勝利と初王との別れ
首都・中央区『シグフォズル』
「‥‥‥現代の魔法使いの方も終わった様だな!‥‥‥戻れ!眷属達よ!」
「はっ!オーディン様」「今すぐに!」
オーディンがそう叫ぶと。オーディンの身体から光の球体状になった。オールバニーとリスクが外へと出てきた。
「‥‥‥長い間。苦労をかけた。オールバニーよ!そして、長きに渡る忠誠心に感謝する。リスク!」
「ありがたき‥‥‥‥」「お言葉‥‥‥」
涙を浮かべ泣き始める。2人の眷属。
それを見たオーディンは優しく2人の頭を撫でたのだった。
「?!お、来た、様だな!」
オーディンを中心に転移魔法陣が次々に現れる。
「オ、オーディンおじいちゃん!!!!」
一番近かった、転移魔法陣から真っ先に出てきたのは、赤白の騎士・メリュジーヌ卿。
「オ、オオオオ!!!我が孫!メリュジーヌよ!!!幾年ぶりかのう!ワハハハ!!こんなに大きくなって!!ワシは会えて嬉しいぞ!!」
「うん!うん!うん!うん!おじいちゃん!おじいちゃん!!おじいちゃん!!!!メリュジーヌはもう一度、おじいちゃんに会いたかったんだよ!!うえーーーん!!」
「あぁ、ワシも、もう一度メリュジーヌに会いたかったぞ!それが、今、ようやく叶ったのう。よしよし!!」
「‥‥‥‥メリュジーヌ」
「オールバニー殿。涙で顔が!」「貴方もですよ!リスクさん。‥‥‥いいや、それは皆か!」
「オーディン様!」「オーディン様!」「あぁ、オーディン様ーー」「貴方にまた会えなんて!!」
「おお、サラマンダー!ノーム!ウンディーネに!そちはシルフィードか?皆、大きくなったのう!」
「はい!はい!オーディン様!!シルフィードは!シルフィードは!この国の為に‥‥‥貴方に恩返しをするために‥‥‥」
「大丈夫じゃ!ワシは皆の働きを天界から見守っておった。全て知っておる。だから、泣くでない!シルフィードよ!」
「‥‥‥は、はい!」
「よし!ウンディーネよ!シャナとクエレブレの事は残念じゃった‥‥余り自分を攻めるなよ!よいな!」
「‥‥‥はっ!オーディン様!」
続々とオーディンに縁のある者達が、中央区『シグフォズル』に集まってくる。
「あ、あの、オーディン様!ぼ、僕は‥‥‥」
「ん?お主は‥‥‥おお、ワシの遠い孫か!よしよし!なかなかの美男子じゃな!!」
「美、美男子?!い、いいえ!ぼ、僕は~!」
「現王女セルフィーユは忙しそうじゃな!うむ!それでよし!流石は、ワシの子孫じゃな!ワハハハハハハ!」
「オーディン様!お久しぶりです!」
「ん?見慣れないお主は?イフリートの子供か?‥‥‥そうか、そうか、あやつも遂に」
「い、いいえ!オーディン様!セツです!イフリート自身です!」
「な、なんじゃとーーー、!!」
そして、暫くの間。オーディンの眷属やオーディンの顔を知る。知人達との再開の時間が行われた。
「ふい~!今回は流石に疲れたな!タマキ!」
「ウキーー!!」
最早、猿と化した。タマキには、話が通じなくなった。
「ふい~!お、知らない間にスゲー人が集まってるぞ!タマキ」
「ウキーー!ウキーー!」
「おお、そうか、よし!行こう」
「ウキーー!」
俺は、人集りができてる方へと進んでいく。
「ん?おお、現代の魔法使いよ!お主の方も終わった様だな!」
そこには、さっきまで、恐ろしい殺気を放ってたとは思えない。オーディン・セルビアの姿があった。
「お疲れ様です。オーディン様。では、そちらの方も?」
「あぁ、長年の因縁の相手。ヴォーティガンとの闘いに決着をつけられた。‥‥‥‥現代の魔法使いよ。お主には、感謝を!ありがとう!」
オーディン・セルビアはそう言うと。頭を深々と下げ。俺にお礼を言った。
それに連れてなのか、オーディン様の関係者。全員が頭を下げる異様な光景になって。若干、怖かった。
「い、いえ、俺も『セルビア』を救えて良かったです」
「‥‥‥‥そうじゃな!これで地上の厄災は取り払われたのう。‥‥‥現代の魔法使い殿!」
お礼を終えた。、オーディンは鋭い目で俺を見た。
「‥‥‥‥そうですね。オーディン様」
「本来ならば。下でワシを呼ぶつもりじゃったな?」
「流石は、神様。隠し事はできませんね」
「‥‥‥‥現代の魔法使い殿。1つ。ワシの頼みを聞いてくれぬか!」
オーディン様は真剣な顔で俺に言ってくる。
「な、なんでしょう!オーディン様?」
「本来ならば、この『セルビア』は三つの厄災に見舞われるのはお主も分かっておったな」
「‥‥‥‥はい!」
「じゃが、ヴォーティガンを倒した事で残りの厄災は二つになった。‥‥‥じゃが、残りのうちの一つは人類側に寝返り。現在の所は救済に反転しておる。」
「‥‥‥‥そうですね」
「では、もう一つは何処から来ると予想する?現代の魔法使い殿?」
「‥‥‥‥世界樹の根の下。妖精の国『妖精国』ですね?」
「‥‥‥‥‥あぁ、その通りじゃ!じゃからのう。ワシからの依頼は」
「残りの厄災の一つを討ち滅ぼすですか?」
「無理難題だと思うが頼みたいんじゃ!報酬もちゃんと支払おう」
「報酬ですか?いったい何を?」
「前金じゃ!これを受け取っておいてくれ!」
オーディン様はそう言うと、俺に小さな宝石を渡してきた。
「オーディン様。これは、いったい?」
「現代の魔法使い殿よ!それを持っておれば、お主が命の危険等にさらされた時、ワシを召喚できる魔眼じゃ。残念な事に『セルビア』や『海溝神殿』の様な神代の様な魔力濃度が濃くなくては、使えぬがな」
なんと言う。破格の魔道具だろうか。限定付きとはいえ、1人の神を呼ぶ事ができるとは、ぶっこわれ魔道具よ良いところだ。
「その魔眼は、ワシが認めた者。以外は絶体に扱うことができない。聖遺物でもある。大切にせよ。‥‥‥‥それから、これは申し訳無いが地下の国『妖精国』内では、それを使ってワシは呼べんから注意してくれ。現代の魔法使い殿」
「えっと?!その理由は何なんでしょうか?」
「地下の『妖精国』は地球やエウロペ大陸との魔力パスが薄いのだ。‥‥‥あたかも誰かが細工的にそうしてるかのようにな!」
「細工ですか?」
「あぁ、だから、済まぬが頼まれてくれぬか?現代の魔法使い殿‥‥‥いや、神成殿?よろしくお願いしたい。」
オーディン様は、そう言うとまた、深々と頭を下げる。
それに連れて集まった皆が頭を下げる。異様な光景になって。若干引いた。
「あ、頭を上げて下さい。わ、分かりました!引き受けます。」
「おお、真か!神成殿、では、よろしく頼む。‥‥‥今回の神代・召喚で貴殿とワシの縁は確実のものとなった。今後、ソナタに何かあれば、全力で駆けつける事をここに誓おう」
オーディン様はそう言うと右手を出してくれた。
「よ、よろしくお願いいたします。」
俺も慌てて右手を出し。固い握手をした。
「ふむ!なかなかどうして!良い男だな!お主は、メリュジーヌの嫁にでも来ぬか?」
オーディン様は笑顔でそんな冗談を言った。
「違うよ!おじいちゃん!メリュはご主人様のペットなんだよ!」
メリュジーヌ卿は嬉しそうにそう言った。笑顔で。
「あん?ペット?‥‥‥‥神成殿どういう事じゃ?」
俺は神の怒りをかい。ボコボコにやられ。後に合流してきたエスフィールやセシリアにもボコボコにやられた。
首都・『セルビア』城内
「では、神成殿!依頼の件。よろしく頼む。このぶっ倒れた。ヴォーティガンはワシが責任を持って冥界に引き渡すでな!」
「ふぁあい!おきおつけて!オーディン様‥‥‥」
身体中、ボコボコで上手く話せない。
「オーディン様!行かないで」「オーディン様」「オーディン殿」「オーディン様ーー!」
オーディン様を慕う。旧臣の人達やエルフ、上位妖精達が『セルビア』じゅうから集まった来た。
「よし!では、行くぞ!我が友、リスクよ!」
「はい!!オーディン様!」
「リスクさん!さようなら」
「リスク殿また会えて嬉しかったぜ!」
「カミナリさん、蓬莱殿!私も貴方方ともう一度会えて良かった。‥‥‥では、行きます。お達者で!御二人共!!」
「ええ!」「おう!」
俺達は固い握手をし!涙を流した。
「うむ!サラマンダー!ノーム!ウンディーネ!そして、シルフィードよ!『セルビア』を宜しく頼む!!」
「「「「はっ!!!全ては我らにお任せを!」」」」
「ならばよし!ではな!我が先祖達よ!『セルビア』の火!絶やすで無いぞ!」
「はい!」「ご先祖様!」
「あぁ、頼む!オールバニー!メリュジーヌ!達者でな!また、暫くの別れじゃ!!!」
「オーディン様!お達者で!」
「おじいちゃん!!!!また、会おうね!!!バイバイ!!」
「ワハハハハハハ!ならばよし!ならばよし!では、皆の者!!また!!会おうぞ!!さらばじゃ!!!元気でな!!!神成殿、後の事は宜しく頼む。」
「はい!!!」
「よし!よし!では、一緒に行こうぞ!リスク!!天界へ!!!」
「はい!我が主」
リスク殿はそう言うと変化魔法で一羽の鷲に姿を変えた。
「では、これでホントにさらばじゃ!!!元気でな!!!ワハハハハハハハハハ!!」
バリバリバリバリバリバリ!
高らかに豪雷が鳴り響く。
天には、一点の光が差す。
そこに入るは一人の神と一人の眷属。
救国救いし、『セルビア』国。最初の王『オーディン・セルビア』
天、高らかに笑い。仇敵を背負い。勝利の凱旋の天空を舞う。
それを見る。首都に集まりしエルフと妖精達は高らかに歌い踊る。
ここは夢と幻想の理想郷。エルフの国『セルビア』
妖精の国『セルビア』編
前編
終