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翠玉の高原は輝き光 No.2 火人達と地人の怨み


人族の中にも特別な属性魔力を宿す人族が存在する。


神代時代の初期にフレイヤ地方で行われたという、ガリア帝国と魔術院の〖地下組織〗の共同実験。〖神の使徒〗を疑似的に産み出す為の実験〖使徒創造〗がとある禁則地で非人道的な実験が行われていたという。


その研究結果により産み出されたのが〖炎人〗〖冷人〗〖雷人〗〖地人〗〖風人〗〖晴人〗〖闇人〗などの特殊な属性魔力を持った人族が産み出されたという。


そして、神代の英雄神〖オーディン〗と魔神達の間で勃発した〖神魔竜戦争〗のどさくさに紛れ、特殊な人族達は魔法大陸(エウロペ)の各地に逃げ隠れたと言われている。


その特殊な人族達は過酷な実験の中で特殊能力を身に付け、固有の魔力回路を手に入れたとエウロペ歴史書には記されている。


〖炎人〗の人族は、人から竜の姿へと変化する事ができ。


〖地人〗の人族は地魔法を硬質化する力があるとされている。


そして、特殊な人族はその怨みを‥‥‥‥過酷な非人道的な実験で造り出された事を魔力因子に刻まれている。怨みを覚えている。先祖から恨みを晴らしてくれと魔力因子が訴えるのだ。


‥‥‥‥その怨みを晴らす時が‥‥‥‥祖の地を奪還する時が今、やって来たのだった。



エメラルド高原〖クリソプレーズ城〗


「アルケル副軍団長!!!じょ、城壁が意味を成しません!!千、いえ、万単位の赤竜が城壁を登り、破壊しています!!」


「何だ?それはいったい何処から現れた?何故、突然その様な事が起こる?」


「わ、分かりませんが、恐らく南の禁則地〖赤霧の隠し谷〗に住むと言われる。赤竜と思われます」


「‥‥‥‥討伐ランクA~B相当の赤竜が何故、大群で押し寄せて来る?」


「アルケル様?」


「喋るな。私が今、〖思案〗し始めているだろう。変なノイズを発するな!雑魚兵。斬首の刑にするぞ」


「は、はい、申し訳ございません!」


ガリア帝国・副軍団長アルケル・サイローが思案を始める。彼は考え事を実行するのか好きな軍人である。自分で一から考えた軍人作戦などをガリア帝国ほ許可なく勝手に実行し、戦果をあげる問題児であり、その戦果によって軍法違反の罪を帳消しにしてきたのだ。


ドガアァァアアンン!!!


そんな、〖思案〗する事が好きな彼は一度でも邪魔されるとキレる。


「何の騒ぎだ?殺されたいのか?!!!」


これもガリア帝国の軍人育成の悪さ故である。絶対実力主義の元で幼少の時から軍人として育成される。名門貴族や才ある子供達がその苛酷すぎる訓練により、悪い方向へと性格が変わってしまうのだ。


そんなアルケル・サイローはガリア帝国の被害者の一人なのかもしれない。


「グルル!!!┓┛┃┃┓(見つけた‥‥‥ガリアの兵士)」


「な、何だ?部屋の天井が崩れたと思ったら‥‥‥‥赤竜が顔を出してきたぞ?」


「┣┳┗━┃┓!!!(敵は此処にいるよ!!)ギャオオオ!!!」


「「「「「┛┳━┃┛┓/━┛(殺せ!殺せ!殺す!殺す!!!!)」」」」」


「なっ?赤竜があんなに大量に向かってくるだと?浮遊魔法〖空行〗。くそっ!殆んど使わない魔法などに頼る事になるなんて‥‥‥‥」


スゥゥ‥‥‥‥。


ガリア帝国の軍人は現代魔法の基礎的なものしか使用できない。それは現ガリア皇帝が現代魔法を軽視しているからと言われている。


魔法の事ならば同盟国である〖魔法中央国〗の貧弱な魔術師、魔法使い達に研究、訓練させておけば良い。軍人は軍人らしく戦争のやり方と戦い方を学ばせるべきである。


それが現ガリア皇帝の現代魔法に関する考えであった。その為、軍団長・ランスロットを例外とした他の軍の隊長達は、アルケルを含め、現代魔法が余り得意ではないのである。



〖クリソプレーズ城〗上空


「くそっ!浮遊魔法は苦手だというのに何なんだ!私はレッドローズ都の戦争の為に本国からこんな何もない田舎の最前線まで来てやったんだぞ。今から北上し、刃向かう化物共を私が〖思案〗した作戦で華麗に倒してやるというのに‥‥‥‥」


「━┗┳┃┛!!(この地から消えろ!!)」


「がぁあぁ?!な、何故、赤竜が私を攻撃する?グアァァ!!!」


ドゴオォォンン!!


アルケルは一匹の赤竜の強烈な体当りにより、地上の武器庫へと叩き付けられた。



「ピュララララララ!!!!!」バサリバサリ‥‥‥‥


「数万は入る筈のガリア兵が蹂躙されているな。凄まじい光景だ。炎人達による積年の怨みというやつだな。ハハハ!!」


「うわぁ‥‥‥(こんな光景を見て普通、笑う?〖担い手〗様がこの人を苦手なのもちょっと分かるわ。このアダマス王、怖いもの‥‥‥‥)」


モルシアは心の中で隣で大笑いしているアダマス王を見てそう感じ取った。


「‥‥‥‥‥アダマス王様‥‥‥標的の副軍団長アルケル・サイロー‥‥‥彼処に入る。赤竜達に追いかけられてる」


「ハハハ!!よしっ!ではサーシャ殿とモルジア王女は俺に付いて来い!フローライト。お前は外で待機していた。アダマス軍を城の中に入れ、赤竜と共にガリア兵を殲滅しろ」


「はっ?何で私達なんですか?」


「‥‥‥‥‥監視させる気。兄弟子からの信用が欲しいから」


「信用?‥‥‥‥あぁ、そういうこと?」


「殲滅ですか?ですがアダマス様、あの赤竜が私達に攻撃する可能性が」


「それは心配無い。〖火人〗は味方だ。〖地人〗の俺には分かる‥‥‥‥予想外にこの地での戦いが終わりそうならば。北上し、レッドローズ軍に加勢でもしてやろう‥‥‥なぁ?イグニッション、ローズよ‥‥‥‥怨みを晴らす時が来たぞ」

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