レッドローズ国の首都
〖レッドローズ〗国
北はアテナ地方のガリア帝国領と西フレイヤ地方のガリア帝国領と国境を境に持ち。
東をユグドラシル地方の連合国家と領土無進行の契約で繋がり。
南のアダマス国と〖鉄の結束〗と言われる同盟を結んでいる。
この鉄の結束により、レッドローズ国は北と西から他国へのガリア帝国の進行を食い止める代わりに、あらゆる資金、人材、素材をレッドローズ国に提供するという内容で同盟が結ばれているのだ。
簡単に説明すればレッドローズ国という国はガリア帝国がフレイヤ地方深くへと進行させない為の緩衝材の様な役割を果たす国なのである。
そして、国内はと言うと色々な部族や種族による連合国家となっており、戦争、戦略、素材加工、鍛冶、政治の分野において豊富な人材を教育し、抱え、輩出していると言われている。
その豊富な人材の質は近年のガリア軍人よりも高いので無いかとも噂される程である。
また、このレッドローズという国は戦争が一つの産業としてけいざの一部になっているのだ。
ヘファイストス地方の〖オアシス〗に引けを取らない鍛冶の技術。(これは今、この大陸に居ない〖鍛神アマルダ〗の弟子教育の賜物だと言われている)
大国・ガリア帝国とも長年に渡り、戦い続けられる軍事力。
そして、国内のあらゆる多種族を纏められる〖赤の嬢王〗の政治。
〖鍛冶〗〖戦争〗〖政治〗この三つの強みがあり、熱き燃える国、赤の庭等とも言われ、恐れられている。
その三つの柱が軸となり、戦争国家・レッドローズを強国足らしめているのであった。
それから、国の〖色〗の文化としては〖踊り子〗〖娼婦館〗〖誘惑の館〗等といったものがあるがここでは詳細は省く事にする。
◇◇◇◇◇
(ま、待って下さい!いくら精神世界だからって乱暴ですっ!)
(別に乱暴にしてないだろう!君が激しく動くからで‥‥‥‥)
(ダ、ダメですぅぅ!!!)カタカタ‥‥‥‥
(‥‥‥‥‥終わったな。全く、毎日、毎日‥‥‥‥付き合わさせて)
(ご主人様‥‥これで‥‥‥できたらどうするんですか?天使族でも‥‥‥‥たまに起こるんですよ)
(お、お互いにじょ、情報共有をしただけだろう‥‥‥‥しかし、精神世界でも‥‥‥‥結構リアルに再現されるのな‥‥‥‥それ)
(‥‥‥‥‥お互いに知識として知っていればこうなります‥‥‥‥ウゥゥ、どんどん沼って行きます。私はこんな関係を望んでいたんじゃ無いんです。もっと甘々でスイートで‥‥‥‥)
(つうかこれ‥‥‥‥本当にリアルだな‥‥‥‥とりあえず。心のケアありがとう‥‥‥‥それから今日のサポートの方もよろしく頼む。ウリエル)
(ウゥゥ、了解ですー‥‥‥ウゥゥ、最近は求められる様に言いなりです~、私、駄目天使です~、ご主人様に都合の良い駄目天使になってます~、ウゥゥ)
(‥‥‥‥まだ元気そうだな‥‥‥‥もう一回。情報共有しておこうか。ウリエル)
(‥‥‥‥へ?)
(大丈夫だ。この俺の精神世界なら何があってもな!)
(い、いえ!私はこの後、ゆっくり休むという予定がありますからっ!あっ!ちょっと!ご主人様?!ま、待って下さい!!)
ピチャンッ‥‥‥‥‥‥。
何かの雫が俺の精神世界で垂れ流れた。ウリエルから滴り落ちた汗だろうか?‥‥‥‥分からない。ウリエルとはただ情報共有で少しの間、二人の手を重ね合わせて、繋がっていただけなのに‥‥‥‥まぁ、良いか。
◇◇◇◇◇
レッドローズ国〖首都・ロゼ〗
「‥‥‥‥‥ん?ここは?」
「シュルル!!」
「おや?起きられましたか?〖カミナリ〗様‥‥‥‥幾度もの転移魔法の使用でだいぶ、お疲れになっておられましたね」
「貴女は‥‥‥剣の里の〖剣魔〗‥‥‥シエルさん」
「はい、シエルです。数週間振りくらいですね」
「貴女が何故、ここに?‥‥‥つうか俺、少し時間があるからって寝てたんだっけ?」
「援軍で参りました‥‥‥‥必要になるだろうと占いで出ましたので‥‥‥‥」
「占いですか‥‥‥‥」
「はい‥‥‥‥それとこの〖フノス〗大使館の中ならばあの方が転てきても誰にも見られる事は無いでしょうから‥‥‥‥」
「ここはフノスの大使館何ですか?それにあの方って?‥‥‥それは誰の事‥‥‥‥?」
俺がそう言った瞬間。俺とシエルさんの目の前に転移魔法陣が展開され、その中から人影が現れた。
シューイン!
「なっ?これってサーシャとモルジア王女に渡してた〖転移の小箱〗か?‥‥‥‥まさか〖エメラルド高原〗で何かあったのか?」
俺はそう思い転移魔法陣に近づいた。だが、俺が予想だにしていたかった人物が現れた。
「う、うぅぅ、わ、私はまだ死ぬわけには‥‥‥‥」
「は?‥‥‥あんたは‥‥‥アルケルさんか?‥‥何でここに‥‥‥つうか何で両腕が無いんだ?」
「‥‥‥‥だ、誰だ?‥‥‥いや、それよりも、そ、その声は‥‥‥ナルカミ殿ですか?‥‥‥‥何故、こんな所にいらっしゃるのですか?‥‥‥私、貴方が行方不明になったと聴いてから‥‥‥心配になり‥‥‥貴方を探していたのです‥‥‥」
「お、おいっ!アルケルさん?」
「不味いですね‥‥‥両腕を切られてる上に精神に重度の負担がかかっておられます‥‥‥」
「つっ!蘇生魔法で彼の腕を造ります‥‥‥それと天使の力で精神汚染をこれ以上、酷くならない様に緩和しないと!ガブリエル!!蘇生魔法・〖両翼輪廻〗」
「ハイハイ~!お任せを~!ご主人~」
「‥‥‥‥(蘇生魔法に天使族を使役ですか‥‥‥‥何とも規格外の力を有しているのですね‥‥‥いや、それは私や我が子たるグレイも同じでしたね)」
「うぅぅ、ナルカミ殿。私はまだ‥‥‥死にたく無いのです‥‥‥貴方や私を酷使し、嘲ったガリア帝国に一矢報いたいのです」
「あぁ、分かった!だから、今は喋っちゃ駄目だ。死ぬぞ。両腕ももう治した。後は‥‥‥適切な魔法病院で対象を‥‥‥‥てっ!無理かここはレッドローズ国の首都‥‥‥‥そんであんたはガリア帝国の上位の軍人だもんな‥‥‥‥」
「‥‥‥‥アルケル・サイロー‥‥‥ガリア帝国・フレイヤ地方の副軍団長。そんな人物がこんな敵国のど真ん中に現れたとレッドローズの国民が知れば」
「‥‥‥‥見せしめに殺されるか‥‥‥‥ガブリエル‥‥‥彼を魔法の袋(黄金の宝物庫)にいるミカエルの所に連れていってやって来れ」
「‥‥‥今回の敵さんだけど良いの?ご主人」
「あぁ、良い。彼には借りがあるし、彼の父、サイローさんにもお世話になった‥‥‥そして、アルケルさんは俺に取って大切な友人なんだ」
「そう‥‥‥分かった。じゃあ、連れていくね~!ご主人~」
「うぅぅ‥‥‥カミナリ殿‥‥‥わ、私は貴方の友人ですか?」
「あぁ‥‥‥ガリア帝国の王場でアルケルさんだけが俺が苦しんでいるのを分かってくれた‥‥‥それから手紙も嬉しかったよ‥‥‥それからアルケルさんに再開したら渡したかった物があるんだ」
「そうですか‥‥‥それは良かった‥‥‥私に渡したかった物ですか?」
「うん。アルケルさんに渡す前にあっちに飛ばされて、渡しそびれていた。アルケルさん専用の魔武器だ。暫く、魔法の袋の中で身体を休めたら使ってみてくれ」
俺はそう言って収納魔道具からアルケルさん様の魔武器を取り出した。
「こ、これは最初に貴方と会った時と同じ形の‥‥‥」
「‥‥‥あぁ、前よりも頑丈に造ってあるし、使い手の魔力を与えれば自動修復もできる様に改良してある‥‥‥だから、前みたいにランスロットの馬鹿やろうに壊される事はないよ」
「そうですか‥‥‥貴方は私の為に‥‥‥ちゃんと造っていてくれたのですか‥‥‥‥ありがとう。ありがとうございます。ナルカミ殿」
アルケルさんはそう言うと大粒の涙を流し始めた。
「‥‥‥‥これ以上の情緒の不安定は不味いですね。じゃあ、ご主人!私はこの人を連れて行きますんで。では」シュンッ!
「ありがとうございます‥‥‥そして、命までも救って頂いて。ナルカミ殿‥‥‥」シュンッ!
「‥‥‥‥成る各地方の方々が貴方を〖救国の担い手〗と称え呼ぶのも納得がいきますね‥‥‥」
「‥‥‥‥それよりも‥‥‥シエルさん‥‥‥あんた。何処まで視て知っていたんだ?‥‥‥‥つうか何処まで視えている?」
「まぁ、そんな怖い顔をしないで下さい‥‥‥豪気なアダマス王と魔女候補様とは少し面識があります。あの方々の思考と方向わ見れば‥‥‥‥です」
シエルさんはそう言うと一度眼を閉じた。そして、静かに瞼を見開くと俺を見つめた。
「その両目‥‥‥〖予知眼〗と〖千里眼〗か‥‥‥確かあんたは剣の魔女‥‥‥‥あぁ、成る程」
「はい。〖魔女〗の力を持っています。今回の〖エメラルド高原〗の進行。アダマス王自らが先陣に立つと聴いていたので、いざと言う時は王だけでもと思い‥‥‥‥待機しておりましたが、まさかガリア帝国の副軍団長が転移してくるとは思いませんでした」
「‥‥‥‥‥そうか。サーシャも魔女見習いだし、〖夢渡り〗で俺に知られずに連絡も取れるもんな」
「‥‥‥‥はい。黙っていて申し訳ありません。カミナリ様」
「いえ、もう良いです‥‥‥アルケルさんが死にかけてこっちに転移してきたということは〖エメラルド高原〗の戦いには勝ったということでしょう‥‥‥‥今はそれよりも‥‥‥‥」
「はい‥‥‥〖太陽〗が行おうとしていると高次元降臨を止めるのですね」
「いや、違います。あの城にある最後の〖五色火〗である〖赤色火〗の欠片を手に入れるのが最優先ですっ!」シュンッ!
「‥‥‥‥はい?」シュンッ!
こうして俺とシエルさんは〖赤の嬢王〗が不在で警備が手薄のレッドローズ城へと転移したのだった。
◇◇◇◇◇
レッドローズ城・最新部〖赤色火〗の祭壇
シュンッ!シュンッ!
「座標もバッチリだな‥‥‥‥さてと、ではここが戦場になる前に防魔結界と〖赤色火〗の一部を回収してと‥‥‥‥」
「これが‥‥‥‥転移魔法ですか‥‥‥本当にフノス大使館から一瞬でレッドローズの城へと転移してしまうなんて‥‥‥‥素晴らしく」
(‥‥‥‥‥ご主人様。あのシエルって方、凄く此方を見ていますが‥‥‥)
(おぉ、おはよう。ウリエル。もう元気になったのか?あんなに暴れてたのにさ)
(なっ!それは誰のせいだと思ってるんですかっ!ご主人様!)
(悪い悪い‥‥‥それよりも今回の闘い、サポートの方は宜しく頼むぞ‥‥‥‥どうやら彼方も此処に様が在るらしいからな)
(あちらですか?それっていったい?)
〖赤色火〗祭壇の扉前
ガチャガチャ!!
「もうっ!全然、開かないじゃないっ!スキールニル」
「‥‥‥いえ、可笑しいですね。確かにこの鍵で開く筈何ですが‥‥‥」
ガチャガチャ!!!
「もう!早くしなさいっ!あの人を喚ぶ為の触媒には最低でも三つの〖五色火〗が必要なんだからね‥‥‥がっちがっちの警備が敷かれるこの場所に来る為に、裏工作をしてやっとガリア帝国とレッドローズの戦争を引き起こしたんだから‥‥‥‥早く手に入れるわよっ!」
バシンッ!
「‥‥‥‥グゥゥウ!!最高の鞭打ち!最高の痛み!ありがとうございます!フレイ様!!!」
「‥‥‥‥変態」
カツン‥‥‥カツン‥‥‥
「やっぱり、狙いは一緒だったな‥‥‥〖太陽〗の本当の方の片割れ‥‥‥‥いや、フレイ‥‥‥‥」
「‥‥‥‥誰、アンタ?何でこんな所に入るわけ、気安く私に話しかけない‥‥‥‥」
「天雷魔法・〖晴雷〗」
「なっ?こんな場所で魔法をっ?」
「フレイ様!!!!」
バリバリバリバリ!!!ドガァァンン!
「ではないよなっ!!!お前!!本物のフレイは別の場所に入る筈だ!!俺の相棒に何かしたのか知らないが、罪は重いぞ。此処で確実に仕留めてやるよっ!『ラグナログ(神々の黄昏)』の〖太陽〗の片割れ!!!」
「くっ!何なのよ‥‥‥‥いきなり‥‥‥‥」
俺は遂にこのフレイヤ地方で立て続けに起きた事件の黒幕と相対したのだった。コイツを倒してフレイヤ地方の五国列国に同盟を結ばせ、エスフィールの捜索を手伝わせるという俺の願いももう少しで叶いそうだ‥‥‥‥しかし、レッドガーデンに援軍として行ってもらったガラ先生は大丈夫だろうか?‥‥‥‥少しだけ心配である。
◇◇◇◇◇
数時間前の〖レッドガーデン〗
ガリア帝国軍 対 レッドローズ軍
「テメエェェ!!!白仮面野郎!!いきなり現れたと思ったら、レッドローズ軍に加勢しやがって?雇われか?何処の国の野郎だ?」
「殲滅のカルバストまで入るなんてね。あっちの方は鬼のドルナダかい‥‥‥‥いちを心配して来て良かったかな?まさか、こんなにもガリア帝国は本気だなんてね‥‥‥予想もしていなかったね」
〖妖精国〗円卓の騎士・ギャラハット卿。戦地〖レッドガーデン〗に到着。