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終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.7 火神と炎神


起き‥‥‥よ


起きよ!セイズ!


我が依り代、セイズよ!


(だ、誰?)


力と名を与えた者‥‥‥‥私はフレイだ。


(フ、フレイ?な、何を言ってんのよっ!フレイは私よっ!何、馬鹿なこと言ってんのよ!)


それは私が貸し与えた名称だ。言葉には力がある。愚かな現代の奴等はそれを〖神明〗などと呼ぶものもいるがな。


(い、意味分からない。良いから私の中から出ていきなさいよっ!邪魔よっ!そ、それに私は高貴な〖イグニッション〗王家の血を引いた選ばれた存在で‥‥‥‥スヴァローグって言う兄が手足となって動いてくれるのよっ!)


それは私がお前に与えた疑似の記憶と偽りの関係だ‥‥‥‥本物のスヴァローグの妹なら中央の地で名を隠し勉学に勤しんでいるだろうな。


(は、はぁ?何、意味の分かんない事言ってんのよ。私と兄は〖代理人〗に保護されて、そこからずっと一緒に過ごしてきたのよ。そして、大アルカナの〖太陽〗に選ばれて力を付けたのよっ!)


〖太陽〗の候補は三人居たのだ。代えがきく代替え様としてな。スヴァローグは本来、器では無かった。そして、本来の所有者になる筈だった本物の妹は〖死神〗の保護により行方知れずになり。〖代理人〗は残った粗悪品足るお前に、仕方なく大アルカナの〖太陽〗を授け。スヴァローグを傀儡に操らせたのだ。


(い、意味が分からない。兄貴が本当の兄じゃない?〖太陽〗候補が三人?〖代理人〗が仕方なく私に〖太陽〗を授けた?スヴァローグを傀儡にとか、全てがワケわかんないわよっ!)


フハハハッ!!その様な馬鹿だから、全ての知識有るものに利用されるのだ。お前はスヴァローグの様な窮地を救ってくれるの親友もいない。信頼できる部下も仲間もいない。


(そ、そんな分けないわよっ!私には忠実な三炎騎や小間使いの二人だっているわっ!)


それは全て大アルカナの恩恵。〖太陽〗の着想の源で得た偽りの主従だ。お前は彼等の自我を壊し、歪め、洗脳し、利用し、それを狩りや殺人の快楽の為に使った愚かな娘‥‥‥‥その全ての行動が私よって支配されていたなどと微塵も感じぬ馬鹿な女。


(だ、誰が馬鹿な女よ。わ、私が自分で選んで、決めて、〖代理人〗の為に〖贄〗を成功させないといけないのよ)


あぁ、それだけは感謝している。フレイヤの大地の各所を汚し、殺し、広め、育て、怨みを撒いてくれた。これで私、本来の目的がようやく達成できるよ。セイズよ。


(はぁ?アンタの目的?何それ?意味が分かんないわ。私は恩有る『代理人』の為に〖セムシ〗の身体をこのフレイヤ地方に‥‥‥)


あぁ、愛しき私の妹の為に、私自らが地上へと顕現し、フレイヤを愛してやるとも‥‥‥‥‥長い時が明ける。再び肉体を手に入れフレイヤの民を導いてやるとも。


(何勝手な事ばっかり言ってるわけ?ほんと、何なのよ?アンタはっ!)


‥‥‥‥神代の英雄にして、フレイヤの兄〖イングナ・フレイ〗。馬鹿なお前に知識と擬似的思考を与えた正真正銘の神である。


(はぁ?神って‥‥‥‥意味が分からな‥‥‥‥)


分からなくて結構‥‥‥‥時は満ちた。お前の思考はもう入らない。必要なのは〖器〗のみ‥‥‥‥与えたモノは返して貰う。墜ちろ。墜ちろ。〖太陽〗の落日と共に‥‥‥‥‥


(な‥‥‥‥に‥‥‥勝手な事を言って?‥‥‥‥エエエエエエエエエエエエエエアアアアアアア!!!!

私のモノが無くなる!!!!!イヤァァアアアアアアア!!!!)



『レッドローズ』・〖首都ロゼ・雷雨牢獄内〗


(フレイさん。夜になっても動きませんね‥‥‥‥ご主人様)


「あぁ‥‥‥‥〖レッドガーデン〗〖エメラルド高原〗の戦いはどうやら終わったみたいだけどな。まさか〖赤の女王〗や〖アダマス王〗が〖ブルーレヴィア〗まで攻め込むとは思わなかったよ。これならもう少し早めに彼女との決着を着けるべきだった‥‥‥‥」


(何か不味い事でもなるのですか?フレイヤ地方の方々が〖ブルーレヴィア〗まで取り返せばガリア帝国に奪われていた殆どの土地を取り返す事になるんですよね?)


「〖高次元召喚〗に必要な七つ目の〖贄の庭〗が造られてしまうんだ‥‥‥これまでに〖オッタル〗〖アリババ〗〖アダマス〗〖エメラルド高原〗〖レッドガーデン〗〖レッドローズ〗の六ヶ所で騒動は計画的に起こしたり、起こされてきた。そして、最後に〖ブルーレヴィア〗で戦争なんてされたら‥‥‥‥〖贄〗の下ごしらえは終わってしまう。六回までは良い‥‥‥‥〖ブルーレヴィア〗での七回目の何か大きな犠牲が起きたら、フレイヤ地方は終わる事になる」


(そ、そんな‥‥‥‥でしたら早くフレイさんを倒しますか?)


「いや、変に近づくと何かされそうな‥‥‥‥」


「ホーホー!戻ったよ。ヌシ様」

シュン!「‥‥‥‥遅くなってしまい申し訳ありません。〖担い手〗様」


俺がそう言いかけた瞬間、セクウィとシエルさんが俺の目の前に現れた。


「セクウィにシエルさん‥‥‥良かった。勝ったんですね」


「‥‥‥‥えぇ、可哀想な方でした」


「可哀想な方?」


「‥‥‥‥はい」


ビュォォオ!!「カハハハ!!勝ったぞ!!セツ!!」


「ウィー!!ルアも勝ったあぁ!!褒めて神成!!」


「イヤー、下ろして下さい!!ルアさん!!!落ちちゃいます!!」


シエルさんと話そうとした時、別の場所で戦っていたアナスタシア、ルア、可憐ちゃんも戻ってきた。

因みに可憐ちゃんはルアに抱っこされてシタバタしていた為、スカートがたなびいていた‥‥‥‥今日はスケスケの際どいやつか‥‥‥‥攻めてるな。


皆、戻ってきたという事はフレイの部下達を倒したみたいだな。無事で良かった。

俺が心の中で安堵していると‥‥‥‥


(ご主人様!!来ます!!)


ウリエルが俺に警告する。


「アハハハハハハハ!!!何よ?アイツら全員負けたわけ?情け無いわねぇ!まぁ、良いわぁ。このレッドローズがアイツらのお陰で汚れたしね。長年、多種族を殺させただけあって、あの三人が死んだだけで〖贄〗が賄えるじゃない。良かった‥‥‥‥‥豊穣の神は家族を憂いる‥‥‥‥」ブツブツ‥‥‥‥


「不味い!!セクウィ!!スヴァローグはその中だなっ?!」


「ホーホー、うん。返すね。ヌシ様。後、トリエグル君から〖白色火(はくしょくか)〗の欠片を預かってるよ。はい」


セクウィは俺にスヴァローグが入れられた魔道具と小瓶に入った白色の炎を渡してくれた。


「ありがとう、セクウィ。最高のタイミングだ。スヴァローグ!お前の自称妹の後始末だ。協力してもらうぞっ!‥‥‥‥五大列国の灯火は我の元に‥‥‥‥」


「何だ?あの娘‥‥‥‥心が狂ってないか?セツよ‥‥」


アナスタシアが俺に話しかけていたが、今はそれに反応してあげられない。



「‥‥‥‥‥私はこの者に力を貸し与え、名をもたらした‥‥‥」



「青、黄、白、赤、黒の五色の灯火は再び我の元に集う‥‥‥‥‥」



「‥‥‥‥この娘に与えたモノを返せっ!私の力を返せっ!さぁ!さぁ!さぁ!この者の器を私の元へ」



「一度は対峙した者にもう一度、奮う力をこの『炎神の燃え木』に宿す。〖五色火(ごしょくか)〗の灯火をかの炎神に託そう‥‥‥‥‥」



「‥‥‥‥セイズを犠牲に私は再び表に出よう。この娘に与えた全てを焼き、燃料としよう。私の願いの為に、全ては我が最愛たる〖フレイヤ〗の為に!!」



「‥‥‥‥‥全てはフレイヤの民の為に!!その炎を燃え上がらせ、敵対せし、我に力を貸せっ!!神話召喚・〖炎神・スルト〗‥‥‥‥」


フレイヤ地方の旅で集めた〖五色火(ごしょくか)〗が

『炎神の燃え木』に収束していく。


そして‥‥‥‥‥


「ギャハハハハハハハ!!!!!!!勇者野郎!!!俺様に何の様だ?!!アァン?!」



「‥‥‥‥‥全ては私と愛しき妹の幸福の為に‥自身を顕現させる‥‥‥神話‥‥‥回帰‥‥‥‥神話召喚・〖イングナ・フレイ〗」


「‥‥‥‥枝木は此方が有している。黙って従い闘え〖スルト〗」


「ギャハハハ!!相変わらずの冷てぇ、野郎だぜえっ!!」


「アハハハハ!!!やっと戻って来たぞ。神代以来のこの地上へ!!さぁ、始めよう!!〖担い手〗よ。この新たなる〖太陽〗の火神が天罰を与えてやろう」

『豊穣火神・イングナ・フレイ』


「‥‥‥‥アァン?!誰だお前?‥‥‥‥火神だと?‥‥‥‥火の神は俺だぞ?!オイッ!!ギャハハハハハハハ!!!消し炭にしてやるよ。偽物火神野郎!!」

『フレイヤの五色の灯〖炎神・スルト〗』


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