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臨界決戦・〖神子の愛は世界を揺らす〗No.9 夜叉 VS クルール ②共に


□□□□□


〖夜叉〗


人間に恩恵をもたらす存在、森林に棲む鬼神である。樹木に関係があり、聖なる樹と共に絵に書かれことが多い。また水との関係もあるとされる。


□□□□□


「私の心が乱れている?くそッ!〖クルール・エンキ〗・〖壺の底の大魚(クル・アラマ)〗」


「シュアアアア!!!」


「それは良い事ですね。精神が活発になっている証拠だ。〖地夜叉・威徳の相〗・〖岩鵞倉(がんばんらく)〗」


クルールが詠唱を終えると壺の中から白き大魚が現れる。獰猛な目付きで夜叉に狙いを定め再度、襲い掛かる。


そして、〖地夜叉・威徳の相〗の面を被った夜叉は謎の魔法陣を展開し岩石の雨を降らせる。


「樹木の次は岩石だと?‥‥‥なんだ?その統一なき力は?出鱈目な存在めっ!」


「あらゆる歴史が私達に力をもたらすのです‥‥‥‥貴方を救う為に私は動く、先程の貴方の願いを叶える為に‥‥‥‥力を使いましょう。〖岩来浮遊〗。回りなさい。金剛よ」


「シュアラ?ギャアアア!!!」


「ヘンガルル?!‥‥‥‥向かってくる岩石をその強靭な牙で砕き切れ!!!〖破壊の白き魚よ(クル・リア・ガラ)〗」


「シュアアルルアア!!!!」


クルールは自身の〖●●〗をヘンガルルへと注ぐ。するとヘンガルルの魚体が肥大化し、人の様な手足が生える。


「岩石を殴れ、蹴れ、そして、砕けっ!ヘンガルル!!そして、私をオルビステラ様の元へと向かわせるてくれ」


「‥‥‥‥口調も崩れてきましたね。心が解放へと向かっているのでしょう。正しい世界に帰る為の始めの解放‥‥‥‥彼、彼等にこの様な苦行を敷く者‥‥‥‥〖アプス〗ですけ?‥‥‥‥彼をどうにかしなけばいけませんね。それができるのは彼‥‥‥‥ですが以前、あった時の彼とは明らかに違う」


「何を呑気に独り言を呟いている?〖クルール・エンキ〗・〖砕け砕けよ白き大魚よ(クル・アル・ヘンガルル)〗」


「ギュシュルアアアア!!!!!」


「‥‥‥‥邪魔ですよ。邪魔者(アプス)の化身。〖地夜叉・威徳の相〗・〖地面漠圖(ちめんばくと)〗」


夜叉の周囲に異変が起こる。泥しかないこの〖オルビステラの世界〗に山岳が顕れる。その山岳の天辺に〖地面〗を被った夜叉が静かに降り立つ。


「何をする気だ?止めろっ!止めるのですっ!ヘンガルル」


「シュアアアア!!!」


「まずはその悪意の繋がりを絶ちなさい。〖地夜叉・威徳の相〗・〖岩漠山底〗」


「グ‥‥‥‥グギャアアアアア!!!!!!」


「ヘンガルル!!!に、逃げろおぉぉ!!!」


「いいえ、このまま潰します‥‥‥‥悪意の塊は此処で滅します。此方の世界の為にも‥‥‥そして、貴方の心の為にも‥‥‥‥絶えなさい。神明・開示〖地心如夜叉〗」


「ガァ‥‥‥‥アアアアアアアアア!!!!クソガァアアア!!!!」


バギンッ!


「なっ?私の壺がヘンガルルが潰れたと同時に割れた?‥‥‥‥ガァアアアア!!!私のか、身体が崩れていく?!!!!」


「〖再地の相〗‥‥‥‥〖待望の籠〗」


「‥‥‥‥私の身体の崩れがおさまった?貴方‥‥‥私に何をした?」いや‥‥‥‥私の何を見た?」


「今は話せませんが‥‥‥‥全てが終わったら共に帰りましょう。元の天へと‥‥‥‥それが成されるまでは私が貴方を‥‥‥‥いえ貴女方を護りましょう」


「何を言っているのか‥‥‥‥今は分からないが‥‥‥‥あぁ、壺が‥‥‥‥割れ‥‥‥ヘンガルルも居なくなったというのに、今は凄く心が軽いんだ‥‥‥母さん」シュンッ!


「そう。今は眠りなさい‥‥‥‥この歪な外の世界が終わるその時までは‥‥‥‥」





◇◇◇◇◇


〖神成&アナスタシア〗サイド


「‥‥‥‥‥近づけない。それに全て喚ばれてしまうなんて」


「その為に自分が暴れているんだ。〖花炎残〗」


「‥‥‥最悪」



灰神楽が遠くでオルビステラの相手をしている。そんな中、俺は大柄でそれぞれ異なる姿をした六人に取り囲まれていた。その一人一人が圧を放ち。俺を見下ろしている。


「それで我々を呼び出したと?『七原龍』・〖緋龍〗様の助力のお陰でか?小僧」


「あぁ‥‥‥」


「つうかよ!何でそんなに弱くなってんだ?〖黒龍〗様退治の時とはえらい落差じゃねえか?俺はそんな奴に使われる義理わねえぜ!」


「おいっ!〖緋龍〗様の御前だぞ。言葉はちゃんと選べ」


「目の前の変な娘の対応で此方など見てる‥‥いるな。あの方ならば」


「成る程な。此処でてめえに逆らえば、〖緋龍〗様に焼かれるって事か?良いご身分だな?小僧!それ程、弱体化した上で俺達〖八部衆〗を使うってか?笑わせんなよ」


「だが、乾闥婆と夜叉はこの子に反応した。従うということだ。八部衆のうち、二人はこの子にな」


「だからなんだ?アイツらはガキに甘い側面があるだけだろうがっ!それを見こうしてコイツは俺達じゃなく、アイツら二人を喚んだだろうがっ!」


「そう‥‥‥‥それも真実」


「おいおい、こんな戦闘中に話すことかい?全く」


「‥‥‥‥‥‥‥いや、まずは俺の話を聞いてくれ。八部衆達‥‥‥」


やっぱりこうなった。俺はこうなる事が嫌だったんだ。昔の俺の全盛期の力を知る奴等、契約関係も無い神級の召喚。


かなりのリスクを伴うが、灰神楽(はいかぐら)は喚べと言った。『七原龍』の一神がそう判断した。


これからの闘いに〖八部衆〗の力が必要不可欠だと判断したのだ。


そんな彼等は今の俺の姿を見て、今後の方針を決めかねていた。


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