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白き騎士と赤き嬢王No.3 ロゼの采配


〖レッドローズ軍〗司令部


「‥‥‥‥‥マルデル。今の戦況の報告を述べて下さい」


「は?‥‥‥‥しかし、ロゼ様。先方との戦いが始まってまだ数刻しか始まっておらず。それ程、戦況が動く様な様子はありませぬが‥‥‥‥‥」


「いいえ、動きますよ‥‥‥‥‥10000のゲヴンの軍で戦場を迂回させて『レッドガーデン』の都市〖ガーデン〗を強襲し、陥落させる様に伝えなさい。今なら『レッドガーデン』一帯を守備していた兵はこの戦地に集結していて手薄の筈です」


「お、恐れながら申し上げます。それでは『ブルーレヴィア』に入る敵本陣を刺激し、この戦場に入る倍の数の敵兵と戦う事になり敗戦してしまいますっ!前日の作戦では『レッドガーデン』の戦いを長期戦に持ち込み、他地方の国々と協力。ガリア帝国・フレイヤ地方領に包囲網を敷き、敵本陣の兵力を分散させる算段の筈では?それではゲヴン師団長以下、1万の兵を見す見す死地に送り込むだけではないですか?」


「‥‥‥‥‥そうですね。当初の作戦はそうでしたね。ですが状況が変わりました」


「状況が変わった?‥‥ですか?」


「先程、アダマス王の遣いの者が現れ、私に報告して行きました‥‥‥‥『エメラルド高原』がアダマス王の手によって落ちたと」


「はい?不落の『エメラルド高原』が落ちたですと?」


「はい‥‥‥」



▽▽▽▽▽


一刻程前


(‥‥‥‥どうも)


(は?な、何者です?何処から現れました?こんな厳重な警備を掻い潜るなんてっ!)


(‥‥‥心配ない、私は味方。アダマス王の方に居た)


(‥‥‥‥アダマスの従者ですか?)


(‥‥‥‥まぁ、そんな所。『エメラルド高原』の戦いははアダマス王が勝ったからそれを教えに来てあげた)


(アダマス王が勝った?‥‥‥まさか?あんな防衛都と言われる〖クリソプレーズ城〗が落ちるだなんて‥‥)


(‥‥‥‥赤竜達が味方しくれたから。それでそのまま此処に来ると思うからガリア人の血を引く味方の人達は別の所に避難させて。そうしないと貴女の軍も被害が出る)


(〖赤霧の隠し谷〗‥‥‥元はイグニッション王家の祖の地‥‥‥‥そして、赤竜は元は‥‥‥‥そうですかそれは大事な事を教えて頂きました。ありがとうございます)


(‥‥‥‥お礼は美味しいご飯で良いから。後、白い鳥も来る‥‥‥時期に揃うかも。それじゃあ)


(揃う?‥‥‥‥あっ!待って下さい!何処に行くのです?まだ外は戦場で‥‥‥‥)


(‥‥‥‥『ブルーレヴィア』の本陣に行く。私が行けば、動きが止まるから)


(『ブルーレヴィア』?ま、待って下さい!貴女、一人で行くつもりですか?彼処には数十万ものガリア帝国の兵士が入るのですよ)


(‥‥‥‥‥知ってる。少し時間を稼ぐだけだから‥‥‥そうすれば『○○○○○○峡谷』が沈んで、ガリア帝国は南下できなくなる‥‥‥‥‥それからはどうなるかは貴女達次第。それじゃあ、バイバイ‥‥‥)スゥー‥‥‥


(あの峡谷が沈む?‥‥‥確かに昔はヘスティア地方の運河と繋がっていたと聞きますがそれを―女神―ティアマト様と○○様の闘いで閉じたと聴いていますが‥‥‥あれ?居ない?空を飛んで行ってしまいましたね‥‥‥‥)



▽▽▽▽▽


「私が不在中にその様な事が‥‥‥‥」


「ゲヴンの部隊は何の罪もない筈なのに祖国を追われたガリア人との混血が大半の筈です。彼女の言っていた事が本当ならば。南から来る赤竜の大群に殺されてしまうでしょう」


「りょ、了解しました。ゲヴン師団長には速やかに都市〖ガーデン〗へ行く様に伝えます」


「‥‥‥‥よろしくお願いします。それから私も前線に行きます‥‥‥‥ガリア帝国軍の先鋒隊司令部まで行き、キャロル・ライルーマを倒します」



〖ギャラハット側〗


「それじゃあ、喰らわせてあげよう。神現魔法(黄橙)・『血を流す聖槍』‥‥‥‥以前よりも数段、魔法射出速度、威力共に上がったんだ。地獄の様な訓練によってねっ!二本の聖痕弾を‥‥‥‥‥‥装填‥‥‥‥射出!!!」


ドオンッ!!!‥‥‥‥ドオンッ!!!


ギャラハットが扱う〖白亜の盾〗から放された〖疑似聖槍・聖痕弾〗の凄まじい銃口音と共に二つの聖痕弾が〖副軍団長・補佐ダルエ・マルサ〗の元へと射出された。


「ハハハ!馬鹿め?何処を狙っている?掠りさえしないぞ?見たこともない攻撃だが?そんな子供騙し‥‥‥‥の攻撃‥‥‥‥は?」


「ダ、ダルエ補佐官殿?どうしました?」


「は?‥‥‥‥何故、私の身体に穴‥‥‥が?」‥‥‥‥‥ドサッ!


それは余りにも一瞬の出来事であった。


「ダルエ補佐官殿?!!!」


「は?は?な、何が起きた?」


「先ずは頭から潰すのが戦いの定石だからね‥‥‥」


ギャラハットが放った二発目の聖痕弾が直撃し、キャロル副軍団長・補佐〖ダルエ・マルサ〗が絶命する。それにより残された精鋭部隊に動揺が走る。


「何だ?あの技?アイツ何者なんだろうな?ホルン」


「弓?とは違うね。さっきの攻撃‥‥‥‥シル」


「まぁ、勝てれば何でも良いさ!てめぇ等!!敵さんが動揺している今がチャンスだ!!積年の怨みを込めた。〖魔撃〗を思う存分浴びせてやれ!!!」


「「「「「はいっ!お頭あぁぁ!!!!!」」」」」


「今が攻め時かな‥‥‥‥相手は精鋭部隊。油断しないで皆」


「「「「「はいっ!御姉様!!!!!」」」」」


ホルンとシル率いる部隊が動き出そうとした瞬間。動揺するキャロル精鋭部隊に更なる悲劇がもたらされる。〖陸の王・ベヒーモス〗の無慈悲な大爪の攻撃である。


「「「ゴラアアアアアアア!!!!!!!!!!!」」」


「な?怪物が?!!!ぐぁぁ!!」


「ダルエ補佐官が死んだ直後だぞ!がぁ?!」


「ハハハ!更に攻撃されるとは日頃の行いが悪いんじゃないか?‥‥‥‥今だっ!やれ!!!」


「攻撃を開始して‥‥‥‥」


「「「「「オオオォォオオ!!!!!」」」」」


いくら精鋭部隊といえど、ダルエ補佐官のいきなりの絶命とベヒーモスの登場により、軍の混乱は最高潮に達した。それに加え、〖レッドローズ〗軍でも無敵の強さを誇るとまで言われるスゥール族軍とホーン族軍の猛攻が始まり。キャロル精鋭部隊の3000の兵士達はみるみるとその数を減らしていったのだった。

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