意気投合
アダマス王の復活。それはフレイヤ地方。いや、魔法大陸の国同士の勢力図、国土、経済を変化させる事になるかもしれないと感じた。
あの王はとんでもない現代の革命者なのだろう。
ユグドラシル地方〖セルビア〗の魔妖内戦。
ヘファイストス地方〖オアシス〗の暗殺襲撃事件。
ヘスティア地方〖ルア・テレシア〗の黙示録戦争。
ここ数ヶ月で色々な戦いがあったが、今回の戦争は規模が違うだろう。
魔法大陸一の大国〖ガリア帝国〗と異種族連合国家〖レッドローズ〗が戦争をする。その戦争に鋼鐵の国〖アダマス〗が密かに参戦する。
フレイヤ地方の〖五大列国〗はどの国家も大国だ。そんな三大国が大戦を起こせば他の地方が動くのかと思われたが、ユグドラシル地方はセルビアの内乱の疲弊で動けず、ヘファイストス地方、ヘスティア地方も同様だった。ティアマト地方と○○地方は沈黙を守っている。そして、アテナ地方は〖魔王領〗が動き出しているとアダマス王の元へ報告が来た。
〖魔王領〗がガリア帝国北側国境に軍を動かしていると。
神代時代に活躍した魔王領元軍隊長〖ギルフォード・サイウォール〗が軍を率いて動き出した。
その一報がガリア帝国・首都に衝撃を与え、ガリア帝国側はアテナ地方からのフレイヤ地方へと援軍が送る事ができなくなったとの事だった。
〖アダマス国・ダイヤスミス城〗・客間
〖黄金の宝物庫・刹那の部屋〗
カシャカシャ!!
「良いぞ!二人共!もっとスカートをギリギリまでたくしあげるんだっ!見えるか見えないかのギリギリがフェチズムを刺激するからな!」
カシャカシャ!!
「こ、こうですか?神成 刹那‥‥‥‥」
「な、何で私がこんなエッチな服を着ないといけないの‥‥‥ウゥゥ」
フレイヤ地方が混沌に向かおうとしているなか、俺は一心不乱にスマホのカメラを連写していた。
「なぁなぁー、セツよ!何故、わざわざ〖黄金の宝物庫〗の中に入ったんだ?外の高級そうな部屋が幾つもあったのに、全員を宝物庫の部屋に入れるなんて可笑しくないか?」
「ウィー、大きなベッドでゴロゴロしたいぉ、神成~!」
アナスタシアとルアが俺の服を掴んで揺らしてくる。
「や、止めろ。お前ら!今、良い所なんだ!あっちの部屋でガラ先生とサーシャと遊んできなさい!」
「‥‥‥このアホウ。完全に暴走してるぞ。ルア」
「ウィ!平常運転‥‥‥‥多分、神成‥‥‥‥岩の王様警戒してる‥‥‥‥あの人侮れない」
「侮れない?‥‥‥‥だから、ヒルディス達を城内の者達に見つからない様に喚び出してたのか。成る程‥‥‥‥まぁ、この中の部屋もなかなか良いからな。満喫するか。カハハハ!!セツよ。先にご飯に行っているから待ってるぞぉ」
「ん?あぁ、分かった。明日の朝には合流するよ。アナ」
「‥‥‥‥神成。暴走中‥‥‥」
「カハハハ!!何時もの事だ!放っておけ!ルア!カハハハ!!」
「ウィー!」
「あぁ、待って下さい。ルアさん、アナスタシアさん私達を三人だけにしないで下さい!!今の神成 刹那に何をさせられるか分からいんです!!!」
「右に同じよっ!助けなさい!幼女達」
可憐ちゃんとモルジア王女がスカートをたくしあげながら叫んでいる。何をそんなに慌てているのやら。検討もつかないな。
「ウィー!頑張れぇ、可憐ママ、モルジ~!」
「地獄の始まりだな~、可憐~、モルジ~!」
ガチャ‥‥‥‥。
〖黄金の宝物庫〗・神食堂
「ここが七つの秘宝〖黄金の宝物庫〗の中なのですか?ガブリエル様。以前、〖妖精国〗で入った時とはまるで違う場所に思えるのですが?」
「うん。合ってるよ。騎士・ギャラハット。わざわざ、フノス国からアダマス国に転移してもらい申し訳なかったね」
「いや、それは別に問題ないんですが‥‥‥‥この中にはあらゆる種族が入るのですね‥‥‥‥それに列島大陸の神まで居るなんて」
「ナハハハ、皆、好き放題してますよ。街を造ったり、建造物を建てたり、何かを研究したりしてある種の別大陸みたいな世界になってるね~」
「‥‥‥‥成る程。別大陸みたいな世界ですか‥‥‥‥」
「‥‥‥‥こ、これ美味しい!!久しぶりのまともなご飯!」モグモグ!!
「そんなに頬張ると詰まらせますよ。サーシャ‥‥‥‥全く。数年振りに会ったと思ったら何も変わっていないですね。君は」
「‥‥‥‥‥ダリウスは背が伸びたね。イケメンになった。グレイとミルスは元気?」モグモグ
「グレイは失踪中でミルスさんは隠密作戦中ですよ。グレイの奴は何処にいるかも分かりません」
「‥‥‥‥ほうほう。行方不明」モグモグ
「ウィー!来たー!」
「カハハハ!大蛇が造った酒はあるのかー?」
◇◇◇◇◇
再び〖刹那の部屋〗
「ハハハ!!久しぶりに可愛いこのメイド姿を好き放題撮れるぞぉ!!エスフィールやアヤネと委員長の旅の時は、同じ様に写真を撮ってたら、拷問の末、写真を目の前で燃やされてたからな!やったぜぇ!!」
大国同士の戦争が近づいているというのに、何をしているかって?趣味に没頭しているんだよっ!
「はぅぅ!なんで私がこんな格好を‥‥‥‥」
「は、恥ずかしいですが。私は何だか楽しいですよ。モルジアさん‥‥‥‥か、神成 刹那。今度はこの下着を着ければ良いんですか?」
「おうっ!目の前で着替えてくれ!俺は何も気にしないからな」
「は、はい!分かりました!」スルスル‥‥‥‥
「ちょ、ちょっとっ!今の会話明らかに可笑しいかったわよ!何で殿方の前で着替えてるの?可憐!!!!」
「‥‥‥‥賢い王女は嫌いだよ。悶えさせろ〖契約の輪〗よっ!」パチンッ!
俺はモルジア王女の〖契約の輪〗に自分の魔力を込めた。
「貴方様もいい加減に‥‥‥‥てっ!はあぁん♡♡♡♡♡」
「モルジアさんがアラレもない姿に‥‥‥‥か、神成 刹那。着替え終わりましたよ。さぁ、わ、私の恥ずかしくて写真を撮って下さい‥‥‥‥」
「ヨシッ!任せろ!可憐ちゃん!こちとら、委員長にフラれたり、エスフィールが居なくなったりで情緒が可笑しくなってんだ。たまには好きな事で発散してストレスを軽減しないといけないしな!」
カシャカシャ!!
「委員長?‥‥‥‥委員長って、神無月さんの事?‥‥‥‥神成 刹那は神無月にフラれた?‥‥‥‥つまり、今はフリーって事ですか?ボソッ」
可憐ちゃんが何か言っていたが、モルジア王女と可憐ちゃんの素敵な姿を撮るのに必死で聞き取ることができなかった。
そして、俺達は自分達な趣味の世界を満喫していた。
俺は美少女達の羞恥に満ちた色々な姿を撮るのに夢中に。
可憐ちゃんは色々なメイド服とハレンチな下着を着る事に夢中に。
モルジア王女はずっと悶えているのに夢中になったりと、各々がその次の日の朝方まで楽しく趣味を楽しんだのだった。
次の日の朝
チュンチュン‥‥‥‥‥。
「ん?‥‥‥‥もう朝か‥‥ここはベッドの上か?‥‥‥昨日は可憐ちゃん達を撮影する事に夢中でずっと動画とカメラを回していて‥‥‥‥朝方、力尽きたんだよな‥‥‥あれ?俺の身体の上に何か柔らかい物が乗ってる?」
俺は謎の柔らかい物が何なのか確かめる為に布団を退けてみた。
「‥‥‥あれ?私‥‥‥途中で寝ちゃってましたか?」
「は?可憐ちゃんが‥‥‥何で半裸で俺の上に乗ってんだ?」
「‥‥‥‥おはようございます。神成 刹那‥‥‥昨日の夜は楽しかったですね‥‥‥‥‥色々な意味で」
「‥‥‥‥はい?色々な意味で?‥‥‥‥どういう事だ?」
「さぁ、どういう事でしょうね。神成君」
「いや、分かんないから聞いてんだけど?‥‥‥てっ?あれえぇぇ?」
「フフフ、何もありませんでしたよ。何もね」
「‥‥‥‥そうなの?」
可憐ちゃんはそう言うと俺に優しく微笑んだ。
‥‥‥‥本当に何もなかったのか?疑問である。
「ニャアアア♡♡♡♡マギ様♡♡♡愛してます!!!!」
そして、モルジア王女の雄叫びが朝から部屋中に響き渡っていた。