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ここは任せます


〖フノスエル王城・玉座〗


「は?〖ラグナログ(神々の黄昏)〗の〖太陽〗がフレイヤ地方の人々を生贄に高次元の何かを喚び出そうとしているだって?」


「‥‥‥‥‥大量虐殺」


「そうなんです。ガラ先生、サーシャ‥‥‥‥それにしても久しぶりですね?もう〖幻獣の楽園〗の旅を終えて、〖魔術院〗と〖妖精国(アルフヘイム)〗に戻ったんですか?」


「‥‥‥‥何、他人事みたいに言っているんだい?セツナ!!君が私と共に〖幻獣の楽園〗へ来てくれなかったせいで、私達はシスターエリスを守る〖守護獣騎士〗に任命されてしまったんだよっ!ていうかっ!何であの〖聖女〗は昔の君みたいなデタラメな強さをしているんだい?模擬戦で私とサーシャ、トリス達が束になっても全然勝てなかったんだっ!」


「‥‥‥‥ウゥゥ‥毎日の特訓はイヤァ~‥‥‥‥脳筋シスターの指導でこれ以上強くなりたくない‥‥‥‥」


「あぁ、そのせいで自分の強さの限界の壁を越えてしまたんだよ」


「へ~、それは大変でしたね‥‥‥‥」


泣いたり騒いだり五月蝿いなこの二人。つうか、ガラ先生。少し性格が変わったか?‥‥‥‥‥でも確かにセルビアで会った時よりも数段、魔力の質が向上している。


これならフノス王の護衛を任せても大丈夫そうだな。


つうか、あの〖聖女〗様は〖幻獣の楽園〗でボス猿にでも転生したのだろうか?それは何とも適正なポジションに落ち着いたといえるだろう。


関わらない様に立ち回ったお陰だな。

俺とエリスが一度でも再開した瞬間。俺の地獄の日々が始まってしまうし、会わないのがベストな選択だと今でも思っている。


「セツナ!!何で黙っているんだい?それにセルビアの時とは随分と旅のメンバーが変わっているのはどうしてなんだい?」


「‥‥‥‥幼女に‥‥‥黒髪眼鏡‥‥‥褐色美少女‥‥‥選り取りみどり‥‥‥」


「俺の頼みを聞いてくれたら、自由をプレゼントしますよ」


「何だって?」


「‥‥‥‥じ、自由?!!」


ガシッ!ガシッ!ビリビリビリビリ!!!


「えぇ、一時の‥‥‥‥てっ!俺のフードを強く引っ張るなぁ!!!破けるだろうがあぁ!!」


二人は必死の形相で俺が着ているフードを掴んだ。

そして、案の定破けた‥‥‥‥これ、ヘファイストス地方の〖リルの羽衣〗から作ってもらった特注品だったのになぁ‥‥‥‥。


「あっ‥‥‥‥」「‥‥‥‥不味い」


コイツら‥‥‥‥‥俺にどれだけ恨みがあるんだ。いや、当然といえば当然か。サーシャ達を〖幻獣の楽園〗に行く様に仕向けたのは俺だしな。


いや、その前にガラ先生の〖幻獣の楽園〗への同行願いがしつこかったからだが。今、それ所ではないな。


「‥‥‥‥‥とりあえず。二人はフノスエルの城で暫く滞在して下さい。さっきは簡単にしか今の現状を説明しなかったから‥‥‥‥‥魔道具〖白書の手記〗」


俺は何も記されていない紙に自身の魔力を使って、フレイヤ地方の現状の情報を事細かに記した。


ポンッ!


「おぉ!それは昔、私が教えてあげた〖白書の手記〗だね」


「‥‥‥‥‥禁忌の魔法。兄弟子‥‥‥この魔道具、何処で見つけたの?‥‥‥‥」


「静かにしろ。サーシャ‥‥‥‥これにフレイヤ地方の事を細かく書いといた。それから〖幻獣の楽園〗から〖魔法族の里〗に行く方法もな」


「‥‥‥‥〖魔法族の里〗?何で?」


「そうか!成る程。そっちのルートがあったか‥‥‥だけどそっちのルートだと〖影の国〗を通るリスクが出てくるね。セツナ」


「その時は影の国の偉い人に〖救国の担い手〗の友だと伝えて下さい。その後は〖魔王領〗の魔王代理の方と謁見してもらえば、〖魔術院〗か〖妖精国(アルフヘイム)〗へと送り届けてくれると思います」


「‥‥‥‥‥私達が鍛えられている間に色んな所の人脈を広げていたのかい?君は?!」


「‥‥‥‥オォォ‥‥‥自由の旅。羨ましいぃぃ!!」


「お、おいっ!や、止めろ!!また、俺の新しいフードを力強く引っ張るなあぁぁ!!!」


ガシッ!ガシッ!ビリビリビリビリ!!!


「あっ!」「‥‥‥‥しまった!」


‥‥‥‥コイツらどんだけ俺に恨みがあるだ。この新しく新調したフード。ユグドラシル地方の〖ラルの皮革〗で結構、貴重なものだったんだけどなぁ‥‥‥‥。


「ハァー‥‥‥‥とりあえず。ガラ先生。この〖白書の手記〗は先生に預けておきます。後はこの収納魔道具を‥‥‥‥」


俺はそう告げるとガラ先生に首輪の魔道具を渡した。


「‥‥‥‥これは‥‥‥うん。分かったよ。君の貴重なフードを二着も駄目にしてしまったしね。こんな珍しい物を貰えるなら、フノスエルに残ろう」


「‥‥‥‥私はご飯を‥‥‥オォォ!!」


「ここに住んでれば旨いもんならたらふく出してくれるぞ。サーシャ」


「‥‥‥‥ご飯?!‥‥‥‥オーケー!了解‥‥‥‥」


「あぁ、頼むよ‥‥‥‥これで話しは纏まったな‥‥‥‥」


「ウィ‥‥‥話し終わり?」


「〖臨界突破〗者とは珍しいな‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥また、別の女の子が現れました」


「鋼鐵の国‥‥‥‥に行くのね」


俺達の会話を見ながらルア達が何か話しているのに気づいた。


「ルア、アナスタシア、可憐ちゃん、モルジア王女。今回は少数精鋭で行く事になるが‥‥‥‥‥噂に聴く〖黄砂のモルジア〗の力が見れるのは少し楽しみだな。じゃあ、ガラ先生、サーシャ。フノス国の事はよろしく」


「了解だよ」「‥‥‥‥美味しいご飯」


「ダリウスさんもすみませんが、よろしくお願いします!」シュンッ!


「ナルカミさん!今、愛していますと言いましたか?!!!!ナルカミさん!!!!」


「なんだい?この剣士さんは?」


「‥‥‥‥飯‥‥‥‥」


こうして急遽喚んだ。ガラ先生達にフノス国の護衛任せて、今回の旅の一行である俺達は鋼鐵の国〖アダマス〗へと、休む暇なく転移し向かうのだった。



鋼鐵の国・〖アダマス国〗編。開幕


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