終炎決戦・〖沈みし時、太陽は落日する〗No.5 可憐とルア VS 巨兵族・ビュグヴィル
〖首都・ロゼ〗
中央広場・〖薔薇公園〗
「キャアアア!!!巨人よおおぉ!!!」
「嬢王様の不在を狙った〖ガリア帝国〗の攻撃か?に、逃げろおぉ!!!」
「主力部隊が戦争へ行っていないのにどうすればいいんだ?」
「ハイハイ。五月蝿い観衆共め‥‥‥‥五月蝿い奴等は後で踏み殺すとして‥‥‥‥まさかこんな目立つ場所まで吹っ飛ばされるとわ‥‥‥‥あの金髪の子供は何者なんだ?」
スタンッ!
「ルアは〖ロマ〗‥‥‥悪意に救いを与える者」
「ハイ?〖ロマ〗?‥‥‥‥〖ロマ〗と言えば富と紛争の悪の巣窟じゃねえか‥‥‥‥確か、二週間前位に現〖教皇〗が殺されて新しい〖法王〗とか言う奴が簒奪したんだったな?」
「ルアは簒奪なんてしてない。〖教皇〗を倒したのは神成」
「噂だと金髪の聖女と聞いているぞ‥‥‥‥似ているのは金髪だけだな。まぁ、そんな事はどうでも良い。今はフレイ様の所に戻ってお手伝いせんといかん。だから、邪魔なんだなぁ‥‥‥‥地魔法〖巨剣〗」
「ウイーー!デカイ剣!!」
「ハァ、ハァ、や、やっと追い付きましたよ。ルアさん。な、何で私をおいて行くんです‥‥‥か?って何ですか?あの大きな岩の塊は?‥‥‥‥なんだか私達目掛けて降ってきてる様な‥‥‥‥」
「ウィ、落ちて来てるよ。可憐ママ、このままだと二人揃ってペッチャンコ」
「‥‥‥何でそんなに嬉しそうなんですか?この子は‥‥‥」
「ウィー!あんなの直ぐに壊さりゅから。〖聖杯・聖典〗・〖光の脚礼(きゃくらい)〗」
ルア法王の身体が光輝き出した。〖ルア・テレシア〗の新たな〖ロマ〗は神話と神代の力を操れる。
神話の力〖心象具現化〗と神代の力〖色彩〗を自由自在に操り、敵と認識した相手に対して、彼女はその力を容赦なく使用する。
〖心象具現化〗により、想像した事を現実に起こる様にし、ルア法王の特殊な〖色彩〗の力で相手を翻弄する。
「ウィー!!〖聖脚〗」
ドガアアァンン!!!!
「ハイィィ?!俺の〖巨剣〗が粉々に破壊された?!!」
ルア〖法王〗が使用した〖心象具現化〗は強すぎる力ゆえに、勿論制約が設けられている。ある人物との契約により、夜になると神話の力が使えなくるとい言われている。
幼い子供の想像がそのまま具現化するという事を他者に知られ、悪用される為にあえて制約を作ったとも〖ルアと可憐ちゃんの成長、育成、観察日記〗に記されていた‥‥‥‥。
「成る程。それでルアさんがあんなに力持ちなんですね‥‥‥というか何で神成君はこんな物を持っていたんでしょうか?‥‥‥‥〖ルアと可憐ちゃんの成長、育成、観察日記〗‥‥‥‥観察日記?」
「ハイハイ!!!子供だからと油断していたわ。地魔法〖破壊の巨翔〗」
拳の形をした土塊が薔薇公園の空へと造られる。それがルア法王ではなく、可憐へと向けられ放たれた。
「ウィ?‥‥‥‥標的は私の筈」
「ハイハイ!!強い方より、弱い奴を先に倒すのが闘いの上策だろうがぁ!ハイハイ!!お前は後なの!!お前のママとやらを押し潰して戦意を無くしてから、ゆっくりなぶってやるからねぇ!!そらぁ、死になぁぁ!!ママさんとやら!!!〖地殺〗!!
「あ‥‥‥‥私‥‥‥死‥‥‥ぬんですか?‥‥‥嘘?」
「可憐ママ!!水魔法を使って!!昨日、神成に教わってた。チュウキュウ魔法!!」
「へ?ちゅ、中級魔法?‥‥‥え、えっと‥‥‥水魔法〖水靖流転〗」
‥‥‥‥天之宮 可憐は現代魔法の力は本物だ。威力、規模、密度、全てが規格外。
これも次元渡りの影響なんだろうか?
もし、彼女が中級から上位までの五属性の何れかを身に付けたのなら、並みの敵では対象できないと、俺は彼女に現代魔法を教えながら、ひしひしと感じる。
〖ルアと可憐ちゃんの成長、育成、観察日記〗の一文より‥‥‥‥
薔薇公園の空に高圧の流水が巨兵族・ビュグヴィルに注がれる。
「ハ、ハイイイ?!!何なんだこの威力?!!お、俺の地魔法が‥‥‥‥解かれる。ギャああああ!!!」
「ウィ‥‥‥‥神成‥‥‥言ってた‥‥‥可憐ママは規格外。〖魔法射出〗の規模は俺より高くなるって‥‥‥‥」
「ハァ、ハイ?‥‥な、何でお前、いつの間に俺の頭の上に乗っていやがる?」
「ウィ!審判を与えてあげりゅ‥‥‥〖聖杯・聖典〗・〖無白色園」
ルア法王の神代の色は〖無色〗‥‥‥‥制約故の無色である。そして、朝と昼には使えない制約も設けられている。だが夕と夜の間はその力を存分に発揮できるのだ。
そして、今は日が落ち始めた。〖夕方〗
〖色彩〗の力が解き放たれ、〖無〗がビュグヴィルに襲いかかる。
「ハ‥‥‥イハ‥‥‥イ?!‥‥‥お、俺の身体が‥‥‥無くなっていく?‥‥‥」
「悪意に救済を‥‥‥‥これは貴方がこれまで行ってきた罪の清算‥‥‥そう。貴方は色々な人を殺めたのね‥‥‥審判‥‥‥‥〖無園〗」
ルアではない別の誰かが‥‥‥ビュグヴィルに語りかける。
「い、意識‥‥までも無‥‥‥色に‥‥‥心が‥‥‥解放される‥‥‥‥あれ?何で‥‥‥フレイ何かに使われてたんだ?‥‥‥‥」シュユ!
フレイによって洗脳されていたビュグヴィルの精神は〖アグナの回廊〗へと誘われ。静かに姿を消した‥‥‥‥。