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臨界決戦・〖神子の愛は世界を揺らす〗No.7 乾闥婆 VS ウリディンム ②子の守り神


□□□□□


乾闥婆けんだつば)


天上で音楽を奏で、酒や肉を食べず、芳香を食べて生活し、身体からは良い匂いを出すと言われる。子供の守り神でもあり。八部衆の一角に数えられる。


□□□□□



数十メートルもの大きさに肥大化したウリディンムが乾闥婆を見下ろし、先ほどの理性が気弱になり、怪物の側面が表面的に表れ始めていた。


「ギギギギギギ‥‥‥許さない。俺の‥‥‥俺達の自由を奪う奴等は許さない!!」


「ガガガガ!!デカイものだな。彼方側での〖世界〗ではの大きさがそれだったのかは知らんが、貴様の様な者が他にも入ると考えると成る程。俺達が喚ばれたのにも納得がいく。〖香奏の法〗・〖犍達婆の香〗」


「ギギギ‥‥‥匂いはもう効かんない。俺達はもう蹂躙されないィ!!〖ウリディンム・エンキ〗・〖大獅子の暴虐(ウリ・ドルガ)〗」


ウリディンムの強力な蹴りが乾闥婆に振り下ろされる。乾闥婆はそれを見上げてとある言葉を吐露する。


「ガガガガ‥‥‥‥‥〖天上の理〗は‥‥‥〖最高神〗は‥‥‥‥何をさせるつもりか?‥‥‥‥時も、地も、種族も異なる世界を何故、救おうとする?〖地球側〗神聖な場所は時代と共に減り。俺等の役割も時が過ぎると共に変化していき。時の世を人へと託した。そして、争いの大小あるが平和と呼べる程の世界へと変わったな。それがなんだ?此方の魔法世界(アリーナ)は貴様の様な別世界の者が何故、好き勝手やっている?‥‥‥‥この世界に何を悪影響を及ぼす道理がある?‥‥‥‥この世界の子供が貴様らに何をしたという?」


「ギギギ!!何を偉そうに言ってんだ?それよりも何で俺の攻撃が当たらねえんだ?しかもお前、さっきの喋り方と全然‥‥‥‥」


「香と奏は貴様の五感を狂わす。五感を感じるという事は神の部分は棄てたのだな。だがその異形の姿‥‥‥‥此方側の責任だな。〖香奏の法〗・〖乾闥婆城(ガンダルヴァ)〗」


「ギギギ‥‥‥なんだ?俺の魔法(エンキ)が消された?それに俺よりも高い城?〖世界〗様の物より大きい城?」


「貴様に救いを与える。そして、帰るべき場所へと誘い供養しよう。それがせめてもの手向けになるだろう‥‥‥‥神明・開示‥‥‥‥〖香奏の法〗・〖楽乾闥婆王(ガンダルヴァ)〗」


ここに乾闥婆の神明が解き放たれ、この〖オルビステラの世界〗内に〖(ことわり)〗を確立させた。


それにより振るわれるは圧倒的な神話の具現化‥‥‥楽乾闥婆王(ガンダルヴァ)による自神の心象風景への強制介入である。


蜃気楼の城〖楽乾闥婆王(ガンダルヴァ)〗が現れ、乾闥婆の多種多様な香を炊く者達。数多の楽器を弾く幻想的な他世界の奏楽神団が歪んだ世界。〖オルビステラの世界〗へ突然の顕れる。


「ガガガガ!!!炊くけよ香団。奏でよ奏楽団。手向けのお香と音色を、子を傷付けかの物に与えよ」


「「「「「「子を思うアナタ様の為に、厄災を祓う為に、強いお香を炊きまする。乾闥婆王様の為に炊きまする我々のお香を!!!!!」」」」」」


「「「「「鳴らしましょう、奏でましょう、迷う彼等を誘うために、正しき世界に還すために、我々の音色を!!!!!」」」」」


「「「「「「「「「「はぐれた世界の歴史を、歪められた〖(ことわり)〗から彼を救いましょう!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」


「ギギギ‥‥何なんだコイツらは?いきなり現れて俺を救う?意味が分からん。〖ウリディンム・エンキ〗・〖罪無き獣が狩る(ウルマフルッルー)〗」


角冠を被った大量の獅子人間達が地面から這いずり出てくる。その身体付きは痩せ細り、今にも死にそうな顔をしたいた。


「‥‥‥‥‥貴様の時代はその様な痩せ細った子供しかいなかったのか?食が害せば、心が歪む、心が歪め性格も壊れる‥‥‥‥何故、貴様の真の主人はこの状況を変えない?何をしている。〖香奏の法〗・〖彦達縛〗」


「ギギギ‥‥‥こ、この音色と演奏で感覚が麻、麻痺する?や、止めろか、勝手に口を開くなぁぁ!!!!‥‥‥‥アプス様は忙しいんだ。此方のティアマト様を落とす為に忙しいんだ」


「‥‥‥‥問おう。忙しいとは?」


「ギ‥‥‥ギ‥‥‥ギ。遥か昔は俺達があれに負けた。だから、待った、待って待って待って待って待ち続けた。そして、ここがあると知ったアプス様はもう一度なろうとした。完璧な存在に‥‥‥今度‥‥‥はあれに‥‥‥なる為に‥‥‥‥だから、此方のティアマトを使うんだ。本物になる為に使うんだよぉ!!ギギギ!!!‥‥‥止めろ!!俺に言葉を話させるなっ!!俺にあの方の過去を!!創り変えられる。また違う魂にいじられる!!!俺ただ、母を、母に勝って生きて欲しかっただけだったっ!勝ってもう一度優しい言葉をかけて欲しかっただけなんだぁぁ!!!!〖ウリディンム・エンキ〗・〖獅子の角冠蹂(ウリ・フル・ル)〗」


ウリディンムの角冠が鞭の様にしなり、乾闥婆が呼び出した者達を襲い掛かる。


「‥‥‥‥合い分かった。貴様の心残りの願いは俺が必ず、あの子達と叶えよう。だから、今は戻れ、彼方に戻れ、此処は違う、違う〖世界〗なり。神明・回帰‥‥‥‥〖楽乾闥婆王(けんだつばおう)〗」


男子とも女子とも分からない者が顕れる、若い者がウリディンムに優しく微笑みかけ‥‥‥彼の頭を優しく撫でる。


「ギギギ!!‥‥‥‥‥俺の守ってた奴等が消える‥‥‥俺も消える‥‥‥あぁ、母さん‥‥‥俺は‥‥‥何でこんな所に居るんだ?」ズズズ‥‥‥‥サラァァ


ウリディンムの巨大な身体が土塊となり崩れて行く。そして、彼が呼び出した獣達も同様に。


「ガガガガ‥‥‥‥‥その魂。確かに保護した。全てが終わった暁には必ず元いた地へと還してやろう。愛深き獅子の男・ウリディンムよ‥‥‥‥」


乾闥婆はそう告げると一つの箱を造り、ウリディンムだった土塊と獣達の残骸をその中へと丁寧に入れた。


「‥‥‥‥喚ばれた原因は良く分かった。ならば助けよう。お前の様な者達をな。ウリディンム‥‥‥‥まずは眠れ」



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