白き騎士と赤き嬢王 No.2 白を狙い撃つ精鋭部隊
〖レッドガーデン〗で始まったガリア帝国とレッドローズ国の初戦は、未知の生物・ベヒーモスによるガリア帝国への蹂躙。白き仮面の騎士の登場。猛将で知られる〖殲滅カルバスト〗の戦死 (生死不明)により、ガリア帝国軍側の指揮系統は分断され、先鋒隊約二万にも及ぶ、カルバスト部隊は方々に各個撃破されていた。
ガリア帝国軍の残りの兵力、約80000人。
レッドローズ軍の残りの兵力はほぼ無傷の約79000人で序盤の勝敗が過ぎ様としていた。
「しかし不味いな。初日の戦いとしては展開が早すぎる。ロゼ様の作戦では〖ブルーレヴィア〗の本隊が動かない様に長期戦にする筈だったよな?ホルン」
スゥール族軍リーダー〖シル・スゥール〗
「う、うん‥‥‥‥その筈だけど。あのアリババ国の〖守護獣〗様が私達の味方をしてくれてるから‥‥‥今後の作戦も変わるかもしれないよ。シル」
ホーン族軍リーダー〖ホルン・ホーン〗
「そうかもな。あの〖守護獣〗様があの大爪を一振するだけで、ガリア兵の奴らが何十人単位でいなくなってるし‥‥‥‥つうかマジで消えてる奴もいるけど何でなんだ?」
「「「グルアアアアアアア!!!!!!!!」」」
ベヒーモスの両腕には主人から渡されていた強制転移の魔道具が備えられていた。これはベヒーモスの有り余る〖魔力〗を使い、触れた者をガリア帝国領の何処かへと転移させる魔道具である。
これはガリア帝国の宝物庫にある〖強制転移門〗の応用でり、〖救国の担い手〗の配慮でもあった。ガリア兵士を帝国領内の方々へと散らし、無駄な戦死者を増やさない為の彼なりの配慮。
そして、転移後はアダマス王が考案した身体硬質の魔法術式が埋め込まれた魔道具により、転移場所での鉱石化の鋼鐵魔法で個体差はあるが一週間~二週間程、その場で石化する事になるのである。そして、とある場所では‥‥‥‥‥。
アテナ地方〖ガリア帝国領・ミハイナ地区〗
「ここは‥‥‥‥何処だ?‥‥‥何故、俺の身体が‥‥‥固まって?俺は‥‥‥高位軍人・カルバストだ‥‥‥ぞ」
◇◇◇◇◇
「しかし、セツナもアダマス王も面白い事を考えるね。転移魔法と硬質化の魔法系統で相手を何処かに飛ばしたうえ、化石にして一週間程、その場から動けないなくさせるなんてね。これなら戦死者もでないし、一週間後にレッドガーデンの戦争も終わってるという考えなのかな?」
ギャラハットはベヒーモスの蹂躙を見ながら、独り言の喋っていた。そして、そこに先遣隊の司令官であるキャロル・ライルーマ副軍団長の直轄の精鋭部隊。〖ライルーマ部隊〗がギャラハットに向けて向かって来るのだった。
「見つけたぞっ!奴が白き仮面の騎士だ!奴が原因であの化物は暴れている。速やかに排除せよっ!」
〖副軍団長・補佐ダルエ・マルサ〗
「「「「ハッ!!!!」」」」
「「「「了解しました!!!!」」」」
「おっと!明らかにさっきまで居た先遣隊の軍とは違う部隊だね‥‥‥‥それに数は3000位の少数。まさか、まだこんな序盤戦で敵の本隊が現れるなんてね‥‥‥‥」
「火弓、水弓、雷弓部隊は奴に向かって属性魔法を放て!!!その後、奴を〖ガルラの陣〗で囲い殲滅する」
「了解しました。弓隊!!構え‥‥‥‥撃てえぇ!!!」
「おっと!私を集中的に狙う気かい?まさか、もう狙われ始めるとはね‥‥‥神現魔法(黄橙)〖白盾の園守〗」
「は?何だ?あの白い光の球体は?」
この(・・)魔法世界のギャラハットは唯一無二の特殊な魔法を有している。
神現魔法。神代魔法の〖色〗の力と現代魔法の〖属性〗の力を共に有した力。
そして、〖洗礼者〗と〖臨界突破〗を果たした彼は妖精国の最高戦力の一人に数えられる騎士の中の騎士である。
そんなギャラハットが放った神現魔法の力により、キャロル精鋭部隊の弓の攻撃は尽く防がれたのだった。
「フフフ、最近はシスターエリスに鍛えられたり、幻獣達の弱肉強食の世界で揉まれていてね。〖セルビア〗の戦いの時よりも強くなってしまっているんだ‥‥‥‥‥久しぶりの外での戦い少し楽しもうかな」
「ふ、防がれた?‥‥‥‥しかも何故、楽しそうなんだ?」
「いったい何者なんだ?我々、精鋭部隊の攻撃をこんなにも容易く防ぐなんて‥‥‥‥」
キャロル精鋭部隊が動揺していると、精鋭部隊が現れた事に気づいたスゥール族軍とホーン族軍が自軍の精鋭を引き連れ、現れる。
「敵の主力部隊がもうお出ましか?!こんな最前線のど真ん中で何してやがる?」
「‥‥‥‥方位網を敷いて逃げられなくして‥‥‥‥ここで敵の精鋭部隊を壊滅させれば、嬢王様は喜ぶから」
「了解しました。ホルン様‥‥‥‥‥」
〖キャロル精鋭部隊側〗
「ダルエ補佐官‥‥‥あの赤髪と青髪の奴等は‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥ホーン族とスゥール族の特殊部隊か‥‥‥‥まさか鉢合わせになるとは‥‥‥」
「味方のご到着かな?嬉しいね‥‥‥‥1対3000じゃあ、不利すぎるからね」




