震撼する世界~そのまた次の日
①震撼する世界
アテナ地方・魔法中央国『魔術院・キャスパーリーグ』
「いやー!昨日のエウロペ大陸全体を揺らした震動にはビックリしたね~!ランスロット卿」
「‥‥‥ええ、昨日の揺れは、ガリア帝国でも大きな騒ぎであったと。兵士から聞き及んでおります。マーリン殿」
「あの揺れは、ユグドラシル地方の『セルビア』国から来ているんだろう?」
「いえ、まだ詳細は定かではなくですね。なにせ我々、人族とユグドラシル地方は‥‥‥」
「人族側が豊富な資源があるユグドラシル地方に喧嘩を吹っ掛けて、凄まじい勢いで返り討ちあった話だろう?知ってる。知ってる。そのお陰で今、私がこの魔術院の理事長の席にいるんだからね」
「その事はガリア皇帝陛下も感謝しております。マーリン殿‥‥‥」
「あー、いいよ!いいよ!おべっかはね。それで?今日は何のようで入らしたのかな?ガリア帝国『左軍軍隊長殿』」
「‥‥‥はい!実はですね。ガリア帝国、第一王女ガリア・オルレアン・アリス様が、我が国『ガリア』から行方不明になってしまったのは、マーリン殿もご存知の事だ思いますが」
「うん!知ってるよ。あのお転婆姫。まだ大人しくなってなかったんだね。うちに(魔術院)に居た時もイゾルテやサーシャなんかといつも騒ぎを起こす。問題児でさぁ!」
「‥‥‥はい!存じております姫様は、昔から活発だったらしく‥‥‥い、いえ、姫様の話も大切なのですが、今回は七聖教会の聖女シスターエリスについてでして!」
「シスターエリス?君達、元勇者パーティーの筋肉聖女様がどうかしたのかな?」
「筋肉聖女‥‥‥‥はい!以前は、一緒に旅をした。かつての仲間。エリスも七聖教会聖堂で大暴れをした後、忽然と姿を消してしまったと。七聖教会からガリア帝国に連絡が届きまして」
「はぁーーーー!嘘でしょう?ガリア帝国の姫様に続いて、七聖教会のシスターエリスまで行方不明ってこと?ねえ?」
「は、はい!その通りです。マーリン殿」
「まじかーー!数日前から『セルビア』に入るサーシャの気配も分からなくなったし。不味いね。これは」
「サ、サーシャもいなくなったんですか?そ、そんな!!」
慌てふためくランスロット。
「おい、おい!落ち着きたまえよ!ロリコン君!まだサーシャの事を諦めてなかったのかい?」
「あ、当たり前です。勇者パーティーに参加したのも全てサーシャを守るためです!」
「じゃあ、ガリア帝国で成り上がり中なのも?」
「全てはサーシャに認めてもらい。結婚する為です!」
(うわぁ、目がマジだよ!本当に何処が良いだか?あのつるペタ無愛想の魔道具オタク女子が)
「そ、そうかい。まぁ、頑張ってくれまえ」
「は、はい!ありがとうございます!マーリン殿」
「そ、そう!よ、よし!元の話に戻ろうか、ガリア帝国からは現役王女のアリス姫が、七聖教会からはシスターエリスが、魔法中央国からはサーシャがそれぞれ、行方不明になっている。そうだよね。ランスロット卿?」
「そうですね。現状では、そうなります」
「これは結構、人族の領土にとってはなかなか不味い状態だね。こんな事を『影の国』や『海溝王国』何かに知られたりした‥‥‥下手したら戦争になるレベルだよ!」
「その事は我が主君。ガリア皇帝陛下も同じお考えでした。ですので今回、私達が派遣されて来た理由はですね」
「私に捜索隊を手配させて。その3人を見つけてくれって所かな?ランスロット卿!」
「マーリン殿の言われた通りです。‥‥‥‥‥どうか、我々、ガリア帝国に『魔術院』の力をお貸し下さい。マーリン殿」
「うーんでもね。私のお気に入りの子達は、‥‥‥ラニーとメーアは、『始まりの大森林』だし。トリスタンとイゾルテは『セルビア』のノームにいるしなぁ‥‥‥他の子、他の子か‥‥‥うーん、しょうがない!ここは、ギャラハットと他の子を派遣してあげよう。ガリア皇帝陛下には、昔から良くしてもらってるしね」
「あ、ありがとうございます。マーリン殿!陛下もお喜びになられると思います」
「まぁ、ガリアとは、今夜、夢の中にでも行って。久しぶりに話して見るよ」
「夢の中ですか?」
「そうそう夢の中!」
死の大地『影の国』
「霊王様!スカサハ様が無事に『セルビア』から出国したとの早馬が来ました」
「おお、真かそれは?そうか、スカサハは無事か」
ホッとする霊王。
「はい!優しい殿方に助けてもらったと」
「ん?今、なんと言った?左大臣?」
「はい!スカサハ様は優しい殿方に助けてもらったと」
「‥‥‥‥報告ご苦労だった!左大臣。スカサハが我が国に戻って来しだい。会うことにする、よいな、左大臣」
「か、畏まりました。霊王様」
ヘファイストス地方オアシス・『ユーゴ博物館』
「おいおい、昨日の地震ヤバかったな!カンナ!」
「あっ!ルドルフさん!お早うーー!うん。私もビックリしたよう。何でも、震源地は緑の砂漠ユグドラシル地方だって」
「ユグドラシル地方がぁ?!資源豊富で争いは皆無とまで言われてる。場所で大規模な地震とはな‥‥‥‥いったい、エウロペ大陸で今、何が起きてんだかな?カミナリなら魔法中央国の出身だから色々、知ってそうだがな‥‥‥久しぶりにカミナリ宛に手紙でも書いてやるか」
「カ、カミナリ君に?じゃあ、じゃあ!新しい魔道具についての考えを纏めたからそれも送ってルドルフさん!」
「恋文とかではなくてか?カンナ?」
「どうして?ルドルフさん?」
「いや、俺はてっきり。カンナはカミナリ事がよう」
「うん!1ミリも好きじゃないから安心して!彼はただの魔道具アシスタントだから!」
ヘファイストス地方
『七刀鍛冶師』が1人
『魔道具鍛冶師・カンナ・イズルギ』
『始まりの大森林』
「ガ、ガルドさん!昨日の大きな地震!」
「おお、お早う!メーア君ににラニーちゃん!今日もしっかり、勉強するぞ!じゃないとバカ娘みたいになるからな」
「は、はい!頑張ります」
「いや!ラニー!そうじゃなくて!ガルドさんも」
「ん?昨日の『セルビア』から地震か?なーに!うちの娘が、救援に行ってんだ!大丈夫だ!大丈夫!ワハハハ!さぁ、朝飯にしよう!」
「ほ、本当に大丈夫なの?ガルドおじさん!私、ユナとセシリアが心配で」
「ぼ、僕もです。ガルドさん!」
「セシリアには、カミナリ君が付いてるから心配ないさ!あいつらは強い!だから、俺は心配してない!」
「そうさね!あの子は強い!さぁ、2人共!朝飯早く食べちゃいな!覚めちゃうよ!」
「うぅ~!い、頂きます」
「‥‥‥頂きます!」
魔王領『カシアの間』
「エスフィール魔王代理様。昨日の地震についてなのですが‥‥‥」
「ええ、聞きましょう。ラグラ大臣」
「魔王領内での被害や負傷者は0でした。」
「そうですか、それは良かった。ラグラさんもお疲れ様でした」
「い、いえ、こんな、仕事朝飯に前ですよ。エスフィール魔王代理様の方が、ご多忙かと‥‥」
「いえ、全然、今週分の仕事は全て終わりましたからね。今は、魔王領西側の農耕事業について考えていて」
「さ、流石は魔法族の長で在らせられる。エスフィール魔王代理様。このラグラ、感服致します。あっ!そうそう!話は代わりますが、エスフィール様の娘様。夜型のライハ様がまたまた『セルビア』のノームで活躍されたらしく」
「ライハが?ラグラさん!その話を詳しく教えてください」
「はい!畏まりた。エスフィール様」
「フムフム、成る程。ライハの活躍や突然、現れた囚人達の活躍もあり。魔神巨兵達にも勝ったと。‥‥‥なんと、凄いですね。それは」
「はい、エスフィール様。ゆくゆくは現在、行方不明ね魔王様に代わり。魔王領の新魔王にもなられると御方だと重鎮達一同。皆、騒いでおります」
「ユナの代わりですか‥‥‥ラグラ大臣!」
「はい!」
「今度、魔王領、各地区の者達を集めて。新魔王の話し合いを開きましょう。いつまでも魔王不在ではいけませんから‥‥‥」
「では、現在、行方不明中の魔王様は」
「‥‥‥ええ、このまま、行けば廃嫡も視野に入れるわね。(このまま、あの子が現れなかったら。あの子は魔王を降り。自由に暮らしていけるものね。それにライハには、魔王の席はまだ、早いわ。ここは、将軍家の魔族を新魔王に押すのが得策ね)」
「畏まりました。我々、一同もその事を頭に入れておきます。エスフィール魔王代理様。」
「ありがとう。ラグラ大臣」
エウロペ大陸南部・フレイヤ地方(豊穣の地)
剣の里『オッタル』
「聞いたかい!今、ユグドラシル地方は復活した魔神や魔竜共に襲われてんだとよ!グレイ!」
「それは、本当か?ダリウス?ならば、俺達、剣士団が助太刀に‥‥‥」
「バカ、他国に何の見返りも無しに行って何になるつうんだよ!この真面目君が!」
「む!しかしだな!」
「しかしもくそもねえぞ!第一!このフレイヤ地方からユグドラシル地方まで遠すぎるだろう?物理的にも考えてな!」
「だが、誰か困っていてはな!」
「この、全く。それにだ。フレイヤ地方からユグドラシルに行くには、『海溝王国』を経由しなくちゃ駄目なんだよ!あの国は、厄介な国で知られてんだ!流石のお前でも知ってんだろう?」
「だが、剣の道を生きるものとして放っては置けない!俺は行くぞ!止めるなダリウス!」
「ピーピーピーピー!先生!先生!グレイがまた、脱走しようとしております。助太刀願います!先生ーー!」
「なにーー?!またか、グレイ!このバカ弟子が!また、牢屋にぶちこんで反省させるぞ!」
「む!師匠!止めないで下され。拙者は『セルビア』「救いに行かねば!」
剣聖『グレイ・オルタナティブ』
「黙れ!バカ弟子!皆の者!囲め、囲め!このバカ弟子を死なせに行かせるな!」
七賢人が剣帝『ガレオン・バレステロス』
「了解です!師匠!」「みすみす、剣聖。1人を死なせに行かせるかよ!親友!」
「‥‥‥では、まかり通るまで!」
「こ、こんの馬鹿もんがーーー!!!」
ユグドラシル地方・『幻獣の楽園』
「ひー、ひー、や、やっと着いたわ!『幻獣の楽園』やったねエリス!」
「は、はい!やっと着きましたね。アリス姫。何度、姫のせいで死ぬかと思ったか」
「ひ、酷い。私だって身を粉にして、頑張ってたのに」
「はい、そのせいで、私の初めてのキスがアリス姫に奪われる所でしたが‥‥‥」
「でもさぁ、昨日の地震に凄かったわね、漏らしそうになったわ!私」
「はしたないですよ!一国の王女がそのような発言をなさって!」
「えー!エリスだって!宿に泊まってる時、寝床で勇者様の妄想しながら‥‥‥モゴモゴ」
「黙りなさい!アリス!全く。ガリア帝国は何処ような英才教育を施しているやら」
「‥‥‥エリス様、お話はそこまでです。」
「フェンリル?どうしたの?」
「どうやら私が少し『幻獣の楽園』から離れている間によからぬ者が入り込んだようですな。良い度胸をしている」
「そう!では。早めに終わらせなさい。お願いね。私の力が必要だったらいつでも力を貸すから遠慮なくね」
「フフフ、ありがとうございます。では、アリス姫様とエリス様、私の背中にお乗り下され」
「了解、」「はーい!」
「‥‥‥では、害虫の駆除に参ります。振り落とされ無いようにお気をつけ下さい。行きます!」
『セルビア』の異変は他国にまで伝わっていた。
②最終決戦から一夜明け
決戦から一夜開けた。首都『オーディン』
セルビア城内・客室
こんにちわ。、カミナリです。昨日は大変疲れました。
魔神竜『ヴォーディガン』との闘いの後、メリュジーヌ卿の不用意な発言により。メリュジーヌ卿の実の祖父であるオーディン様に完膚なきまでにボコボコにされたあげく‥‥‥‥‥。
回想
「セツナ!貴様、私に何も告げること無く。勝手に『ノーム』まで行ったあげく。アルディス王子の名前を勝手に借りて、『アーラ監獄』に囚役されている15000人もの囚人をこれまた、勝手に無罪放免で釈放するとは何を考えている?!」
「エ、エスフィール‥‥‥ほ、ほひつけ‥‥‥これには、深い理由が‥‥‥」
「言い訳は聞かんぞ!それに『ノーム』に行ったからと思えば!今度はこの首都の上空で戦闘を始めただと?全ては、タマキが撮影していた動画で確認済みだから言い訳はできぬぞ!セツナ!!!」
「ウキウキウキウキ!!」
「お、おのれ!タマキ!貴様、裏切ったな!」
「ウキ?!(何の事です?)」
「おのれー!!」
「ウキウキ!!ウキウキ!ウキャキャ!(他のマスコットキャラに浮気するからいけないんですよー!)」
「ニャア!やっと見つけたニャアーー!!セツナ!!オニャエ!いきなり、わっちを転移魔法で移動させたあげく、上位妖精と闘わせるなんてどういう事ニャアーーー!!バコーン」
「ぐ!ぐあぁあ!セシリア!お前もか!!お、俺に何の恨みがある?」
「ニャア?日頃から電撃ニャラ、体罰ニャラ、恨みなニャラいくらでも沸いてくるニャゾ!!」
「き、貴様、誰のお陰で日頃、旨い飯が食えてると思っている?」
「ンニャア?全てはわっちらの電力とやらと炊飯器のお陰ニャア!それから、いい加減にオニャエの故郷。地球について、洗いざらい喋るのニャアーーー!!」
「ぎ、ぎゃあーーー!!ア、アルディス王子ーー!!コイツらを何とかしてください!俺は、さっきまでの闘いで疲れきっていて!!!」
「うん!セツナ君。『セルビア』の危機を救ってくれて本当にありがとう!」
「ア、アルディス王子では‥‥‥‥」
「うん!でもね!ユナちゃんの言うとおり。僕の名前を勝手に使って『アーラ監獄』の人達15000人を解放したのは許せないかな!セツナ君!!!聞いたよ!契約の魔道札で彼らの魔力を吸収してるんだって?なんて事をしてくれたのかな?うん?」
アルディス王子の圧が怖い。
「いや、その、あの‥‥‥」
「うん!うん!これて、あれだよね!セツナ君は国の王様や将軍では無いけれど。これからは、自分の好きなタイミングで15000人以上の兵力を持ってると同じ事なんだよね!ねえ?ビックリするよね?セツナ君」
アルディス王子のものすごい圧が怖い。
「それは、何とも言えませんな、ハハハハハハハハハ」
「じゃあ、その15000以上ある魔道札をここで一緒に燃やそうね。今から!はい!出してセツナ君!」
「‥‥‥はい!出して兄弟子‥‥‥」「早く出してね!セツナ!」「僕のも頼むよ!セツナ~!」
「お前らは、アホ三人集!何処から現れやがった?」
「‥‥‥あそこから‥‥‥」
「あのように!」
「だね~!」
アホ三人集の指差す方を見ると俺が作った『ノーム』と『オーディン』を行き来するための転移魔法陣がまだ、開かれていたままだった。
「くそ!油断した!疲れきっていて魔力感知を怠ってしまたか」
「それじゃあ、セツナ君!はい!」
「‥‥はい!‥‥」「「はい!」」
その後は、勝利の余韻に浸る事もなく。15003人分もの契約の魔道札を、ボコボコにされ動けなくなった俺の目の前で、火魔法を使われ燃やされてしまった。
「あぁ~!俺の全盛期に近い魔力がーーーー!!燃えて灰になっていくーーー!ガクン」
そこからの記憶は無く。
意識を取り戻した頃には、セルビア城の客室のベットで寝かされていた。
‥‥‥‥そして。
「やった!上手く騙せたぞ!今頃、アルディス王子やサーシャを含んだアホ達が俺との契約が切れたと喜んでいる頃だろう。ハハハハハハハハハ。馬鹿め、『セルビア』に来てからの1番の報酬である。15003人分の契約の魔道札をみすみす手放すと思ったか。本物は封印の箱に閉まい込んで、保管してあるは!ハハハハハハ 」
俺は、最初からこうなることを予測して、紙くず同然である。地球から持ってきたA4サイズのコピー用紙に透写魔法で15003人分の偽の魔道札を刷っておいたのだ。こちらも魔法の袋に入れてある。コピー機を使い一晩中刷った。
「ハハハ!これからもヨロシクな!サーシャを筆頭とする魔力供給部隊よ!ハハハハハハハハハ」
俺は窓の外に広がる首都を見ながら。高らかにもう一度笑った。
コン!コン!
客室の扉からノックの音がした。
「はーい!起きてますよ!どうぞ」
「う、うむ!失礼する」
エスフィールのちょっと遠慮した声が帰ってきた。
「お!エスフィール!どうしたんだ?」
「うむ、昨日は少しきつく怒鳴ってしまって済まなかったな。セツナ。お主の事情も聞かずに一方的に怒ってしまって」
「ああ、別に気にして無いさ。それに君はセシリアやサーシャと違って手は出して来てないしな!ハハハ」
俺がそう言うとエスフィールは少しムッとした。顔になった。
「私は確かにきつい事しか言ってないが、皆がセツナをボコボコにしている時に止める事はできなかったでは無いか。私はそれが申し訳なくてだな」
「あぁ、そういう事か、まぁ、あんなの軽いみんなのノリなんだから余り気にするなよ」
「‥‥‥いや、そうではなく!私は、セツナが、アルディス王子やそのサーシャか?という娘と話しているのを見るとだな!イライラしてくるのだ。セツナを取られた様な感覚になってな!」
‥‥‥‥あぁ、この感覚。地球にいた時、彩音との時も時々あった感覚だ。
彼女は嫉妬してくれているんだ。
こんな、欲深で、馬鹿な俺なんかを。それは、ありがとたく、嬉しい気持ちになってくる。
「エスフィール」
俺は優しく彼女に話しかける。
「な、なんじゃ、セツナ!」
少し照れた様に話す。エスフィール。
「俺は、君がそんな感情を俺なんかの為に頂いてくれた事を凄く嬉しく感じたよ。‥‥‥君が今回の闘いで無事良かった。」
「‥‥‥‥セツナ!」
「今回の闘いの俺はいつも、怯えていたんだ!エスフィール」
「セツナが怯えていた?」
「あぁ、君に何かあるんじゃないか!君が傷付くんじゃないかといつも怯えていた。君は強いから余計なお世話かもしれないだろうが、俺は君が心配で仕方なかっただ!エスフィール」
俺は静かにエスフィールに近づく。
「‥‥‥‥そんな、そんな、事はない!『シャナ』での時も『ウンディーネ』の時もセツナは私の為に慰めてくれたり。私の苦手な相手を変わりに倒してくれたりしてくれた。お主は、セツナは私の為にいつも、頑張ってくれておった」
エスフィールも静かに俺へと向かってくる。
「うん、そうしれない。でも、それは、エスフィールが俺にとって大切な人だからだよ」
俺はエスフィールの両手を優しく握る。
「‥‥‥‥‥そうじゃ‥‥そうじゃな!‥‥‥私もセツナが、私の心の中で大切な人になって入るのを。ここ最近は、常に思ってしまう。こういうのをいったい何というのかの?」
あぁ、そうだった、君は、まだ、幼く若いもうすぐ、15才になる女の子なんだ。繊細で怒りっぽい所が魅力の女の子。
「直ぐに分かろうとしなくて良いんだよ。エスフィール!君は、まだまだ若い!ゆっくり、ゆっくりその感情と向き合って行けば良いんだ。大丈夫、君の側には、俺が付いているんだから」
「‥‥‥‥‥そうか‥‥‥‥そうじゃな。私は、まだまだ幼く、怒りっぽい子供じゃ!だからのう!セツナ‥‥‥‥」
エスフィールは一呼吸置き。
「うん!」
「だから、私の成長をずっと側で見ていて欲しい。‥‥‥私はセツナにその言葉を送りたい」
そうだ。まだ、それで良いんだ!エスフィール、君の人生は、始まったばかりなんだ。これから先も色々な人達と出会い、考え方が変化していくことだろう。
俺よりも気になって魅力的な異性と会うかもしれない。
‥‥‥だから、俺も焦らない。嫉妬はするだろう。怒りもするさ。人間なんだから。
だか、だか、それを含めて君の成長を俺は、これからも近くにいて見守るよ。エスフィール。
だって君は、俺の中での1番なんだから。
「あぁ、これからも。よろしくエスフィール殿!」
「フフ!こちらこそ!よろしく頼む。セツナ殿」
俺達の関係はまだ、暫くは平行線を辿ることになるだろう。
だが、遠回りだろうが、近道だろうが、関係ない最後のゴールがどうなるかなんて、神や魔神だろうが知るよしも無いだろう。
そして、俺とエスフィールは、お互いの両手を取り合いながら。客室でゆっくりと会話を楽しんだ。
③そのまた次の日
セルビア城『王宮晩餐会』会場
俺達は、首都での最終決戦後、1日休んだ後、セルビア女王セルフィーユ様主催の祝勝会へと招待されていた。
「流石は、エウロペ大陸でも上位に入る大国『セルビア』!王宮内もデカイが晩餐会会場もこんなに広いとはな、なぁ、ヒスイ?」
俺は、隣で一張羅のエルフの正装衣装をビッシっと着こなし。群がる美女エルフ達の対応を笑顔で乗り気っていた。
「あん?!何か、用かよ?カミナリ!!!」
メチャクチャ不機嫌だった。そりゎあ、そうだろう。ヒスイ目当てに蟻の様に群がる美女エルフと美人妖精達。
ヒスイから漂う。隠しきれない気品オーラを敏感に感じ取った者達が永遠と集ってくる。
「いや、人気者は辛そうだなって」
「そりゃあ、嫌みか?ご主人様よう?!あん!」
「いえ、別に」
「しっかし!カミナリ!だって顔は良い方だろうによう!何で俺やアルディス王子ばっかりにあいつらは群がって来やがるんだ?」
「‥‥‥頑張ってくれ」
俺は、事前に気配遮断魔法と認識阻害の魔法を自前のスーツに付与してあるため。会場に集まった。美人エルフから相手にもされる訳も無いのだ。
わかったかな?アホのヒスイ君。
そんな、事を考えていると。疲れきった顔をしたアルディス王子がやって来た。
「ふう!何で、僕がこんな目に!何でこんなに女の子達が群がって来るの?ねえ、何で?」
「お、落ち着いて下さい。アルディス王子!俺の胸ぐらを離して下さい」
「あ、ごめん、ごめん。二日前のあれで君に対する線引きが消えたみたいでね。今度からは拷‥‥説教の許可もユナちゃんからさっきもらったから。今後ともよろしくね。共よ」
「‥‥‥‥はい!閣下」
「なに?その顔は?もっと嬉しそうにしなよ!はい!王子命令!はい、ニコーーー!」
「ふぁい?!」
な、この王子いきなり、俺の両頬を両手掴んで口角を無理やり上げてきた。
「ふぁにふるんだふか?」
「ん?ストレス解消ーー!」
くそ!この、腹黒王子!少し、気を許した相手にもなると一瞬でドSにクラスチェンジするじゃねえか。
「ふぁに?!」
「あー!面白い!やった!これで新しい玩具が手に入った!(冗談)」
ふん!幾らでも弄るがいいさ!アホディス王子が、全ての用事が済み。『セルビア』を出たら。貴様とはお別れなのだからな。アホ王子。この女顔イケメンが
「しっかしよ。本当におかしいぜ!何で俺達ばっかりに人が群がって来てよう!誰1人。カミナリに行かないなんてよ!」
「あー、それ!僕も思った。セツナ君!また、変な事しでかして無いよね?」
ヒスイとアホ王子は俺に疑いの目を向けてきた。
「ええ、何も!全くしていません」
俺は素直にそう答えた。
「ウキー!ウキー!ウキー!」
突然、タマキが現れた。嫌な予感しかしない。
「ウキー!としてますよねー!ご主人様!ヒスイさんとアルディス王子の服には、魅力の魔道札を忍ばせて。ご主人様。自身は、気配遮断魔法と認識阻害の魔法を何重にもかけてますもんね?ウキー!ウキー!」
「貴様、タマキ!2日前の事をまだ根に持って」
「では、ご主人様!よい!祝勝会をウキー!ウキー!」
タマキは魔法の袋へと帰って行った。
「おい!カミナリ!」「うん!うん!全く君は!」
ヒスイとアホの‥‥アルディス王子に両肩を捕まれる。
「いや、大変だったな!2人共」
「こんの!‥‥‥おっと、俺は、ご主人様である。カミナリに攻撃できねんだった!‥‥‥後は、任せるぜ!アルディス王子!」
「うん!うん!了解!ヒスイ!任せて」
「では、俺は、この辺で」
俺は、ダッシュで逃げようとするが、りょうあしが何故か氷付いていて動けなかった。
「く、くそう、動けん」
笑顔のアルディス王子。
「逃がすわけないよう!救国の英雄君。さぁ、あっちの特別部屋に行こうか!大丈夫!夜はこれから!‥‥‥楽しく行こう」
「‥‥‥‥」
俺はアルディス王子にものすごい力で引っ張られ。アルディス王子が言う。特別部屋へと連れて行かれた。
「ぎゃあ~!!」
「全く、君って子は、本当に全く!」
俺に対する。アルディス王子の教育(拷問)は数時間続いた。
数時間後。
「ウニャア?アルとセツニャは何処に行ったのニャア?」
「‥‥‥少し、短い旅に出てったぜ!もう少しで戻ってくるだろぜ!」
「‥‥‥ニャル程ニャア!」
「お待たせ!皆、おお、ユナちゃん、セシリア、メリュジーヌ卿!3人共。『セルビア』製のドレス凄い似合ってるよ!ねっ!セツナ君!」
「ええ、全ては、アルディス王子の言うとおりです」
エスフィールとセシリアは疑いの目で俺とアルディス王子を見てくる。
「セツナが」「また、何かやらかしたのかニャア?」
「‥‥‥ご想像にお任せするぜ!女性人方」
「ご主人様。大丈夫?何だか人が変わったみたいだよ」
「ええ、大丈夫ですよ!メリュジーヌ卿」
「あれ?あれれ?」
そんな、やり取りを6人でしていると。
「会場にいらっしゃいます。皆様、暫くお静かに願います」
祝勝会会場の中央から大臣ポイ人が、会場全体に聴こえる声量魔法で会場の全員に伝える。
「何ニャ?何が始まるニャア?」
「しっ!静かにしてセシリア!」
「ウニャア!ごめんニャア」
五月蝿いセシリアをアルディス王子が叱る。
「『セルビア』国。元、女王セルフィーユ王。ご入場ーー!」
大臣ポイ人がそう叫ぶと。会場の演奏家達が一斉に『セルビア』の入場曲?を演奏し始める。
しばらく、するとアルディス王子の実の母親であり。大国『セルビア』の女王セルフィーユ様が、会場中央へと歩みを止めた。
「おお、綺麗な人ですね。アルディス王子」
「‥‥‥あれ、僕のお母様だから。変な気起こしたら。ただじゃおかないからね。セツナ君」
「右に同じゃぞ!セツナ!破れば、石積の刑じゃぞ!」
「わ、分かってるよ!エスフィール!」
「ならばよい!フフフ」
「‥‥‥なんか」
「良い雰囲気だニャア!」
『皆様、今回、お集まり頂有り難うございます、先ずは、今回の大戦の救国の英雄達に大きな拍手を、そして、地上のセルビアを救って頂。私からも多大な感謝を』
セルフィーユ様がこう言うと会場内の人達が一斉に俺達に向け、拍手してきた。
「ありがとう」「アルディス王子!」「セシリア様!」
「ヒスイ様、メリュジーヌ卿!」「メイエス様ー」
「俺の名前が全然無いが?」
「日頃の行いが悪いせいだにゃあ!」
「気にするなセツナ!皆が、知らずとも私はお主の成したことを知っている。だから、心配するでないぞ」
そんな、優しい言葉をエスフィールが言ってくれる。
「あぁ、ありがとうエスフィー‥‥‥」
俺がエスフィールの手を握ろうとした瞬間。
「おら!!!」
「うら!!!」
アルディス王子とメリュジーヌ卿が、俺の両足に蹴りを入れた。
「メリュジーヌ卿そちらを持ってください」
「アルディスはそっち持ってね」
「はい、では!」
「教育の時間だね!ご主人様!」
「では、先ほどの続きを‥‥大丈夫!セツナ君!まだまだ夜は長いよ」
‥‥‥‥そして、先ほどの教育(拷問)の続きが始まったのだった。
「ぎゃあーーー!!」




