貴石の城と偽りの王子 No.1 鋼鐵の国〖アダマス〗
宝飾の鉱脈と言われる地がある。
魔法大陸に有数ある鉱山の中でも、三番目の鉱脈量を有している。
そして、アダマス国でもっとも鉱山が採掘される場所が国の首都〖ダイヤスミス〗の地下に存在する〖ダイヤガラ地下鉱脈〗である。
その地下は今尚、神話時代の〖神秘〗を鉱脈内に保有し、数多の貴重な魔法石を造り出し。時たま、新石獣を生み出すと文献には記載されている。
そして、その貴重な魔法石を発掘し、他国に輸出する事で莫大な富を得てきた。
鋼鐵の国〖アダマス〗は資源大国として、他国に揺るがない地位を築いているという。
◇◇◇◇◇
鋼鐵の国〖アダマス〗
「ピュルルルルアアアァァ!!!!」
「オォォ!!大きいお城!!!」
「カハハハ!それだけではないぞ。ルア!この広大な都市そのものも相当広いぞぉ!」
「た、高いですっ!ど、何処から現れたんですか?この大きくて白いと‥‥‥キャアアア!!落ちちゃいます!!」
ガシッ!
「危ないわよ。可憐さん!フレイヤ地方の空の天候は地上の高濃度の魔力のせいで荒れ狂ってるんだから気をつけなさい!!」
「ウゥゥ‥‥‥ありがとうございます‥‥‥‥モルジアさん」
「‥‥‥‥久しぶりに来たな。首都〖ダイヤスミス〗。やるぞ!アナスタシア」
「カハハハ!!規模はどうするんだ?セツよ」
「範囲はこの〖ダイヤスミス〗全域に張ろう‥‥‥‥城さえ抑え、スミスとか言う奴を倒せば、後はどうにでもできるからな」
「‥‥‥‥強気な発言頼もしいな」
「俺には君が付いているからな〖氷霊帝〗様」
「カハハハ!!褒めるな、褒めるな‥‥‥‥気分が良くなり本気になるではないか‥‥‥‥始める‥‥‥‥七氷帝の〖青〗が命ずる」
「あぁ‥‥‥‥〖雷帝の加護〗を受けし〖担い手〗が命ずる」
「神話の青を未来と紡ぐ‥‥‥」
「天雷の力を過去と紡ぐ‥‥‥」
「神話・回帰」
「天雷・回帰」
「「〖雪雷・氷結界・アナスタシア〗」」
パキッ!パキッ!パリンッ!!
バリバリバリバリ!!!!!!
氷と天雷が首都〖ダイヤスミス〗の空を覆う。神話の絶対零度と、現代魔法の新たな力たる天雷が何人も通さず、誰も逃さない結界となり。首都を包囲した。
「‥‥‥‥凄いな。これで〖氷雪大陸〗に半身だけとはな。流石、〖七氷帝〗の一柱」
「カハハハ!!だな!カハハハ!それで?この結界から逃げ出そうとするものは全て凍らせておけば良いのだな?」
「あぁ、闘いが終わった後、一人一人、尋問する‥‥‥‥‥後はこの〖天雷〗の力が宿る魔結晶を渡しておくよ。夜まで持ちそうか?」
俺はそう言って〖無個石〗を渡した。
「任せよ!任せよ!今は昼、まだまだ動けてしまうぞ。カハハハ!!」
「そうか。それは頼もしいよ。アナスタシア」
「バリバリ!パキパキッ!シュゴイ!!」
「‥‥‥何なの?この見たこともない広範囲の結界魔法は?」
「ヒイィィ!!悪天候ですぅぅ!!」
「よしっ!空の方は任せたぞ。セクウィ、アナスタシア」
「(ホーホー!了解‥‥‥‥)」
「あぁ、任された!カハハハ!!」
「頼んだぞ‥‥‥北の連中に悟られる前に首都を貰う‥‥‥エスフィールの捜索する為にもな。行くぞ。皆。転移魔法〖接転〗」
◇◇◇◇◇
〖ダイヤスミス城〗
「スミス王子代理!!突然、大規模な災害が空から発生しました!!」
「‥‥‥‥チッ!レッドローズから帰って来た途端に何なんだっ!!傀儡野郎は何をしていたんだ?」
「ア、アダマス王は自室で御休みになっております」
◇◇◇◇◇
〖アダマス王の部屋〗
「‥‥‥‥そうか‥‥‥息子はまだ見つからんか‥‥‥‥そうか‥‥‥‥‥ミルスはまだ見つからないのか‥‥‥‥」
◇◇◇◇◇
「たくっ!例の〖救国の担い手〗とか言う奴の仕業か?だが数日で遠い首都〖アリババ〗から、この〖ダイヤスミス〗に来れる筈がない。どうなったるんだ?!」
シュンッ!
「こうなってるんだよっ!偽物王子。吹っ飛びな!!天雷魔法〖蓬雷〗」
バリバリバリバリ!!!!!
「な、何だ?ぐわあぁぁ!!!」
「スミス王子代理?!!!」
「あの偽物王子はモルジア王女に任せる。俺とルアでこの城を制圧するぞ」
「了解よ。貴方様」
「ウィー!」
「あ、あの私はどうしますか?神成 刹那」
「可憐ちゃんは魔法の袋の中に‥‥‥‥と思ってたけど君には現代魔法の才能がある。俺の近くで現代魔法がどう発動するか良く見ておいてくれ」
「良く見ておいてくれ‥‥ですか?わ、分かりました」
これで良い‥‥‥これでやっと知れる。〖盗賊王〗の末裔の‥‥‥‥アリババ・モルジアの力が推し量れる‥‥‥