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終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.14 陽は影を持ち底へ


「あ、あ、あ、ああぁぁ!!!!私のおぉぉぉ!!!右腕に傷があぁぁ!!」


「‥‥‥〖五色火〗の奪取は止めた‥‥‥〖高次元召喚〗も〖戦争〗も‥‥‥残りはお前を狩るだけで終わりなんだよ。〖太陽〗‥‥‥‥邪魔ばかりしていたのはそっちの方だろう?フレイヤ地方の国中を荒らし回って‥‥‥エスフィールの捜索の邪魔ばかりしたくれな。覚悟しろ。もう、遠慮しない‥‥‥」


俺はそう言うとフレイに刺さっていた〖白梟枝(はくろうぎ)〗を引き抜いた。


「ぐぅぅ‥‥‥私がアンタに何をしたっていうのよ?‥‥‥何でそんなに怒ってるわけ?〖焼き焦げる炎思〗」


ドガアァァンン!!


「近年のフレイヤ地方の五大列国を中心に、年間で数千人もの孤児や奴隷の子供が行方不明になっているらしいな?フレイ・セイズ・イグニッション」


「‥‥‥‥‥だからなんな分け?そんな事、私と何が関係があるっていうわけ?」


「南で活動するスヴァローグの闇ギルドはそう言うと子達を保護して育てていた。対照的に北で活動していた。君がボスを勤めている闇ギルド〖太陽の落日〗はフレイヤ地方に数ヶ所ある活動拠点があるよな?その場所で子供の無惨な変死体が幾つも確認したと〖オッタル〗の暗部組織の人が教えてくれたぞ」


「‥‥‥‥‥南の田舎剣士が何なのよ?‥‥‥‥別に良いじゃない、役にも立たない孤児を殺して何が悪いっていうのよ?」


「‥‥‥何?」


「アンタも本当に五月蝿いわ‥‥‥‥いきなり現れたかと思えば、私が用意して〖代理人〗の為の儀式をあんな怪物を喚ぶ為に使い切るなんて許さない‥‥‥‥大アルカナ‥‥‥〖双子〗を正位置に‥‥‥‥対価は自身の魂を放棄‥‥‥‥‥天日(ソリス)魔法〖双子の火遊び(フレイ・スヴァローグ)〗」


双対の火炎の渦が俺へと向かってくる。


「なんつう威力の炎だよ。それに〖教皇〗と‥‥‥‥アトスと同じ様に放棄して力の‥‥‥無理やり高めたのか?‥‥‥‥だが、それでも足りないぞ。〖白梟の歪剣(オウル・エル・ウィルド)〗・〖白梟の狩遊場(オウル・サラ・グラン)〗」


〖白梟の歪剣(オウル・エル・ウィルド)〗の剣先が伸び始める。そして網状に絡み合い、フレイ・セイズ目掛けて進んで行く。


ジュウウゥゥ‥‥‥‥‥。


「私の炎が消された?!何なのよ?その奇怪な剣は?」


「賢者の剣を奇怪呼ばわりとはな‥‥‥‥趣味の孤児への拷問しかしてこなかったから、魔法大陸(エウロペ)の知識が薄いんじゃないか?‥‥‥〖白梟・翼枝(オウル・ルスル)〗」


「クウゥゥ!!!また剣先が枝分かれした?‥‥‥大アルカナ‥‥‥〖永遠〗‥‥‥を正位置へ‥‥‥〖天日(ソリス)魔法〗・〖最愛の炎は私と共に(イングナル・フレイ・メア)〗」


「借りとれ。セクウィ!」


(ホーホー、了解っ!)


ドドドドドドドド!!!!


「な、何で?私の本気の攻撃がこんなに簡単に防がれるわけ?」


「君の力は君の中に居た〖豊穣神・フレイ〗が力を与えていたから強かったんだ‥‥‥だがソイツも、もう君の中に居なくなった」


「う、嘘?アイツのお陰で私は凄かったってこと?‥‥‥‥‥‥あ、あぁ!!

何よ?この記憶はあぁぁ?」


▽▽▽▽▽


(何だ?私を捕らえ何かするのかと思えば、この娘の中に入れだと?●●●●●)


(あぁ‥‥‥‥〖太陽〗だけでは実力不足なんだ。この子が大人に成長するまで〖同化〗して、見守ってやってくれ。くれぐれも変な気は起こすな。全てが終わった時、礼として地上での肉体を与える)


(‥‥‥‥契約ではなく、約束として聞いてやろ‥‥‥だが、チャンスがあれば即座にこの娘の身体は頂く)

ズズズズズ‥‥‥‥‥。


(神々とは本当に自分勝手な者ばかりだ‥‥‥‥)



▽▽▽▽▽


「違う!!これは私の才能で‥‥‥私は特別な魔法が使えてぇぇ!!!選ばれた〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の一員なのよおおおぉぉ!!!!大アルカナ‥‥‥〖太陽〗!!!『着想の源』・『励み』を正位置に‥‥〖天日(ソリス)魔法〗・〖太陽は紅蓮の炎を(フレイル・セイズ・イグニッション)〗」


フレイ・セイズは〖太陽〗の様な火炎の火球を造りだし、その中へと突入する。そして、膨れ上がる火炎に包まれながら、俺へと近づき始めた。


「キャハハハハハ!!!!全て燃やし尽くしてあげるわよ!!!アンタもっ!あの下の馬鹿共もっ!このフレイヤ地方の全ての民もねぇ!!!」


「最後はヤケくそか‥‥‥‥‥決めるぞ‥‥‥‥セクウィ」


(ホーホー、いつでも行けるよ)


「そうか‥‥‥〖白梟の歪剣(オウル・エル・ウィルド)〗‥‥‥‥神話・回帰‥‥‥‥〖白天の鳥は全て奪う(オウル・エオ・セクウィ)〗」


「は?白い‥‥‥‥鳥?」


白梟の大鳥がフレイ・セイズへと向かって行く。


「ピュルアアアアアアアアア!!!!!!!」


「‥‥‥‥終わりだ。フレイ・セイズ・イグニッション‥‥‥堕ちろ」


「〖白梟の裁き(オウル・スラ・アル)〗」


スパンッ!!!!!


フレイ・セイズの身体の内部を、セクウィが放った衝撃刃が襲った。



「あぁぁ‥‥‥‥がぁああああああ‥‥‥こんな処で私は終るわけ‥‥‥‥」


シュンッ!「フレイよ。我々はやり過ぎたのだ‥‥‥‥その償いの時が今、やっと来たのだ」


「‥‥スヴァローグ兄‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥スヴァローグ‥‥‥あぁ、そうか、スヴァローグが入ってた魔道具はセクウィが持ってたのか‥‥‥‥」



「お前は我をずっと操っていたのだな」


「‥‥‥ゴホッ!‥‥‥だ、たから‥‥‥何よ?‥‥‥あんな単純な洗脳魔法に操られる奴が悪いんじゃない‥‥‥‥今さら何よ?私に怨み事でも言いたいわけ?ゴホッゴホッ!!」


「‥‥‥‥そうか。我はお前が妹であったこと‥‥‥‥嬉しかった‥‥我はただそれを伝えたかったのだ」


「‥‥‥‥ゴホッ!‥‥‥‥なに‥‥‥‥それ?‥‥‥‥意味分かんない‥‥‥‥本当に‥‥‥‥最後まで‥‥‥意味が分からない‥‥‥兄さん‥‥‥‥なんだから‥‥‥‥」


フレイ・セイズはそう言うと浮遊する魔力も切れたのか〖ブルーレヴィア〗北側峡谷へと落下し始めた。


シュウウウ!!!!


「フレイ?!どうした?」 


「馬鹿野郎!スヴァローグ!!!何処に行く気だ?今、下に行けば〖極神〗の水流に呑まれて上がって来れなくなるぞ」


「ギャオオオ!!離せっ!!セツナ!!!フレイがこのままでは」


「‥‥‥‥‥あの娘は数万もの子供の孤児を快楽や趣味で殺してきたんだ‥‥‥‥理解しろ。スヴァローグ」


「‥‥‥‥‥くっ!」



◆◆◆◆◆


あぁ、堕ちていく‥‥‥‥


暗い谷底と水へと堕ちていわ‥‥‥‥


沢山の子を殺した罰かしら?‥‥‥‥


〖代理人(お父さん)〗の身体造ってあげたかったなぁ‥‥‥‥‥


‥‥‥最後に馬鹿兄貴に会えて良かった‥‥‥‥


〖代理人(お父さん)〗とスヴァローグ兄だけが偽りでも、私を愛してくれていたのね‥‥‥


あぁ、意識が沈む‥‥‥‥


身体が消えていく‥‥‥‥


私の心が身体が太陽の様に燃え尽きる‥‥‥‥‥


そう、これが消えるって事なのね‥‥‥‥‥フレイヤ‥‥‥‥‥



◆◆◆◆◆



沈みし時、太陽は落日する


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