貴石の城と偽りの王子 No.3 砂漠王女 VS 偽物王子
〖白銀の間〗
ドバアァァアア!!!!
「チッ!次から次へと何なんだ?雷と氷の次は大量の水だと?フノス国との戦争前だと言うのに何なんだ!全く!!」
「それを止める為に私達が来たのよ‥‥‥‥それに私の実力の底を下がる為にもね。数日前、冷静になってやっと気づいたわ。私があの〖担い手〗さんの契約者になって入るなんて思いもしなかったわよ!」
ガキンッ!!!
「くそっ!お前のこの力‥‥‥‥いったい何なんだ?!」
モルジア王女とスミス王子代理の力は埋まる事のない絶望的な差が存在していた。
〖黄砂のモルジア〗の圧倒的な技量により、偽物の王子は焦る一方であった。
「そんな力じゃあ、私に勝てないわよ。偽物王子様。風砂魔法〖砂塵弓〗」
「チッ!だまれぇ!!地魔法〖地槍廊〗」
砂の弓がスミスへと放たれる。それに対応すべくスミスは白銀の間の通路に地の槍を造り出す。
「アダマス王家の者は高難易度の地属性魔法を使用すると聴いていたけど‥‥‥何?そのお粗末な土の魔法は?馬鹿にしているのかしら?」
「フレイヤ地方の平和ボケした奴等と一緒にするな!僕は高貴な〖ストール家〗の血筋の者だぞ!」
「〖ストール家〗ですって?それって、イグニッション王家の滅亡と〖ガリア帝国〗がフレイヤ地方に干渉する切っ掛けを使った裏切りの家系じゃない」
「何だと?貴様!僕の家系を馬鹿にする気か?!」
「馬鹿にしてないわよ。事実を述べているだけじゃない。裏切りのストール辺境伯が当時のアダマス王に情けにより、アテナ地方の流刑地に追放されたって伝記には書いてあったわ」
「だからどうした?あれは暴走した馬鹿な子孫共が勝手に起こした事だ!今を生きる僕達には関係ない話だ!」
「僕達?‥‥‥‥」
「僕はあの人に言われた通りに動いて、アダマスの新たな王になるんだよ!!地魔法〖懺悔の地層〗」
「それを認める。我が国〖アリババ〗ではないのよ。風砂魔法〖砂丘の月牙〗」
スミスはその粗暴な魔力で無数の巨大な砂の手を造り出す。それをモルジアに向け一斉に放った。
「生き埋めになれ!!モルジア王女!!!」
「ただの地魔法では勝負にもならないのよ。飛散しなさい!〖月牙の風撒〗」
砂の弓が風爆するその風爆により、スミスが放った無数の砂の手を吹き飛ばした。
‥‥‥‥‥‥。
アリババ・モルジアは自身の複合魔法という稀有な能力持ちながらも厳しい研鑽を積んできた。そして、数年前にはヘファイストス地方の〖オアシス〗で開かれる武道大会で優勝した経験もある武術家の側面も持ち合わせている。
だが、今回の相手。偽りの王子〖スミス〗相手にはその武術を使うまでもない弱い相手であった。
「地魔法の攻撃から‥‥‥風魔法が放つだと‥‥‥?どれ程の才能があればこんな事ができるんだよ‥‥‥どうして年が同じ位でありながらこれ程の才能の差があるんだよ‥‥‥」
「‥‥‥これは才能ではないわ。私が小さい頃からの研鑽で編み出した独自の魔法よ、自身の血筋と産まればかりを気にして努力をしなかった貴方と一緒にしないでほしいわね」
「何だと?‥‥‥‥僕に才能が無いだと?‥‥‥僕が努力をしなかっただと?‥‥‥‥この僕の長年の努力を馬鹿にしやがって‥‥‥‥」
(スミス!ストール家の為にお前は努力し、アダマスの玉座はと返り咲かなければならないのだ)
(‥‥‥‥はい。父上)
(スミス!そんなではアダマス国を手中に納められないわよ!!起きなさい!!)
(‥‥‥‥はい。母上)
(スミス‥‥‥ねぇ。戦闘の才能はないけど‥‥‥呪い魔法、暗殺、謀略に長けているのね‥‥‥‥いいわ。貴方を私の専属兵である〖三炎騎〗の一人に任命するわ。魔神・ジャズと○○○と共にしっかり暗躍しなさい)
(‥‥‥‥はい。フレイ様)
「僕は‥‥‥‥小さい頃からどんな人の指示にもしたがって努力を怠らなかった‥‥‥」
「‥‥‥‥‥そんな指示待ち男、強くなれるわけないじゃない。全ては自分自身で理解して、考えて、行動して得た力で未来を切り開いていくものなのよ。偽物王子様‥‥‥‥‥終わらせましょう。こんなつまらない闘い‥‥‥風砂魔法‥‥‥‥」
「つまらないだと?僕の事を‥‥‥‥お前に何が分かるんだ?恵まれた力で産まれたお前なんかに?!地魔法‥‥‥開示‥‥‥〖地石・大殻撃〗」
「無駄よ。〖風砂の暴虐〗」
地魔法で造り出した地石がモルジアを取り囲む。
だが、そんな攻撃を見ても彼女は一切の同様を見せない。
「鋼鉄の塊ではなく‥‥‥土塊なのね。こんなのが時期、五大列国の王の一人なんてあり得ないわ‥‥‥‥五大列国の王は強さを求められるもの。貴方では役不足よっ!‥‥‥‥切り刻まれなさい!〖砂塵斬地剣〗」
「ぼ、僕の地石が細切れにされ‥‥‥ぐあぁぁ!!」
スミス王子はモルジアが放った地と風の複合魔法によって自身が造りだした土塊と共に身体中を切り刻まれ意識を失った。
「‥‥‥‥勝ったわね‥‥‥しかし、どうしよう。この契約者の誓い‥‥‥‥あの〖担い手〗様は何処まで私を連れていく気何のかしら?」
勝者・アリババ・モルジア