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白き騎士と赤き嬢王No.5 崩壊前線


『レッドガーデン』開戦から十時間経過‥‥‥


南方戦場〖夕焼けの岩場〗


ガリア帝国軍〖ライオット軍・兵力約17000〗


「司令部との連絡はまだ取れんのか?!援軍の手配はどうした?!此方の相手はオーガ族の軍なんだっ!予備戦力を回してもらわんと前線が持たないんだぞ!」


「は、はいっ!今、伝達魔獣を向かわせておりますので、時期に分かるかと‥‥‥‥」


「ちっ!その間にも我が軍の兵士達は数を減らしているんだぞ‥‥‥‥キャロルめっ!司令部で何をやっているんだ?全くっ!だから若造に軍を任せるのは早すぎるとあれ程、皇帝陛下には進言してんだ」


「は、はぁ、左様でございますか‥‥‥‥」


「フレイヤ地方はガリア帝国の資金源だ。アテナ地方の本国の属国としてのな。そして、〖五大列国〗との最前線でもある。幾ら、ランスロットの台頭により、若い将校に期待が寄せられフレイヤ地方の前線を任せ、若い世代を育て様と皇帝陛下や腹心達が考えいるようだが、それを付かれて攻められ味方の兵力を浪費するなど馬鹿げているぞ‥‥‥‥」


「そ、そうでか‥‥‥‥」


「‥‥‥‥済まん、クルナル。感情任せに騒いでしまったな‥‥‥‥‥クルナル」


「は、はいっ!何でしょう?ライオット将軍」


「お前とトルワ達は此処から脱出し、アテナ地方の本国へと帰還しろ‥‥‥‥此処はもう駄目だ‥‥‥」


「ライオット将軍?‥‥‥‥いきなり何を言っておられるのですか?‥‥‥」


「〖エメラルド高原〗の方を見てみろ‥‥‥‥何かの大軍が押し寄せて来ようとしている。恐らく此処を目指してな」


「は、はぁ‥‥‥大軍ですか。で、ですがライオット将軍はどうされるので?」


「時間を稼ぐ‥‥‥お前達。若い世代が逃げられる間のな‥‥‥‥恐らく、この先遣隊は此処で敗れる。俺の軍人のとしての勘がそう告げている」


「そ、それでしたら、〖ブルーレヴィア〗の本体に報告しませんといけません。それに〖エメラルド高原〗には別動隊としてアルケル様率いる40000もの援軍が‥‥‥‥」


「開戦から半日以上経っているんだ。とっくに全滅させられているだろう。良いかッ!あの巨大な化物が現れてから今回のレッドローズとの戦いは、今までと何かが違うのだ‥‥‥何者かの介入により、今までの戦いの根幹が変えられている‥‥‥‥だから、行けっ!クルナル。お前達だけでも生き残るのだ」


「ライオット将軍‥‥‥わ、分かりました。直ぐに準備致します!ではっ!」


「‥‥‥‥もう少しの間‥‥‥成長を隣で見届けてやりたかったな‥‥‥‥クルナル、トルワ‥‥‥‥」



〖レッドローズ軍〗オーガ族・シンガル軍〖兵力約12000〗


「クハハハ!!しかし、弱いな今回のガリア軍の奴らはまるで連携がとれていないな。ウルよ」

〖シンガル軍・部隊長・シンガル・オルガ〗


「はい‥‥‥父様。敵は乱れに乱れております」

〖その娘・シンガル・ウル〗


「お前はどう読んで入る?ウル」


「外部の力が加わったと推測します。〖豊穣の獣〗様、〖白き仮面の騎士〗そして‥‥‥‥」


「南から来る新戦力の登場でこの戦場は我々の勝利で終わると?」


「その通りです。父様」


「‥‥‥‥来たか。まさに大軍。万を越える赤竜がガリア軍目掛けて向かって行くか。これは酷い」


「‥‥‥‥‥はい。父様」



「本能で分かる!!ガリア人は八つ裂きにしろ!!レッドローズの民を助けよ!フレイヤ地方の土地をっ!祖の地を我らフレイヤの民に取り戻せえぇ!!!!」


「┗━┛┛┣┛┣━┣!!!!!!!」


「全ては―女神―フレイヤ様の為に!!!!」


「殺す!殺す!殺す!!ガリア人は等しく!!!」


「ひ、ひいぃぃ、や、止めろ!!!」ザスッ!


「な、何で〖禁則地〗の化物共がこんなところに?がぁ?!」ドスッ!


「化物じゃねえ!!炎竜人だ。馬鹿やろう!!」


「成る程。我々が元に戻るには〖赤霧の隠し谷〗と〖エメラルド高原〗の奪還が必要だったのか‥‥‥納得した」


シンガル軍の元に未だ赤竜状態の大軍と炎竜人に帰化した数万ものイグニッションの民が合流する。


その数、約60000にも及ぶ。新戦力により、ライオット軍は何の抵抗もできずに、その数を減らしていく。


「ラ、ライオット将軍!!て、敵の増援がぁああ!!ギャアアアア!!」ドスッ!


「ハルマリオ!!クソッ!‥‥‥‥ライオット全軍に告げる!!このままでは全軍が全滅する!先遣隊・キャロル軍から離脱するぞ。このライオットが直々に殿(しんがり)を務める。各部隊は撤退戦を敷きつつ後退し、アテナ地方の本国へと帰還せよ。繰り返す、各部隊は撤退戦を敷きつつ後退し、アテナ地方の本国へと帰還せよ!!」


「ラ、ライオット将軍!!自らですか?それでは貴方の命がっ!」


「それしか生き残る方法はないのだ。フルセよっ!我が軍はオーガ族だけでも徐々に兵力を減らしていたのに、更なる敵側の援軍たる50000は軽く越える赤竜の大軍。最早、今回のレッドローズ軍との戦いは敗色濃厚だ。ライオット軍全兵士に告げる撤退しろ‥‥‥そして、生き残れ‥‥‥」


ドガアァァン!!!


「貴様‥‥‥‥何者だ?何故、半炎半竜の状態で‥‥‥‥」


「そんな真似はさせん‥‥‥‥焼失させてやるぞ。ガリアのしょうぐんよ」


「‥‥‥‥時間は稼がせてもらうぞ。ガリアの次世代達が本国に帰還するまでのな‥‥‥」


「笑止‥‥‥‥」


ドゴゴオオォォンン!!!!


南方より現れたイグニッションの民の容赦なき攻撃にライオット将軍率いる約17000の兵は数十人の次世代を担う若手将校を残して全滅。

それを率いていたライオット将軍は生死不明の行方不明であると後の『レッドガーデン』の戦いの記録には残されている。



ガリア帝国軍の残存勢力〖約35000〗に対し、


レッドローズ軍の残存勢力〖約62000〗に援軍として、イグニッションの民・残存勢力赤竜〖約40000〗炎竜人〖60000〗の合計〖100000〗の勢力が更なる標的を求めて戦場を駆け始めた。


レッドローズ軍とイグニッションの民の連合軍。総勢162000の大軍勢は〖レッドローズ〗の地を奪還する為に槍となり、ガリア帝国軍・先遣隊兵を完膚なきまで叩きのめし、レッドガーデンの地を赤き血で染めあげるのだった。

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