①話し合いの末 ~②青竜のアオイ
①話し合いの末
王宮での祝勝会もすんなり終わり。
セツナは拷問で終わり。
そのまた、次の日。
私達。元魔王親衛隊は『セルビア』王宮。王の間に招かれていた。
「‥‥悔しいが、我が魔王城よりも装飾や広さが倍違うな」
「まぁ、それは、仕方ないんじゃないか?資源豊富なユグドラシル地方と違って。魔王領はアテネ地方だからな」
「何故、自身が契約している。女神様をディスるのだ?」
「感じんな時に焼くに立たない女神様だから」
「‥‥‥私はその言葉にはノーコメントさせてもらうぞ。女神様の怒りを買いたくないのでな」
「君が羨ましいよ!エスフィール!女神ガチャSSRのユグドラシル様を引き当ててるんだからさ!」
「女神様達をソシャゲのガチャガチャみたいに例えるな!アホセツナ!女神様に当たりも外れもあるわけなかろう」
「じゃあ、お互いに契約している女神様達を交換するかい?」
「そろそろ、『妖精国』での作戦会議が始まるぞ。暫く大人しくするのだぞ。セツナ」
「‥‥‥‥了解した」
昨日は、アルディス王子とメリュジーヌ卿の洗脳教育を受けたお陰なのか。今日はやたらと大人しく素直に言うことを聞いてくれる。
最近の私は、どうもセツナに甘くなっているとセシリアやアルディス王子に昨日、叱られてしまった。
‥‥‥‥だが、それは、仕方がないのだ。そう、仕方がないことなのだ。自分でも上手く説明できないが‥‥‥
「では、これより。『妖精国』に蔓延る厄災についての会議を始めたいと思います」
宰相殿が拡声魔法で王の間内に聴こえるように喋る。
「では、まず始めに誰か厄災に対して、知らない方はどのくらいいらっしゃいますか?」
私も含めた。大多数の人達が挙手をした。
「はい、ありがとうございます。‥‥‥‥厄災とは、この国。『セルビア』で起こるであろう。三つの厄災の事を指して言います」
「三つの厄災ですか?」
私がそう質問すると。
「え?あれ?貴方は、エスフィール殿‥‥‥」
「お母様!!しーーー!」
アルディス王子が大声で叫ぶ。
「あ、あら、ごめんなさい。貴方は、セシリアさんの従者の」
「ニャア!ウニャア!苦しゅう無いのニャア」
「セシリア!ステイ!」
「ギニャアーーー!!」バタり。
「‥‥‥‥話の続きをしますね。三つの厄災のうち、一つはこちらにいらっしゃいます。セツナ殿と我が先祖。『オーディン』様のお陰で取り払われました。」
「はい!それは知っております」
「そして二つ目の厄災。これは人族の大英雄・初代、『ギャラハット』殿の活躍により。厄災から反転し。現在は中央大陸の守り神として扱われております。」
「そうだったのか?そんな話。始めて聞いたぞ!あの、腹黒魔術師め。だが、これで残り一つだけか‥‥‥‥ブツブツ」
セツナが驚きながら、怒り始め。独り事を呟き始めた。
ちょっと怖い。
「‥‥‥そして、最後の厄災『妖精国』の闇の女です。」
「『妖精国』の闇の女?それは、どういう?」
「ごめんなさい。従者さん!私達、『セルビア』の王族も地下の国。『妖精国』については余り詳しく聞かされて無いの。そうですよね。メリュジーヌ卿」
「うん!そうだね。エス‥‥‥メイエス先輩。セルフィーユ王女の言うとおり。地上の『セルビア』と地下の『妖精国』は同じ国にありながら統治する人が異なる珍しい国になんだ」
「ですがメリュジーヌ卿『セルビア』の女王。セルフィーユ様と『妖精国』のモルガン陛下は実の姉妹なんですよね?それでいて、最後の厄災について知らないと言うのは‥‥‥」
「最後の厄災についての文献や資料が全く無いんだ。ユナちゃん。だから、お母様もモルガン様も最後の厄災について説明しようが無いんだ」
アルディス王子がそう告げる。
「なるほど。理解しました。ありがとうございます。セルフィーユ王女、メリュジーヌ卿、アルディス王子」
「どういたしまして、従者殿。‥‥‥貴方は、お母様の様な聡明な方に育っているのですね。貴方のお母様も鼻が高いでしょうね」
「いえ、そんな」
「それに比べて、うちのアルディスと来たら胸だけは無駄に育って!他の所は‥‥‥‥」
「お、お母様!!!!!しーーーー!!!」
アルディス王子が物凄い表情で激昂している。
「‥‥‥‥この際、エウロペ大陸‥‥‥いいえ、アリーナの世界にバラして。世界中から殿方?奥方かしら?募ろうかしらね。アルディス」
「ノー!ノー!嫌だ!お母様!!しーーー!僕にはセシリアが入るから」
今度は!焦り切った顔で講義するアルディス王子。
「そういえば、セツナ殿!今、許嫁の方等はいらっしゃるのですか?」
「‥‥‥いいえ、特には」
一瞬、焦った顔で私の方を見ると。セツナはそう、答えた。なんじゃ?私が気になるのか?フフフ。
「そうですか、では、アルディス等‥‥‥」
「すみませんが丁重に御断りさせて頂きます。俺では、アルディス王子とは、釣り合いませんので。それにアルディス王子は男性なので可憐なセシリア殿の方が相性は抜群かと」
「な、な、この、僕に丁重に御断りさせて頂きます。だって?!」
アルディス王子は驚愕の顔をしている。
「そうですか、それは、残念ですね。元勇者様であり。魔術院マーリン殿の弟子。そして我が『セルビア』の救国の英雄。ブツブツ。」
セルフィーユ王女は玉座の天井を見上げながら。ブツブツ独り事を言い始めた。
「あぁ、こうなったら駄目だのう。では、皆様、『妖精国』について何か、案などがありますか?」
「そうですね。本来ならば、軍団を指揮して厄災に対象するのが、1番良いけど。今回は、厄災についての情報は一切無し。‥‥‥‥だから」
アルディス王子が一呼吸置いて告げる。
「今回は、少数精鋭で『妖精国』へ向かうのが良いと思うんだ。それに、いつ、また、地上に敵が来るかも分からないからね。だから、今回は最高でも5人組のチームで地下へ向かうのがベストだと。僕は考えるより宰相殿」
「では、それで採用ということで‥‥‥」
「?!なに?」
「うわぁ、ありがとうお父さん!」
「いえいえ、アルディス王子」
「贔屓だ!」「引っ込め宰相」「バカ親!」
「カチン!黙れバカ共!誰が!バカ親じゃ!」
そうして、お祭りが始まった。
「あーあー!まーた!いつもの始まっちゃったよ!」
「ア、アル先輩!これは?」
「ン?この騒ぎかい?『セルビア』名物暴力会議さ!だいだい最後にたっていた大臣の案が採用されるんだ。」
「は、はぁ、」
大国『セルビア』の内部事情を知ってしまい。私は心底驚いたのだった。
「まぁ、いいや、とりあえず、細かい事は僕達で決めちゃおうか」
「え?良いんですか?先輩?」
「うん!うん!いいの、いいの!どうせ、最後に立っているのはお父様かお母様だからね」
「そ、そうですか‥‥‥では、早速、我々で話し合いを再開しましょう」
私はそう言って。王の間に集まった我々、元魔王チームとサーシャ殿のチームのメンバーが集まって来た。
②青竜のアオイ
王宮・王の間
「いやー!流石、大国『セルビア』だね!セツナ。まさか、王の議会で殴り合いが始まるとは、フレイヤ地方の『剣人』達もびっくりな光景だ」
「そうね~!トリスの言うとおりだわ!セツナ」
「おお、そうだな!お花畑夫婦」
「まぁ、お似合い夫婦だなんて!トリス!」
「あぁ、流石、セツナ!分かってるぅ!」
「五月蝿!昔からお前らの事が分からんわ!アホ夫婦」
「‥‥‥ニャア、セツニャ!」
「なんだ?セシリア!」
「ニャンでここにロリっ子!サーシャが入るのニャア?」
「‥‥‥援軍に来た‥‥‥セシリア姉‥‥久しぶり‥‥会いたかった‥‥ガシッ!」
「わ、わっちも空いたかったニャア!サーシャ!ガシッ!‥‥‥って!言うのが遅いのニャア!!!何で今さら再開の挨拶してるのニャ!!!サーシャ!!」
「相変わらず!お前らが絡むと五月蝿いな」
「‥‥‥‥五月蝿く‥‥‥」
「無いニャアー!アホセツニャ!!!」
「アホ、兄弟子‥‥‥」
「アホだ!サーシャ!セシリア!」
「何ニャア?セツニャ?」
「だ、駄目‥‥‥」
「コイツら!『ノーム』の何処にいたと思う?」
「?何処ニャア?」
「か・ん・ご・く」
「監獄?どういうことニャア?」
「『セルビア』の入国門で騒ぎを起こして『アーラ監獄』に囚人として捕まってたんだ」
「ぶふう!!サーシャが監獄!!ぶふう!!アホニャア、サーシャ!オニャエは、アホニャーーー!!ニャホホホ!!」
「だろう?セシリア!だってよ!サーシャ!ワハハハハハハ!」
俺とセシリアはサーシャを見て爆笑した。
「‥‥‥酷い2人共。‥‥‥神代・回帰‥‥」
「!!!やめろ!やめろ!サーシャ!ここで神代・回帰なんて使うな!」
「ニャヒイイーー!そうニャア!使うニャア!サーシャ!」
「‥‥‥じゃあ、謝って‥‥‥土下座して‥‥」
「すみませんでした」「すみませんでしたなのニャア」
「‥‥‥分かればよろしい‥‥‥」
そんな、俺達。3人がトリオ漫才をしている間に。頭脳派のアルディス王子、エスフィール、メリュジーヌ卿、ヒスイ達が話し合いを進めていた。
「‥‥‥‥アホの元勇者パーティー達は、無視するとして。どうしようか、地下に行く。人員の人選?」
「‥‥‥‥あ奴ら!旅の道中では、あんなことをいつもやつておったのか?」
「ん?あぁ、俺と闘う時もいつも、あんな感じだったな!そして、あの中に脳筋ゴリラ聖女の際限の無い暴力とナルシストが加わり。カオスが誕生する仕組みだ」
「なんか、楽しそうだね」
「そ、そうですね。メリュジーヌ卿」
「それでね。地上にもいちを戦力を残して置くべきだと僕は思うんだけど。誰がどうするか全然、考え付かなくて。」
「‥‥‥‥北のサラマンダーの守りは、セシリアがよろいかと一度行って都市部の事も私達よりも分かっていると思います。」
「うん!うん!じゃあ、セシリアは北と」
「じゃあよう!俺は、この首都に居てやるよ!その方が色々好都合だろう?アルディス王子さんよう?」
「‥‥うん!そうだね。ヒスイ君が首都『オーディン』に居てくれれば。色々、多少しやすいからそれでいこうかな」
「おーい!それじゃあ!西の『シルフィード』には、あのアホ夫婦を行かせてやって来れ。どっちも風魔法が得意だから。シルフィード様との連携も取れるだろうしな」
「魔術院で有名なトリスタンとイゾルテコンビじゃねえか!数日前に本物に会えて嬉しかったが、今は残念の方が勝るぜ」
「そう言うな!ヒスイ。あいつらはやる時にはやる奴等なんだ。」
「そ、そうか、分かった。」
「それじゃあ、お花畑夫婦は西と‥‥どうしようか南の守りの人が足りなくなっちゃう‥‥‥」
「あー!それは、ご心配なく!アルディス王子!とりあえず、今から召喚魔法でなんか、呼びますので」
「セ、セツナ君!召喚魔法で色々な者をそんなにバンバン呼べる訳無いでしょう?‥‥‥‥」
「うーん!まぁ、見ていて下さい‥‥‥‥よし」
俺は、アルディス王子にそう話。七聖の杖『ラファエル』を手に持った。
「では‥‥‥‥今回は、南‥‥『ウンディーネ』か水、水」
「セツナ!お主、何をさっきらブツブツと」
「‥‥‥しーーー!‥‥‥元魔王様静かにして‥‥‥」
「サ、サーシャ殿!貴方、私の正体を」
「‥‥‥大丈夫だから!しーーー!」
「は、はい!」
「水、水、水!‥‥‥ここは、魔力濃度が濃い。『セルビア』。上手く行けば来てくれるか?」
「だから、セツナ君!さっきから何を‥‥‥」
「救国の危機は去った、が以前、曇りは陰り雨降り注ぐ国がある。
我は、望む!水の守護者を、我は望む!水冷の平和を
来たれ、かつての我が盟友よ!
召喚魔法・和国の水冷の守護者の子よ『青竜』!!!」
『セルビア』首都・上空
とてつもない。巨大な魔法陣が大空に現れる。
その中から全長100メートルは軽く越える。青き竜が現れた。
「セツナ!な、なんじゃ?あれは?」
「ん?東国の青竜だ!」
「東国?」
「あぁ、おーい!アオイ!!こっちだーー!」
「?!んあ!セツナ様!!!久しぶりですーーー!」
巨大な青竜がセルビア城に目掛けて突進してくる。
「うわぁ、最後の厄災!あれ、絶体、最後の厄災だよ!ユナちゃん!!」
アルディス王子があわただしく騒ぎ始めた。どうやら、 アルディス王子は突然、起こる。アクシデントに弱いらしい。
「セーーーツーーーナーーーサーーーマーーー!お久しーーーぶりでーーーすガシッ!!」
「おお、アオイーー!!久しぶり!!ガシッ!」
「美女!美女が!現れたニャア!あの、デッカイ青い竜は何処に消えたのニャア?」
「?それ、私です!可愛いネコサン!」
「うん!うん!」
「ニャニイイイ!!」
「どうだ!可愛いだろう!セシリア!アオイとは、昔、東国で出会ってな!それ以来、蓬莱様や鵺さんなんかと‥‥‥」
「ねぇーーー!セツナ様!懐かしいですねーー!また、セツナ様に会えて!アオイ嬉しです!ガシッ!」
「俺も嬉しいよ!アオイ!ガシッ!」
「ピイーーー」「ピピイイーー」「ピピイーー!」
いきなり、何処から取り出したのか分からないが、エスフィール、メリュジーヌ卿、アルディス王子が笛を鳴らした。
「「「はい!アウト!!!」」」
「な、なんだ!いきなり3人共。笛なんて吹いて」
「うん!うん!凄い援軍を呼んでくれたね、セツナ君!その子のおっぱいもブルブルだね!」
「そうじゃのう、セツナオマケにスタイルも抜群じゃな!セツナ」
「それで居て。青色の綺麗な髪に幼さが残る可愛らしい顔立ちだね。ご主人様」
「な、何なんだ?!お前らのいったい?!」
「じゃあ、『妖精国』に行くメンバーは、僕、ユナちゃん!メリュジーヌ卿、サーシャさん、バカセツナ君で決まりで良いかな?皆」
「いや、アルディス王子!バカセツナ君って!」
「うん?あぁ、気にしない。気にしない。後で、僕達3人と一緒にまた、あの部屋に行くから。安心してよ。ねえ、ユナちゃん、メリュジーヌ卿」
「はい、アル先輩」
「楽しみだね!ご主人様!」
そんな、こんなで『妖精国』に行くメンバーが決まり。
その残りの時間で。俺は3人からの義務教育を叩き困れたのだった。
「ぎゃあーーー!!」
「セ、セツナ様!大丈夫ですか?セツナーーーー様!!!」
俺が新しく呼び出したアオイだけが、俺を心の底から心配してくれたのだった!




