終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.10 勇者の元従者達
フレイヤ地方の際北の〖ブルーレヴィア〗と言う場所は天候が非常に不安定な場所である。
これは神話時代に〖―女神―ティアマト〗と〖極神〗の激闘により生じた天変地異により、ヘファイストス地方、ヘスティア地方、ユグドラシル地方、ティアマト地方と繋がっていたブルーレヴィア運河は蒸発し、干からびた結果『○○○○○○峡谷』が形成された‥‥‥‥―女神―ヘファイストス、―女神―ヘスティアはアクレール運河を新しく創り、―女神―ユグドラシルは他地方からの干渉が無くなり、繁栄を手に入れ、―女神―ティアマトは心に深い傷を負ったのだった。
そんな渓谷にフレイヤ地方とアテナ地方の民が数十万と集い渓谷を挟んで対峙し本格的なガリア帝国本国とフレイヤ地方の国々からなる連合軍との戦争が始まりかけていた。
〖レッドガーデン〗から敗走を始め、〖ブルーレヴィア〗に集まるガリア帝国兵を追って、〖赤霧の隠し谷〗〖エメラルド高原〗〖レッドガーデン〗〖レッドローズ〗〖アダマス〗からガリア帝国に怨みを持つ者達が押し寄せる。
〖赤霧の隠し谷〗
赤竜・30000
炎竜人・50000の
〖イグニッションの民〗約80000。
〖エメラルド高原〗〖アダマス国〗
アダマス国・精鋭兵・5000
アダマス本国からの援軍・35000
アリババからの雇われ〖盗賊傭兵〗・10000
〖アダマス王軍〗約50000
〖レッドローズ〗〖レッドガーデン〗
マルドル族軍・10000
スュール族・ホーン族精鋭部隊・5000
レッドガーデン反旗軍・15000
〖赤の嬢王〗率いる・40000
〖レッドローズ軍〗約70000
それに付随して〖陸の王〗と〖空の王〗がフレイヤの民を守る様に従軍する。
その総勢200000の兵力が〖ブルーレヴィア〗の南の渓谷へと集結していた。
そんな中、ガリア帝国軍側はフレイヤ地方最高司令官である、ランスロット軍団長が何者かと戦闘を行っている為、指揮が取れず、〖ブルーグラス〗に滞在する有力な将校達は突然、倒れ意識不明になっていた。その倒れた後には奇怪な姿をした獣が通ったと後の戦争記録にはある‥‥‥‥。
ガリア帝国副首都『ブルーグラス』
軍司令部・〖ガリア将校館兼軍事学校〗
「シャオオオ!!」
「な‥‥‥んだ?」ドサッ‥‥‥。
「サルス少将?!クソッ!次々に将校達が倒れていく‥‥‥何が起きてい‥‥‥」ドサッ‥‥‥‥。
「ニャオオ!!」
「クソッ!ランスロット様は何処に行かれた?!と、とりあえず!!全線に200000のガリア帝国兵を配置するぞ。このままではこの〖ブルーグラス〗まで攻め込まれる事になる」
「は、はいっ!畏まりました。バルトロ参謀長殿!!」
〖ブルーグラス〗曇天の中の雨
「くっ!また将校達の気配が消えた?‥‥‥‥サーシャッ!何故、こんな事をする?何故、何故、私の邪魔をするんだ?」
「‥‥‥‥貴方が行けば、何十万という人が死ぬ‥‥‥貴方にそれを背負わせたく無いから、此処で朝まで私と闘って‥‥‥‥貴方じゃあ、私に絶対に勝てないけど。火魔法〖炎王球〗、水魔法〖水王球〗、雷魔法〖雷王球〗、風魔法〖風王球〗、地魔法〖地王球〗」
五属性の魔法攻撃がガリア帝国〖六騎士〗・ランスロットを襲う。
「‥‥‥‥サーシャ、お得意の五属性同時攻撃かっ!ガリア剣術‥‥‥‥つっ!やはり、彼女に攻撃なんてできるかっ!」
「‥‥‥‥‥そう。だから、貴方は私には絶対に勝てない。あの日の約束が貴方を見てるから‥‥‥‥〖列挙の五属〗」
「おおぉぉ!!ガリア剣術・〖インビシル〗」
「‥‥‥‥むっ、ガリアの移動技?‥‥‥流石、元、兄弟子の〖盾〗‥‥‥‥」
「そちらも流石は勇者の〖魔法〗と呼ばれていただけはある‥‥‥‥(クソッ!どうする。この闘いが始まって最早、半日以上経とうとしている。こんな事をしている間にも、フレイヤの連合軍がこの地を目指して来ているというのに‥‥‥‥)」
「‥‥‥‥そう。ならもっと強い魔法を使う‥‥‥神代‥‥‥回帰‥‥‥‥」
「‥‥‥‥サーシャ‥‥‥‥何なんだ?その魔法は?」
ドガガンンンンン!!!!!
◇◇◇◇◇
そして、サーシャとランスロットの闘いが激化し始めてから更に半日の時が流れる。そして、舞台は副首都〖ブルーグラス〗から数十キロ離れた『ブルーレヴィア』・〖○○○○○○渓谷〗ではガリア帝国陣営による〖ブルーレヴィア〗防衛に指揮が緊急で行われていた。
北側渓谷〖ガリア帝国陣営〗
「急げ、敵側と此方側共に同じ200000の兵力で拮抗しているとはいえ、赤竜の大軍に謎の巨体魔獣まで入る。急いで防衛を固めろ!!」
「りょ、了解しました。」
「くそ‥‥‥何で凡将の〖マールボル〗が全線の指揮を取ってるんだ?ランスロット軍団長やバルトロ参謀長は出てこないのか?」
「いや、噂だと。〖ブルーグラス〗で反乱が起こってるらしい、それでその対応に軍上層部は追われて連絡が着かないんだと」
「反乱?おいおい、アテナ地方じゃあ、〖魔王領〗の軍まで気を伺ってるっていうのに大丈夫なのかよ。このガリアは?!」
「大丈夫だろう。ガリア帝国は広大なんだぞ。此処を取られたって国土の二割しか失わない」
「ちょっ!お前、本気でそんな事考えてるのか?もしも、この〖ブルーレヴィア〗の地が落ちれば連合軍の奴等がアテナ地方になだれ込んで来るんだぞ?」
「何だよ?俺達、ガリア帝国軍が負けると思ってんのか?こっちは連合軍の二倍の戦力何だから負けるわけないだろう」
「‥‥‥‥そうだと良いけどな」
圧倒的な数で上回るガリア帝国兵はまだ大丈夫と安心仕切っていた。フレイヤ地方の民の怒りを知らない世代が圧倒的というせいもあるが、長明種が多いフレイヤの民はそうではなかった。
南側渓谷〖連合軍側〗
「アダマス王!!お久しぶりです!」
「おぉ、〖赤の嬢王〗よ。美しい女性に育ったな。ハハハ!!無事に〖レッドガーデン〗の戦いに勝てた様だな」
「はい。そちらも‥‥‥‥〖エメラルド高原〗を‥‥‥」
「ハハハ!あぁ、奪還したっ!」
「ならば、最後のフレイヤの地も奪い返すまで‥‥‥‥」
「‥‥‥‥貴方はイグニッション王家の‥‥‥‥」
「だなっ!ハハハ!!準備が完了次第、第一陣で攻撃を仕掛ける。第二陣、第三陣は強行軍で移動させて来た者ばかりだから、暫しの休憩を与えた後、第一陣と交代させ全線に向かってもらおう」
「では、第一陣はこの〖イグニッション〗の赤竜軍が務めよう‥‥‥長年の怨みを晴らす機会故‥‥‥‥」
〖ブルーレヴィア〗の地にて、フレイヤ三列大戦の最終決戦が始まろうとしていた。