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終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.6 剣魔・シエル VS 三炎騎・スキールニル


〖レッドローズ城〗夜


「ハァ、ハァ、ハァ‥‥‥美人さんが僕さんに攻撃してくれるなんて‥‥‥感激ですよおぉぉ!!」


「‥‥‥‥半日以上切り続けているのに、まるで疲れを見せないなんて‥‥‥驚きですね」


「き、効きませんよぉ!!ハァ、ハァ‥‥‥僕さんは最後の〖三炎騎〗にして特殊な魔族。魔力だけの攻撃なんて効きませんよぉ。美人さん!!夜焼術(やしょうじゅつ)・〖陽炎〗!!」


「その異形な姿をしていて〖魔族〗とは思えませんね。剣魔の相・〖紫幻刀(むげんとう)〗」


黒炎の様な黒炭がシエルへと向かって来る。シエルはそれを次元を絶つ一振でなぎ払らった。


「ハァ、ハァ、ハァ、僕さんの攻撃が消えたぁ?!!」ゴギッ!バギッ!


少しずつ身体から何が生えてくる。


紫幻(むげん)は別の場所へと繋がりますから‥‥‥背中や腹部から手足が出で来ていますね。貴方‥‥‥‥〖魔落ち〗する寸前なのですか?」


「ハァ?ハァ、ハァ?‥‥‥僕さんが〖魔落ち〗何の事ですヴぅぅ?!」ゴギッ!ゴギッ!ゴギッ!


恐ろしい異形へと変わっていく。


「〖魔落ち〗は普通なら決して起こらないとされる〖魔族〗の徒が墜ちの筈‥‥‥‥貴方。魔族がタブーとする多種族殺しをしたんじゃありませんか?‥‥‥それも恐ろしい数と残虐な行為を持って‥‥‥」


「ハァ、ハァ、ハァ、タチュゾグ殺し?!僕さんがあぁ?!僕さんはただ、フレイ様と一緒に遊んでただけだぁのよ?!あはは、ハァ、ハァ、そう、狩り、狩りをして楽しんでたのぉ!!色々な種族の孤児を買って、誰も居ない場所で楽しい狩りをねぇ、ねぇ!!!」ゴギッ!ゴキゴキ!!!


身体中から蜘蛛の様な脚が生え、最初の頃の原形は保てなくなっている。


「狩り?もしかして、近年、フレイム地方各地で部族の子供が行方不明になるという聴いていましたが‥‥‥‥貴方方が絡んでいらしたのですか?」


「絡む?からから!!!そうなのかなぁ?僕さんとフレイ様が絡んでたの?‥‥‥僕さんより、フレイ様の方が楽しんでたのよ‥‥‥‥ハァ、ハァ、ハァ!!何で身体が保てないのよ?夜焼術・〖蜘蛛焼〗」


スキールニルの目は八つに分裂し、口元も不気味に変化していた。その口から白い毒火がシエルに向かって吐かれた。


「剣魔の相・〖刀幻〗‥‥‥‥私に与えられている真実を見定める〖紫眼〗の影響でしょうね‥‥‥魔族の徒が墜ちなど初めて見ました。そんなもの神話のおとぎ話と思っていましたが。現実に起こるなんて‥‥‥‥思いもしませんでした」


「ハァ、ハァ、ハァ!僕さんの技がまた消されたの?何でぇ?何で?何でぇ!!フレイ様にお仕置きされるるる!!嬉しいィ!!」


「徒が墜ちが精神にまで異常をきたしていますよ‥‥‥‥見てられませんね。せめて魔族の状態で逝きなさい」


「ハァ、ハァ、ハァ?魔族の状態で逝くうぅ?!!フレイ様は言ったのよ。私を楽しませる事がアンタの幸せだって言ったの。だから、だから、僕さんは嫌々でもフレイ様に合わせて孤児を‥‥‥‥子供を狩ったのよ!!殺すのなんて嫌だったのにいぃ!!」


スキールニルは八つ目になった(まなこ)から血の涙を流す。


「‥‥‥‥そうですか。最後に貴方の本音が聞けて良かったです。貴方の仇は〖担い手〗様と共に必ず取りましょう‥‥‥ですから今はお休みを‥‥‥‥剣魔の相・〖紫幻世界〗」


スパンッ!


その一閃で天界と冥界への次元が開かれ、スキールニルは吸い込まれる。


「ハァ、ハァ、ハァ‥‥‥あれ?僕さん‥‥‥は何であんな奴に従ってたんの?‥‥‥僕さんはただ、ゼロ様を探して旅をしていただけなのに‥‥‥‥」シュンッ!


「‥‥‥‥後の采配は天上の方々に委ねましょう。今はただお休みを下さい。魔族の方‥‥‥‥」



とある書物にシエル・オルタナティブについての記載が載っている。


魔法大陸(エウロペ)を代表する魔法組織・〖魔女の夜会(ワルプルギス)〗が書いた〖偉人の(マグナス) (禁書指定)〖魔女の夜会(ワルプルギス)の書〗(禁書指定)にはこう記されている。


剣の里〖オッタル〗の代表格たるシエル・オルタナティブ。


現代(こんだい)の〖剣聖〗グレイ・オルタナティブの実母にして〖剣の魔女〗の称号を〖魔女の夜会(ワルプルギス)〗の創設者〖マギア・アル・マロ〗により与えられている。


因みに現在、〖マギア・アル・マロ〗は行方不明とされている。


〖剣魔法〗の第一人者として魔法大陸(エウロペ)でもその名を知られる。その経歴は故郷〖オッタル〗に産まれ、五歳になる前に〖五属剣術〗を極めたと言われている。


それからは魔法大陸(エウロペ)にある四大魔法学校の全ての学術過程を修め、魔術院の〖魔女の夜会(ワルプルギス)〗に〖白の魔術師・マーリン〗の仲人で加入し〖紫〗の席に着く。


数年を〖剣の魔法〗の研究に費やした後、ガリア帝国の次期王候補の王子と恋に落ち、故郷である〖オッタル〗へと駆け落ちした。


その後は数世代前の〖剣聖〗として数多の魔獣や剣の達人達と闘い、その全てに勝利したといわれている。


数年後、駆け落ちした王子との子。〖グレイ・オルタナティブを身籠り〖剣聖〗を引退。その後は剣の里〖オッタル〗の〖剣魔〗として他流の剣士達を纏め静かに暮らしている。


彼女は生来の優しさと美しいさを持ち、天性の魔法と剣の才能に溺れる事無く、〖剣聖〗まで登り詰めた。希代の英雄であると書かれている。


「‥‥‥残りはあのフレイとか言う人だけですか‥‥‥‥いえ、あれ(・・)が人と呼べるのかは定かではないですね。今は〖担い手〗様の所へ急がなくては」スゥー‥‥‥‥。

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