それぞれの展開
後の魔法大陸の〖エウロペ大戦記〗の文献にはフレイヤ三列対戦はガリア帝国の大敗の記録が残されているが、これは誤りである。
序盤に起きた〖エメラルド高原〗と〖レッドローズ〗の戦いでは、力ある何者かの介入によりガリア帝国兵のおよそ十四万にも及ぶ兵力を失ったが、フレイヤ国家連合軍による〖ブルーレヴィア〗奪還戦以降数ヶ月に渡る攻防戦が続いた後にフレイヤ国家連合軍によって陥落したとと記されている。
その原因は〖ブルーレヴィア〗にある『○○○○○○峡谷』が沈んだ事によって、両軍どちらも身動きが取れない状態に陥ったと言う。
あの〖天災〗が現れた事によって‥‥‥‥‥。
『レッドガーデン』
都市〖ガーデン〗陥落状態
「マルドル族長!!〖赤の嬢王〗様から連絡が届きました」
「‥‥‥‥どうなった?」
「ハッ!勝利したとの事です。嬢王様自ら、敵のトップ。キャロル・ライルーマを倒したとの事です」
「倒した?討ち取ったではなくか?」
「は、はい。書簡にはそう書かれてありました」
「あい分かった‥‥‥‥ならばそのうちこの〖ガーデン〗まで進軍されるであろうな。ガリア兵士が〖ブルーレヴィア〗の本陣に逃げ込まない様にレッドガーデンとブルーレヴィアの境を速やかに占領、監視を強めろ。ゲヴン軍千人を向かわせておくんだ」
「せ、千人ですか?それは余りにも少ないのでは?〖ブルーレヴィア〗に入るガリア帝国兵の戦力は四十万以上ですよっ!」
「〖ブルーレヴィア〗の軍は数日は動かない‥‥‥‥後に沈ずむと嬢王様が言っていた‥‥‥‥嬢王様の言葉だ。信じろ‥‥‥‥」
「は、はぁ、沈むですか。ではその様にゲヴン様にはお伝えします」
「あぁ‥‥‥‥まさかこんなにも簡単に都市〖ガーデン〗が落ちるとはな。そして、ガリア帝国は〖赤霧の隠し谷〗〖エメラルド高原〗〖レッドガーデン〗の土地を失うか‥‥‥これで〖ブルーレヴィア〗まで奪われる事があれば大国ガリアは国土の三割を失う事になるますな。ロゼ様‥‥‥‥(それにしてもレッドローズの首都に向かったあの二人は無事に着いただろうか?あの首都にはあの女入る。変に刺激しなければ良いがな)」
〖レッドガーデン〗赤の嬢王陣営
「‥‥‥‥掃討戦に移りなさい‥‥‥‥と言っても残っているガリア兵は少ないでしょうが」
「「「ハッ!」」」
「それから援軍に来て下さった方々にお会いするのでその手配と‥‥‥‥このまま連合軍を組、〖ブルーレヴィア〗に乗り込むのか協議もしなければなりません。白き仮面の騎士様。宜しければ私の護衛をお願いできませんか?」
「護衛ですか?‥‥‥‥そうですね。あの巨獣達もまだ居ますし此処を離れる分けにもいかないですし、教え子がまだ帰って来ていませんからね。その依頼引き受けましょう」
「あ、ありがとうございます!白き仮面の騎士様」
赤の嬢王・ロゼはギャラハットへと抱き付いた。そして、その衝撃でギャラハットの仮面が外れる。
カランッ!‥‥‥‥。
「あっ!しまったっ!仮面が‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥カッコイイ!!」
「へ?」
「す、素顔はそんなに素敵だったのですね?!仮面の騎士様!!わ、私、見惚れてしまいましたぁ!!」ガバッ!
「い、いや、は、離れて下さい。赤の嬢王。わ、私にはフローレンスと言う心に決めた人が居てですね‥‥‥‥」
〖エメラルド高原〗
「エメラルド高原一帯を占領しているガリア残存兵力をフレイヤ地方から追い出せ!尚、フレイヤ地方の民には危害を加えるな。標的はガリア兵士のみとする」
「「「「ハッ!アダマス王様」」」」
「まさか、こんなにも早く、エメラルド高原の占領地の半分を落とすなんて思いもしませんでした」
「ハハハ!驚いたか?モルジア王女。俺はこれまでガリア帝国に対して表立って戦争はしてこなかった‥‥‥‥その分、裏工作で各地の奪われた土地を調べさせ、各町や村の防壁の脆い部分を探らせていたんだ。それとアダマス国の民を各都市や町に住まわせてな」
「何時でも裏切らせて、街の正門を開けさせる為にですか?」
「あぁ、その通りだ!!長年の努力がやっと報われたわ。ハハハ!これもあの小僧のお陰だな!」
「‥‥‥‥何て用意周到な人。これが名君と呼ばれる由縁なのね」
アテナ地方とフレイヤ地方の境目〖ブルーレヴィア〗
ガリア帝国副首都『ブルーグラス』ガリア軍総司令部
「何?先遣隊に向かわせた十四万のガリア兵士が全滅しただと?〖レッドガーデン〗での戦いが始まってまだ一日も経っていないのだぞ!」
〖ガリア帝国軍参謀・バルトロ・アイロ〗
「は、はい‥‥‥ほ、報告では謎の巨獣や禁則地の赤竜達がガリア兵士のみを狙って攻撃を仕掛けたらしく‥‥‥‥〖赤霧の隠し谷〗〖エメラルド高原〗〖レッドガーデン〗三つの土地はフレイヤ地方各国に占領されつつあるとの事です」
「な、何だ?その馬鹿げた報告は?アルケル将軍とキャロル将軍を始めとした将校達は何をやっていたんだ?あの者達は皇帝陛下が自ら選び抜いた精鋭中の精鋭の筈だぞ」
「‥‥‥‥‥生き延びたガリア兵士からの報告ではお二人を始めとした将軍達はその殆どが戦死か行方不明との事です。それから‥‥‥‥」
「戦死?!そんな報告があってなるものかっ!彼等はこのガリアの次世代を担う存在なのだぞ」
「ひ、ひぃぃ!!」
「静かにしてくれ。バルトロ」
「ランスロット殿!何を冷静になっているのだ?!そもそも、アルケル将軍とキャロル将軍は貴方のご友人と聞いている!もっと心配するなりのしたらどうなのです」
「心配はしている。心の底からな。だが、今は最後まで彼の報告を最後まで聞くのが先だ‥‥‥‥続けてくれ!サイサス」
「は、はい‥‥‥ランスロット様〖レッドガーデン〗は都市である〖ガーデン〗一帯まで占領され、レッドローズ軍に援軍に来たアダマス軍と禁則地から現れた赤竜の大軍は連合軍を組、〖ガーデン〗内に入場したとこ事。そ、その兵力、合わせて二十万を越えるとの事です」
「に、二十万だと?そんな大軍が目と鼻の先に入る?‥‥‥‥」
「数では此方が上回るが‥‥‥‥相手が赤竜が加わって入るという事は、戦力的にはあちらの方が上となるか」
「ほ、報告は以上になります‥‥‥‥」
「あぁ、ありがとう。下がってくれ。サイサス」
「ハッ!」
「‥‥‥‥この失態どうされるおつもりか?ランスロット殿。我々は本国に呼び出され‥‥初経されるかも知れんぞ」
「そうなれば、この〖ブルーレヴィア〗がフレイヤの国々に取られるだけだ。聡明な皇帝陛下ならば、我々を処刑するなどする分けないだろう‥‥‥‥今は目の前に集まりつつある二十万もの連合軍をどう対処するを考えた方が建設的だと思うぞ」
「そ、そんな事、言われなくても分かっております!」
「はぁ~、バルトロ‥‥‥少し自室で寝にいけ。君はいつも追い詰められると慌てて口調が荒くなるからな」
「い、いえ、私は追い詰められてなど‥‥‥‥」
「良いから休んで来なさい。君はいつも働き過ぎなのだ」
「は、はぁ、ランスロット殿がそこまで言うのでしたら休ませて頂きます」
キイィィ‥‥‥‥ガチャ!
「フゥー、やっと静かになったか‥‥‥‥しかし二十万もの大軍をどうしたものか。此処は十万の兵を別動隊として南下させ、敵の補給線を断つか。幸い此処はガリア本国から近く兵量が安定してあるしな。持久戦に持ち込めば急増の連合軍など内部から崩壊して‥‥‥‥皇帝陛下は私の采配で四十万の兵を好きに使えと言った。今がその時‥‥‥」
「‥‥‥‥それをさせない為に私が来た」
「は?その声はサー‥‥‥‥」
「‥‥‥‥〖炎王球〗!」
「ガァ?!!」
ドガアァァン!!!
「‥‥‥‥一日付き合って。そうすれば後は好きにして良いから‥‥‥‥それだけで数十万の犠牲者何て絶対に出ないから」
「クッ!この魔法の威力。本物なのか?‥‥‥‥何故、私に攻撃をするんだ?サーシャ!答えてくれ!!」
「‥‥‥‥〖贄〗にさせない為。マシャール‥‥‥行って主戦力になる将兵を眠らせて来て、それだけでこの戦争を止められるから」
「ニャアア!!!」シュンッ!
「あれは?サーシャの契約者?ま、不味い。あんな者を暴れさせたらこの副首都が機能しなくなる」
「‥‥止めさせないし。行かせない。貴方の相手は私。此処で数日足止めするから」
「クソッ!久しぶりに会えたと思ったら何を行っている!退いてくれ。サーシャ!!!」
◇◇◇◇◇
場面代わり陽が落ちる寸前の首都・〖レッドローズ〗
バリバリバリバリ!!!
〖雷雨牢獄〗内
「ちょっと?いつまで、こんな場所で睨み会ってるわけ?〖担い手〗さん」
「レッドガーデンの方が終わり。夕暮れが落ちた頃までだよ。〖ラグナログ(神々の黄昏)〗〖太陽〗さん‥‥‥‥」
本当の闘いがここからから始まる。
作品の進行速度が遅れている為、しばらくの間。投稿スピードを上げます。ご迷惑おかけします。