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戦時報告書


〖ブルーレヴィア〗


北側渓谷後・ガリア帝国軍側


「白鯨が消えたのか‥‥‥」


「ラギル師団長。前線に出した兵士達は突如、できた運河の水流により大半が流され、強すぎる運河の激流により南側に兵士達を向かわせるのも困難です」


「分かっている‥‥‥北側と南側に渓谷は二分されている中、我々、ガリア帝国軍が布陣する北側に現れた激流の運河‥‥‥‥何処ぞの神の仕業だろうな」


「何処ぞの神ですか?」


「‥‥‥ガリア帝国は遥か昔から国を繁栄させる為だったならば、神々や多種族を裏切り利用してきたと聞く。その為、ガリア人の純血は神代以前の魔法や神なる武器といった物に触れる事や知る事をを許されていないともな」


「許されていない?‥‥‥だから、我々側だけがこの様な神罰を受けるというのですか?‥‥‥そんなもの遥か昔の先祖達が犯した罪ではないですか?‥‥‥私は元々、〖エメラルド高原〗の産まれで‥‥‥‥さっき水流に流された友は同じ同郷で‥‥‥‥」


「サイダル副師団長。お前の言いたい事は分かるが‥‥‥‥今はこの軍の体制を立て直す事が先だ。分かってくれ」


「‥‥‥‥はっ!取り乱してしまい申し訳ありません。ラギル師団長」


「あぁ‥‥‥〖ブルーグラス〗に控えている後方部隊五万をここへ派遣する様にランスロット軍団長に要請しろ」


「は?五万ですか?それでは副首都〖ブルーグラス〗警備が手薄になるのでは?」


「レヴィアタン渓谷‥‥‥いや今は運河か?流水に流されたガリア帝国の各部隊を捜索させる。そして、現在この場で生き残ったガリア帝国兵士で連合軍からの攻撃を防ぐぞ。これ以上の進行を連合軍側に許せばガリア帝国はフレイヤ地方すべての領土を失うことになるからな」


「全て‥‥‥はっ!す、速やかに〖ブルーグラス〗への要請を送ります」


「あぁ、頼む‥‥‥‥しかし、この戦争‥‥‥‥下手したら数年は続きそうだな‥‥‥‥」



南側渓谷・フレイヤ連合軍側司令部


〖赤の嬢王、アダマス王、イグニッション王〗

会合の場


「白鯨は何処かに行った様だな。そして、いつの間にかモルジア王女が姿を消していた」


「‥‥‥‥白き仮面の方もです‥‥‥‥光の柱が現れたと思ったら、何処にもいらっしゃられませんでした」


「あの小僧の仕業か?‥‥‥‥あの炎竜、炎の巨人‥‥‥それに白鯨(はくけい)もか。どれだけの怪物共を従えるんだ?あの〖担い手〗は?」


「〖担い手〗?何の事だ?アダマスの血筋よ」


「‥‥‥いや、単なる独り言だ。さて、俺は一度、〖エメラルド高原〗に戻り各地を平定してから本国に戻る。ここには腹心のフローライトを残していく。金や武器が不足した時はフローライトに相談しろ。速やかに対応してやる」


「私も一度、〖首都・ロゼ〗に帰国します‥‥‥レッドガーデンに居る抵抗勢力もまだ少数ながらいますので‥‥‥それに城をこれ以上開けるのは不味いですから」


「ふむ‥‥‥‥では我も赤竜達だけ連れて〖赤霧の隠し谷〗へと帰るか‥‥‥炎竜人に戻った者だけは残していく、何かあれば遥か昔、将軍だったプロミネに伝えよ‥‥最後にあれをやるか‥‥‥‥イグニッション王家は‥‥‥」


「ハハハ!古き仕来たりか?アダマス王家は‥‥‥‥」


「‥‥‥‥やるのは初めてですね。レッドローズ王家は‥‥‥‥」



「「「―女神―フレイヤ様の力になろう!!!全ては民の実り為、豊穣は彼等彼女ら我等の家族を養おう!!真なる〖五大列国〗はフレイヤの民の為に集う!!!」」」



かくして、フレイヤ三列対戦は両軍〖ブルーレヴィアタン〗の〖レヴィアタン渓谷〗を挟んでのにらみ合いとなり。数ヶ月後に起こる〖幻想狂物語(ワンダーフロル・ファブラ)〗の事件が終わるまで続く事になる‥‥‥‥‥。



◇◇◇◇◇


ガリア帝国定時〖戦時報告書〗より


〖レッドローズ〗国との戦争に突入後、謎の〖巨大な獣〗と白き仮面の男の加入により、ガリア帝国軍・先遣隊兵力100000と有力な将兵を一夜にして失う。そして、それを率いていたキャロル・ライルーマ及び、側近数名が死亡。


また別の戦地となった〖エメラルド高原〗では兵力40000と副軍団長・アルケル・サイローが戦死。


敗走後、決戦の地〖ブルーレヴィア〗では開戦後、突如として起こった天災。〖レヴィアタン峡谷〗の氾濫により戦闘不能になったガリア帝国兵は十数万人にも及び。その者達は数ヶ月の間、行方不明だった後、アテナ地方とフレイヤ地方の各地で記憶の欠損が見られたものの無事に保護されたという。


我が国家。ガリア帝国はこの二つ戦場での敗走により〖赤霧の隠し谷〗〖火神の森〗〖エメラルド高原〗〖レッドガーデン〗〖ブルーレヴィ南部〗の広大なフレイヤ地方の領土を奪われ。ガリア帝国領土の二割を失う事になった。


ガリア帝国はたった数日の中で、神代時代以降の長い歴史上、大敗北を機したのだ。


パタンッ‥‥‥‥‥‥。


「‥‥‥‥‥やってくれたね。彼が裏で動いたのかな?‥‥‥‥この失態どう埋めるのだろうね?ランスロットは‥‥‥‥‥‥さて、皇帝陛下はどう動くのかな?少し楽しみだ‥‥‥」

『ガリア帝国特殊階級』

《六騎士》ウェルキン・ゲトリクス・アルウェルニ



◇◇◇◇◇


フレイヤ連合軍・〖定期記録書〗


フレイヤ地方の分岐点とも呼べる。歴史的出来事であった。


〖アダマス王国〗は祖先の地〖エメラルド高原〗を奪還し、その領土と力を取り戻した。


〖レッドローズ国〗が率いた〖レッドガーデン〗を平定し、〖ブルーレヴィア〗南部を手中に治めた。

ガリア帝国領土との最前線ではあるが、突然できた〖レヴィアタン運河〗により、フレイヤ地方とアテナ地方は分断され、戦争状態ではあるものの両軍手出しができず現状維持が続いている。


また、浮遊魔法や飛行魔獣で〖レヴィアタン運河〗を空から渡ろうとすると何故か飛んで渡ろうとした者の身体に黒い炎が着火し運河に落ちるとの事。


ガリア帝国領土時代、禁則地として指定されていた〖赤霧の隠し谷〗〖火神の森〗はガリアノ呪いから解き放たれた赤竜・〖イグニッションの民〗が治める事になり、新たな国〖赤竜の国〗が建国され、フレイヤ地方で力と広大な土地を失ったガリア帝国に変わり、新フレイヤ〖五大列国〗に名を連ねる事になった。



‥‥‥‥パタンッ!


「‥‥‥‥‥アイツの‥‥‥‥〖担い手〗の名前が一度も出てこなかった。それにフレイは?‥‥‥‥‥ヤられたの?‥‥‥‥裏で‥‥こそこそして‥‥‥私の親友を倒して自分は表舞台にも顔を表さないなんて‥‥‥‥許さない。見つけ出して‥‥‥フレイの仇を取ってあげなくちゃ‥‥‥‥復讐してあげる。〖救国の担い手〗!!」

大アルカナ〖世界〗《オルビステラ》



新たな〖世界〗が現れる‥‥‥‥‥。


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