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終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.12 陸海空


神成 刹那〖列島大陸〗から帰還時


〖暗黒大陸〗海域内


(クソオオオ!転移っ!転移っ!転移いぃ!!海に落ちる前にひたすら転移だぁ!!!)


(だから、〖鳴神〗様か〖青龍〗様に途中まで乗せてもらう様にお願いしたらって忠告したのに‥‥‥‥ラジの忠告も聞かないで無謀な海域横断なんかして‥‥‥‥ハァ~)


(何、呆れた顔してるんだ。ラジー、そんな事より、俺が海に堕ちない様にちゃんとサポートしろよっ!何の為に目覚めさせたと思ってんだっ!)


(‥‥‥‥‥ラジはラジーじゃないの。○○○○の書だよ‥‥‥全く。この主人は‥‥‥久しぶりに呼び起こして来たと思ったら、大陸横断なんか始めてるし‥‥‥あっ!勇者、此処から〖青龍〗様の支配地域じゃなくなるね‥‥‥‥〖極神〗様の海域だ‥‥‥不味いよ)


(は?〖極神〗?何のこっちゃ?つうか、何だ?あの黒い雲がかかった海域は?‥‥‥‥‥)


ズズズズズズズズズズ!!!!


(貴様‥‥‥‥誰の許可を得てこの海域を侵そうとしている?応え次第では只では済まさん‥‥‥‥)


(‥‥‥何だ?巨大な白鯨?)


(あー、あー、言わんこっちゃない‥‥‥)



▽▽▽▽▽


現在‥‥‥〖ブルーレヴィア〗


数十メートルはある巨大な目が俺を見つめている。


目だけの大きさで数十メートルある。ならばその者の身体全体はどれ程大きいのだと思うだろう。


魔法大陸(エウロペ)の最高峰の山脈と言われる〖ソロモン山脈〗よりも大きい言えば分かるだろう?


‥‥‥‥‥いや、決して分からないだろうな。

まぁ、簡単に言えばとてつもなく大きな白鯨が俺の前に顕れたのだ。


「なっ!私の新たなる高みへと昇る為の魔力残滓(まりょくざんし)が?!」


(‥‥‥‥‥〖生け贄〗に使う‥‥‥魔力が全部消えたの?)


豊穣神・フレイも何が起こったのか分からず、驚いた顔をしている。


「ギャハハハハハハハ!!!!クソガキ!!このフレイヤ地方を‥‥‥‥いや、魔法大陸(エウロペ)を沈める気か?ギャハハハハハハハ!!!!とんでもねぇ者を喚び寄せやがったな!!!」


スルトだけは爆笑している。


「‥‥‥‥魔力の貢ぎ物は‥‥‥十分だな。これなら最後まで居てやっても良いぞ。小僧」


「小僧じゃない、神成だってのっ!最初から喚ばれる事を分かってたくせに何言ってんだか‥‥‥‥これは返すぞ。レヴィア‥‥‥青の玉だ」


俺はフノス国の際南に居た時、海獣・シーナイルを解体した。その時に出てきた青の玉をレヴィアタンへと投げた。


「ククク‥‥‥乱暴に扱うな‥‥‥‥馬鹿者。私から奪った『深海竜(レヴィアタン)の水晶』は大切に持っていた様だな」


「あぁ、厳重に閉まっていた‥‥‥十分に魔力はやったんだ。ちゃんと働けよ。レヴィア」


「‥‥‥‥お前、誰に上から目線で命令している。良く見たら、姿も力も昔と違うな。此処で殺して‥‥‥‥」


「あぁ?!ギャハハハハハハハ!!!!俺様がこの場に居てヤらせると思うか?白鯨よぉ?!」


「‥‥‥‥神話の火の化身か?何故、此処に?‥‥‥いや、貴様だけではないな‥‥‥‥もう一神居るのか?」


レヴィアタンはそう言うと、豊穣神・フレイの方を見つめる。


「はっ!貴様っ!もしやっ!暗黒大陸の‥‥‥‥」


「何故?人族の身体に神が入る?‥‥‥‥何よりも何故、私が居るのに(ひざまず)かない?‥‥‥‥座せ、貴様」


「グゥ?グオオオオオ!!!か、身体が勝手に?」


「口も五月蝿いのか?封をしろ」


「ん?ンンンン?!!」

(こ、心の中にまで侵食される?!!)


「さて、これで静かになったが‥‥‥‥神成よ。何を望む?‥‥‥‥安心しろ対価は既に支払われた。私に何を望む?」


数千メートルを軽く越える巨鯨が俺を見つめて問いただす。


「‥‥‥‥下の戦争を止めてくれ。できればこれ以上、犠牲者を出さないようにな」


「犠牲者を出さない様に?‥‥‥‥良く見たら下は戦争間近か?‥‥‥‥〖レヴィアタン渓谷〗か‥‥‥‥懐かしい場所だ。そして、憎き場所でもあるか‥‥‥南はフレイヤのあれか?‥‥‥そして、北が人族の群れ」


「あぁ、それがどうかしたのか?」


「‥‥‥‥フレイヤの民は珍しい種族が多いと昔、―女神―フレイヤに聞いたな‥‥‥その逆に人族は直ぐに増え、繁栄すると―女神―アテナから聞いた‥‥‥‥北を沈める」


「は?ちょっと待てっ!俺は戦争を止めてくれと言ったんだぞっ!レヴィア」


「‥‥‥話は最後まで聴け。神成‥‥‥北の峡谷を沈めるという事だ。そして、北側の四方八方運河に浸かるが人族は足が浸かる位に(とど)めておいてやろう」


「止めるだと?」


「他大陸に来てまで無駄な殺生はしたくないからな‥‥‥‥どちらかの行き来ができなくなれば戦争どころではなくなるだろう?」


「た、確かにそうだが‥‥‥‥あの深い峡谷を沈める?そんな事できるのか?」


俺とレヴィアタンがそんな会話をしている一方。



〖ブルーレヴィア〗


北側峡谷・ガリア帝国軍


「な、何だ?あの白怪物は?」


「魚が宙を浮いている?‥‥‥‥」


南側峡谷・フレイヤ連合軍側


「‥‥‥第三の巨大生物?」


「何であんなモノがいきなり現れたんだ?」


数十万の他種族がフレイヤ地方の空を見上げていた。


「では‥‥‥始めるか」


ブチッ!「ふ、ふざけるな!!!き、貴様!!いきなり出てきて!!私が高みへと昇る為の魔力残滓を全て吸収してくれたなっ!鯨!!出せっ!返せっ!私の〖贄〗を返せぇぇ!!!」


「‥‥‥‥座と封を自力で解いたか‥‥‥フム‥‥‥フム。ベヒーモス‥‥‥セクウィが下に居るのか?‥‥‥来てくれ」


レヴィアタンがそう一言告げると。


「「「ゴルアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」」」


「ピュルアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


「‥‥‥済まんな。陸と天よ‥‥‥迷惑をかけた。だが、これで終わりにする。最後に力を貸してくれ。先ずは貴様‥‥‥‥私へ侮辱は罪となる。〖天界〗へと飛べ‥‥‥‥〖アドラ〗」


「「「ゴルアアアアアアアアア!!!!!!!!!」」」


「ピュルアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


レヴィアタンが何かを唱えると同時にベヒーモスとセクウィが反応し、雄叫びをあげ始めた。


「がぁああああああ?!!!!か、身体が熱い?!!!セイズの心と引き剥がされるだと?!」


「‥‥‥お前。その者の同意無しに〖同化〗を試みたな‥‥‥‥万死なり、後は天界で裁かれろ。去らば」


「や、や、止めろ!!!戻りたくないっ!あんな、私を見下す者達が入る天界何かに‥‥‥止めろ!!止めろおおぉぉ!!!!」ズズズズズ!!!!


「豊穣神・フレイの気配が消えた?」


「‥‥‥流石に笑えねえな。神の意思を無視して強制的に上(天界)に戻しちまいやがったな。あの白鯨様は‥‥‥‥」


スルトが俺を守る様に前に立ち、そんな事を告げる。


「邪魔は消えたか。ベヒーモス、セクウィは先に休んでいて良いぞ」


「「「ゴルアアア!!!」」」シュンッ!

「ピュルアア!!」シュンッ!


レヴィアタンの一言でベヒーモスとセクウィは元の宝石と白梟へと戻った。


「ホーホー、意識分割は疲れるね。ヌシ様‥‥‥まさかレヴィアタンを喚ぶなんてビックリしたよー」


「ん?あぁ‥‥‥‥」


俺はセクウィに曖昧な返事をしてしまった。そんな事よりもレヴィアタンが次に何をするのか、興味が湧いて仕方がなかったのだ。


「神話魔法‥‥‥‥〖海口峡谷(リヴァイア・ラーグ)〗」


レヴィアタンのその一言でガリア帝国軍側の峡谷が沈む‥‥‥‥‥峡谷が深い深い運河に変わる。


数十万のガリア帝国兵士が突然、現れた大水によって流されていく。


「お、おいっ!ガリア帝国兵士は足が浸かる位に止めておくとか言ってたよな?」


「私の〖加護〗で溺れても死ぬ事は無い。あんなに居たのでは邪魔だろう?遠くに流してバラけさせ、数ヶ月の間は記憶が飛び壊しておけば。フレイヤ地方にも手出しできまいよ。北側峡谷も南側から侵入できない様に造り変えてやる‥‥‥神成はそれよりも、目の前で神から人へと戻った少女を倒すことに集中したらどうだ?」


「神から人へと戻った少女?‥‥‥‥フレイ・セイズ・イグニッション‥‥‥」


「‥‥‥何なのよ。アンタ達は‥‥‥突然現れて、好き放題やって、長年の私の計画を全て台無しにしてくれてさぁ‥‥‥もう、許さない。燃やし尽くしてあげる‥‥‥大アルカナ・〖太陽〗を起動‥‥‥‥〖青春〗を糧に燃やす」


「あぁ、まだ君がいたんだったな。〖太陽〗‥‥‥‥セクウィ」


「ホーホー、梟使いが荒いヌシ様だねぇ。了解だよー」


「ぶっ殺してやるわ!!!このくそ〖担い手〗野郎!!!」



フレイヤ地方での最終決戦が始まる‥‥‥‥‥。


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