるという事か?」


「まぁ、そんな感じだ。それに先にティアマト地方に行かせて、アプスとか言う奴の手下を減らしてくれていた方がこの先の旅が楽になるだろうしな」


「オルビステラとか言う娘の世界で三年間か?‥‥‥身体が成長したせいか、また一段と腹黒くなったか?小僧」


「何を言ってんだ?オッサン。俺は何時も純真無垢だぞ」


「じゅんしんむ‥‥く?何だそれは?」


「清らかな心の持ち主という事だ。オッサン」


「‥‥‥‥何を頭の可笑しい事を言っているんだ?お前は?俺を笑い死にさせる気か?お前は?」


‥‥‥‥‥このオッサンに黒雷をぶち込んでやろうかと一瞬だけ思ってしまった。


「それで?その成長はティアマト地方から他地方へと移動すれば元の小僧状態に戻るのか?」


「ん?あぁ、神達の〖ギフト〗だからな。元に戻るらしいぞ。(‥‥‥‥強さはそのままだがな)」


「そうか。ならば良かったな‥‥‥」


「良かったな?‥‥‥‥何がだよ?」


「いや、こっちの話だ気にするな‥‥‥そのタイミングでやり返すか (ボソッ)」


「‥‥‥そうか」


ちゃんと聞こえてたぞ。オッサン、やり返す?まさか〖ダイヤスミス城〗から頂いた財宝の一部を七聖教会に乗った〖魔水球〗に積んだのがバレたのか?いや、バレる筈がない。


〖ダイヤスミス城〗の財宝を頂いた時は、オッサンは意識がなかった。バレる筈がないのだ。


だからバレる事は絶体に無い。多分‥‥‥‥。


青深海(カエルレウム)


「では、ティアマト地方へ‥‥‥‥〖深海〗へと向かうぞっ!!お前ら!!」


「ギャオオオオオオ!!!!!!」


アダマスのオッサンの叫びが海中に響く。


それに続いて海獣〖シームラド〗が俺達が入っている〖魔水球〗を大切に抱き抱え、〖フレティア水門〗を潜り〖深海〗へと泳ぎ出した。


何でも〖魔水球〗から独特な魔力が海獣達に流れて行き、海獣達は魔力酔いの様な現象になるんだとか。


そして、魔力酔いで洗脳しやすくなった海獣達を〖魔水球〗の魔動力部で仮の魔力パスを繋ぎ操るとの事。

全く。現代の魔法使いというのはとんでもない方法で海洋移動をするもんだと、その話を聞いた時はドン引きしたもんだ。いや、俺も人の事は言えた義理ではないか‥‥‥‥



〖魔水球内〗


「はっ?〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の〖世界〗と戦闘になって、色々あって最終的には仲間にした?」


「‥‥‥‥ホオォォ!!兄弟子!!その姿はお懐かしい!!そして、海獣の肉旨い!!(モグモグ)」


「ウィー、ウミャイジョオオ!!!(モグモグ)」


「〖黄金の宝物庫〗内では何も感じませんでしたね‥‥‥‥それにしても三年ですか?‥‥‥‥たったの三年でかなり変わるものなのですね?人族の方は‥‥‥」


「いや、シエルさん。これは三年どころの話じゃ‥‥‥‥はぁー、話だけじゃどうにも信じられないねえ。全く」


〖魔水球〗の中へと入った後、ギャラハット先生、サーシャ、シエルさんとその部下達等が〖黄金の宝物庫〗から出てきた。

これは当初の予定で決まっていた事で〖魔水球〗内に入った後は一度。今回の旅の仲間を集めて、懇親会の様なパーティーを開こうという企画だ。


〖魔水球〗内はとても広く安全らしい。何でも最初に〖魔水球〗に魔力を込めた者達の魔力が高ければ、〖魔水球〗は透明化し気配も消えるんだとか。


外海からは存在しない様に見え。端から見れば、ただ海獣が深海を泳いでる様にしか見えなくなるらしい。なんともチートな魔道具だと思ってしまった。


こんな珍しい魔道具を普通に持ち歩いているのだから、アダマス王の財力や珍しい物を集める収集力というのは、相当高いのだろう。


「まぁ、色々あったけど、敵の戦力も削れたし、だんだんあやふやな記憶になってきたけど、オルビステラの世界では修行もできた‥‥‥‥プラスになったさ。それよりも今後の事で少し話し合いましょう。先生」


「‥‥‥‥そうだね。〖神・アプス〗か‥‥‥厄介なのが出てきたもんだね。本当に‥‥‥‥」

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