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臨界決戦・〖神子の愛は世界を揺らす〗No.1 初めまして


フレイヤ地方・ティアマト地方


境目・〖フレティア水門〗


異形‥‥‥その言葉が似合う姿をした者達が俺達一向の前に現れた。一人は上半身に角冠を被った男。下半身は‥‥‥‥犬の身体か?何なんだ?あのチグハグな体付きは、それに直ぐ近くに立っている奴も人とは到底思えない風貌だ。


水の球の上に乗り浮いている。片手に変な壺を持ち上半身が人の姿、下半身が魚という容姿だ。


いや、一番可笑しいはその異形の二人の真ん中に平然と立たずんでいる少女。

紫色の髪色で六つの巻き髪、腰にはその小柄には合わない赤い帯びたいを着けている。その帯は地面にまで届いていて、地面に付いている先の部分は一切の汚れの無い綺麗なままだ。


「霊獣‥‥‥幻獣‥‥‥魔獣‥‥‥の類いではないよな?神成」


俺にアダマス王が質問を投げ掛ける。


「どれも違うだろう‥‥‥‥‥つうか、〖フレティア水門〗はアダマス国の管轄じゃないのか?何でオッサンがアイツ等の事を分かって無いんだよ」


「用事も無いのにこんなフレイヤ地方とティアマト地方の境目に来るか。しかも、これでもオレは一国の王だぞ。私情を挟んで好き勝手に玉座から離れられると思うか?」


‥‥‥‥‥現在、メチャクチャ私情を挟んでフレイヤ地方からティアマト地方へ冒険に出ようとしてるじゃねえかよ。とっ!心の中でツッコミを入れる俺。


「‥‥‥‥そんな事より。アイツ等‥‥‥‥‥何かの変な雰囲気がしないか?他地方に住む人達とは、明らかに何か‥‥‥‥根本的に違う様な」


「お前がそう感じるなら、慎重に行動しよう‥‥‥‥此処は―女神―フレイヤ様の加護も無くなり、陽光も届かない地底‥‥‥いや、〖深海〗なのだからな。何が出てきても可笑しくはあるまい」


「だな‥‥‥‥」


俺とアダマス王は会話を終えると奴等を見ながら、慎重に武器を構えた。


「ギギギ‥‥‥‥来ないねぇ」


「闘い慣れしているのだろう。もしくは此方の姿に恐れを成したかだな」


「ギギギ‥‥‥‥人を見た目で判断するなんて、最低な野郎達ですね。〖世界〗様」


「うん。だから殺してあげたいんだ‥‥‥‥それでフレイの仇も取ってあげたいの‥‥‥‥‥始める‥‥‥‥〖ラフム・アンシャル・エンキ〗・〖ただ復讐が為の世界(ウル・メラル)〗」


「カハハハ!!!何をじっとしている?セツよっ!いつも通り何故、攻撃をしないんだ?〖青の氷〗・〖藍色雪花〗」


「なっ!バカスタシアッ!不用意に近づくなっ!」


「‥‥‥そう。神が味方してるの‥‥‥ズルいわ。それならフレイが負けたのも少し納得ね。まぁ、こっちも似た様なものだけど‥‥‥私の復讐の邪魔しないでくれる?フルール‥‥‥‥」


「オルビステラ様の意のままに、邪魔をするな小娘!!〖●●●〗!!」


「カハハハ!!!手下ごときに私の攻撃が防げるとでも‥‥‥‥があぁ?!な‥‥‥‥に?」


シュウウゥゥ‥‥‥‥‥ドガアァァンン!!!


アナスタシアの攻撃が突然消え、クルールとか言う奴の攻撃がアナスタシアに直撃する。そして、アナスタシアはフレティア水門の壁へと激突した。


「なっ?アナスタシアァァ?!!」シュンッ!


「は?‥‥‥‥アナスタシアさんの技が消えた?」


「‥‥‥‥違う。効かなかったの」



〖フレティア水門〗


シュンッ!

「クソッ!だから、無闇に近づくなって言ったんだっ!‥‥‥‥あぁ、右腕がこんな‥‥‥‥」


「カハ‥‥‥‥なんだアイツ?私の〖青の氷〗が消された?‥‥‥‥それよりも神である私があんな攻撃でこれ程の重傷を負うんだ?」


「あんまり喋るなっ!傷が広がるだろうっ!今治してやるから大人しくしてろっ!蘇生魔法・〖神体蘇生〗」


「カハハハ!!まさか神の身体を治す魔法があるとはな‥‥‥‥アテナの〖権能〗も馬鹿にできないな」


「それだけ喋れれば大丈夫そうだな‥‥‥‥だが先手はあっちに取られてしまった」


「先手?」



「『始祖・神集九煌(しんしゅうきゅうこう)』の一柱と言っても此処からの場所(・・)じゃあ、普段の力は意味を持たないのにね」


「えぇ、馬鹿な神で助かりましたね。オルビステラ様‥‥‥‥あのまま、あの神を殺し、我々の〖神〗アプス様を新たな『始祖・神集九煌(しんしゅうきゅうこう)』になって頂くというのはどうでしょうか?」


「‥‥‥‥私に神殺しをしろって事?‥‥‥‥悪くないかもね。さっきの〖担い手〗さんが馬鹿な娘を助ける時、必死な表情だったものね‥‥‥そう。良く見なくたって分かる。あの娘は復讐対象の大事な存在‥‥‥‥殺す価値があるのね」


「何?‥‥‥‥お前、今、何て言った?」


「‥‥‥‥消すと言ったの。神殺し‥‥‥‥そして、あの人が願う〖神〗にしてあげてるの。その為に貴方が今、大事に抱えている馬鹿な娘を殺すのよ」


「お前っ!さっきから何言って‥‥‥‥‥」


「〖ラフム・アンシャル・エンキ〗・〖神をも殺す残酷な世界(ラフ・ムシュルア)〗」


「不味いっ!離れるぞっ!可憐殿と法王殿よっ!一端、フレイヤ地方の境に戻る。神成っ!!!それで良いな?!」


「あぁ、行ってくれっ!!アダマス王!!今の状態じゃあ、闘いにすらならないっ!」


「へ?な、何ですか?か、神成君とアナスタシアさんは?」


「ウィッ!置いてけないっ!!」


「今は無理だっ!あっちの技の発動の方が早いっ!このままでは全員死ぬ事になる」


「全員‥‥‥」


「‥‥‥死ぬ?」


「あぁ、だから、神成だけ残して一時撤退する。アイツは最悪、転移で別地方へ飛べるからな‥‥‥‥」


「そ、そんなっ!でも、アナスタシアは重傷を負ってるんですよっ!そんな不利な状態でっ!」


「そ、そうっ!」


「俺もアイツ等への攻撃方法が分かれば直ぐに戻る。だから、今は撤退するんだっ!」



〖フレティア水門〗


「来たばかりで直ぐに撤退なんて‥‥‥‥貴石のアダマスの名が泣くわね」


「適切な判断だ得体の知れない相手が出てきたんなら、一度逃げて対策を取るのは当たり前だろう」


「‥‥‥‥それで貴方が死ぬ事になるのにね‥‥‥〖刈り取る世界(ムア・テムル)〗」


「‥‥‥‥‥師匠と同じ‥‥固有の‥‥‥禁忌魔法の一種か‥‥‥」ズズズズズズ


「カハ‥‥‥この私が足を引っ張るとは‥‥‥‥‥」ズズズズズズ



そして、俺とアナスタシアは魔法世界(アリーナ)から姿を消したのだった。

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