最終決戦・魔神竜『ヴォーティガン』No.10 槍と竜~No.13 友との決着
首都『ホーアル』
「‥‥‥はんば、かけだったんだが、成功したな。そして、予想通りと言うか、やはりと言うか」
「知恵の神。勝利の神。救助者。言われは様々ありますがまさか、魔術神『オーディン』様を呼ぶとは、このタマキですら、驚きました。ご主人様」
「召喚術で契約していない存在を、しかも神を呼ぶとなると。呼ぶ、土地に由来する神が来ると踏んでたんだ。本当は、別の神が来るか。『オーディン』様が来るかのかけだったが、オーディン様が来てくれるとは。呼んだでみた俺すら、びっくりしたよ」
対峙する神と蛇竜魔人
「ふむ!天界で隠居していたが‥‥‥‥しばらく見ない間に随分と形が変わったのう!ヴォーティガンよ!」
「黙れ!黙れ!俺は、俺は、貴様の国を破壊し!貴様よりも俺の方が優れていると」
(お、おい!出てくるな!ケラケラケラ!形が保てなくなる。)
「五月蝿い!俺は、オーディンに勝ち!俺の方が優れていたと証明する為に」
「‥‥‥なんじゃ?お主!魔の者に憑かれたのか?‥‥成る程。それでは、ワシとは満足に闘えないのう!‥‥‥‥おい!貴様、ヴォーティガンに憑きし者よ!そこをどけ!神明魔法・『フェング』(分捕品をつくる者)!さあ、ヴォーティガンから別れよ!魔の者」
(や、止めろ、止めろ!離れたくない!離れたくない!ケラケラケラケラ)
「ぐおおお!痛い!熱い!オーディン!貴様!何をした?!」
「あちらの世界の魔法じゃ!馬鹿者!貴様と違って知識を集めるのが趣味だからのう!そのせいで、色々な伝承ができてしまったがな!」
(嫌だ!嫌だ!強い体から離れたくない!助けてくれ!!)
「その魔の者は任せるぞ!現代の魔法使いよ!ワシとヴォーティガンに近づけたら!ただでは、済まぬと思え!」
「ぎょ、御意に!(こ、声~!これが神代のマジモンの英雄オーディンか)雷魔法『雷層牢獄』」
(や、止めろ!アモンヲ閉じこれるな!ヴォーティガンの所へ戻させろ!)
「ど、どうするんですか?ご主人様!」
「いや、正直、コイツ、見た目も気持ち悪いし。『ヴォーティガン』と闘ってる時。俺の友、クエスティング・ビースト(唸る獣)を操っていたのも。多分コイツだろうと思ってたんだよな!」
(クエステイング・ビースト?知ってる!知ってる!バカで、哀れな、汚い、黒い犬だろう?ヴォーティガンの
中でずっと見ていたぞ!ケラケラケラケラ!最後は、俺の甘言に唆されて!死んで行った。空しい獣)
「‥‥‥お前は消してやる!」
(ケラケラケラケラケラケラケラケラ!逆、逆!アモンがお前の心を消してやる!そして、その体を次の宿主として使ってやるよう!ケラケラケラケラケラケラ!)
「悪いが、そうは、ならないよ。俺の魔法でお前は確実にこの世から。文字通り消えて無くなるからな!」
(ケラケラ??たいそうな口振り!流石は次の宿主様!ケラケラ!お前を乗っ取ったら。お前の仲間をお前の手で殺させてあげるよう!ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ!)
「魔道具・発動『天闇の暗闇』」
「ご、ご主人様?その魔道具は?!」
タマキが不思議そうに俺に質問してくる。
「タマキ!これから、俺は聖魔法を使う。前の身体だったら人前で使っても良かったんだけどな‥‥‥幾人かに観られている。その状況では、聖魔法を疲労したく無いんだよ」
「何故です?」
「七聖教会に見つければ。探しのにこられてしまうだろう。他にも色々と」
「それでその魔道具を?」
「まぁ、後は、単純に目の前の魔の者を少し残虐に殺してしまうからな!それを見られたくない」
俺は、『セルビア』の上空に映る。俺達の姿を指差した。
「あれ?でもご主人様の姿が写し出されてる姿と違うような?」
「あぁ、認識阻害と変身の魔法で周りからの俺の姿は、白いローブを深く被った。青年に見せてるからな」
「‥‥‥ご主人様って目立つの余り好きじゃ無いですよね?」
「暗躍が好きだからな」
(ケラケラケラケラ!お喋りは終わりでいいのかい?おかげでアモンも魔力が少し回復できたよ!ケラケラケラケラケラケラケラケラ!‥‥‥乗り移ってあげる!闇魔法・『悪魔憑き』)
「だから、アイツ。さっきから大人しかったのか。聖魔法『闇払いの光』」
闇と光の魔法が激しく唸る。
北・貿易都市『サラマンダー』
「何にゃ?あの、やばそうのにゃ?都市よりはにゃあ?」
「‥‥‥‥カミナリのやろう!とんだ奥の手を用意してやがったか!」
『サラマンダー』「オ、オーディン様?」
南・水源都市『ウンディーネ』
『ウンディーネ』「嘘?あれって?あの方って?我らが王?オーディン様?」
東・要塞都市『ノーム』
「見てごらん!イゾルテ!あの凄そうな人を!」
「まぁ、トリス!本当に凄いのは、貴方の方よ!」
「あぁ、イゾルテ!」「えぇ、トリス!」
「‥‥‥‥あれは?何?‥‥‥魔力の質が‥‥全然、違う‥‥‥」
都市部内
『ノーム』「オーディン様!オーディン様が復活された!こ、こうしてはおれん!ワシも首都に向かうぞ!」
「な、なりません!ノーム将軍!貴方は、ここの最高司令官なんですぞ!!」
西・高原都市『シルフィード』
「シルフィー先生?あの人は?」
僕がシルフィー先生にそう質問すると‥‥‥
『シルフィード』「‥‥‥そんな!まさか‥‥‥オ、オーディン様!!!あぁ、オーディン様!!!」
涙を流しながら。笑顔を浮かべていた。
『セルビア』首都。『セルビア』城内
「メ、メリュジーヌ卿。突然、飛来された、あの方は?」
メリュジーヌ卿は上空の写しだされた映像を見て驚いている。
「嘘でしょう?‥‥オーディン様?‥‥いや、おじいちゃん?‥‥‥おじいちゃんが来てくれたの?此方達の為に?」
フルフルと小刻みに震えだした。メリュジーヌ卿。
「メ、メリュジーヌ卿?」
「おじいちゃん!おじいちゃん!ありがとう!!」
メリュジーヌ卿は、笑顔でそう叫んだ。
首都・『ホーアル』
「どうじゃ?魔人・ヴォーティガン!気分の方は?ニヤリ!」
「‥‥‥‥‥昔から、余計な事をしやがるな!オーディン!」
「魔の者は、現代の魔法使いが何とかするじゃろうて!‥‥‥‥では
我々は」
「‥‥‥‥あぁ、‥‥‥この長年の」
「‥‥‥‥因縁に‥‥‥」
「蹴りお付けるぞ!オーディン!!!!」
「ガハハハハハ!良いぞ!ヴォーティガン!!!では、行くぞ!!!神明魔法・スレイプニル(神竜)・スヴィズニル(槍をもつもの)」
オーディンがそう叫ぶと『セルビア』国の南にある。『王家の墓場』と首都『セルビア』城から勢い良く飛んでくる光がやって来る。
「言葉は力!知恵は勇気!知る、知られるは、叡知なり‥‥‥行くぞ!スレイプニル、スヴィズニル。いや、我が神竜!我が眷属よ!」
「は!我が主の!オーディン様の!」
神竜『オールバニー』神代・回帰・神明竜・『スレイプニル』
「おおせままに!」
眷属 『リスク』神代・回帰・神明槍蛇・スヴィズニル(槍を持つもの)
「我に栄光の勝利をもたらせ!オールバニー!リスクよ!」
「可能です!」
「右に同じく!」
かつての力が再び集う。
No.11 蛇竜滅却
「お、お前達は‥‥‥『バジリスク』と『ジャバウォック』‥‥‥だと?!死んだはずだろうが?!」
「‥‥‥‥ヴォーティガン殿。貴方には感謝しております。我が主の元へ向かわせるとの契約は叶いました。ありがとう。」
「僕も感謝してます。ヴォーティガン。色々あったが、君は最後には、最初の契約を守ってくれた。永久の感謝を」
「‥‥‥何だと?!何故、感謝をする?意味が分からん!何故、俺を憎まない?」
「‥‥‥そんなんだから。いつまで、経っても。お主は成長せなんだ。ヴォーティガン!人や神達の気持ちや感情を理解しないから。過ちを繰り返していくのだぞ!」
「五月蝿い!五月蝿い!五月蝿い!五月蝿い!黙れ!オーディン!貴様に俺の何が分かるんだ!俺を見捨て!人類に付いた。この裏切り者が!」
「もうよい!まずは、その腐った蛇竜と貴様を分離させてやろう」
「はぁ?!何を意味の分からない事を言い始めてが‥‥‥‥がはぁあ?!」
「神明槍蛇・スヴィズニル『グングニル』」
それは、瞬きをする程の一瞬の出来事だった。
ヴォーティガンが話し終える前に、オーディンはヴォーティガンとの間合いを一瞬で詰め。
神明槍蛇・スヴィズニルでヴォーティガンの腹部に大きな風穴を開けた。
「き、貴様!!!」
「神明魔法・『フェング』(分離品を作る者)!‥‥‥‥さぁ、昔の様な純粋な魔人に戻れ!ヴォーティガンよ!神明魔法・『ヴァク』(目覚めたるもの)」
「オ、オーディン!!や、止めろ!お、俺の中の蛇竜が‥‥‥‥‥出て‥‥‥オエーー!!」
(ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、ヒヒヒ)
ヴォーティガンの口から異形の蛇竜が現れた。
「失笑なり!異形の蛇竜よ!神明魔法・『ガウト』(生贄に決められたもの)」
(ヒヒヒ?ヒヒヒ?ヒヒヒ‥‥ぎ、ぎ、ギャ?!)「ギャあ~ーーーー!!」
異形の蛇竜は塵のように粒子になって消えていく。
「俺の力が、俺の蛇竜が消えていくだと?!」
「彼方に送ったぞ!ヴォーティガンよ!今頃は死の海の中だろうよ」
「か、返せ!俺の力!俺の半身を!」
「何を馬鹿な事を言っておる?ヴォーティガン!お主の本来の力を使えなくなっていたのはこの蛇竜のせいではないか!」
「なに?‥‥‥‥貴様は何を言っている!オーディン!!」
驚愕する魔人ヴォーティガン。
「魔人種は本来ならば、もっと、魔力総量が多いはずじゃが。、お主は違う。魔の者と蛇竜にお主、本来の魔力を奪われていたんじゃぞ。それすら、理解していなかったとはな。‥‥‥‥お主がそこまで追い詰めらてしまった責任の一旦はワシにもあるかもしれぬ」
「‥‥‥‥俺の本来の魔力をうばわれていた?‥‥‥俺の力が?あんな、気持ち悪いし奴に?!」
「今さら、気づいても遅いのだがな。‥‥‥‥お主は罪を増やしすぎだ。そのせいで七聖―女神―に目に付いた。ましてや、その中でも一番寛大なお方。ユグドラシル様を怒らせるとはのう」
「そして、あの雷小僧とオーディン!貴様が使いに来たということか?」
「現代、魔法使いはたまたま。今回、『セルビア』にいただけじゃ。本来は別の者達が来る運命だったがな。‥‥‥じゃが、ワシはその通りじゃ、ヴォーティガン!この美しい『セルビア』を‥‥‥いや、ユグドラシル地方を貴様の最後の暴走で破壊させないためにな!」
「‥‥‥‥昔から、貴様のそういう上から目線で悟った様に話してくる所が俺は嫌いだったんだ!」
顔を歪ませて怒るヴォーティガン。
「‥‥‥‥ふん!ワシも。貴様のその腐り切った態度が、昔から嫌いだったのじゃがな!‥‥‥‥やれやれ、2人とも済まんが力を借りるぞ」
「畏まりました。オーディン様」「全ては貴方の為に」
「感謝する。‥‥‥神代・回帰『終点回路』」
「き、貴様!オーディン!!その姿は、神話時代の‥‥‥」
オーディンの眷属。『オールバニー』と『リスク』の力を使い『終点回路』を発動させた。
その魔法は、オーディン、自身を神話時代まで戻す魔法である。
「‥‥‥‥やはり、最後はこの姿で終わらせてやる!ヴォーティガン!‥‥‥魔の者も、蛇竜も取り除いてやった!‥‥‥後は、分かるな?」
「ハハハ、ハハハハハハハハハハ!成る程!成る程!そういう事か!オーディン!!‥‥‥‥良いだろう!決着を着けよう!この、お前との長い闘いに!‥‥‥そして、最後に感謝する。我が永き悠久の友。オーディンよ!!」
「ふん!行くぞ!!!!ヴォーティガン!!!『グングニル』!!!!」
「来い!オーディン!!!神代魔法(黒)『黒蹴』」
永き因縁のある。オーディンとヴォーティガンの最後の闘いが始まった。
No.12 『天界門』
『天闇の暗闇』内
「ケラケラケラケラケラケラケラケラ!凄い!凄いな!お前!次の苗床に相応しい身体だ!ケラケラケラケラケラ!」
アモンは薄気味悪く高笑いする。
「あんな、者が『ヴォーティガン』の中に居たとは、タマキは吐き気がしてきます」
「‥‥‥見た目からして、凄いからな。大きな蝿の様な黒い目に胴体は腐りかけてるし。良くあれで生きてられるよ」
「ケラケラケラケ!誉めてくれているのか?嬉しいねぇ!」
「いや、違うがな。何故、変にポジティブ何だ?あの魔の者は」
「『奈落の底』の住人は何を考えているか分かりませんからね」
タマキが言い終えた瞬間。魔法の袋が光出し。その中きら幼女状態のイフリート様が現れた。
「イフリート様?」
「主様。すみません。セツはどうしても!‥‥‥」
俺は無言で転移魔法陣を開き。イフリート様に笑顔で語りかける。
「行って下さい。イフリート様!久しぶりのオーディン様ですね!それから、この転移陣営陣は、東西南東の大都市の方にも。此方に来れるようにしてありますので」
「‥‥‥はい!感謝します!現代の我が主」
イフリート様はそう言うと。転移魔法陣へと入って行った。
「何だい?何だい?お祭りかい?俺も行くぞ!ケラケラケラケラケラケラケラケラ!」
魔の者‥‥‥‥いや、アモンは高笑いしながら。イフリート様が通った転移魔法陣へ向かってくる。
「行かせませんよ!『金の鎖』」
「ぐ、グキャエアア!!」
ジャラジャラと音をだしなから。タマキの『金の鎖』で束縛されたアモンが、奇声をあげる。
‥‥‥アモンよ!これ以上。エウロペ大陸での所業は許さない」
「ケラケラケラケラケラケラケラケラ!許さないだって?お前に俺は殺せないよ!ケラケラ!人族では俺達は裁いたり。浄化したりはできないの!分かる?君?ケラケラケラケラケラケラケラケラ!」
馬鹿にしたような笑い方で再び高笑いする。アモン。
「あぁ、俺はお前を裁いたり。浄化したりはできない」
「そうそう、だから、君はその身体をこの、アモンに‥‥‥‥」
「だが、お前を天界へと送る事はできるぞ!アモン!!!聖魔法『天界門・光臨』」
俺は手に持った。『ラファエル』を天へと仰いだ。
ラーラーラーラーラー
ラーラーラーラーラー
ラーラーラーラーラー
「これは?歌?ですか?」
タマキが不思議そうに聞いてくる。
「あぁ、『天界門』が現れる時に現れる使いの者達が歌っている」
「使いの者達ですか?」
「そう、『ワルキューレ』だ!」
「な、何だ?何をしたんだい?ケラケラケラ?」
先ほどまで、高笑いしていたアモンも場の雰囲気が変わった事に気づいたようだ。
ドスーーーンと『セルビア』国。上空から大きな白い門が降って来た。
「あ、あの、デ、デカイ門はなんだい?」
「‥‥‥『天界門・開錠』」
俺は静かに唱える。
すると『天界門』がゆっくと開き。複数人のワルキューレ達が現れた。
「や、止めろ!嫌だ!何をする気だ!!」
『金の鎖』で束縛された。アモンが大きく動揺している。
「では、皆さん!」
「はい、お姉様!」
「‥‥‥せーの!」
「やーー!!」「はぁ!!!」
ワルキューレのリーダー格の女性が、一言言うと他のワルキューレ達が一斉にアモンに向け。白い槍で串刺しにした。
「ギャあああああ!ケラケラケラケラケラケラ
ギャ、ギャあ~ーーーー痛い!痛い!ケラケラケラケラケラケラケラケラ!」
「では、行きましょう。‥‥‥皆さん!」
「はい!」「はい!」「了解です!」
ワルキューレのリーダー格の女性が号令すると『天界門』へワルキューレ達がアモンを連れて入っていく。
「嫌だ!助けて!ケラケラケラケラケラケラケラケラ!行きたくない!裁かれたくない!ケラケラケラ!!ギャあ~ーーーー!」
アモンが『天界門』の白い門を潜るとアモンの声がしなくなった。
そして、最後にワルキューレのリーダー格の女性が俺に目配せしてくる。
「‥‥‥‥うん!」
俺は、笑顔でワルキューレ‥‥‥『ブリュンヒルデ』に頷き。『ブリュンヒルデ』も俺に笑顔を見せた。
「では、神成殿。いずれ‥‥‥」
「ありがとう。『ブリュンヒルデ』!!さようなら!」
「はい!」
『ブリュンヒルデ』はそう言うと『天界門』へと入り。消えて行った。
そして、この場にワルキューレが居なくなると『天界門』も白い粒子になり。消えていく。
「ご、ご主人様。あの、ワルキューレとか言う人?『ブリュンヒルデ』さんですか?何者です?お知り合いですか?」
「ん?あぁ、タマキと出会う前に色々あったんだ。色々な」
「‥‥‥また、うちが知らない所で大冒険が。‥‥‥ご主人様はいったい。どれだけ、現地妻を抱え込めば気が済むのですか?ウキーー!ウキーー!ウキーー!」
そう言いながら。タマキは俺の頭をポカポカ叩いてくる。
「こ、今度、ゆっくり話してやるよ。お猿のタマキさん。だから、叩くな。禿げるだろう」
「ウキーー!ウキーー!タマキは狐です!ウキーー!ウキーー!」
タマキはそう言いながら。俺の頭を叩き続けた。
「ウキーーーー!」
魔の者『アモン』浄化完了。
『魔法の袋』の中
(ねえ、ラファエル!何で、あの『天界門』へ入らなかったの?)
(馬鹿ね。ウリエル!あの『天界門』は天界に行く訳じゃ無いわ)
(天界に行く訳じゃない?どういうこと?)
(ガブ、貴方もなの?あの『天界門』は‥‥‥)
(冥界行きよ。ウリエル!ガブリエル!)
そう言ってきたのはルシファー。
(ル、ルシルシ!ちょっと。それを今から私が説明しようと)
(‥‥‥ラファエルが遅いから‥‥‥遂、ごめんなさい)
(ふ、ふん!可愛いから許すわ!ルシルシ)
(か、かわ私がかわなの?)
(かわよ!ルシルシ!そんな、事より。最近、魔法の袋の中に入ってきた地球産の冷凍ケーキみんなで食べに行きましょう。ほら!)
(あっ、ちょっと!)
(‥‥‥クール系とツンデレ系って相性最悪な筈なのに)
(何故か、あの二人は昔から仲良いよね)
(不思議ね‥‥私達も行きましょう)
(了解ーー!ミカエル!)
『セルビア』では争乱真っ只中だったが、魔法の袋の中は平和そのものだった。
No.13 友との決着
首都『オーディン』東地区『ホーアル』
「ハハハハハハハハハ!どうした!どうした!オーディンよ!いきなり、弱くなったか?おい?!」
ヴォーティガンはオーディンの右腹部に打撃を与える。
「ふん!自身、本来の力を取り戻して浮かれ始めたか!ヴォーティガン!お前の昔からの悪い癖だな!喰らえ!」
オーディンもすかさず!ヴォーティガンの顔面に強烈な拳をふるう。
「く、そがあ!!」
それは、最早、神代魔法や魔竜闘技等を使わない純粋な肉弾戦。
「ぐぅ!己!!」
「ふん!片眼だと視界が悪いだろう?オーディン!!うらあ!!」
「ぐう!!くっ‥‥‥‥」
「どうやら、純粋な力。勝負では、俺に勝てない様だな!それにお前は、昔と違って。片方の目は潰れているようだしな!ハハハハハハハハハ」
高笑いする。ヴォーティガン。
「‥‥‥‥‥もう一つ片眼ならある」
「あん?!何をおかしな事を言ってやがる。オーディン!遂に馬鹿になったか?ハハハハハハ」
「ある!あるのだ!この首都・東地区『ホーアル』に封印した。俺、自身の目がな!」
「‥‥‥ふん!負け惜しみだな!オーディン!‥‥‥決着を着けてやるよ!」
ヴォーティガンはそう言うと拳を構える。
「‥‥‥ミーミル殿。一時、お返し願う。グロンズ殿は俺に勝利の美酒をくれ。‥‥‥ユグドラシル様!『ルーン文字』の使用を願う!!!!」
「オーディン!貴様、さっきから何を言って‥‥‥」
オーディンがそう叫ぶと『ホーアル』の地下水脈から藍色の球体が現れ。
『セルビア』城からは金色の酒瓶が現れた。
世界樹『ユグドラシル』からは謎の色の文字が飛んで来た。
高座につくもの
『スキルヴィング・オーディン』再来である。
「‥‥‥ふん!両目が揃った所で何が変わると‥‥‥」
「ならば、試すか?ヴォーティガン!行くぞ!神話魔法『ヒルドールブラ』(戦の狼)」
「な、さっきよりも速く?!ぐおおお!!」
ヴォーティガンはオーディンの攻撃を受け。数百メートル向こうへと吹き飛ばされた。
「ぐう!!うう!」
「まだ、終わって無いぞ!ヴォーティガン!神話魔法『世界樹の吊り下げ』」
「な、く、首に圧が!!ぐ、ぐるじい!おのれ、オーディン!!」
「本来の力を取り戻して慢心しすぎなんだよ!お前は、これで最後だ!神話魔法・『シグチュール』(勝利の神)」
「ぐ!この攻撃はああああああああ!!!ぐそ!!!!!」
ヴォーティガンは吹き飛ばされた。首都『オーディン』中央区にある。中央教会にある大きな鐘に。
どごおおおおおおおおん!
「がはぁあ?!」
首都・中央教会大鐘楼
ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!
その勝利の鐘は『セルビア』を‥‥‥‥いや、エウロペ大陸全体になり。響く。
「‥‥‥‥我に勝利の美酒をもたらせ。「詩人の蜜酒」!!」
オーディンがそう唱えると。無残に崩壊した。建物が修復していく。
「この長きに渡る。友との因縁に終止符を!そして、我が建国せし、『セルビア』に栄光の光を!!」
勝者・オーディン・セルビア
最終決戦・魔神竜『ヴォーティガン』
終




